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三峡ダムは西陵峡のほぼ中間,両岸の山が低くなり川幅が広くなったところに建設中である。2期工事が終了し標高132mまで水が貯められ既に14台の発電機が稼動している。 このダムを見ることを恋人との逢う瀬のように思っているEさんもデッキの先頭に陣取って,今か今かと巨大なダムの姿が現れるのを待つ。 前回下船した船着場を過ぎて 「あの岬を回った右側に現れるはずだ!」 土地勘が少々あるわたしは,双眼鏡でじっと前方を見つめる。 「Eさん 恋人が見えたぞ〜!」 と思わず叫んだ。霞んではいるが白い壁のようなダムが姿を現した。 右岸側は現在コンクリート打設中で上流側仮締切り堤の上に赤い看板に工事名だかスローガンだかが書いてあるのが見える。 だんだん近づいてくると,既に出来上がっている発電所部分,巨大な洪水吐,右岸側の副ダム(ロックフィル形式)がバッチリ。Eさん さぞかし満足でしょう。
さて船はこのダムを下降しなければならない。 現時点ではダムの上下流の水位差は73m(完成時は113m)ある。 このために,シップロックとシップリフトが造られている(後者は,緊急時に短時間で3000tまでの船を上下させる装置,遠望するにいまだ工事中であった。) シップロックの原理は,パナマ運河と同じである。水位の異なる中間に閘門を2箇所作り,中のロック部分の水を抜いたり入れたりして水位差を調節して船を上昇あるいは下降させるものである。 パナマ運河は,85フィート(約26m)を三段で,ここ三峡ダムは113mを5段の閘門で上下させる。 EAST QUEEN号は今夕,ダムの下まで下降しで停泊する予定。 船は5時半に1段目のロックに進入を開始した。全部で客船2隻,はしけ様貨物船5隻(全部で1万2千トン位か?)が同時に下降する。ゲートの開閉(3分くらい)や,水の出し入れにはそんなに時間がからないが,7隻の船のロックからロックへの移動に時間がかかるので73mを下るのに4時間くらいかかった。 2段目のロックへの移動する時には暗くなり,夕食の時間ともなり残念ながらデッキを後にせざるを得なかった。 説明によると,現時点では4段で運行,船の大きさは幅20m,長さ100m,高さ28mの制限あり,通行は予約制。通行料は聞き漏らした。 水抜きの速さを水位標を見ながら測ったところおおよそ2m/minであった。
船が閘門を通過中 三峡下り最後の夕食 今夜の夕食は,宮廷中国料理(スケジュール表には「皇家中式晩宴」と書いてある)である。 最初に中国服を着た楽隊の演奏があり,今日が誕生日の人はいるかと問い合わせ,アメリカ人orカナダ人が手を上げ,プレゼントを貰い皆で祝福。 今夜のメニューは
例の如くビールで乾杯!ふたたび老酒で乾杯! 船内での最後の晩餐を終えた頃,船はまだ下降を続けている。 また,5Fデッキに出る,9時半ごろ無事に下降終了,西陵長江大橋をくぐって停泊す。 [トップへ] [次へ] [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] |