入門その頃のバス

バス用語辞典

バス用語辞典 ら行

ライオン・バス[lion bus]
ライオンバス 多摩動物公園(東京都)のライオン園の中を走る施設内巡回バス。強化安全ガラスの2枚合わせ、10mm厚の鋼板張り、などの特注車。運営は東京動物園協会、運転は京王電鉄バスで、1964年5月に運行を開始した。
サファリ形式展示の動物園内を人を乗せたバスが走るというのは世界初で、その後に開園した各地のサファリパークの原形になったと言える。
車両は2代目(1976年)、3代目(1988年)、4代目(2000年)、5代目(2013年)と代替わりが進み、4代目以降は圧縮天然ガス(CNG)車。
那須サファリパークの「ライオンバス」は、サファリバスの項目を参照。
(画像:東京動物園協会発行絵葉書)
ライトバス[light bus]
@小型バスの商品名。いすゞ、トヨタ、マツダなど複数のメーカーで、1960年代に使われていた。後にマイクロバスと総称されるようになった20〜26人乗り程度の小型バスに用いられていた。
AJIS D 0101(1993)「自動車の種類に関する用語」によると、「運転席を含め30席未満のバス」を指す用語とされる。
ラジエーター・グリル[radiator grille]
ラジエーターグリル ラジエーターに走行風を当てるための通風口で、正面のライト間に設置される。基本的にフロントエンジンの車両に取り付けられる。
スタイルの良し悪しを決めるポイントにもなるため、機能に関係なくデザインされたものも多い。
ラッシュ・バス[rush bus]
1960年代に製造された大都市向けの大型バスのこと。多分、和製英語。
この時期、朝夕の通勤需要が旺盛になり、その対策としてこれまでより大きなバスが必要になり、全長11mを超えるバスが登場した。乗車定員は立ち席を含めて100人くらい。
三菱の3軸車MR430が知られている。
ラッピング・バス[wrapping bus]
ラッピングバス 全面広告バス。
フリートマーキングの技術が確立し、フィルムで印刷した広告でバスを包むように施工することからこう呼ばれるようになった。1998年の長野オリンピックの時に長野市内で多数施工された後、2000年代に入る頃、全国的に展開されるようになった。
和製英語。
ランプ・バス[ramp bus]
ランプバス 空港施設と飛行機の駐機場とを結ぶバス。航空機が空港ターミナルから離れた場所に駐機する場合、空港内での旅客の輸送を行う。
羽田空港では1966年から東京空港交通により運行されており、当初は特注の低床車、1981年からは全幅2.99mのワイドボディー車両も導入されている。

リア・アンダー・エンジン・バス[rear under engine bus]
車両後部の床下にエンジンがあるバス。それまでのリアエンジンバスは縦置き形エンジンを車体後部に置いていたため、最後部座席の後ろにデッドスペースがあったが、横倒し配置の水平エンジンとすることでそれを解消した。
この名前でリアエンジンバスと区別されたのは1963(昭和38)年に日野自動車が初めて商品化した当初のことで、以降いすずBU系などで普及すると、リアエンジンバスの一種に含められることが多くなった。
リア・エンジン・バス[rear engine bus]
リアエンジンバス 車両の後部にエンジンがあるバス。日本では1949(昭和24)年に製造された「富士号」が最初とされる。車体の形は箱型になり、それまでのボンネット型バスなどに比べてデッドスペースがなく、大量輸送に適しているため、その後のバスの標準的な形態となった。
リーフ・サスペンション[leaf suspension]
リーフサス サスペンション方式の一つ。リーフスプリング(重ね板バネ)により車台を支える方式。
バスのサスペンション方式としては一般的であったが、観光バスは1970年代から、路線バスは1990年代から、ほぼエアサスに変わっている。
≪関連用語≫→エアー・サスペンション
(画像:いすゞBUカタログ、1967年)
リクライニング・シート[reclining seat]
リクライニングシート 背摺りが後ろに倒れる構造になっている座席のこと。戦後に開発され、鉄道車両では2等車(後のグリーン車)に採用されたのち、特急形電車などに普及した。バスでは主に貸切バス、高速バスなど長距離輸送を目的とする車両に採用されている。
(画像:三菱MKカタログ、1982年)
リターダ[retarder]
リターダ 大型車の補助ブレーキの一つ。プロペラシャフトの回転に直接負荷を与えることで減速する。
(画像:三菱MSカタログ、1993年)
リッド[lid]
ふた。バスの場合、エンジンなどを点検するための開閉式の蓋、観光バスのトランクの蓋などを指す。
りふと・つき・ばす【リフト付きバス】
車いす用の昇降機(リフト)を装備したバスのこと。
1990年代に路線バスのバリアフリーの一環として、主に中ドアにリフトを装着し、車内に車いす固定スペースを付けたバスが登場した。これを指す場合が多い。その後、ワンステップバスやノンステップバスにスロープを付ける方式に変わり、リフト付きの路線バスは普及していない。
このほかに、車いす用のリフトを中央部分に設置した貸切バス、高速バスも存在する。また、高齢者や障害者の輸送用に後部に車いす用リフトを設置した小型バスが福祉輸送用に存在する。
リフレクター[reflector]
反射器、反射材。
りむじん・ばす【リムジンバス】
リムジンバス 空港と市内とを結ぶバスのこと。limousineという英語が、豪華な送迎自動車や空港送迎の小型バスを表す言葉であり、これ自体がバスの意味を含むため、「リムジンバス」という単語は和製英語と思われる。
羽田空港と東京都内を結ぶ東京空港交通が、高級乗用車のいわゆる「リムジン」輸送から、1959年にバス輸送を始めるに当たり、「エアポート・リムジン」「リムジンバス」という名称を使用したもの(バスラマ 86による)。同社のブランド名でもあると同時に、全国各地の空港連絡バスの呼び名としても使われる普通名詞にもなっている。
りょうきん【料金】
輸送に付帯するサービスの対価。
①乗合の場合、座席指定(定員)制やデラックス車両などに対する一般料金と、特別座席や手回り品などに対する特別料金の二種類がある。
②貸切の場合、交替運転者配置料金、深夜早朝運行料金、特別車両割増料金がある。
輸送の対価である運賃とは異なる。
りょかくじどうしゃ・うんそうじぎょう【旅客自動車運送事業】
旅客を輸送する自動車事業のこと。道路運送法によると、一般旅客自動車運送事業と特定旅客自動車運送事業の二つがある。いわゆるバス、タクシーが含まれる。
りょかくじどうしゃ・うんそうじぎょう・うんゆ・きそく【旅客自動車運送事業運輸規則】
道路運送法に基づき、輸送の安全、旅客の利便を図ることなどを目的とする省令。

ルーバー[louver]
ルーバー よろい戸と呼ばれるもので、複数の板を並行に取り付けたもの。板の角度をつけることで、光や外気の入り方を制御する。
バスの場合、車体側面や後面の空気取り入れ口にこの様式を取り入れている場合がある。これをエンジンルーバーと呼ぶが、よろい戸形状以外のすべての通気孔の総称とすることは、語源からすると誤用。

れーる・ばす【レールバス】
レールバス バス部品を多用した小型の気動車。レールを走るバスという意味で名付けられたが、鉄道車両。和製英語。
1954年に閑散路線用に国鉄が導入したのが最初。その後、1962年の南部縦貫鉄道や1984年の樽見鉄道などの例がある。樽見鉄道が導入したのは富士重工製のLE-carで、国鉄の廃止代替路線用に開発され、複数の事業者に導入された。もっとも、混雑時に重連運転が必要なことや、耐用年数が短いことなどから、生産期間は短期に終わっている。
れっしゃ・だいこう・ばす【列車代行バス】
鉄道が災害その他の理由で運休した時に、その代行として運転されるバスのこと。
鉄道会社がバスを借り上げて、貸切バスとして運行される。そのため、車両そのものは路線バスや貸切バスなど様々だが、貸切契約による運行である。基本的には、鉄道駅またはそれに近い場所での乗下車となり、利用者は鉄道の区間運賃を支払って乗車する。それらの運行区間、乗下車場所、運行時刻、運行本数などは、鉄道事業者の指示による。
代行輸送とも呼ばれる。
れんせつ・ばす【連節バス】
連節バス 二つの客室で構成され、関節継手で連結されているバス。乗客は二つの客室を自由に移動できる。
日本では1985年に茨城県で開催された国際科学技術博覧会(つくば博)のシャトルバスとして使用されたボルボ製の輸入バスが最初の例となる。その後、大量輸送の通勤バスやBRTなどに輸入車を導入する例がある。
全長が12mを越えるため、道路交通法の特例措置を受け、限定した路線で使用することが必要。
通常切り離しができない構造なので、大型免許で運転できる。
(注1)

ロータリー・エンジン[rotary engine]
普通のエンジンはシリンダーの中をピストンが往復運動し、それをクランクで回転力に変えるが、ローターの回転運動だけで力を生み出すのがロータリーエンジン。そのため力の損失が少なく、出力、回転ともに高く上がり、振動も少ない。また往復運動する部分がないので、摩耗も少なく、複雑なバルブ構造も不要。
ろうどう・じかん【労働時間】
バスの運転士の労働時間は、労働基準法のほかに、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(労働省1989年告示)に基づいて決められている。バスを運転する場合の運転時間、休息時間、運転時間、連続運転時間なども一定の基準内に収める必要がある。
ロケット[rocket]
ロケット ガスを噴射して前進する装置のこと。
バスの場合は、それに似た形状で、屋根の上に載せる特注のパーツのことを指す。
もともとは、1971年にはとバスが特注したスーパーバスの冷房用ダクトが屋根上に設置されていて、ロケットのような形状だったことが始まり。これが格好良かったため、似たような形状のダミーを屋根に乗せる貸切バスが1970〜80年代に流行した。単なるアクセサリーで、特別な機能はない。
ろせん【路線】
国からの免許上のバスの路線とは、乗合バスが走る道路のことを指す。バス事業者が「○○線」と呼ぶ一般的な路線とはバスの運行区間を示すが、免許上はそれとは関係なく、バスが走るすべての道路が路線となる。
ろせん・ばす【路線バス】
決められた経路を走り、決められたバス停に停車するなど定期的に走るバス。道路交通法での呼び方。
「乗合バス」とはほぼ同義語。ただし、一般乗合旅客自動車運送事業に含まれていても、「定期観光バス」などは通常は路線バスとは呼ばれない。
→乗合バス
ろせん・ばす・とう・ゆうせん・つうこうたい【路線バス等優先通行帯】
交通量の増大に伴い、路線バスを定時運行させるため、車線の一部をバス優先とした道路帯。道路交通法第20条の2、道路標識・区画線及び道路標示に関する命令327-3による。
→バス優先レーン
ろまんす・しーと【ロマンス・シート】
ロマンスシート 2人掛けの前向き座席のこと。和製英語。
戦後に貸切バスなどで導入された座席がそれで、映画館などで男女二人が並んで腰掛けることを前提に作られたことから、こう呼ばれた。
この座席を取り付けた車両を、差別化のため「ロマンスカー」と呼ぶこともある。
(画像:天龍工業カタログ)
ロング・シート[long seat]
→三方シート
側板と並行に配置された複数人が座れる座席。1950〜60年代は、近距離路線バスの標準的な座席配置だったが、車内事故防止などの観点から、1970年代以降前向き座席主体に変わっている。
ろんりゅーむ【ロンリューム】
床上張りに使われる材料で、ロンシール工業製の塩化ビニル材の商品名。
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(注1)
「連節バス」の用語は、JIS D 0101(1993)「自動車の種類に関する用語」に規定されている。
なお、読み方が似ているため混同しやすいものに、鉄道における「連接車」がある。これは、JIS E 4001(2011)「鉄道車両−用語」によると、「隣接する車体間を、台車又は自在に動く継手によって結合した永久連結車両」と規定されている。
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