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2日目 重慶へ

 

      
 上海虹橋空港へ
 
 7時半起床,朝食は,昨夜のレストランでおかゆとヌードルで済ませる。ヨーロッパに比べて野菜類が豊富なのがいい!

 妻が昨晩,ここに傘を忘れたと言うので,食堂の案内係りをしている男性に尋ねると「他の人に聞いておくので後でまた来てくれ」と言う。出発の準備をしてロビーに下りた際に行ったが,係りが若い女性に代わってしまっていて,彼女には英語が通じない。黄ちゃんに聞いてもらったが「メイヨー」(没有,無いということ)と言う返事で,あきらめる。(実は傘は,トランクに放り込んであったことが後日判明,やれやれまた振り回された 年寄はやだね〜!)。

 雨はあがっていたが,どんよりした曇り空のなか
虹橋空港(東京で言うと羽田空港みたいなもの,国内線専用)へ向かう。ここらあたりは上海市街の西の方で,道路は比較的空いている,街路樹は泰山木,高級住宅/マンションが建ち並ぶ落着いた雰囲気の町並みである。
 東南アジア共通の二輪車がほとんど走っていない。上海ではいま,自動車が月に4,000台づつ増えており,道路インフラが追いつかず,新車登録が制限されていると言う。自転車からいっきにクルマ社会に飛び級しているといったところか。
 
 上海の人口は2,300万人,面積は6,300平方キロ,人口では中国第二の都市。常駐する日本人は登録している人が8,000人,実際は16,000人くらい。台湾人は60万人
だそうだ。

重慶へ

 上海〜重慶は1,400kmくらい,成田→上海より300kmくらい少ない程度だが,所要時間は2時間半とほぼ同じくらいかかる。
 ここの機内食も美味しいとはいえない,パンを残しておしまいにする。
雨季の真っ只中のせいか飛び立って1時間位したところで,激しい揺れがあったが午後1時半無事重慶空港着。

 重慶は四川盆地の東南,
長江嘉陵江の合流点にある中国の西南における最も大きい商工業都市であり,1997年中国の4つ目の中央直轄市に指定されている。都市としてすでに3,000年以上の歴史がある。

 空港には,黄ちゃんの昔の職場仲間だったと言う 
張春梅サンと言う若い娘さん(建築の見積もりをやっている,この秋に結婚するそうだ,30歳)が迎えに来てくれていた。日本語は話せないが愛嬌のある,はきはきとして年よりかなり若く見える愛くるしい娘さんでした。
 
 重慶市街までおよそ26km。沿道の両側あちこちで,敷地造成工事と建築中のアパートメントがわんさか!
 政府の内陸開発の掛け声にようやく民間投資が始まったところだという。でも,アパートの価格は600万円くらいで一般庶民にとってはかなり高い買い物である。

 やがて,市街地に入る。いささかキンキラキンなビルが目立つなんとなく落ち着きの無い感じがする大都会だ。

 中国の都会ではお馴染みの光景の自転車に乗っている人がまったくいない, 坂がたくさんあるから乗る人は一人もいないそうで,中には自転車に乗れない人もいるという。
 

 磁器口古鎮

  三峡下りの船への乗船は,夕方以降となるので,時間つぶしと言うわけではないが重慶の西北にある古い町並みを保存してある磁器口を訪れることとする。

 磁器口へ向かう嘉陵江沿いの道路の崖面に無数の穴があいている。日中戦争時代の防空壕の跡だと言う。日本軍は三峡の険を越えられづ,進駐したのは武漢までで,重慶はもっぱら飛行機爆撃にさらされたので,防空壕がたくさん掘られそれが今も残っている。
 もう半世紀以上の昔のことだが,中国が日本の軍事力増強やら靖国問題に神経を尖らせるのもむべなるかの感有り。

 磁器口は明・清時代の古い町並みを復元して観光地としたものだが,あまり知られていないので訪れる日本人は少ない。観光地としての顔も持ちながら昔ながらの生活の臭いが残る町であり,素朴な建築や伝統ある文化,のんびりとしたライフスタイルに心がほどけていく一時を過ごすことができた。


   
    磁器口古鎮の街並み

 土産物や,飲食店,カラオケバーなどが並んでいる
    
   清時代の商家の屋敷
   (鐘家院 参観料 3元)
 主人の部屋,主婦の部屋,客人の部屋,応接間,台所,作業場などが保存されている。薄っぺらい屋根瓦が特徴。
 清代の陶器だといって「FOR SALE」で陳列されていたが,真っ赤なうそ!
 これは先刻承知,だまされないぞ!
 

 店先で売っていた麻花(マァファ)

 古くからの中国のお菓子で,グルグルと縄を編むようにツイスト状にした形が特徴の甘いお菓子。

 磁器口から,重慶大学,百貨店,銀行などが建ち並ぶ繁華街を抜けてレストランが建ち並ぶ長江右岸に出る。レストランの開業時間まで岸辺の遊歩道から暮れなずむ長江の流れと対岸のビル群の景色を楽しむ。
 川面を渡ってくる風が心地よい。
 

重慶市の中心地区ビル街を望む
手前は三峡下り客船の乗り場

夕食腹いっぱい&乗船


 この旅で最初の本格的夕食は,”陶然居”という重慶料理店。重慶は辛い四川料理の中でもとりわけ激辛で知られたところである。
 黄ちゃんが気を利かしてくれて辛いのは麻婆豆腐のみとしてくれた。 でた料理は,全部は覚えていない。

  スペアリブ付きチャーハン,鴨,きゅうりの酢漬け,ピーナッツ,かに,麻婆豆腐,揚げ麺,火鍋スープ,きのこと鶏肉と竹の子スープ,鳥と魚の炒め,川魚の煮付けなどなど。
 ビールと老酒を含めて,一人あたり,なんと650円だ。信じられないくらいの値段だった。(^_^;)
 



 腹いっぱいになって,長江大橋を渡り船着場へ。

 マイクロバスを降りると,荷物運び屋が群がってきた,断っても断ってもしつこく付いて来る。客船への最後のアプローチ部分は,30段くらいの階段を川面まで下り,急流に浮かぶ浮き桟橋を渡らなければならない。彼らがしつこく付いて来るのが分かった,ここで,女性や体の弱い人が自分で運ぶことをギブアップするのを待ってのことらしいと。 あまりしつこいので,大人気なかったが,でかい声で「ブヨ〜(不要)! ノー」とどなったらようやく退散して行った。
 
 7時20分乗船。 
 船は
”EAST QUEEN(東方皇后号)”という外人客専用船(1994年製造,船長:91.5m,幅:16m,5階建て,客室:80,160人)。一昨年乗船した”三国号”よりワンランク上の船だとWEB SITEに載っていた。 
 
 われわれの船室は2階左舷の中央部分。8帖ぐらいの広さだろうか,ベッドが2つ,衣装ダンスと小物を置く棚,テレビ台兼用のテーブルと椅子(テレビはビデオ専用で,一般放送は映らない) トイレとシャワーが一緒になっている。 
 うん 結構いい部屋だ! 船内だからシャワーのみなのは仕方が無い,下手なビジネスホテルの部屋よりずっとましだ。
 
 荷物を解いていると,猛烈な雨が降ってきた,夕立である。桟橋を渡っている時だったらひどいことになっていた筈,間一髪助かった。
 ロビーに出てみると,あとから乗船してきた人たちがずぶぬれで,なんとも悲惨な顔をしていた。大変だったね〜

 9時から2F船尾側にあるホールで,三峡ダムの記録映画を鑑賞。

 今晩から船内で3泊,船は明朝5時出航とのこと,早めに就寝。

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