HALF AND HALF JOURNAL
無 意味 な 破 片 無意味な破片
Fragments
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★〈シャイニー・ストッキングス〉が通っても、街路がしゃれていなければ[A] ☆ ☆ ☆
Updated 2013.8.29 特派員―これは、あの大町の入口の交差点? アロマ―ええ、そうよ。高橋薬局のビルが取り壊されて、となりのカー・パークもつぶされて、均一に砂利が敷かれた。現実か、と思った。 半分半分放送局長―1週間前に通ったときは、ビルがあったな。老朽化のため移転するという張り紙を見たけど、早いな。 交差点の角 特派員―殺風景という言葉がぴったり。街らしくないよ。 ナモネ氏―壁の上は警察署があったところだ。56年の大火で焼けて、郵便局が移った。壁の前は〈中劇〉という映画館だった。高橋薬局は、大火のあと区画整理で斜向かいの角から移ったと思う。日本が物質的に豊かな国になって、ほっとして文化生活を楽しんでいたら、舞台が壊れてゆくとは、何ということだ。 放送局長―その気持、よく分かりますよ。あれは市民が反抗的につくり上げた作品だ。 ☆ 特派員―条例で規制すればいいんですよ。条例で。 ナモネ氏―編集長は何か考えてなかったか ? 特派員―大館市が9年前に作成した都市計画を読んでましたよ。UG建築事務所がプラニングを引き受けたやつです。 アロマ―アジサイ型の都市のイメージ、なんて言ってね。 特派員―そうそう、それで編集長は、広い面積の空地はあの基本構想を食い荒らしてしまうというようなことを言った。 ナモネ氏―私は最初からあんな下手な絵には信用を置かなかった。〈安全安心〉の街とか目標の一つにしてるが、な。 放送局長―〈安全安心〉とは何か、ご存知でない。自冶体のトップ・リーダーは危機的な変化に対して意見を表明する責任があるよ。 Cat willow 2013.7.15 ☆ アロマ―栄町もいつの間にか空地が増えましたね?表通りはそうでもないけど、裏に回ると、伊藤羽州建設の周辺は野原よ。 編集長―アウトドア名人もあきれてるよ。住むことは最小限の基本的な人権だ。それがなければ、生活の可能性もありえないね。ただ存在するだけの生きものだ。 特派員―南オセチア紛争では4万人の市民が自分の家から追い出された。 ナモネ氏―経験から言うと、まともに考えるのがむずかしい。 放送局長―住居から追い出して難民にするっていうのは、今や政治的なプロジェクトだけど、他の地域に移動させることも同じような手法だよ。 特派員―それの裏面は、ぼくが見ぬいた。見せしめ効果がある作られた劇場。 アロマ―大町のはせがわ化粧品はどうなってるのかな?高橋薬局斜め角の仮店舗に移って1年以上よ。 放送局長―映画セットみたいなもんだ。 編集長―超国家主義者は有限性の運命を悟るべきだ。どうにもならないよ。 ☆ ☆ ☆ A Shiny
stockings ; Harry James & His Orchestra |
★〈あなたのそばに〉と願うのは誰でも同じ[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.8.23 聖パウロ教会と幼稚園 建設水道委員会―7階建てとする説明は議会にあったか? 当局[都市計画課]―PFI導入可能性調査の報告で高層化の予定は示した。 建設水道委員会―4階建てに変更できない理由は何か? 当局[都市計画課]―工期の延長、設計のやり直しなど、変更で生じるリスクを総合的に判断して当初の計画通りという結論に達した。 建設水道委員会―このまま進めることは大変な問題。 半分半分放送局長―議会とは建設水道委員会のことだな? 特派員―名前のとおり。屈折した話法ですよ。 編集長―説明を聞いてないから、そう質問してるんだ。報告の日付は? 特派員―分かりません。市議会がだまされたとしたら、大変なことですね。 ナモネ氏―〈高層化の予定〉と書いたか、他の表現だったか、な? 編集長―去年3月の実施方針書にそれを書かなかったのは、おかしい。高層化それ自体が市営住宅整備条例に違反することだから、何とかごまかそうとしたように見える。 ☆ アロマ―幼稚園の前から見ると、明らかに建築基準法の日影規制に引っかかるわよ。 放送局長―ああ、計算しなくても、な。青空が見えないなんて、かわいそうだよ。 特派員―教育委員会が黙っていていいんですか、ね? ナモネ氏―日照権の問題で住民が請願書を提出したが、市議会はこの機会に調査する必要がある。 編集長―リスクの中味が分かれば、おもしろいな。大館市が損をするはずがない。 放送局長―しかし、社民党と共産党が反対してないな。 アロマ―あれには全員賛成なのよ。 ナモネ氏―残念だ。こんなに空地が増え広がれば、大館市は小畑市になってしまう。 アロマ―えっ、畑だらけの街に??? 放送局長―独創的な都市、独創的な文化… ☆ ☆ ☆
A Near you ; Andrews Sisters ▼PFI事業方式による市営アパート建設;大町マンションの外壁の色はどこで決定されたか? ▼箱づくり; 市営3アパートの建てかえは必要か? [都市計画課の回答] 砕石プラント report
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☆ ☆ ☆ Updated 2013.8.19 アロマ―米さんは表参道の同潤会アパートに入ったことがあるそうだけど? 半分半分放送局長―ああ、好奇心で内部を見ただけだよ。横の通路はあった。住居は狭苦しいスペースで、企画事務所や何かが多かったように思う。そこで仕事するのがイメージ・アップにつながるから、な。 向町アパートと裏町 放送局長―建てかえされる大館市営アパートもそういう構想で再利用できるんじゃないかな?防火設計の向町アパートは階段しかなくて独創的だよ。 アロマ―賛成。あの地域の活性化もテーマにしてるんだから、スクラップにするのは短絡的ね。 ナモネ氏―私のアイディアは、言わなくても分かってると思う。大火記念館だ。3階と4階に横の連絡通路を作り、大火記念館に改造する。 アロマ―1階と2階は ? ナモネ氏―2階は広い空間の住居にする。1階は、放送局長のヒントを取り入れて、店舗に利用すれば、楽しい通りになるかもしれない。 放送局長―軽快なテンポで行けばいいけど、な。たとえば、こういう店を開きたいと希望を言う市民が数人いれば… 特派員―新町アパートでも中町アパートでもできることですよ。 ☆ 保滝沢集落 2006 ナモネ氏―悪賢い市長だ。2LDK30戸という数字で面積を疑えばよかった。 特派員―LDKというのを見ても、特派員にはまるでイメージが湧かないんですよ。リヴィング、ダイニング、キッチンのことだな、と思うだけで。 放送局長―ひとつの空間にあるんだよ。ゾーニングに想像力と経験が生かされる。 ナモネ氏―言いたくはないが、ぞう、とする空間だよ。 アロマ―7階建てになれば、大変だわ。北側の市道の向こうに真夏でも影が落ちる。幼稚園の子どもたちがかわいそうよ。犠牲にしていいの? ナモネ氏―そうだ。アパートの住人も、良心があれば、いい気持はしないな。中町アパートに引っ越した日景のばあさんも向町にもどって住む気にはなれんだろう。大町アパートで暮らしていた女性だよ。 特派員―そうなれば、新しいアパートはいつまでも空っぽのままだ。 アロマ―人間が住むっていうことをどう考えてるのかな、あの人たちは? 保滝沢集落 2006 アロマ――大雨で集落が孤立状態にされた。 ナモネ氏―今度は花岡土建を孤立させればいい。道路建設ではないのだ。 特派員―大館市は、市民の誰も住まなければ、毎年無駄金を使うことになりますね。それ以上馬鹿馬鹿しい話はありませんよ。 ☆ ☆ ☆ A No problem ; Duke Jordan trio 1北鹿新聞2013/08/13 ▼ PFI事業方式による市営アパート建設;大町マンションの外壁の色はどこで決定されたか? ▼ 箱づくり; 市営3アパートの建てかえは必要か? [都市計画課の回答] 砕石プラント report
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★涼しくさわやかな〈明るい表通りで〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.8.7 特派員―高松宮とのリンクのような事柄はありませんか? 編集長―エビスビールの王様の仮面と、それから、ブルーバードが怪しいかな? 放送局長―王様の仮面? アトリエの庭 ナモネ氏―エビスビールと言えば、工場の片隅に恵比寿駅があったもんだ。 アロマ―編集長の父秀之は恵比寿で生まれてる。母親の女官関口タキにもリンクしますよ。 編集長―それは、大学2年の12月だったか、母の手紙で知った。 ナモネ氏―ハルさんが亡くなったのは、その年の9月1日だったな。 編集長―それが古い秘密を書かせた。恵比寿の関口という旧家で起きた不倫事件で、離縁されたが、あとで許されたということだ。 放送局長―関口隆吉の子孫の家か? 編集長―どういうつながりがあるのか、20世紀末に調べたけれど、分からないなあ。ともあれ、母の手紙を読んで、ぼくは悲劇の舞台に行った… 放送局長―エビスビールの王様の仮面に会いに、ね。 編集長―恵比寿駅からしゃれた坂の通りを散歩した。渋谷川の河岸段丘で、丘を降りる手前にそこだけ雑草が茂った広い空地があった。洋館があったような印象を受けたな。それから天現寺交差点に降りて、広尾病院を回り天現寺橋から川沿いに渋谷にもどった。天現寺は忘れられない名前だ。恵比寿駅から歩いた丘の断面は大館橋から高台の終端までの地形に似ていて、喜之助が大館橋のたもとを選んだのをおもしろいことだと思った。 ナモネ氏―洋館の位置は、そうすると、大館のNHK通信局がある原っぱだな。 放送局長―丘の下の交差点からまっすぐ1km行けば、高輪の高松宮邸が見えた。 ☆ 特派員―ブルーバードというのは? 編集長―日産の普通乗用車ブルーバード。1960年12月喜之助が亡くなったけれど、悪い法律ができたせいで木工所の経営がデッド・エンドに追いこまれていた、そんなときに、父は軽自動車から普通乗用車に切りかえた。新鮮なデザインのマツダ・ファミリア。神明社の神主を呼んで稲荷神社でお払いをしてもらった。これは心臓病の妹を3中に送り迎えした車だった。その4年後か、家具木工組合と合併してからしばらくして、乗り回したのがブルーバードだ。新車でないけど、テレビで派手に宣伝したとおりアメリカ風のスマートなデザインで発想がユニークな名車だった。ぼくが高校生のときだ。バスや列車にも乗りたいな、と思ったな。今のは冗談。 ナモネ氏―あのブルーバードにはびっくりしたもんだ。はせ川食堂がわびしくなっていたときだ。 編集長―ナモネ氏はテレビの前でよく言ってましたね。〈悪貨は良貨を駆逐する。〉 ナモネ氏―悪貨というのは粗悪な原料で作った貨幣のことだよ。 編集長―その通りの状況だった。ぼくが宣伝のアイディアを出しても、父と母は消極的だった。 アロマ―ブルーバードの想い出は高松宮喜久子妃がエセーで書いてる〔1〕。無免許なのに、メイカーがプレゼントしたそうよ。 編集長―そう、あれは予期したことで、暗示的だ。他に書く理由がないね。 特派員―空襲を受けた夜の東京を車で走り回ったことをどこかで一言書いてるけど、それをリアルに書いてくれたら、少なくとも歴史の参考になる。 ナモネ氏―あれは、実際いい意味でも悪い意味でも感情を刺激した車だったよ。陰謀のうわさが何度も流れて、重苦しい季節だった。 編集長―鳳鳴高校に入学した第1日目から嫌がらせが待ってたな。新入生リストに名前がのっていなかった。 放送局長―昔ちょっと聞いたことがあるけど、車1台で陰険な連続ドラマになるのか?しかし、今日の話は映像的なおもしろさがあるよ。 ☆ ☆ ☆ □ V字型の階段の記憶 37 A
On the sunny side of the street; Tommy Dorsey and His Orchetra ▼ List 1 V字型の階段の記憶 21; 大館橋は特別な橋だよ 不倫事件 恵比寿、広尾 ▼ List 1 v字型の階段の記憶 1; あの階段には何かあるな ▼ List 2 有栖川宮の歴史; 有栖川宮公園のミステリー 高松宮邸 ▼ List 1 恋文横丁の暗い記憶C:〈キャンティ〉から高松宮の光輪閣へ 戦前の自動車フォード ▼ List 1 V字型の階段の記憶 2; 長谷川テルという抗日戦線のヒロイン |
★ノスタルジックで新鮮な〈マイ・インスピレーシュン〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.8.3 きみまち阪から小繋を見る 編集長―3代屋久(いえひさ)は巡礼したとき京都御所紫震殿の砂を買ってる。 ナモネ氏―巡礼が好きな家で、な、回国巡礼のひそかな理由を考えさせるよ。 ☆ 半分半分放送局長―そう言えば、長谷川喜之助は歴史的な信頼がある人だな。関東大震災前の写真を見たときの第一印象は、歌舞伎役者。妙な印象だと思った。 ナモネ氏―戦前の喜之助という人はロシア人のようだった。口髭を生やしてクリーム色の洋服を着ると、よく似合ったもんだ。そうだ、横岩の田村鉄工所の建物が新しくなったころだ。 編集長―ぼくはそう思ったことがないな。 ナモネ氏―喜之助という名前は、そんなわけで、ロシア風の響きがあった。 編集長―ただ、長谷川木工所の屋号は円の中に喜ぶという漢字で、マルキ。フランス語で侯爵という意味だな、と思ったことがある。 ナモネ氏―サハリン帰りの林が尊敬した、おそらく唯一の日本人だよ。 編集長―弘前に飲みに行く途中ぼくにもひとり言のように話してくれたことがあって、喜之助はいつも〈おれはこう思うが、おまえはどう思うか?〉と相手に聞いたそうです。知らない一面だった。 放送局長―ハセはコピーだな。大館のデカルトだよ。何か重要な役割を演じられそうな人だな。 編集長―役割で想い出したけれど、リヴァー・ユートピアの撮影で引欠川下流に行ったとき早口方面に山越えする道路がないことを奇妙に思って、父に言うと、喜之助が自転車でその辺に連れて行ってくれた少年時代の話をした。その辺は南部藩と官軍の最後の戦場で、ハチ公の出生地だった。喜之助やハルと一緒の想い出話は他にないね。 放送局長―象徴のメッセージだ。何かあるな。 ☆ ナモネ氏―ところで、喜之助と博英の線は戦後分かったもんだ。民主主義憲法を問う第1回総選挙で長谷川喜之助と高橋家が応援したときだ。博英が大館生まれでなく二ツ井の仁鮒(にぶな)生まれだということは、喜之助の姉キンさんの末娘つまり編集長の母スミさんが話すまで知らなかったもんだ。 編集長―どこかに共通の水源がある、ね。おかしなことに、母は自分の母親について話すと、かならず〈きれいな人だったよ〉と最後につけたす。かわいい顔のおばあさんだった。 アロマ―あたしもそう言われてみたい。 編集長―戦前は天神荘で働いたこともあるそうだ。 ナモネ氏―なるほど。幾何学的な構図が見えてきたな。 特派員―それから、山本嘉次郎監督の《暗黒街》も忘れてはいけませんよ。東大館駅前から火が出た大館大火の予告編みたいな映画だけど、主題曲を作曲したのは団伊玖磨。それも博英とリンクしてる。 ナモネ氏―山本嘉次郎が頼んだもんだな。 放送局長―たぶん、な。しかし、まあ、一休みしてタバコを吸わせてもらうけど、三菱財閥と三井財閥が大館橋で手を握っていたとは、お釈迦様でもご存知なかっただろうな。 ☆ ☆ ☆ □ V字型の階段の記憶 36 A My inspiration; The Bob Crosby Bob Cats 1 安藤昌益の地域と時代 別編 比内文化の伝統 北比内太田新田村長谷川家 ; 愛知教育大学 日本思想史 三宅正彦教授 明治維新の戦い 菅江真澄と秋田 敗戦後の博英 ▼ List 1
V字型の階段の記憶 10; 地平線をさすらう感じが出てる 作曲家団伊玖磨と大館 大館橋と真中橋の歴史 ▼ List 1 V字型の階段の記憶 21; 大館橋は特別な橋だよ etc. |
★色気が漂う〈ブラック・コーヒー〉はまるで他の歌のようだ[A] ☆ ☆ ☆ Updated
2013.7.31 正面から見た橋 ナモネ氏―大火のあと建てた。1階は柱だけで、庭の物置きに使ってる。2階、3階が生活の場だ。つまり、橋の上に住んでいたわけだよ。 半分半分放送局長―秘密を語ってる。 特派員―ええ、馬車で大館橋を通りながら12本の街灯がないのを見て、博英は何を考えたか? 編集長―ジャーナリスト博英が馬車から降りなかったとしたら、三流映画だ。 ナモネ氏―博英の娘さんたちに制作してもらうのが一番だ。 ☆ 放送局長―敗戦後、石田博英は衆議院議員になったけど、あるとき作曲家団伊玖磨と〈タキシードの会〉というのを結成した〔1〕。タキシードを着て出席するのがルールのように思えるけど、なぜタキシードだったのか? リトル・ブリッジ 左側 編集長―《パイプの煙》…団伊玖磨のあの軽妙なエセーは高校時代の愛読書だったね。 特派員―祖父は原宿駅から千駄ヶ谷駅のあいだに広がる屋敷の前で暗殺された。 アロマ―〈タキシードの会〉は女官関口タキとシードというだじゃれね。シードは種子のこと。高松宮日記の〈逗子なぎさホテル〉を想い出すわ。男の子を出産した日、2月15日。集まりはきっと同じ日付よ。 放送局長―だじゃれの解釈に誰も反対しないけど、それもやはり石田博英と高松宮のつながりが明白になったからだと思う。高松宮は敗戦後何度か私的に大館に来て博英と会っていた… 庭から見たリトル・ブリッジ 右側 ナモネ氏―博英夫人によれば、早大生石田博英を入社させたのは中外商業新聞の小浜利得(おばまりとく)だったということだな。 編集長―裏に有栖川宮の継承者高松宮宣仁(のぶひと)がいた可能性が強いな。 ナモネ氏―大胆に言えば、宮様ネットワークの一方の端にいたのが博英と同じ北秋田生まれの長谷川喜之助とハルだった… 放送局長―おもしろい想像だな。メモしておかなければならない。 ☆ ☆ ☆ □ V字型の階段の記憶 35 A Black coffee; Peggy Lee 1 wikipedia 石田博英 ローズガーデンの秘密 高松宮 ▼ List 1 大館大火の疑惑; 回想 1 石田博英夫人の回想をめぐる会話 作曲家団伊玖磨と大館 女官関口タキ ▼ List 3 高松宮日記メモ; 逗子なぎさホテル 皇族の噂と非難 ▼ List 1 V字型の階段の記憶 20; 広尾のおばさんと母親が大館に来た ▼ List 1 V字型の階段の記憶 16; 広尾のおばさんはたぶん放送関係の仕事 |
★ブラジルの海岸の明るさと軽さがいい〈メランコリコ〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.7.22 特派員―1970年前後、早稲田キャンパスにいた編集長のような優秀な頭脳を持った学生たちがもっと自由のために戦っていたら、ぼくらはこれほど苦労しなかったはずですよ。 大館橋 半分半分放送局長―あの病院は病院でない恐ろしい状況だな。院長と市長が同一人物で。 編集長―そう。現実と夢の区別がつかない世界。しかし、何と言っても、こういう国では小説には限界があるよ。 放送局長―その記事は何だ?見せてくれないか? アロマ―ラジオ・フランス5月24日〈希望の水源 水素〉〔1〕 特派員―L'hydrogène, source
d'espoir…自然界に存在しないと言われていた水素(H2)が最近ロシアで発見された。フランスの科学者が現地に行って確認した。天然の水素は工業的な開発ができるなら、永続的な新しいエネルギー源を構成する要素になりうるだろう。そういうレポートです。 放送局長―水素自動車とロケットに利用されてる〔2〕。 特派員―水素爆弾も簡単に製造できるとしたら? ☆ 編集長―他に5月末の重要なレポートがあったな ? 特派員―ええ、韓国の中央日報がコラムで広島と長崎への原爆投下を〈神の懲罰〉と表現した問題〔3〕。日本政府はそんな認識は断じて容認できないと抗議した。 編集長―日本語版のウェッブ・サイトにブラインドがかけられたな。平然と憲法違反をやってる。 アロマ―どういう宗教の神なの? 放送局長―容認できないと文句を言ってるんだから、日本の神様や仏様とはちがうだろうな。 編集長―アメリカが製造した原子爆弾だよ。キリスト教に決まってる。 特派員―日本仏教主義国と名前を変えなければ、ね。 編集長―学生のときは、公明党と創価学会をも批判した。市民が予想したとおりになったな。歴史的に見て、政治と仏教のミックスは危険なんだ。 アロマ―世界中で自殺攻撃があいついでるけど、元祖日本の政治家や指導者たちはあれを批判しないで、歴史の中で弁護してる。日本文化を自慢するとき、あんな戦い方とハラキリも日本文化なのかなあ?文化という言葉に逆行するけど? 編集長―あの人たちは当然それらも日本文化だと思ってるね。本質だと信じる人も多いだろうな。すべては仏教の迷妄から来てる。 放送局長―無縁であるわけがない。仏教徒が黙っていれば、世界平和はないよ。そう言えば、下北半島の大間発電所に関するニュースも神経にさわる。あそこでやるのは世界ではじめてのフルMOX燃料使用の発電だというんだ。危険きわまりないよ。 特派員―MOX燃料つまりプルトニウムとウラニウムの混合酸化物を全炉心で使うとは、知りませんでしたね。原子力規制委員会の田中俊一委員長は、こう語っていますよ。〈今の日本で、世界がやったことがないことをやるのは一般論として非常にむずかしい。〉〔4〕 編集長―あれは昔話の残酷な殺人鬼だよ。国連は、大震災で信用を失くした日本がやるのを傍観するべきでない。 放送局長―中味がちがってないか、心配だ。 特派員―今さら面子も意地もないですよ。金の無駄ですよ。 ☆ ☆ ☆ A
Melancolico; Stan
Getz Quartet 1 L'hydrogène, source d'espoir le Vendredi 24 Mai 2013
à 10:55 Radio France info 2
wikipedia 3 TBS 5月24日11:20 4 さきがけ新報 2013.6.27 |
★ジャズでないけど、ジャジー〈太陽はひとりぼっち〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.7.17 半分半分放送局長―キャンパスで野球の話はよく出たけど、それは聞いてないな。ロシア人の喫茶店があるなんて話も、な。はせ川食堂と無関係だとは思えないよ、な、君? アトリエの庭 アロマ―あたしも。国家が神経質なのよ。 編集長―実際、食堂と無関係でない。ロシア人みたいなコックの大高さんの名前は、HHJのために母から聞いた。新しい食堂ができてから1年ほどでやめたということだ。墓がどこにあるか、気になるので、聞いたけれど、知らないそうだ。それから、アイスクリームのことだけれど、いつやめたか、記憶が一致しない。長つづきしなかった。中央の安い製品にかなわなかったという話だった。 放送局長―ホーム・メイドのアイスクリームは、ロマンス・グレーのコックさんと一緒に消えたのかもしれないな。 アロマ―さびしい想い出ばかりね。はせ川食堂は1971年の春やめて、1年後、何月か分からないけど、高松宮の光輪閣が老朽化という理由で取り壊されてる。このタイミングは偶然じゃないわね。 編集長―そう、ぼくが早稲田を去った時期に重なるから、暗然としたよ。 ☆ 放送局長―ときどきキャンパス周辺であのグループと遊んでたな。 編集長―ぼくはずっとヨーロッパ旅行と小説の夢を見てたから、余裕なんてあるわけがない。しかし、ぺディの名前を想い出していたら、あの喫茶店を懐かしんで入っていたかもしれない。 特派員―あの喫茶店? 編集長―それも覚えてないね。 アロマ―でも、人の名前を忘れたふりをする日本人の偏屈な癖がないって、すてきなことだわ。 編集長―あんなのは昔から嫌いだな。歴史に向かい合う態度に似てる。 放送局長―あれは自分が上なんだと証明するためだろうな。 特派員―その必要があるのは、なぜか?貴族的な人は絶対にやりませんよ。 編集長―そう、名前を忘れたことに罪悪感がないとしたら、その人ばかりか社会の本質が疑われるね。 アロマ―ぺディのそれからはどうなの? 編集長―スタジオを開く前に偶然TVのファッション・ショーで見たように思う。しかし、確認しようとしたけれど、できなかったね。 創刊号 アロマ―ハーフ・アンド・ハーフの名の由来がすべて明らかになって、気分がすっきりしました。1991年12月雑誌のタイトルにも使われて、大人の市民も好感を持つようになったけど、インターネットの時代に印刷版はメリットを減少させました。それで、HHJはインターネットに全力を注いで、公式に印刷版のおしゃれな雑誌を141号で廃刊にすることにしました。 編集長―フランス旅行から帰ってまもなく、タバコ代をかせぐために創刊した。半年後にワード・プロセッサーができて次第に火が大きくなったね。とにかく、インターネットは世界とリアルタイムに交流できる。自由で疲れない。 特派員―おかげさまで、ぼくも格好よく特派員の仕事ができましたね。 放送局長―裏方だったけど、何はともあれ、学生時代と反対にアメリカ人とロシア人が仲良くなって、うれしいよ。 アロマ―ナモネ氏? ナモネ氏―あのころ〈ハーフ・アンド・ハーフ〉というのは勇気あるネーミングだと思ったもんだ。まだまだ一生懸命がんばらないと、だめだ。今日という日は一度しかないのだ。 ☆ ☆ ☆ A L'eclisse; Faust Papetti e Ritmi ファッション関連記事 日付のない日記 食堂 大高さん アイスクリーム 光輪閣 記憶 ▼ List 1; V字型の階段の記憶 8; ロシア人の年老いた銀髪の婦人 |
★ソールフルな〈星空のバラード〉を聞いて、ウェットに[A] ☆ ☆ ☆ Updated
2013.7.12 特派員―よかったら、忘却に気づいたのはいつか、話してくれませんか? アトリエの庭 ☆ 放送局長―ハセの中退は、西牧が言ったように日食だった。キャンパスが真っ暗になった。 編集長―理由はただ、大学の自冶がなくなったことだよ。あのころの常識で、歴史に残さなければならない重大問題だ。 放送局長―そうそう、自民党政府と大学はロックアウトで学生をキャンパスからしめ出す癖があって、改革する気がまるでなかった。 アロマ―あっ、それで旅行する暇がたっぷりあったのね。さぼりか、と思った。 放送局長―無傷なのが不思議だ。馬鹿。 編集長―ところで、あの忘却に気づいたのは荻原さんと出会ってアトリエに遊びに行くようになってから、だな。アメリカ人の家族と親しくしてるうちにロシア人の家族の記憶がもどったと言っていい。別にドラマチックじゃない。頭痛の影響で忘れたんじゃないか、と思った。 放送局長―あのころは人生の秋みたいな余裕を感じたな。 ☆ 特派員―しかし、ファッション・モデルの名前を想い出せないというのは、変ですね。 編集長―仕方がないな。自分の話も覚えてない。 放送局長―あのころ学生街でテレビが見れる喫茶店なんてなかった、な? 編集長―ソニーの〈トリニトロン〉だった。ぺディがプレゼントしたのかな?自由な想像は忘れた事実に似てるときがあるけれど… ☆ ☆ ☆ A Light Out Of
Darkness; Ray Charles ▼ List 1; V字型の階段の記憶 8; ロシア人の年老いた銀髪の婦人 記憶 |
★夜空よりも暗い〈ステアウェイ・ツー・ザ・スターズ〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.7.4 特派員―1945年6月30日花岡鉱山の中国人捕虜たちが蜂起した日。何か一言? ナモネ氏―大館市は日本と中国の平和友好関係を深めるために毎年十瀬野(とせの)公園墓地で殉難者慰霊式を開いている。中国の人たちが大館市民に好意を持っているということを確認できて、安心したよ。 アトリエの庭 半分半分放送局長―問題は中国を仮想敵国とみなすような日本の政治集団をどうするか、だ。 アロマ―仲良くすると、困ることがあるのよ、ね? 放送局長―特に第2次世界大戦の真相に関して、だな。ロシアとの関係と同じ暗い背景がある。編集長が前に想像的に言ったことだ。 [cat willow 2013.7.2] ☆ アロマ―2007年1月17日付けの〈V字型の階段の記憶 6〉…満州映画協会のスタジオがつくられたことについて編集長のコメント。〈この映画技術は謀略に使用された疑いがあるが、真実を明らかにするためには大量のフィルムを保管するロシアと信頼関係を築かなければならないだろう。〉 ナモネ氏―国家レベルの交流だけではバランスが危ない。普通の人たちが自由に交わらなければ、駄目だ。戦争の教訓だと思うべきだ。 アロマ―ええ、それから、2007年1月23日付けの〈V字型の階段の記憶 7〉…〈編集長―チョンキン放送局と満映はヘッドが同じテロ活動屋だ。新京スタジオは《悪夢の製造》もひそかにやっていたように思えるね。しかし、日本の音楽事務所がロシアから買った満映のフィルムは、映画とドキュメンタリーだけなんだ。本当は、NHKの仕事だ。〉 放送局長―NHKに売ったら、焼却処分だ。 特派員―それに関連する記事をありましたね。アメリカ人のジャーナリスト、東洋経済特約記者ピーター・エニスが書いたものだけど、安倍首相が自衛隊の練習機731に乗った行動に怒りをぶつけて、731部隊は満州で〈生物・化学戦争を想定したおぞましい人体実験を、主に中国人とロシア人を対象に実施していた〉と過去を裁いた。〈ロシアの声〉がインターネットでロシア人の犠牲を明らかにした記事はあるけど、これはアメリカ人の批評。 ナモネ氏―日本はいよいよ本土決戦の覚悟かな? 放送局長―狐そばと狸うどんの汚い関係も世界的にばれたから、どうしようもないな。 ☆ アロマ―2001年国際テロ組織との戦争がはじまったとき、中国は〈世界のアトリエ〉をめざすと宣言した。アトリエ、つまり製作所のことだけど、だんだん経済的な意味が分かってきた。 放送局長―そのとおり日本は追いつめられてしまった。思いきって製品の製造は中国に任せたほうがいいよ。工場と労働者を増やす事業計画なんて、時代錯誤だ。 編集長―知的な経済システムを組み立てるべきだ。米代川流域には高級な知性が少なくないんだから、な。 アロマ―だから、工業団地の労働者にしたがるわけなのよ。 特派員―雇用の創出と言うときフランスでは〈créationクレアシォン〉という言葉を使ってる。新しいことの創造がなければ意味がないということですよ。秋田県庁の役人さんたちに言えば、ね。 ナモネ氏―確実にもうかるのは解体業でないか? ☆ ☆ ☆ A Stairway to the stars; Dinah Washington 1 北鹿新聞 2013/07/01 2 東洋経済 2013年5月22日(水) 花岡事件 ▼ 続・6月の最後の夜: 耿諄さんの新鮮な認識と反抗の歴史的意義 |
★スタジオのテーマ・ミュージック〈夢を壊さないで〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.6.27 アトリエ 2013 編集長―もう一人については話したくないわけじゃない。アロマは忘れたふりをしてるけど、シャンソン・クラブが第1回レコード・コンサートを開いたとき、ちょっと想い出のページをめくった。途中からDJを引き受けて。 アロマ―そうだった? 編集長―ロシアの歌〈はるかな友 Ami
lointain〉をイブ・モンタン(Yves Montand)が歌ったときだ。人生のさりげない出会いに深い真実を見たような歌だから、な。 アロマ―そうか、そうか…ロシア系の若い女と会って楽しかったという話ね。でも、名前は? 編集長―名前、か?大事なことだな。 ☆ 編集長―〈日付のない日記〉を書くとき、二人の女を行方不明のヒロインのモデルにした。ロシア系の若い女と沖縄から来た女子大生という対照的な見かけと性格の二人だ。なぜロシア系のイメージを選んだか、と言えば、ギリシア正教の聖堂がある大館が舞台だから、そして、ぼくが学生時代に会った彼女を忘れていることに気づいたから、だけど、反対にロシア系のイメージが先にあったかもしれないな。 半分半分放送局長―それがあの小説に特別の愛着を感じた理由か? 編集長―あとで悩まされたね。小説のストーリーが意識から離れない。ぼく自身が小説の中に入っているような状態なんだ。 放送局長―ロシア系の混血との出会いは、いつ、どこで? 編集長―混血という言葉は嫌いだな。ぺディと呼ぶけれど、出会ったのは大学3年の秋11月、早稲田キャンパスの裏門通りにある喫茶店で。ドラマチックじゃないよ。初の日米大学野球の中継を見るためにテレビのある喫茶店を探して、その小さい店に入ると、ソニーの画期的なカラー・テレビで感激した。カウンターにはおばあさんが一人いた。寝不足だから、向かいの低い椅子に足をのばして見た。行儀が悪いのはいつものことだ。すると、やせた背の高い少女が奥から出てきて、友だちのような感じで斜向かいに丸椅子を置いて腰かけた。流行のタンクトップにミニ・パンツで、女子高生のようだけど、ファッション・モデルをしてる、と言ったね。ぼくは白いTシャツ姿で、暇つぶしに胸に描いた漫画のウッド・ベッカーがおもしろがらせたのかもしれない。 アロマ―法学部の学生じゃないわ。 編集長―ぺディの仕事の話はおもしろかった。赤いペディキュアの小瓶をテーブルに置いて、足の爪に塗りながら勝手にしゃべった。ファッション・モデルにはランクがあって、彼女はCランクだという。不満そうだったね。そして、モデルが考えなければならないことは、とぺディは言った、自分が着るファッションをどう表現するか、ということ。自分自身を表現することではない…ぺディの反省みたいだったけど、そう聞いて、ぼくはファッションの思想に目覚めた。 ☆ 放送局長―けっこうなことだ。赤いペディキュアを塗りながら、なんて、まるで映画だよ。 編集長―新鮮なエロチシズムだったね。 アロマ―ベース・ボールはどうなってんの? 特派員―マニキュア対ペディキュアに夢中ですね。 編集長―ぺディはクォーター(4分の1)だったね。祖父がロシア人だった。2階から降りてちょっと顔を出したとき、おじいさんは日本軍の軍人だったから、怒ると〈貴公〉と言う癖がある、とぺディは不愉快そうに言った。祖父母の店に遊びに来てるみたいだった。ぼくは自然に芸術的な視線でペディキュアを見たけど、もちろん野球の試合も見ていた。それで、おばあさんは〈野球が好きですね〉とおかしそうに言った。それだけなんだけれど、いつの間にかその2時間の出来事と彼女の名前を忘れてしまった。忘れた、ということが重大なエラーのように思えた。ぼくは3中野球部で1度しかエラーしたことがないんだ。3年のときはパーフェクトだ。 放送局長―打率は4割を越えていたって、な。 特派員―失礼ですけど、やはりロシアとの関係がおかしいんですよ、ね。屈折してるんですよ。 放送局長―日本とアメリカの野球を見ながら、というところがおもしろいんだけど、ねえ。 ☆ ☆ ☆ AIl ne faut pas briser un rêve; Django and
France Hot Club Vocal-Jean Sablon 〈日付のない日記〉について |
★〈なぜ正しいことをしないのか?〉とジャズ姉さんが説教[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.6.23 半分半分放送局長―ハイチの孤児たちを北秋田地方に移住させたい、な ? 特派員―養豚工場のあるミソ内沢川のほとりに、ですか ? 放送局長―それを言ってしまうと、どうもまずいよ、君。 早口川とミソ内沢川合流地点 ナモネ氏―何にもならない。行政も住民もシムコという会社を恐れてるのだ。 放送局長―下手をすれば、豚とまちがえられかねないから、な。 特派員―汚れた水で関係者は頭がおかしいんですよ。これから地域住民の精神にどういう悪い変化が起きるか、考えると、ぞっとしますね。 放送局長―特派員はもうおかしくなってる。 特派員―米さんだっておかしいですよ。 ナモネ氏―それより米の味が心配だ。 アロマ―そういうわけなので、今年度はミソ内沢の水質検査もやるんだって。菅谷地養豚工場環境対策協議会の要望が受け入れられて。 放送局長―やっと実ったな。よかった、よかった。 特派員―リヴァー・ユートピア代表はただ聞いてるけど? 編集長―子どものころ家の裏に豚小屋があって、ね。食堂の残飯を食わせてた。あとは想い出したくないな。 ☆ ☆ ☆ A Why don’t you do right?; Peggy Lee 1 北鹿新聞 2013.6.7 ▼ ハイチ大地震と養子縁組市場; カタストロフのあとに活動する組織 |
★〈ブルー・コンセプト〉のやわらかいタッチ[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.6.14 特派員―〈ヴィヴィアン・コスメチックス〉のしのさんが、編集長に〈ノイローゼって何ですか?〉と聞いたら、こんな答でしたね。〈結果に対して原因を探るのが人間の知性の本質だけど、まちがった原因を信じるときがある。これはよくあることだ。しかし、それが行動に現われると、ノイローゼと言われる。〉一般的に因果関係で説明すると、そうでしょうね。 アトリエ 編集長―しかし、現実的にはそうでないと思うね。父が倒れたとき、居間に飾っていたぼくのパステル画がどこかに消えた。母は知らないふりをしたけれど、あとで木工所の工場(こうば)に行ったら、出入口の陰に絵があった。一輪のバラと傘の絵だ。こういうことは他でも何度か経験してるから、別にショックは受けなかったね。母はとぼけて、小畑市長の表彰状を壁に飾っていた。 ナモネ氏―つまり、一輪のバラと傘の絵が悪いことの原因になる、と信じたわけか? 編集長―ただパステル画だったかもしれない。それが病気の一種の原因だった、そして、そのまま飾っていれば同じような悪いことが起こる、と信じたんだろうな。 放送局長―本当の理由というのは、誰も言わないんだから、参るよ、な、君? 特派員―ええ、ぼくなんか毎日〈ノイローゼだ〉と非難された。20世紀末に大館橋その他の公共事業の疑惑を調査してたころ、ね。でも、国際テロ組織との戦争がはじまったら、その文句は自然に消えた。 アロマ―あたしは毎日食事のたびにノイローゼなの。健康な反応じゃない? 放送局長―そう、その不安は当然だな。 ナモネ氏―心配しながら何でも食べてるよ。 ☆ 放送局長―ノイローゼの行動には夢と似たところがあるというのは、そこでも言える。シュール・レアリスムの絵のようだな? 編集長―そう思ったね。工場のガラクタとパステルの絵の組み合わせがシュール・レアリスムの作品だった。夢のような印象と言ってもいいな。現実にはありえないことだ。 アロマ―一輪のバラと聞いて、何か連想することがないかな? ナモネ氏―一輪車? 特派員―車輪というのは、あの白熱光線のメタフォールですよ。 放送局長―特派員は鋭い。しかし、昔の車輪は鉄を巻いて音がうるさいから雷と連関する。 アロマ―なぜ一輪というのか、あたしは東ヨーロッパの民話を読んで、やっと理解した。一輪の花は死んだ少女の変身と再生のストーリーなのよ。 ナモネ氏―なるほど。一輪には満月という古い意味もあるが、それも悲しいイメージだ〔1〕。 ☆ ☆ ☆ A Blue Concept; Art Farmer & Gigi Gryce Quintet 1 大辞泉 ▼ 夢の論理/
夢の原料/ 夢の目的 |
★どこかにあればいい〈ランド・オブ・ラブ〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.5.30 アロマ――ニジェールからテロ・ニュース。 半分半分放送局長―ああ、知ってる。イスラム聖戦組織の犯行だな。 アトリエの庭 特派員―事件について、ちょっと言うと、5月23日ニジェールでカミカゼ〔1〕。フランスの原子力会社アレヴァ(Areva)が経営するウラニウム鉱山前で自動車爆弾が爆発、同時多発的に軍隊のキャンプの前で自爆テロが起きて、4人の自殺攻撃者をふくめて23人の死者が出た。 アロマ―ニジェールの歴史ではじめてのカミカゼだそうよ。ニジェールは今年はじめからイスラム運動の反政府武装勢力に対抗して隣の国マリに軍隊を送った。フランス軍と協力して。つまり、カミカゼはその報復というわけね。 ナモネ氏―なるほど。ウラニウムが事件の奥にあるわけだ。 特派員―ええ、フランス政府はイムラレンとアルリットの鉱山を守るために特別軍を送ると声明を出しましたね。 ☆ ナモネ氏―ニジェールは世界で最も貧しい国の列に入ってるな。 Il s'agit des premiers attentats-suicides
dans l'histoire du pays engagé depuis le début de l'année au Mali voisin
contre les mouvements islamistes. Attentats au Niger 特派員―数年前、ニジェールの青年が民主主義憲法を持ちたいと話してたけど、むずかしいな。 アロマ―小坂に研修に来たエンジニアの〈ニジェ〉さんは、どうしてるかな ?フランス語が好きな人なの。 放送局長―フランスの植民地だったな。 アロマ―別にどうでもいいんじゃないの。知性的な言語を自分で選んだって、ね。〈ニジェ〉さんは小坂の町民とちょっと問題を起こしたけど、フランス語の単語も覚えたくないっていう愛国主義が誤解の始発駅だった。 特派員―たぶんね。フランス語を聞いたら、本当にうれしそうだったね。今〈ニジェ〉さんがウラニウム鉱山にいるか、知らないけど、これから危ないかもしれない。 ☆ ☆ ☆ A Land of Love; Nat
King Cole Trio 1 Attentats au Niger : une
vingtaine de morts, Mokhtar Belmokhtar "superviseur"
mis à jour le Vendredi 24 mai à 06:18 Le
Figaro >>>
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★この人のベースも忘れがたい〈イージー・ダズ・イット〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.5.26 アロマ―13日公表されたJNNの世論調査では改正の条件をゆるめることに賛成の人は25%。反対は51%。憲法改正に賛成する人は46%。反対は37%。 アトリエ 放送局長―改正案がどんな内容でもいい人たちなんじゃないか? ナモネ氏―安倍内閣の支持率が異常に高いから、心配だよ。 アロマ―74.0%。 ☆ アロマ― 英霊を盾にして侵略戦争を美化しようとする発言もあるけど? 特派員―靖国神社に安倍内閣の3大臣が参拝したのを弁護して、ね。〈国のために尊い命を落とした英霊に尊崇の念を表するのは当たり前〉と語った。 ナモネ氏―だまされたり脅かされたりして戦争に行った人が多い。忘れるべきでない。事実を言え、と国が反論したら、検閲と証拠隠滅を責めればいい。 編集長―国家が西洋思想に反対して個人の存在を否定したから、自由がないのは当然なんだ。発言や手紙の内容も疑わなければいけないな。 放送局長―国のために殺された英霊、と言うべきだな。 ナモネ氏―しかし、A級戦犯の霊も同じ神社の中だ。だました指導者らとだまされた国民を一緒に扱っていいのか? 放送局長―だまされた死者の霊は浮かばれないな。国を守るために、と信じて戦線に行ったら、非人間的な戦争を仕掛けていた。国家の欺瞞を悟っても、黙るしかなかった。そういう死者の霊は国家の敗北を悲しむか? 編集長―まさか、な。前に言ったように敗戦後の憲法はそういう多くの死者の願いだったと考えていい。しかし、英霊についても個人としての存在を完全に無視した話ばかりだから、あきれてしまうね。 ☆ アロマ―気味の悪いリサイクルはやめてもらいたいな。 特派員―そう思うね。アメリカ映画《ミッドウェイ》はオールスター・キャストでリアルに描いてたけど、参考になりそうなシーンがあった。パール・ハーバー攻撃も指揮した航空参謀源田実が攻撃前に、風邪を引いた、と軍人らしくないことを言う。 放送局長―余計なせりふだと思ったな。 編集長―そう、しかし、パール・ハーバー攻撃の不法さに気づいて無気力になっていたんじゃないか?高松宮日記で海軍と陸軍の対立の深刻さを知ってから、あの一言は重要だな、と思った。 ナモネ氏―栄光の海軍の名誉にかかわることだから、なあ。 放送局長―陸軍にだまされたと言うこともできない。ジレンマの戦いだな。 ☆ ☆ ☆ A Easy Does It; Ray Brown trio 1 TBS 5月13日02:59 2 NHK 4月24日 18時19分 高松宮日記 東条総理の発言 |
☆ ☆ ☆ Updated 2013.5.14 大館橋の下 第9章 第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。 アロマ―〈憲法を国民の手に取り戻す〉と言ったけど、あたしには理解できないな。 ナモネ氏―それこそ歴史をゆがめている証明だ。憲法は国民が戦後第1回総選挙で間接的に賛成した。国民の意思が反映した結果なのだ。平和主義と自由と国民主権を柱にした憲法だから、な。 編集長―国民から民主主義憲法をうばった政治的な状況を反省してるわけじゃないな。その反対だ。だから、ワシントン・ポスト紙は安倍首相が〈自己破壊的な歴史の修正主義を正当化する〉と痛烈な文句を浴びせた〔2〕。〈歴史の自己破壊的な修正主義〉と言えば、誤解がない。 ナモネ氏―母方の祖父岸信介の路線を走るつもりなのだ。スガモ・プリズンでマッカーサー憲法に反対した怪物の一人。 ☆ 放送局長―憲法を簡単に変えるのは、悪いことだ。変化がないということに価値と意味を感じるなあ、と思うときがあるけど、これなんかそうだな。 特派員―米さんらしくない意見ですね。 編集長―昔懐かしい味だろう。存在の故郷みたいな? 放送局長―そう言ってもいいな。 ナモネ氏―人生の終末が近づくと、そういうことがあるもんだ。重大な危機に陥ったときも、な。 放送局長―存在の故郷というのは根っこみたいに非常に強いんだよ、な。現実の中で知性が弱ったときのバックアップだ。それを無意識の働きと言ったのがフロイト(Sigmund Freud)だけど、このバックアップはもちろん悪い意味じゃない。ナモネ氏の場合は身のこなしに現われて、祖先が何だったか、打ち明けてる。 編集長―おそらく一番安定した幸せな生活の記憶が前面に出る。これは無意識より生物的な遺伝子の役割だろうな。 アロマ―あたしは、いつか知らないけど、南フランスにいたころのパワーね。 特派員―あの人は、さっぱり分からないな。アフリカのニジェール川かな? ☆ ナモネ氏―しかし、まじめな話、私の存在の故郷は終戦後の5年間だよ。憲法に執着する気持は米放送局長のせりふに似てる。帝国主義の憲法にこだわる人たちとは永久に平行線だ。といっても、今の憲法改正推進派が古き良き時代を再現するつもりだとは思わない。悪魔的な満州帝国の憲法になるよ。 編集長―ぼくもそう思いますね。民主主義的な言葉を並べても、軍国主義風のファッションでしかない。 アロマ―国民を盾にするな、と言いたいわ。 ナモネ氏―そうだ。自民党の改正案はひどいよ。公明党は表向き反対する様子を見せながら、連立政権の女房役をやめる気がないから、無責任だ。 放送局長―宗教的な無責任。 特派員―新しい憲法を考えるためには、新しい考え方を身につけなければならない。しかし、情けないことにそこまで行ってませんね。 編集長―情報環境を全体的に変えて知性と感性を教育してから、だな。 放送局長―時間がかかるな。 ☆ ☆ ☆ A Graceful Touch; Tord
Gustavsen trio |
★歩きぶりのいい演奏〈サムシング・スペシャル〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2013.5.10 特派員―日本が世界文化遺産に推薦した〈武家の古都鎌倉〉だけど、ユネスコ(UNESCO)が登録にふさわしくないと勧告しましたよ〔1〕。 編集長―当然のことだ。馬鹿な世界文化になってしまう。 大館橋 編集長―そう、武力支配を認めさせようという狙いがあるな。 アロマ―イメージが暗くなって、市民が迷惑よ。 特派員―ユネスコの諮問機関イコモス(ICOMOS)がそう判断した理由は武家遺跡の少なさですね。ぼくは鎌倉に行ったことがないので、分かりませんが。 放送局長―食えないハンバーグで人気だ。その次が長谷の大仏だ。 特派員―それはともかく日本人の推薦する理由とは?鎌倉は〈12世紀末の貴族支配から武家支配への変革をもたらし、武家文化を生み出した〉ということです。 アロマ―世界的に恐れられてるサムライを評価するなんて、あるわけがない。貴族的な文化までも否定されたら、何もいいことがない。 ナモネ氏―歴史認識がおかしい。最初の武家政治をやったのは平家だ。 [Cat
willow 2013.5.6〈武家の古都鎌倉〉世界文化遺産登録を拒否される ] ナモネ氏―ワシントン・ポスト紙が〈安倍総理は歴史を直視していない〉と批判した〔2〕。〈侵略の定義は国際的に定まっていない〉という発言に対して。侵略とは何か、分かっていない人なのか? 特派員―平和な国で生まれ育った人だな、と言いたいわけですね。 編集長―経験しなければ、本当の理解は不可能だということだよ。国際的な定義を決める作業に日本人は参加できないだろうな。 半分半分放送局長―そう、旧敵国が話し合いをぶち壊してしまう。 編集長―しかし、何でも定義するのはそう簡単でないから、互いに分かってる共通の一般的な概念で話すことにしよう。 放送局長―言葉がほっとするよ。言葉っていうのはコミュニケーションのために存在するんだから、な、君? 特派員―そのとおり、事実ですね。 アロマ―さっそく文句が飛んできそうだわ。日本の国では、言葉はごまかしのためにあるのよ。 ナモネ氏―それも事実だ。癖になってる人が多いぞ。 特派員―佐々江駐アメリカ大使の反論は、こうですよ。〈日本政府は歴史に常に正面から謙虚に向き合うことが重要だと信じている。〉 放送局長―そうだとしても、政府の定義がどうなってるのかな? 編集長―大事なのは、歴史のフィクションを罪悪だと思うことだ。 ☆ ☆ ☆ A Somethin' special ;
Sonny Clark Quintet 1 TBS 01日11:05 2 TBS 02日13:25 |