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価格 1,500円(税込み)
単行本 283ページ
出版社 ブックマン社
発売日 2010年2月16日
● 割引手形
● 手形貸付
● 当座貸越
● 証書貸付
● 支払承諾
● 代理貸付
● 借入申込書の書き方
● 銀行提出書類
● 銀行の貸出権限
● 担保・保証人
● 借入チェックポイント
● リ・スケジュール
●資金繰り円滑化借換保証
● ビジネスローン
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● 貸借対照表の見方
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トップページ>借りる前に知っておきたい、銀行融資5科目>割引手形
銀行では、資金使途により一年以内の短期貸出、一年超の長期貸出とに分けて融資し
ています。そして下図のように、融資科目により区分されているんです。
短期資金 |
割引手形、手形貸付、当座貸越 |
長期資金 |
証書貸付、支払承諾 |
ですから、一年以内の運転資金であれば、割引手形、手形貸付、当座貸越で対応しま
す。また、一年を超える期間の融資であれば、証書貸付、支払承諾で対応します。
一応、当ページでは代理貸付を単独で説明していますが、支払承諾の中に含んで考
えて結構です。
これらの銀行の勘定科目によって、融資が実行されてるわけです。
ここでは、それぞれの勘定科目、融資形態によりどう違うのか?
を説明していきたいと思います。この5科目こそが銀行融資の基本なのです。
1.どんな融資か?
売上(現金か手形のどちらかしかない)のうち受け取った手形を担保に、銀行で融資
を受ける形式をとる。
ただ経験上、この割引手形は、『融資を受ける』という意識が希薄な経営者、
経理担当者が多いので、認識を変える必要がある。
なぜなら、割引手形を銀行に断られると『なぜだぁー?銀行は、けしからん!』と
担当者を攻め立て、挙句の果てに支店長や本部に言ってやる!とすごむ人がいる。
すごんでみても結論は、くつがえることはまずないし、
印象が悪くなるだけ損なので、やめておくように!!
2.利息計算は?
手形金額×金利×割引日数÷365日 で計算される。
例えば、10,000,000円の手形で、振出日が3月1日、支払期日が5月31日の
手形を持っているとする。そして、融資実行予定日を4月1日とする。また、金利は3%と
する。
すると、割引日数は、融資実行日4月1日〜支払期日5月31日の61日となる。
これらを、算式にあてはめると・・・
10,000,000円×3%×61日÷365日=50,137円 となる。
また、この50,137円は、融資実行時に利息前取りとなるので、実際に融資される
金額は、10,000,000円から50,137円をひいた金額が指定口座に入金される。
3.極度枠とは?
銀行は、通常割引手形を頻繁に依頼される取引先に対して、
極度枠(限度枠と考えてればいいでしょう。)を設定して、融資する形式をとります。
この極度枠を設定する際にも、根拠となる計算式があるんですよ。
その算式は・・・
平均月商×手形比率×手形サイト
一見、何だぁ〜?と思われる方も多いでしょう。
まず、平均月商ですが、これは、年商÷12か月 で簡単にできすよね。
次に、手形比率なんですが、少し説明します。
通常、企業の売上は、この世の中に現金と手形の2つしかないのです。
じゃあ、小切手や振込はどうなんだ?と思う人もいるかもしれません。しかし、手形以
外はすべて現金と考えるんですよ。
そこで、売上の中にどのくらい手形でもらうものがあるかを示すのが、
手形比率なのです。
最後に、手形サイトですが、利息計算で説明した振出日〜支払期日の期間を言いま
す。
利息計算の説明で考えれば、振出日は3月1日、支払期日5月31日ですから、
3か月ということになります。
じゃあ、基本がわかったところで、具体例で考えましょう。
年商1億2000万、手形比率50%、手形サイト3か月の会社の極度枠は・・・
算式にあてはめてみます。
平均月商1,000万×手形比率50%×手形サイト3か月=1,500万
となりますよね。
この会社に対しては、1,500万の枠を作っておけば大丈夫ということになります。
さらに、わかりやすくこの1,500万の枠の根拠を図を使って説明しましょう。
手形金額
|
振出日
|
支払期日
|
融資実行日
|
銀行割引残高
|
5,000,000
|
3/1
|
5/31
|
3/20
|
5,000,000
|
5,000,000
|
4/1
|
6/30
|
4/20
|
10,000,000
|
5,000,000
|
5/1
|
7/31
|
5/20
|
15,000,000
|
※5/31支払期日で3/20に割引した5,000,000の支払期日到来
|
10,000,000
|
5,000,000
|
6/1
|
8/30
|
6/20
|
15,000,000
|
ただ、上記説明で注意してもらいたいことがあります。
あくまで、前期決算時の売上、回収条件で計算しているため、今期に入って売上が増
加するとか、手形回収の増えたりという事態があるかと思います。
その場合には、事前に『前期の数字はこうだが、今期は割引枠を増やして欲しい』
と銀行に相談しましょう。
その時、気の利いた銀行員なら、『何か新たな手形回収先がありますか』と聞いてくる
はずです。
4.審査基準
@手形銘柄
振出人に信用力があるかないかがポイントとなります。言い換えれば、振出人が支払
期日に決済できる能力があるかないかを審査します。
A買戻しができるか(財務基盤はしっかりしているか)
もし、手形の振出人が支払期日が到来し、決済できずに不渡りを出してしまった場
合、 割引をした会社が、その不渡手形を買戻し(極端にいうと、弁償)
しなければならないのです。
その買戻す財務状態かどうかを審査しているんですよ。
上記@Aの2点を銀行はみているのです。
よく銀行員が「総合的に判断して今回は割引はできません」
(私はこう言ってました)とやんわりと断ることがあります。
これは、@Aいずれかの理由なのですが、言えないんですよー。
例えば、@の理由ではっきり断ったとします。割引依頼した会社が振出人に
「おまえんとこの手形は銀行は割らないと言ったぞー、どうしてくれるんだー」
と言われた場合、銀行が振出人の信用を傷つけたとして、
守秘義務違反に問われかねないからです。
もしも、銀行員が特に自分の会社の状態が悪いわけでもないのに、
断るということは、振出人に問題があるかもと考えてください。
どうしてだ!?と必要以上に銀行を責め立てるのは、気持ちは理解しますが、
印象が悪くなるだけ損ということを覚えておきましょう。
5.振出人の信用調査
@振出人が割引依頼した銀行と取引がない場合
帝国データバンクや東京商工リサーチなどの信用調査会社のデータを取り寄せる
か、手形振出銀行へ直接『信用調査書』か電話にて聴取していますね。
この時の電話ですが、銀行同士といえども、必ず一旦電話をきりかけ直します。
そうでないと、第三者にベラベラしゃべっては、守秘義務違反になりますからねぇ。
A振出人が割引依頼した銀行と取引がある場合
取引のある支店の融資課へ状況確認をします。また、重ねて信用調査会社のデータ
も参考にしています。
6.手形の不備について
いくら割引してもらいたいといっても、手形に不備があったら、割引してもらえません。
以下に注意すべき箇所を書いておきます。
・印紙の金額はあっているか
・印紙に割印はしてあるか
・振出日は記入されているか(よくぬけてます!)
・支払期日は記入されているか
・受取人と第一裏書人は一致しているか
・手形金額を漢数字で書いてある場合、漢字が間違ってないか
⇒壱、弐、参、拾が捨になっていないか注意!!
〈もしも、ぬけてる箇所があったら・・・〉
手形・小切手法では、受け取った人が『白地補充権』をもっています。
ですから、勝手に振出日などは受取人が記入してもかまいせん。
ぬけてるのは、わかるけど、それでも不安な方は銀行員に聞いてから記入するとい
いでしょう。
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2日目:御社のメインバンクはどこですか?
3日目:銀行が求めている提出資料とは?
4日目:融資申込みはいつがいい?
5日目:銀行交渉は誰がするべきか?
6日目:銀行取引をしていく上で気をつけたいこと
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