離婚には離婚する方法によって、3種類の離婚があります。 「協議離婚」と「調停・審判離婚」と「判決離婚」です。 それぞれを簡単に説明しておきます。
「協議離婚」とは、お互いの同意に基づいてする離婚です。 夫婦の話し合いで合意すれば、 裁判所などの第三者の手を借りずに当事者だけでできる離婚です。 現在、日本では90%近くがこの協議離婚です。 ほとんどの離婚がこのケースだと思ってください。
「調停・審判離婚」とは、家庭裁判所に申し立ててする離婚です。 話し合いがつかない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てて、 そこで合意に達したら調停離婚が成立します。 現在の日本では約9%がこの調停離婚です。 特別の場合、まれに調停に代わる審判がなされることがあります。 異議申し立てがなければ審判離婚が成立します。
「判決離婚」とは、裁判所の判決を受けてする離婚です。
家庭裁判所でも合意できない時は地方裁判所で争います。
民法770条の理由に当てはまる理由がないと離婚できません。
以下の5項目が法定理由です。
@ 不貞行為
A 悪意の遺棄
B 3年以上の生死不明
C 回復の見込みのない精神病
D 婚姻を継続しがたい重大な事由
これは裁判ですから、訴訟費用・弁護士費用がかかり、
さらに公開の法廷で審理されます。
現在の日本では約1%がこの判決離婚です。
少ないですね・・・。
この3種類の違いの理解をすることはとても大事で、
離婚の準備をするに当たっての大きな分岐点となっています。
「自分はどういった形の離婚を望んでいるのか?」
「離婚後の生活設計はどうなっているか?」
これによって選ぶ離婚の形式が決まってきます。
離婚の形式を決めたら、やっと離婚の手続きに入っていけるのです。
離婚の際に最も争いの多い事柄は、 「慰謝料」と「財産分与」と「養育費」です。
「慰謝料」とは、不法行為によって受けた心の痛み、 精神的苦痛を和らげ回復するために支払われる金銭のことです。 いわゆる「不法行為による損害賠償請求」です。 一般的には男性から女性に払うものと考えられていますが、 不法行為をした側から、された側に支払われるので、 基本的には男女の区別は関係ありません。 例えば、浮気(不貞行為)が原因で離婚する場合、 浮気した側が「すみません」とお金を払います。 ですから、男性が払うとは決まっていません。 当然、女性が支払う義務のある場合もあります。
「財産分与」とは、2つの面があります。 ひとつは、財産の清算です。 結婚生活中に夫婦で貯めた財産を清算して、 きちんと分配しておきましょうということです。 持っている財産を公平に分けて、 金銭的な不公平感をなくすわけです。
もうひとつは、扶養です。 離婚によって生活に不安が生じる場合に、 配偶者が扶養してその生活の維持を図ることです。 いわゆる離婚後の生活費のことと思ってください。
次に重要なのは「養育費」の問題です。 子どもの養育費は、子どもの受け取る権利があるお金です。 支払義務者はお金があるときに払えばいいというような、 単なる生活扶助義務を負うのではなく、 たとえお金がなくて借金があっても支払わなければならないという、 いわゆる生活保持義務を負うものです。 慰謝料と違いかなり強く支払を要求できるものですから、 諦めることはせず、子どもの権利を守る努力をすべきでしょう。
しかし、この金額や支払方法などをめぐって争いが絶えません。 この部分をきちんと決めることが離婚の難しいところです。 そして大きなポイントとなっています。
なお、離婚の際に決めた金額を支払わないケースは非常に多く、 現在、大きな社会問題となっています。 支払う義務を法的に作ろうという動きもあるくらいです。 離婚後、扶養義務があるのにもかかわらす、 大半の人が養育費や生活費、 払う約束をしたはずの慰謝料などを払っていないので、 こういった動きが出てきているを覚えておいてください。 このことも踏まえて、しっかりとした方法をとることが大事です。
離婚はケースバイケースです。 しかし、しっかり決めなければならないことは決まっています。 過去の裁判の例を見てもそれは顕著です。
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