MIDORI NAE
2008年 ヨルダンのバカアにあるパレスチナ難民キャンプで行った壁画プロジェクト。『MIDORI・NAE』は、現地の子供と日本からの参加で行った企画。木製の板に切る抜かれた苗の記号を子供達の通う児童施設の壁に複数描いた。当初予定されていた2日間から大幅に時間の制限が変わり、数時間というまったく先の読めない状況で企画はスタートした。描くものは2種類の葉を出した植物の苗、そこに生息する植物を見ればその場所がどのようなところかが見て取れる。ただシンプルにそこに植物を描き植える形で作品は描き進められた。何万年もかけて土地や環境に適応し定住しながら進化した馬のように、果てしなく長い時間がかかるかも知れないが思考の中に進化が起こる事を願い制作した木製の苗の切り抜き。現地の子供たちと日本からの参加者が短い時間に描いた『MIDORI・NAE』の壁画が、難民キャンプで過ごしている人たちに、今後どのような形で残るのは、現段階では分からないが。少しでも想像のきっかけになればと思う。