入門その頃のバス

ボンネットバス(ボディ編)

ボディ ここでは、主に1960年代以降に製造されたボンネットバスのボディスタイルについて、メーカー別に解説します。ボンネットバスの場合、ボンネット部分はシャーシに属する部分なので、ボディメーカーの特徴を見分けるには、前面窓から後ろを見る必要があります。
多くの場合、ボンネットバスのボディスタイルは同じメーカーの箱型バスのボディスタイルと共通性があります。特にドアの形状や後面のスタイルに共通性が見られます。もっとも、1960年代半ばからは大型バスは前後にヒサシのついたスタイルに変わりますが、生産数の減少していたボンネットバスは、それまでのスタイルを継承して生産されるケースが多かったようです。


川崎車体

1956〜61年
元信南交通 いすゞBX731(1961年式)
BX731

撮影:河口湖自動車博物館(2004.9.26)

元伊那バス いすゞBX341(1959年式)
BX341

撮影:ぽんたか様(伊那市 2015.8.16)

川崎航空機ではいすゞのボンネットバスを中心にボディを架装していますが、この時代にはまだ日野やトヨタへの架装例もありました。
昭和30年代のボディスタイルは、リアエンジンバスのいすゞBAに架装していたボディと同系列で、後面の傾斜が大きいのが特徴。腰板にリブの入る場合もあります。概ね、いすゞBX100〜500系列に架装されていたボディです。
→同時期の箱型ボディ

1961〜68年
呉市交通局 いすゞBXD30(1968年式)
BXD30

撮影:小野澤正彦様(広島県 2012.11.22)

東濃鉄道 いすゞBXD30(1965年式)
BXD30

撮影:恵那駅(2005.11.3)

1961年にモデルチェンジを行いました。これも同時期のリアエンジンバスと同系列で、雨樋がスタンディウィンドウ下に移り、後面の傾斜も浅くなりました。癖のない大人しいスタイルです。
主にいすゞBX700系列〜BXDに架装されたボディです。川崎車体でのボンネットバスのボディ製造は、1968年頃までのようです。
→同時期の箱型ボディ

富士重工

やなぎや観光 いすゞBXD30(1966年式)
BXD30

撮影:土庄町(2005.9.3)

かずら橋タクシー いすゞBXD30(1966年式)
BXD30

撮影:旅男K様(三好市 2007.6.17)

富士重工製のボンネットバスボディは、いすゞを中心に、トヨタや日産などにも架装しています。
やはり同時期のリアエンジンバスに準じたスタイルをしており、雨樋がスタンディウィンドウの下にあるのが特徴。また、正面窓の縦寸法が小さいのも他のボディメーカーのボンネットバスとの相違点です。メーカー呼称ではC9型というようです。
1966年まで生産実績があります。

後面のスタイルは、の写真のように左右の窓が曲面ガラスとなっているもののほかに、平面ガラスで側面に回り込んでいないものもあります。
両者は年式的にも混在しています。

岩手県北自動車 いすゞTSD40(1964年式)
TSD40

撮影:松尾村(1986.5.4)

帝国自工

岩手県南バス 日野BH15(1963年式)
BH15

撮影:板橋不二男様(水沢営業所 1976.5)

濃飛乗合自動車 いすゞBXD30(1967年式)
BXD30

撮影:美輝の里(2005.10.19)

帝国ボディは、いすゞ、日野などのボンネットバスに架装しています。
1961年にリアエンジンバス日野RB10に合わせて登場したボディと同様にモデルチェンジを行い、正面窓が連続窓になりました。ボンネットバスとしては近代的なスタイルです。
1966年まで製造実績があります。
→同時期の箱型ボディ

金産自工

1958〜61年頃
魚沼交通 いすゞBX341(1959年式)
BX341

撮影:小野澤正彦様(新潟県 2008.10.17)

函館バス いすゞBX352(1959年式)
BX352

撮影:旅男K様(函館駅 2007.6.3)

金産ボディのボンネットバスは、1950年代後期には、正面ガラスが中央部でRを付けずに接している連続窓風のスタイルになっていました。時期的には少なくとも1958〜61年頃で、箱型バスでは日野ブルーリボンのボディが作られていた期間です。後部のスタイルは、それに準じています。
スタンディーウィンドウのRが大きいのが特徴ですが、末期にはその特徴もなくなってきています。

1960〜64年頃
岩手県交通 日野BH15(1964年式)
BH15

撮影:小野澤正彦様(胆江営業所 2010.8.15)

かずら橋タクシー いすゞBX531(1960年式)
BX531

撮影:小野澤正彦様(三好市 2015.5.16)

1962年頃から、正面窓が独立したオーソドックスなスタイルになりました。窓上の水切りや、三角窓の形状は変わりません。三角窓は、上の方で傾斜角が変わる形状です。
→同時期の箱型ボディ

1967年
伊那バス いすゞBXD50(1967年式)
BXD50

撮影:長野県(1990)

伊那バス いすゞBXD50(1967年式)
BXD50

撮影:ぽんたか様(伊那市 2015.8.16)

生産数はかなり限定されていますが、末期のボンネットバスのスタイルです。
運転席横の横引き窓部分の雨樋位置が下に降りなくなっています。また、後面の形状が同時期にリアエンジンバス日野RB10などに架装されていた箱型バスと同じように、窓の側面への回り込が減少しています。

三菱ボディ

自家用 トヨタFB60
FB60

撮影:七飯町(2012.4.21)

新三菱重工業という社名だった頃に作られていた三菱ボディのボンネットバスは、正面窓と三角窓のピラーを細くして連続窓風にした正面スタイルと、側面窓下のRが特徴でした。1954年に三菱B200系列に合わせて登場したボディで、トヨタやいすゞなどにも架装しています。
もっとも、三菱シャーシのボンネットバスが早くに製造をやめたため、このボディもそれに合わせるように1960年までに姿を消します。

呉羽自工

いすゞBX95
BX95

撮影:海さん様(八戸市 2005.8.7)

呉羽自工のボンネットバスは、正面窓や側面窓が大きいのが特徴でした。 また、この写真では見えませんが、後面は平べったい形状になっています。
このボディスタイルは、1956年頃からのもののようです。

富山地方鉄道 いすゞBXD30
BXD30

撮影:板橋不二男様(富山県 1973)

福山自動車時計博物館トヨタDB100(1967年式)
DB100

撮影:シンコー様(福山市 2008.8.13)

呉羽自工の末期のボディスタイルは、三角窓が正面窓とつながったような形状をしていることが特徴です。後面の平べったい形状は、前モデルをそのまま引き継いでいます。

北村製作所

1957〜59年
豊後高田市 いすゞBX141(1957年式)
BX141

撮影:小野澤正彦様(豊後高田市 2009.9.20)

元岩手県南バス 日産U592(1959年式)
U592

撮影:小野澤正彦様(福山市 2010.7.26)

北村製作所製のボンネットバスの中で、1950年代後半のスタイルです。正面窓の縦寸法がかなり大きく、明朗なイメージがあります。また、側面窓のスタンディウィンドウも大きめです。
このスタイルは、同時期の箱型バスと共通性のあるスタイルと思われます。

1960〜67年
元山形交通 いすゞTSD40(1967年式)
TSD40

撮影:小野澤正彦様(水戸市 2008.3.8)

東野交通 いすゞBX553(1960年式)
BX553

撮影:ぽんたか様(東武宇都宮駅 2016.3.27)

1960年に、箱型バスのモデルチェンジに合わせて、ボンネットバスのボディも変わりました。正面窓やスタンディウィンドウの形が若干角張ったようですが、正面窓が大きいという特徴は変わりません。ドアの窓や車掌台窓の形状は、同時期の箱型バスと同じです。
→同時期の箱型ボディ

1967〜74年
千曲バス いすゞBXD50(1967年式)
BXD50

撮影:野辺山(1986.8.18)

西東京バス いすゞBXD50(1967年式)
BXD50

撮影:八王子市(2007.4.30)

1967年に箱型バスと同様に後面スタイルが角張った形状に変わりました。3枚窓の連続窓の近代的なスタイルで、非常口は側面に移りました。この時期、他のボディメーカーがボンネットバスの製造をやめており、生産数は多くないものの北村製作所のシェアは大幅に高まりました。
→同時期の箱型ボディ

北村製作所では、角形の後面スタイルへのモデルチェンジ後も、非常口を後面に配置した車両も生産しています。
営林署や自衛隊などの特殊用途のものに見られます。

いすゞTSD43
TSD43

撮影:小野澤正彦様(江戸東京たてもの園 2013.3.26)

1974〜79年
いすゞTSD40(1979年式)
TSD40

撮影:小野澤正彦様(相模原市 2012.12.3)

北村製作所製のボンネットバスは、1975年以降、リアエンジンバスと同様にサッシ窓となります。
このスタイルで製造されたのは、4輪駆動のTSDがごく少数で、鉱山の職員輸送用など一部用途に限られるようです。
→同時期の箱型ボディ

西日本車体

1959頃〜65年
自家用 日産UG690(1965年式)
UG690

撮影:小野澤正彦様(加賀市 2013.2.12)

自家用 日産UG690(1965年式)
UG690

撮影:ぽんたか様(加賀市 2011.5.3)

西日本車体製のボディは、側面窓の下にRがあるのが特徴ですが、これはボンネットバスでも同じです。
1959年頃〜65年のボディは、正面窓にパノラミックウィンドウを採用した明朗なスタイルです。

1965〜67年
技研製作所 日産U690(1965年式)
U690

撮影:小野澤正彦様(アクトランド 2015.5.15)

西日本車体の1965年以降のボディは、正面窓が平面窓に戻り、その縦寸法も小さく見え、以前のスタイルより古く感じられます。
側面窓のRは相変わらずです。
1967年までは製造実績があるようです。

新日国工業

鞆鉄道 いすゞBX341(1958年式)
BX341

撮影:旅男K様(福山駅 2005.5.22)

鞆鉄道 いすゞBX341(1958年式)
BX341

撮影:旅男K様(福山駅 2005.5.22)

新日国工業も箱型バスと共通性のあるボディスタイルとなっています。特徴は、スタンディウィンドウの縦寸法が大きく、上側のRが大きいこと。そしてスタンディウィンドウと雨樋との間にスペースがあることです。また、側面最後部のスタンディウィンドウは、後面の傾斜の影響でかなり幅の小さいものになっています。

日産U690
U690

撮影:旅男K様(置戸町 2012.6.24)

技研製作所 日産U592(1959年式)
U592

撮影:ぽんたか様(アクトランド 2016.3.5)

新日国工業では、1958年頃のモデルチェンジで、側面の雨樋の位置が下がり、スタンディウィンドウも標準的な大きさになりました。
同時に、正面窓も上部に水切りが接する精悍な顔つきになりました。リア面のスタイルは変わらないようです。

安全車体

岩手県南バス 日野BH15
BH15

撮影:板橋不二男様(大東営業所 1973.11.3)

岩手県南バス 日野BH15
岩2く2109

撮影:板橋不二男様(大東営業所 1973.11.3)

安全車体製のボンネットバスは、側面窓のスタンディウィンドウの縦寸法が小さく、また後面窓の縦寸法も小さいのが特徴。正面窓脇の三角窓が、側面からの雨樋の内側にあるのも特徴。

参考画像(川崎航空機製)
三八五交通 いすゞBX91
BX91

撮影:海さん様(八戸市 2005.10.2)

三八五交通 いすゞBX91
BX91

撮影:海さん様(八戸市 2005.10.2)

安全車体製のボンネットバスと同じスタイルのボンネットバスで、川崎車体製の銘板を付けたものが存在します。
写真に添えたように、車内には「川崎航空機岐阜工場」を示す英語の銘板が付けられています。
安全車体と川崎車体の業務提携は1964年のことですが、それ以前にも何らかの関係があったのでしょうか。(注1)

(注1)
ポルト出版(2015)「バスラマ148」P.45の西武バス所有の保存車「三角バス」の説明に、「川崎航空機のプレートを持つが実際は安全車体製」との記述があります。確かに車体の特徴は安全車体であり、このような事例はほかにもあったのかも知れません。
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80s岩手県のバス“その頃”