入門その頃のバス

バス用語辞典

バス用語辞典 は行

パーク・アンド・ライド[park and ride]
パーク&ライド 自家用車などを駐車場に止めて公共交通を利用する形態。
地方で高速バスの途中バス停から乗車の際に、バス停近くに設置された駐車場を利用するケースが多い。駐車場は、バス事業者のほか、自治体などが設置する場合もある。
また、通勤などでバス路線の途中の駐車場に自家用車などを止め、バスに乗り換える施策を、環境対策などで行う場合もある。
パーク&バスライド、サイクル&バスライドなどの用語もある。
はいうぇい・ばす【ハイウェイバス】
ハイウェイバス 高速バスのこと。英語でのハイウェイ(highway)は幹線道路を意味するため、これは和製英語と思われる。
国鉄バスでは「東名ハイウェイバス」「名神ハイウェイバス」などのブランド名として使用しているほか、京王バスの予約システムは「ハイウェイバス・ドットコム」という名称であり、日本では高速バスを表す言葉として定着している。
はい・がす・きせい【排ガス規制】
→自動車排出ガス規制
はいき・ぶれーき【排気ブレーキ】
ディーゼル車に用いられる補助ブレーキ。排気管内に設けたシャッターバルブを閉じることで、エンジン内の排気圧力を高め、エンジンの回転抵抗を増やすことで、エンジンブレーキの作用を強化する。
エキゾースト・ブレーキ(exhaust brake)とも呼ばれる。
はいし・だいたい・ばす【廃止代替バス】
路線バス事業者が不採算のため廃止した路線を、自治体が主体となって運行するバスのこと。自家用登録のバスで有償運行を行う場合と、貸切バス事業者やタクシー事業者を借り上げて運行する場合がある。より狭義には後者のことのみを指す。
→21条バス
→78条バス
ハイデッカー[hi-decker]
ハイデッカー 床を高くした観光バスのこと。いすゞでは商品名としてこの名前を使用した。
アイポイントが高くなるため眺望が優れていることに加え、室内のタイヤハウスの張り出しがなくなり、床下のトランクスペースを大きく取れることなどの構造的なメリットもある。また、車体が大きく見えることで、貸切バスの商品力が上がるという点も挙げられる。
初期には、セミデッカー、パノラマデッカー、フルデッカーなどのバリエーションも存在した。
ハイブリッド・バス[hybrid bus]
ハイブリッドバス 低公害を目的に、ディーゼルエンジンと発電機によりバスを走行させるシステムを搭載したバス。1972年に川崎重工、富士電機、いすゞ自動車などが共同で開発した試験車両が東京都交通局に納車されたが、コストの関係か1978年には廃車となった。
その後、1994年に日野自動車が量産している。
ハイルーフ[high-roof]
ハイルーフ 屋根を高くした車両。バン、マイクロバス、トラックなどに見られる。通常これらの車両は着席前提で設計されているが、車内での立ち姿勢での移動や大きな荷物の積み込みなどの際の利便を考慮し、平らな屋根の上に高い屋根をかぶせ、車内の高さを増したもの。
マイクロバスでは、1979年から本格的なハイルーフ車がオプションとして加えられるようになり、高グレード車、路線バス用途車などから普及し、1990年代に入る頃にはハイルーフ車の方が一般的になっている。
はこがた・ばす【箱形バス】
車体がほぼ四角で、エンジン部の覆いが運転席の前方に出ていないバス。
≪関連用語≫→ボンネットバス
バス[bus]
道路交通法上は乗車定員10人を超える自動車を指す。
また、JIS D0101(1993)「自動車の種類に関する用語」によると、「人及び手荷物を輸送する目的のために設計及び装備された、運転者席を含め11席以上の自動車」。
語源は「オムニバス(omnibus)」。
ばす・がいど【バスガイド】
主に観光バスに乗務して、旅客に対して観光案内、飲み物やビデオ、カラオケなどのサービスなどを行う者。多くの場合、バス会社に所属し、旅客サービスのほか、運行に関する安全確認、車両の清掃美化などの業務も行う。
バスガールなどとも呼ばれる。
ばす・きょうかい【バス協会】
バス事業者の業界団体で、公益社団法人。全国組織の「日本バス協会」があり、各都道府県に下部組織のバス協会が存在する。
→日本バス協会
ばすきょう・てーる【バス協テール】
≪俗称≫1950〜80年代に多く見られた台形を組み合わせたようなテールランプのことを指す俗称。日本バス協会の前身の日乗協が進めた標準化部品の一つだったことから、誰かがこのように呼び始めたことがweb等で広がったものと思われる。
→日乗協型
ばす・じぎょうしゃ【バス事業者】
通常、営業用のバスの運行を業務とする団体を指す。道路運送法に基づく「一般乗合旅客自動車運送事業」または「一般貸切旅客自動車運送事業」を営む事業者。
ばす・しゃたい・きかく【バス車体規格】
日本バス協会、公営交通事業協会、日本自動車工業会、及び日本自動車車体工業会によって制定された標準的な製作仕様規格。
バス・ストップ[bus stop]
バスストップ ①英語でバス停留所のこと。
②高速道路に設置したバス停留所のことを、道路管理会社が指す用語。BSなどと略される。
高速道路本線上のほか、インターチェンジ、サービスエリア、パーキングエリアなどの敷地内に設置される場合もある。通常、路線バス以外は進入禁止となっている。
道路交通法上の取り扱いは、通常のバス停留所と同じで、路線バス以外は停車できない。
ばす・せんたー【バス・センター】
①「バスターミナル」と同意義で使われる。ターミナル(terminal)が終点の意味を持つことから、中心地の意味を持つセンター(center)という語を使った和製英語と思われる。「盛岡バスセンター」「名鉄バスセンター」など複数の事例がある。
②貸切バスの共同受注センターの名称として1980年代に使われたもので、北海道の「道東バスセンター」、長野県の「信州観光バスセンター」などの事例がある。
ばす・せんよう・どうろ【バス専用道路】
バス専用道路 路線バスのみが通行可能な道路。
道路運送法第2条8項で、自動車道のうち、自動車運送事業者が、その交通に供する目的で設けた道路を専用自動車道と区別し、他の交通の乗り入れを禁止している。
国鉄白鵬線の跡地、東日本大震災で被災したJR大船渡線の跡地などがこれに当たる。
道路交通法上のバス専用道路もある。
(写真は、松本電鉄浅間線跡を利用したバス専用道路)
ばす・せんよう・れーん【バス専用レーン】
バス専用レーン 路線バスのみが通行可能な専用通行帯。
通常は、複数ある車線のうち、左側の車線が指定される。
路線バス、スクールバスのほか、緊急自動車、50cc以下の原付自動車、軽車両などは通行可能。
バス・ターミナル[bus terminal]
バスターミナル 自動車ターミナル法によると、バスを同時に2台以上停留させることができる施設で、道路上や鉄道駅などに設置されたものではないもの。ただし、自動車ターミナル法とは関係なく、設置者が「バスターミナル」と名付けた施設も数多い。
自社以外の事業者が利用する「一般自動車ターミナル」と自社のバスのみが利用する「専用バスターミナル」がある。「一般自動車ターミナル」を有償で供用する場合は、国土交通大臣の許可を受ける必要がある。
→一般自動車ターミナル→専用バスターミナル
(写真は、大型店を併設した庄交バスターミナル)
ばすてい【バス停】
バス停 バス停留所の略称。→停留所
−うわや【−上屋】バス停の上に取り付けられる屋根のこと。→シェルター
−ひょうしき【−標識】バス停であることを示す標識。
−ぽーる【−ポール】バス停標識のこと。
ばす・の・ひ【バスの日】
9月20日。日本バス協会により、1987年に制定された。
1903(明治36)年9月20日、京都の堀川中立売−七条駅、堀川中立売−祇園間で二井商会により運行された乗合自動車が、バス事業の始まりであるということから、毎年9月20日をバスの日と定めた。
全国のバス事業者で利用促進や利用者サービスの観点から、この日を中心とした時期にイベントやキャンペーンを実施したりするほか、日本バス協会では9月を「バス利用促進月間」と位置付けている。
ばす・まど【バス窓】
バス窓 スタンディー・ウィンドウをもつ側窓を示す通称。
1950〜70年代のバスは、開閉式の側面窓の上に固定式の小窓を設けることが多かった。この方式は、路面電車や気動車などの鉄道車両でも採用されていたが、圧倒的にバスで採用される比率の方が高く、「バスの窓と同じような窓」を持つ鉄道車両に対して、鉄道愛好家が「バス窓」と通称するようになった。バスに関しても1970年代からこのタイプの形状の窓が作られなくなり、新しいバスと区別するために「バス窓」の用語が使われるようになった。
スタンディー・ウィンドウ
ばす・ゆうせん・れーん【バス優先レーン】
バス優先レーン 交通量の増大に伴い、路線バスを定時運行させるため、車線の一部をバス優先とした道路帯。
1967年に大阪御堂筋で設定されたのが最初(日本バス協会2008バス事業百年史)。
写真は道路標識。バス専用レーンと比べると、バスの両側の線が点線になっている。
路線バス等優先通行帯
バス・ロケーション・システム[bus location system]
バスロケ 路線バスの位置情報を利用者に知らせるシステム。多くの場合、バスの放送システムと連動して信号を発信、停留所の受信装置で信号を受信して、バスの接近情報を表示させる。
1981年に新宿駅西口で初めて導入された。無線方式での導入は1981年の秋田市交通局が最初。(1998バスジャパンNo.7)
(写真は、1989年頃の北陸鉄道の接近表示器)
バック・アイ[back eye]
バックアイ 車体後部についたバックアイカメラの映像を運転席についたバックアイテレビに映し、後方の安全を確認するための仕組み。かつては車掌がバック誘導をしていたが、ワンマン化に伴い運転手だけで後方確認をする必要が生じたため、この仕組みが生まれた。
はっけん・せいさん【発券精算】
①共同運行の路線で、プール精算をする場合に、発売した乗車券の販売額を精算原資とする方式。
≪対義語≫着札精算
②旅行代理店などが船車券を発売した場合、旅客が実際に乗車するか否かにかかわらず、発売した金額を原資に精算する方式。
≪対義語≫着札精算
はつのり・うんちん【初乗運賃】
概ね2kmまでの近距離に適用される運賃で、基準賃率を越えた定額の運賃設定が可能。
ばりあふりー・ほう【バリアフリー法】
「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」の略。2000(平成12)年に公布、施行されたが、2006年に廃止された。
車椅子利用者、視覚障害者、聴覚障害者などの交通弱者のバス利用に配慮した設備を義務付けている。これにより、路線バスは基本的にワンステップバス、ノンステップバスの車椅子用スペース付車両が標準化された。
ばりあふりー・しんぽう【バリアフリー新法】
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」の略。2006(平成18)年に公布、施行された。ハートビル法とバリアフリー法とを統合、拡充したもの。
高齢者、障害者、妊婦、けが人などの移動や施設利用の利便性や安全性の向上を促進するため、公共交通機関、建築物、公共施設のバリアフリー化を推進する。
バス車両に対しては、低床バス化、筆談具の設置を義務付けている。
ばりき【馬力】
動力の大きさを表す単位。単位はHPまたはPSで表される。1PSは1秒間に75kgの重量のものを1m上方に上げる仕事をする動力。
ばんぱー・でっき【バンパーデッキ】
バンパーデッキ バンパー上面に窓を拭くために取り付けられた軽合金縞板。バンパー踏板ともいう。

ひじょう・ぐち【非常口】
非常口 事故や災害などの際に車両から脱出するため、乗降用扉とは別に設けられた非常用の扉。
道路運送車両の保安基準第26条により、幼児専用車両と乗車定員30人以上の自動車に設置が義務付けられている。車体中央より後部の右側面または後面に設けられる。1951年に神奈川県内を走行していたトレーラーバスで乗客の持ち物から出火し、多くの犠牲者が出た事故を受けて、1951年に制定された。
非常口は車内のドアコックを引くことにより外側に開くようになっており、作動すると運転者に警報で知らせるようになっている。
(画像:1982年発行三菱自動車カタログ)
ひまわり・がた・ばすてい【ひまわり型バス停】
ひまわり型バス停 バス停標識の名称の一つ。支柱が1本で、その上に丸板を取り付けたもの。
この名称が一般的に認知されているとは言い難い。
ひら・ぼでぃ【平ボディ】
①バスの場合、ハイデッカー車に対して屋根の低い車両を指す。平屋根。
②トラックの場合、屋根のない荷台を持つ形状のものを指す。
ひら・やね【平屋根】
平らな屋根、もしくは普通の高さの屋根のこと。ハイデッカー車またはハイルーフ車に対して用いる相対的な表現である場合が多い。
ひょうしき・とう【標識灯】
標識灯 車両の位置を示すための灯火。尾灯、制動灯、駐車灯などのほか、前面や後面の屋根の上や、両側面につけられる灯火を指す。
マーカーランプ。
≪対義語≫→照明灯
ひょうじゅん・じゃく・しゃ【標準尺車】
全長が普通程度の車両。複数の全長を持つ車両がある場合の、相対的な表現。
ひょうじゅん・しょう【標準床】
床の高さが普通であること。ハイデッカー車または低床車に対して用いる相対的な表現である場合が多い。
ひょうじゅん・しよう・のんすてっぷ・ばす【標準仕様ノンステップバス】
標準仕様ノンステップバス ノンステップバス普及のため、国土交通省が定めた仕様。2004年から認定制度が始まった。
標準仕様を設定することで、製造コストの低減、ユニバーサルデザインによる高齢者、身体障害者、健常者がともに利用できること、安全性及び利便性の高いノンステップバス普及の推進を目的としている。(国土交通省Webサイトによる)
認定された車両には、認定ステッカーが貼られる。ステッカーの色は、認定時期により異なる。

フィンガー・コントロール・トランスミッション[finger control transmission]
フィンガーコントロールトランスミッション ギアチェンジの操作を、空気とエア圧のコントロール機能が行うギアシフト装置。操作性の向上と操作ストロークの短縮に寄与する。指先の軽い操作でギアチェンジできることから、この名称がついた。
1982年に三菱が採用。
(画像は1988年発行の三菱自動車カタログ)
フェンダー[fender]
フェンダー 泥除け。タイヤから飛散する泥や水から車体や歩行者を守るためのもの。転じて、車体のタイヤ周りに取り付けた覆いを指す。
ボンネット型の場合、車両デザインの重要な要素となるが、箱形バスでは単なるプレス型でしかない。
ふつう・じどうしゃ【普通自動車】
①≪道路運送車両法上≫軽自動車、小型自動車、小型特殊自動車、大型特殊自動車以外の自動車。つまり、バスも含まれる。
②≪道路交通法上≫車両総重量5,000kg未満、最大積載量3,000kg未満、乗車定員10人以下のすべてを含む自動車。つまりバスは含まれない。
ふつう・のりあい・じどうしゃ【普通乗合自動車】
ナンバープレートの分類上、乗車定員11人以上で人の運送に使われる普通自動車、つまりバスを指す。
「乗合」は道路運送法上の「乗合」「貸切」とは関係なく、バス全体を指す。
ふりー・じょうこう・せい【フリー乗降制】
過疎地域の路線バスの利用環境改善のため、バス停以外でも乗降の取り扱いを行う仕組み。1973年に三重交通で行われたのが最初で、全国に広まった。市街地や国道などを除いて設定される。(日本バス協会2008バス事業百年史)
ふりかえ・ゆそう【振替輸送】
振替輸送 鉄道が災害等によって運休した時に、並行する鉄道・バス路線に乗車できるようにする仕組み。利用者は鉄道の乗車券でバスに乗車し、その運賃相当額は鉄道事業者がバス事業者に補てんする。鉄道事業者から「振替乗車票」が発行され、それを乗客がバス乗務員に渡す方式もある。
(画像:首都圏振替輸送のご案内、2018年)
ぷーる・せいさん【プール精算】
共同運行を行う高速バスなどで、運行事業者が売上の精算に用いる方式の一つ。
利用者がどの会社のバスに乗車したかは関係なく、売上を集約し、運行便数割合等により運行会社に配分する。担当ダイヤによる利用率の違いが収入に影響しないため、特に都市圏と地方との共同運行高速バスで効果を発揮する。
ふらっしゃー【フラッシャー】
点滅式の方向指示器のこと。発光する(flash)ことからこう呼ばれる。
フレーム[frame]
フレーム バスのシャーシを構成する構造。
シャーシの上にボディを架装する。軽量化や仕様の柔軟性を高める必要性から、1950年代にフレームレス構造への移行が進み、フレーム付シャーシは特装車用シャーシなどに限定されるようになった。
(画像:いすゞBAカタログ、1966年)
ふれーむ・こうぞう【フレーム構造】
フレーム構造 車体の骨格になるシャーシフレームに、バネ、車軸、機関及び車体を取り付けてある構造。
シャーシのみで走行することができる。
(画像:日野自動車販売パンフレット、1976年)
ふれーむ・れす・こうぞう【フレームレス構造】
フレームレス構造 シャーシフレームがなく、シャーシとボディを一体構造にして強度を持たせてある構造。1950年代後半から導入されたバスの製造工法。
それまでのバスはフレームの上にボディを架装する方法で製造されていたが、軽量化や仕様の柔軟性を高めるため、フレームを廃し、強度をボディ側で担うようにしたもの。航空機のボディに採用されている外皮応力構造を採り入れたもの。
過渡期の1960年代前半には、フレーム付とフレームレスの2種類のシャーシが並行生産されていたが、ボディメーカー側の体制が整うにつれて、フレームレスに統一されている。
(画像:日野自動車販売パンフレット、1976年)
プレ・ヒーター[pre heater]
予熱器。通常の自動車の暖房装置は、冷却水の水温によって機能するが、寒冷地を中心にした路線バスにおいて、水温が上がる前の段階で、軽油または灯油を燃焼させて水温を上げる暖房装置。
フロント・グリル[front grill]
フロントグリル エンジンルームに空気を取り入れるための網目状の部品。単なる空気取り入れ口から、車両のスタイルを左右する重要なデザインの一部と変わってきている。
バスの場合は、前部にエンジンのあるボンネットバスやキャブオーバーバスに見られる。
前部にエンジンがないリアエンジンバスでも、貸切バスなどでライトと社名表示を一体化した部品をフロントグリルと呼ぶ場合があるが、これは語源からすると誤用。
→ラジエーター・グリル
ぶんり・こがいしゃ【分離子会社】
バス事業者が子会社として分離したバス事業者のことをこう呼ぶことが多い。
主に、1980年代に補助金の受給に関連して、経費の削減や補助金の継続などを目的に分離されたものを指す。当時廃止代替バスが貸切免許(21条)だったことから、乗合事業の免許を持たないケースもあった。
また、1990年代には、人件費の削減などを主目的に、2000年代には行政処分による事業拡大等の制限を回避するためなどを主目的に、分離するケースがある。

へいきん・じょうしゃ・みつど【平均乗車密度】
起点から終点まで平均してバスに乗車している旅客数で、主に補助金拠出の基準などとして使われる数値。
算出方法は、運賃収入÷実車走行キロ÷平均賃率。
へいきん・ちんりつ【平均賃率】
一人1キロ当たりの運賃の平均で、主に補助金拠出の基準などとして使われる数値。
算出方法は、停留所相互間総運賃額÷停留所相互間総キロ。
ペット・ネーム[pet name]
愛称。自動車の場合、メーカーが商品につけた名前で、「クラウン」「シティ」「コンソルテ」など、一般的に呼ばれるものを指す。
バスには「エルガ」「セレガ」「エアロエース」などの名前がある。
へんそく・き【変速機】
歯車の組み合わせの変化により、前進または後退を可能にし、更にエンジンの回転速度域はトルクを車の走行状態に合わせて変え、推進軸に伝える装置。重量の大きい車ほどエンジン・トルクを有効に利用するため、変速段数が多い。
ベンチレーター[ventilator]
ベンチレーター 通風器のこと。バスの場合、屋根上と前面にあり、冷房がなかった時代に、客室内に外気を取り入れるために設置されていた。
屋根上のベンチレーターは複数箇所あり、グリップハンドルを引きながら上方に押し上げることで開く構造(写真)。前面のベンチレーターは運転席足元にあり、レバーを押すことで開く構造。

ホイール・ベース[wheel base]
ホイールベース 前後の車軸間の距離。前輪の軸と後輪の軸の距離のことで、「軸間距離」「軸距」とも呼ばれる。
三軸車以上の場合、最前軸と最後軸との距離を指す。
一般的なバスのシャーシ型式を決める要素の一つでもある。また、一般的にホイールベースが長いと車体長も長くなる。
ほうこう・しじ・き【方向指示器】
方向指示器 右左折や進路の変更を他の交通に示すための装置。前面、側面、後面に取り付けられる。非常点滅灯(ハザードランプ)や駐車灯(パーキングランプ)などと一体となっていることも多い。
かつては腕木式方向指示器などのように灯火でないものもあった。現在は点滅式となっている。
ウィンカー。
ほうこう・まく【方向幕】
方向幕 行き先や経由地などが書かれた巻取り式の布(材質は後にビニル製となる)のこと。これが転じて、巻き取り機そのもののことを方向幕と呼ぶ場合もある。
近年ではLED(発光ダイオード)の普及により旧来の幕式のものは姿を消しつつある。
ほじょ・きん【補助金】
国や都道府県、地方自治体などからバス事業者へ支払われる補助金は、運行の欠損に対して支払われる運行補助金と、車両購入などに支払われる設備補助金と、主に二つに分けられる。
拠出主体や補助対象、補助率などは、補助事業、案件により異なる。
赤字経営のバス会社が補助を受けているという誤解がマスコミ等でも見られるが、企業の経営に対して補助が出ることはなく、飽くまでも案件ごとに拠出される。
ほじょ・ざせき【補助座席】
車内の通路部分に設置される折り畳み式の座席。最大の着席定員を確保する必要がある貸切バスや高速バス、長距離バスなどに設置される場合が多い。
道路運送車両の保安基準22条により、定員11人以上の自動車で、大部分の窓の開放部が有効幅500mm以上、有効高さ300mm以上ある場合に、補助座席を設置できる。
ほじょ・せき【補助席】
→補助座席
ほじょ・ぜんしょうとう【補助前照灯】
かつて道路運送法の保安基準で定められていた任意灯。後に前部霧灯と呼ばれるようになったフォグランプのほか、スポットランプ、補助ロービームランプなどが含まれていたと思われる。
ぼんねっと・ばす【ボンネットバス】
ボンネットバス エンジンが車両前部のボンネット部分に納められたバスのこと。多分和製英語。(英語はcab behined engine bus)
戦前から終戦後にかけては標準的なバスの形状だったが、1950年代後半から箱型のバスが主流になると、徐々に地方の山間路線や特殊車両などに向けて限定されての生産となり、1970年代にはほとんどが姿を消した。
ボンネットバスは車長に比べて定員が少なく大量輸送に向かない欠点があるが、前輪が運転台より前にあるため山間路線での運転には取り回しが利くメリットがあった。
1980年代以降、残っていたボンネットバスを観光用などに復活させる動きが活発化し、この傾向は現在まで続いている。
≪関連用語≫→箱形バス
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