ペイントローラー
PAINT ROLLER
LSI GAME/学研


Written by T鈴木




アーケード移植FL



学研FL電子ゲームシリーズにおいて、アーケードゲームの移植モノが主であることは賢明な電ゲーファンの皆様ならご周知であると思うが(「スーパーコブラ」「ディグダグ」「インベーダー」「フロッガー」「パックモンスター」」「平安京エイリアン」等など…)、中には「え?こんなマイナーな物も!?」と驚倒するようなタイトルも若干ながら含まれており、即ち「アミダー」「フィッター」などがそれに当たるのであるが、この「ペイントローラー」もそんなマイナー移植ものシリーズに名を連ねる一品と言えるのではないでしょうか。

元ネタはもちろん「クラッシュローラー」(クラール/アルファ電子)

ファミコンやPC等にもまったく移植されることがなかったマイナータイトルで(※近年になってネオジオポケットに移植)、ゲーセンと言うよりは、どちらかと言うと駄菓子屋の名脇役。
繁華街よりも、場末の温泉宿のゲームコーナーなどでよく見かけました。
一応「ゲームセンターあらし」にも登場し、これでようやく脚光を浴びるかと思いきや、その後2度と登場することはなく(たぶん)、少年ゲーマー達の脳裏から儚く消えていったのでした…(続編でイカを主人公にした「コロスケローラー」ってのもあったらしいが、さらにマイナー…)。


「クラッシュローラー」(クラール/アルファ電子) 「ゲームセンターあらし」





忠実移植



すべての床を塗り潰そう
しかしゲームは割と忠実移植です。
主人公のブラシ(笑)を操り、モンスターに捕まらないよう、床をすべてペンキで塗り潰すのが目的です(ドットイートゲームの変形ですね)。
また画面端のワープトンネル、中央のブリッジの下も通過することができますが、その中は塗り潰す必要はありません。

モンスターは画面中央にある2つのローラーで押し潰すことができますが、各ローラーで左右2マス分しか動かすことができないので充分引きつけてから押し潰そう。
(ゲームBではローラーは1つしかなく、左右7マス分動かせる)

また時間が経つと出現するおじゃまネコは、せっかく塗ったペンキを剥がしてくるぞ。
こいつは問答無用で倒すことができるので、出てきたら即捕まえよう。

ちなみに2人プレイも可能で、透過スクリーンを挟んでプレイヤーが向かい合ってプレイする形となります。
1プレイヤーがブラシ、2プレイヤーがモンスターを操作することになりますが、1枚のスクリーンを対面で見ることになるので、2プレイヤー側からだと文字やスコアが逆に見えるのがトホホ……。






登場キャラ



ブラシ
プレイヤー。
なぜブラシが主人公なのかは深く考えてはいけない。
モンスター
ブラシを追い回す。ワープトンネル内にも侵入してくるなど、かなり執念深い。ローラーで押し潰すと100点。
2プレイ時ではこいつを2プレイヤーが動かす。
おじゃまネコ
一定時間経つと巣から出てきて、せっかく塗った床のペンキを剥がす。
捕まえると20点。
ペンキで塗られた床
1マス塗るごとに3点。
ネコが上を通ると剥がれる。





とにかく塗りつぶせ!




こうして画面をすべて塗りつぶすと200点ボーナスが入り、次のパターンへ進めます。
ちなみにパターンは99面まで。
最高得点は9999点となっています(到達した時点でゲームオーバー)。

またスコアが4000点に達すると、ミスマークが1つ消えるぞ。
すべて塗りつぶすと200点ボーナスだ





おじゃまネコ登場!



床のペンキを剥がすいやらしい奴!
とにかくいやらしいおじゃまネコ!
せっかく塗ったペンキも、こいつが歩き回るだけで次々と剥がされていきます。
もうすぐクリア!…というときに暴れられると目も当てられないので、出てきたら優先的に捕まえよう。

しかしこいつは積極的にペンキを剥がそうとするわけではなく、むしろ気紛れに動き回ります。
塗りが少ない初期状態であれば、何も必死に追い回す必要はありません。
あくまでモンスターに捕まらないことを優先し、倒してからゆっくりと床を塗ればいいのです。


パッケージに描かれている、なんか怖い猫





2プレイ対戦




2人プレイでは、前述した通り、ブラシとモンスターに分かれて対戦となります。

基本的なルールは1人プレイと同じなのですが、モンスターは一定時間動かなかったり、上下左右同じ方向に動き続けるとアジトに戻ってしまいます。
これは同じ場所に留まることでブラシ側に床を塗らせない「ハメ」行為の防止と思われますが、常にあっちこっち動き回らければならないので、なかなか忙しいです(笑)。
なお、モンスターは何度倒されても復活できます。

しかし、対戦と言っても基本的には1プレイ時とほぼ同じ……
ブラシを2つにして、協力プレイとかできれば面白そうだったのですが(あるいは多く床を塗った方が勝ちとか)、やはりこの辺が電子ゲームの限界か(笑)。
ペイントローラーの全キャラパターン






◆帰電くんアドバイス

コントロールレバーは倒しっぱなしにするより、コンコンッと小刻みに動かした方がキャラが速く動くぞ。





思いでゲーム



「ペイントローラー」のパッケージ
ちなみに筆者は、通算3度もこのゲームを買いました(笑)。

1台目はおもちゃ屋発掘で。
このとき、他にも「FLバーガータイム」「幻魔タイタン」「スヌーピーパノラマスクリーン」「ウイングマン」「ポリス&ギャング」など、そうそうたるタイトルが眠っていたのですが、当時は電子ゲーム情報など発達しておらず、ゲーム&ウォッチ以外はどれがレアなのかサッパリ分からなかったのです。
直観と「アーケードの移植ものだから〜」と言う理由で、この「ペイントローラー」を購入したのですが、今から考えればこの中で一番手に入りやすいタイトルだったんですけどね。
いやあ、見る目ないですね、オレ(笑)。
ちなみにこのとき買った初代「ペイント〜」は、外国人コレクターにトレードに出してしまい、海を渡ってしまいました。

2台目はオークションサイトで購入。
しかしデッドストックにも関わらず、不動品を掴まされてしまいました。
落札からかなり時間が経っていたので返品もきかず、一度も起動させないまま哀れゴクズミに・・・(ってか動作確認ぐらいせーよ)。

そして3台目もオークションサイトで購入したのですが、こちらはちゃんと動いたことは、このレビューを見ていただければ一目瞭然でしょう。

というわけで、コレクター的にはたいして価値のある品とは言い難いのですが、こう何度も買うと、何やらこのゲームに運命的なものを感じさせずにはいられない今日この頃です(でもないか笑)。





週刊電子ゲームレビューINDEXに戻る

帰って来た電子ゲーム TOPに戻る