【2日目】 8月1日(日) 快晴


 今日はいよいよリーセフィヨルドのプレーケストーレン(Preikestolen)に行く。ガイドブックの写真を見てから、どーしても行きたかった所である。スタヴァンゲルからプレーケストーレンに行くためには、まずフェリーでタウ(Tau)という街まで行き、そこからバスに乗ってプレーケストーレンヒュッテまで行く。更にそこから約2時間ほど山道を歩かなければならない。日頃運動不足なので、2時間の山歩きに耐えられるかどうかちょっと不安。特にうちの奥さん(MOMO)が。

  フェリーの発着場はホテルから歩いて10分程の所にあるのだが、8:20発のフェリーに乗らなければならないため、少々早起きをした。ホテルの朝食で昼食用にパンとゆで卵をよけいにもらっておく。この時からホテルの朝食での「がめ癖」がついてしまった。

  フェリー乗り場に行ってみると、既に何人かの人が船を待っていた。フェリーが接岸できる場所は2カ所あり、1つには既にフェリーが着いていて、入り口に立っている看板には「Lysebotn」と書いてあった(Lysebotnはリーセフィヨルドの一番奥にある街)。もう片方にはまだフェリーは着いていなかったが、こちらの看板には「Tau」と書いてある。しばらくすると、フェリーが来て「Tau」と書いてある方に接岸しようとしていたので、そちらの方に行こうとしたのだが、係員らしき人がもう一方の接岸所の「Lysebotn」と書いてある看板をごろごろ押して、タウ行きの看板の前に置いてしまった。う〜む、いやな予感。この係員に「この船はタウ行きですか?」と聞いてみると、「違うよ。タウ行きはあっち。」と教えてくれた。危なかった。それでも間違えては大変なので、乗る前に2回、乗ってから1回、「これはタウ行きですか?」と確認した。
  フェリーに乗り込んでから売店でサンドイッチを買う。あまりおいしそうではなかったが、現地で食べ物が売っているかどうか分からないので、一応買っておいた方がよいだろう。フェリーには10歳位の男の子を連れた日本人の家族が乗っていた。この家族もプレーケストーレンに行くようだ。フェリーは予定通り約40分でタウに到着。フェリーの発着場からバスに乗ってプレーケストーレンヒュッテへ向かった。ガイドブックにはバスの乗り換えが必要だと書いてあったが、実際には必要なく、9:30頃ヒュッテに到着した。
【タウ行きのフェリー】

  ヒュッテには土産物屋を兼ねた案内所があり、水は売っていたが、サンドイッチなどの食べ物は売っていなかった。フェリーでサンドイッチを買っておいてよかった。ヒュッテの目の前には湖があり、波もなく、山が湖面に映ってとてもきれい。トイレに行ったり、湖の写真を撮ったりした後、9:50頃出発した。

【ヒュッテ前の湖】 【プレーケストーレン登り口】

  ここから約2時間の山歩き。歩き始めて約5分、予想通り早くも奥さんの息があがってしまった。情けない。岩がごろごろしている30度くらいの坂を登ったり、湿原に板を敷き詰めて作った道を歩いたり、小さな池の畔を歩いたりと、途中3回程休憩しながら変化に富んだ山道を歩き続けた。途中の景色もすばらしい。歩くのに慣れてきたのか、しばらくすると奥さんも順調に歩けるようになってきた。

【登山道】 【登山道】
  1時間40分程歩いただろうか。突然視界が開けてリーセフィヨルドが眼下に姿を見せた。すごい。水面に反射した光がキラキラしていてとてもきれいだ。ここからだとフィヨルドが緑色に見える。
【リーセフィヨルド】
 ふと右手の方を見るとそこはもうプレーケストーレンだった。ガイドブックで見た写真と同じ景色が広がっている。でも、写真よりすごい。とにかくすごい。この絶景をどう表現したらよいのか分からないくらいだ。やはり写真で見るのと実際に見るのとでは全然違う。既にたくさんの人がいて、プレーケストーレンの上は端まで行って足を垂らして座っている人もいる。

  プレーケストーレンの上はもちろん、ちょっと足を踏み外すと崖から落ちてしまうような場所を歩かねばならないのだが、柵も何もない。日本だったら、「危険!近づくな!」といった看板があちこちにあったり、そこら中に柵をつくったりするところだが、ここには注意を促す立て札さえない。これはフランスでも同様で、恐らくヨーロッパはみな同じだろう。できるだけ自然をそのままにしようという姿勢と、どこまでが個人の責任で、どこからが行政の責任なのかがはっきりしているように思う。
【プレーケストーレン】
  プレーケストーレンの上に座って少し休憩した後、近くの岩を少し登ってプレーケストーレンとリーセフィヨルドがよく見える所に座り、フェリーの中で買ったサンドイッチ、昨日ホテル近くのスーパーで買ったバナナ、ホテルの朝食の時に失敬してきたパンとゆで卵で昼食をとった。真っ青な空、彼方まで続くリーセフィヨルド、それにプレーケストーレン。この景色の中で食べるのは最高の気分だ。この後、プレーケストーレンの縁で腹這いになって下を見てみた(立ったまま下をのぞき込むことは怖くてとてもできない)。まさに断崖絶壁。フィヨルドのクルーズ船が行き来しているのが小さく見える。
【プレーケストーレンを上から眺める】

  写真も撮り、十分に景色を堪能した後、13:30頃帰路に着く。途中、「よくこんなところを登って来たなぁ」と奥さんが盛んに感心していた。「自分をほめてあげたい」らしい。しばらくすると、奥さんの足がガクガクになってしまって(俗に言う膝が笑うという状態)3回程休憩したので、結局帰りも行きと同じくらい時間がかかってしまい、15:20頃ヒュッテに到着した。ヒュッテでアイスクリームを食べながら日陰でバスを待った。日差しが強く、日なたにいるとかなり暑い。今日はかなり日焼けしただろう。来た時と同様、帰りもバスでタウまで行き、そこからフェリーに乗ってスタヴァンゲルに帰ってきた。

  一旦ホテルに戻り、シャワーを浴びた後すぐに夕食に出かけるつもりだったが、シャワーの後で奥さんが1時間程寝てしまった。よっぽど疲れたのだろう。奥さんが起きてから夕食に出かけた。今日もさんざんレストランを探した挙げ句、結局中華料理と日本料理をごちゃまぜにしたようなちょっと怪しいレストランに行ってしまった。まだヴァイキング料理は食べていない。


1日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 9日目

北欧旅行のトップページへ戻る
HOME

Copyright (c) 2002 MOMOだんな and MOMO. All Rights Reserved.