2/4/2017/SAT
寒梅忌
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2月最初の週末。寒梅忌と名付けて二年目。朝、一曲目に聴いたのは、さだまさし「異邦人」。
毎朝聴いている英語ニュースも今日は聴かない。一日、79年の夏から81年の冬まで聴いていた音楽を聴く。
さだまさし、オフコース、Billy Joel。Bee GeesとBay City Rollersも聴くかもしれない。
70年代末の音楽だけを選んで聴く今日、例外もある。さかいゆう「僕と君の挽歌」。
要するに、そういう気分になる日。この歌はPVもいい。
夕方、両親と待ち合わせて、いつもの南欧料理店でいつものマルゲリータとパエリア。
実家に向かうバスのなかで聴いたのは、桑田佳祐「風の詩を聴かせて」。
悲しみにはもう負けない
負けそうになることが、私にも、ときどき、というより頻繁にある。でも、悲しみに勝とうと思ったことはない。勝てるわけはないし、悲しみとは仲良くやっていきたい。なぜなら私はもっとも悲しいときに最も幸せだから。
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実家のある終点に着く前、最後に聴いたのは、薬師丸ひろ子「愛のバラード」。
死んではいけないと 風が今日もささやく
この言葉ほど今夜にふさわしいものはなく、今夜ほどこの言葉がふさわしい夜はない。そう思いながら聴いていた。
あなたの名前呼んで 朝を待つでしょう
翌日出かけるので、いつものように深酒して夜更かしするのはやめて、早めに休んだ。
夜、布団のなかでこっそり名前を呼んだ。
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土曜日は、80を過ぎた両親と朝比奈峠を越えて鎌倉を散策した。
大刀洗で花を手向け、手を合わせ、静かな時を過ごした。
荏柄天神で合格祈願。3桁の電話番号が表札に書いてある古い屋敷の並ぶ裏通りを歩いて鶴岡八幡宮へ。社殿まで階段を登り、一月遅れの初詣。
そのあと、小町通りを抜けて駅まで、2時間で9,000歩。
江ノ電の改札口の横にある中華料理店で、80代の健脚に乾杯した。
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先週の初め、「梅を見に行きませんか」と両親を誘った。すぐに「行きましょう」と返事が来た。
これまで一人だけで行ったり、皆で行くにしても何となく行くだけで、きちんと誘って行くことはなかった。
「梅を見に行こう」と言葉にできたことは、私にとっては大きな前進だった。
36年間、できなかったことだから。