【5日目】 8月4日(水)快晴
朝食をとるためにロビー横のレストランに行くと日本人だらけ。どうやらこのホテルには、日本からのツアーの団体客が泊まっているようだ。 今日は、朝一番にロイヤルコペンハーゲンの陶器工場へ行く予定。場所は地図で確認し、何番のバスに乗ればよいのかというところまでは分かったのだが、降りるバス停がよく分からない。そこで、バスに乗る時に運転手(かっぷくのよいおばちゃんだった)に「ロイヤルコペンハーゲンの工場近くのバス停に着いたら教えてくれ」と頼んでバスに乗り込んだ。しかし、どうも昨夜地図で確認した場所を通り過ぎているような気がする。運転手に「後どれくらいか?」と聞いてみると、なんと「あー、忘れていた。もうずいぶん過ぎてしまった」という答え。結局バスを乗り換えて引き返すはめに。今度はちゃんと運転手が教えてくれて無事9:30頃到着。この工場には、工場見学ツアーもあるのだが、今日はこの後アンデルセンの生まれた街オーデンセ(Odense)にも行く予定だったので、2級品ショップに直行した。ショップには日本人のスタッフがいて、1999年のイヤープレートは日本の方が安い(6000円)と教えてくれた。本店の2級品ショップに比べるとスペースは広いが、置いてある種類はさほど多くなさそうである。また、本店に置いあるもの全てがここにあるというわけでもないそうだ。結局気に入ったものがなく、明日再び本店に行くことにして30分ほどで工場を後にした。何しに来たんだろう? バスで中央駅まで戻り、駅のチケットセンターでちょっと強面の女性からオーデンセまでの往復チケットを買った。オーデンセは、かのアンデルセンが生まれ、少年時代(2歳-14歳)を過ごした街で、奥さんがどうしても行きたかった所である。駅構内のモニターではオーデンセ行の電車は6番線から出ると表示されていたが、プラットフォームに降りて、もう一度ホームのモニターを見るとどうも変だ。停車駅が表示されているのだが、Odenseという文字がない。不安になって近くにいた駅員に聞いてみると、となりの5番線の電車だと教えてくれた。危ないところだった。 オーデンセへ行くには、インターシティ(IC)というデンマークの主要都市間を結ぶ急行列車を利用する。TGVもそうだが、インターシティにも大きな荷物を乗せられるスペースや自転車、車椅子を乗せられるスペースが用意されていて、旅行者や身障者にとっては大変便利である。フィンランドのヘルシンキで乗った列車も同様で、このあたりは日本とは違うところだ。列車に乗り込んでからチケットをよく見ると座席の番号が記載されていない。が、ガイドブックにはインターシティは完全予約制だと書いてある。予約については買う時に確認すべきだったがもう遅い。よく分からないので車掌に聞こうと思い、うろうろしていると、見知らぬお兄ちゃんが「どうかしたのか? 大丈夫か?」と話しかけてきてくれた。これ幸いと「このチケットでこのシートに座っても良いのか?」と聞いてみた。すると、この車両は自由席だから好きなところに座っても良いという。うーむ、このガイドブックの北欧編にはちょいと間違いが多い。
公園を散歩してから、アンデルセンの生家に行ってみる。中に入ると元気そうなおばあちゃんが対応してくれた。中は狭く、6畳ほどの部屋が2つと土間しかない。幸い我々しかいなかったのでゆっくり見ることができたが、団体がやってきたら大変だ。壁にはアンデルセン直筆の手紙や、写真、それにオーデンセの風景画などが飾ってある。おばあちゃんの話では、ここにアンデルセン一家ともう1家族の計2家族が暮らしていたという。アンデルセンは6人家族、もう一つの家族は8人だったそうだ。一体どんな暮らしだったのだろうか?
近くのベンチで少し休憩してから、ここからそう遠くない、ニューハウン(Nyhavn)という港町を目指した。ニューハウンには有名なレストラン街があって、今日の夕食をここでとろうというわけである。途中、地図を見ながらニューハウンまでどうやって行こうか思案していると、自転車で通りかかった若い女性がわざわざ止まって「どうかしたの? 手助けしましょうか?」と話しかけてきてくれた。これまで何度か同じように助けてもらっている。しかも外国人と見ると皆英語で話しかけてきてくれる(これがまたとても流暢)。「フランス語は分からない」と言っても、しつこくフランス語で話しかけてくるフランス人とは大違いだ。デンマークの人は皆とても親切で、ここは旅行者にやさしい街だった。彼女の助言通り、結局歩いて行くことにした。
アメリエンボー宮殿を通り抜けて、岸壁沿いを歩いていくと間もなくニューハウンにたどり着くことができた。歩くのも大変なくらいものすごい人だ。ほとんどのレストランは店の前にテラスを出しているが、通りにもたくさんの人があふれている。少し見て回ったが、どのレストランに入ったら良いのか分からないので、ガイドブックに載っていたElverhojというレストランを探し出して中に入った。おすすめコースを頼んだが、とてもおいしかった。特に前菜で出てきた七面鳥の足の皮の燻製がおいしかった。ここまでで一番の夕食だった。
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