第七部の副題を「梅の残り香」とした。梅の一字は姉、敦子の戒名「寒梅清香大姉」からいただいた。昨年、彼女が亡くなって40年経った。
2月には姉の誕生日もある。28日。1962年生まれ。健在なら今年、60歳。還暦を迎える年だった。
姉のことも含めて2021年から2022年にかけては、いろいろな意味で節目の年にあたる。
- 2021年2月、姉が亡くなり、40年
- 2021年12月、今の会社で勤続5年
- 2022年1月、ネットで文章を書きはじめて20年
- 2022年2月、姉が生まれて60年
- 2022年4月、大学に入学して35年
- 2022年4月、子どもが産まれて25年
- 2022年9月、結婚して30年(真珠婚式)
- 2022年11月、『烏兎の庭』を開いて20年
そこで、2018年1月に始めた第六部は12月末をもって終了とし、新たな気持ちで第七部を始めることにした。
去年は心境の大きな変化もあった。それは、『親と死別した子どもたちへ』を読み、映画『君の膵臓をたべたい』を観たおかげ。グリーフ・ケアのカウンセリングも受けた。
その心境の変化を一言で言えば「悲嘆と主体的に向き合う」ということ。
『君の膵臓をたべたい』じたいも梅と関連がある。桜良が無理矢理に春樹を連れて行った「君(桜良)が死ぬまでに行きたい場所」は太宰府天満宮だった。その理由は原作にも書かれていない。私自身は太宰府に行ったことはない。鎌倉の荏柄天神には何度も行ったことがある。いつか、桜良と春樹の足取りを辿って訪れたい。
第六部の副題は「終わりの始まり」とした。いかようにも意味が取れるこの言葉から私が一番強く感じていたことは、「終わりが始まる」ということだった。一言で言えば、「死が近づいている」という感覚だった。父が亡くなったばかりだったから、そういう感覚が鋭くなっていたのかもしれない。
今、思うことは、「終わりから始まる」ということ。姉の命が終わった日から私の新しい人生が始まる。人生などという大袈裟なものではない。今日から新しい「日常」が始まる。ようやく「終わりの始まり」という言葉の意味がわかった。
だから第六部を終わらせることができた。こうして第七部が始まる。
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基本的なフォーマットは第六部と同じ。配色だけを変えた。梅をイメージして赤系色を使いたかった。あまり明度が高いと見づらいので、赤茶色を採用した。
第六部は、地の色を濃くして文字を明るい色にした。今回は背景を薄い色にして文字を濃くした。
ファビコンは、姉の名前、敦子、の頭文字にした。
さくいん:『君の膵臓をたべたい』、悲嘆(グリーフ)、日常