1/2/2019/WED
謹賀新年
今年ほど穏やかな正月はこの数年なかった。
受験生もいないし、失職中でもない。お笑い番組を見た後で虚しい気持ちでため息をつくこともなかった。
調子がよいのは休みのあいだでも規則正しい生活を送っているからだろう。
夜更かしはせず、深酒もしない。十分な睡眠時間が心身の安定に貢献している。
この安定して環境を頼りにして安定した気持ちを維持すること。
新しいことを始めたり、より高いことを望むことより、ずっと難しい。
今年ほど穏やかな正月はこの数年なかった。
受験生もいないし、失職中でもない。お笑い番組を見た後で虚しい気持ちでため息をつくこともなかった。
調子がよいのは休みのあいだでも規則正しい生活を送っているからだろう。
夜更かしはせず、深酒もしない。十分な睡眠時間が心身の安定に貢献している。
この安定して環境を頼りにして安定した気持ちを維持すること。
新しいことを始めたり、より高いことを望むことより、ずっと難しい。
今年は月に一度は美術展に足を運びたい。
コートールド美術館へはヨーロッパを旅した21歳の夏に行ったことがある。「フォリー=ベルジェールのバー」は記憶に残っている。ゴッホ「アルルの寝室」もオルセー美術館で見た覚えがある。どちらも30年前のこと。
曜変天目総覧は難しいか。しばらく行っていないので余裕があれば奈良に旅するのもいいかもしれない。
入社して2年。ようやく電話の画面を見て内線、外線、受付で受け応えを変えられるようになった。
それにしてもこの職業上の自信のなさ、自己肯定感の低さはどうしたものだろう。
ミスるんじゃないか、誰かに怒鳴られるんじゃないか
いつもビクビクしながら用事をこなしてる。
何とかならないか。
昼間、仕事で一言交わした人とビルの出口で一緒になり駅まで歩きながら雑談した。
別れたあとでも胸がドキドキしている。
「うつ病」の「障害者枠」という私の会社での立場をこの人は知っているだろうか?
知っていたらどう思っているだろう?
そんなことばかり気になる。だからぎこちない会話になる。
会社でここまで緊張しているとは自分でも驚くやら情けないやら。
さくいん:うつ病
酒癖の悪い友人と縁を切ったことがある。
長い付き合いだったし、親交も深かった。
だからこそ、一言の詫びもないことが許せなかった。
今でもまったく後悔していない。
自分が酒の失態で絶交されて謝っても拒まれても仕方ないと思っている。
山口瞳が新成人に贈った言葉を思い出す。
諸君は、今日から"酒を飲むことについて勉強する資格を得た"だけなのだ(原文傍点)。
『諸君!この人生、大変なんだ』(常盤新平編、講談社文庫、1992)
友と酒を呑み交わすとき、いつでも友情を賭けている。
さくいん:山口瞳
6時起床。7時に家を出る。30分歩いて街へ出る。
8時から11時まで"Oneカラ"、ひとりカラオケ。「いつものナンバー」に加えてオフコース「言葉にできない」にキーを落として挑戦。締めは、"Heart of Mine," "I"ll be Over You," "Take Me Home."
S医院。昨年末、落ち込んだので気分が上昇する薬を戻した。年初は休みが長かったこともあり、S先生の予測通り、快調から高揚しそうな雰囲気になってきたので、上昇を抑える薬をもらった。
これまで薬で気分を調整することに嫌悪感があった。それでいて気分は自分で調整できるものではないと半ばあきらめてもいた。
昨年後半に減薬して、気分が乱調してしまい薬の効果を思い知った。そしてこの年末年始で気分の昇降を操縦はできないまでも自分で感知できることがわかった。
S先生の言葉。
意思と薬と組み合わせて気分を調整できるようになるといいですね
午後は、ワインを少し呑んで寝た。
夕方からはテレビ。
『刑事コロンボ』、シリーズ第1作の「殺人処方箋」。何度見ても面白い。若山弦蔵の声が懐かしかった。
バスケットボール全日本選手権、男子準決勝、第2試合、東京vs.千葉。ラスト数秒の逆転劇に2年前観戦した息子の試合を思い出した。
『ブラタモリ』「ローマ編」。ローマでも石と地質の話で面白かった。
ローマへは行ったことがない。番組で紹介されていた古代の劇場や街道を想像するために『クオ・ヴァディス』を少し読み返してから寝る。
さくいん:オフコース、S先生、『刑事コロンボ』、タモリ、『クオ・ヴァディス』
グーグル・アナリティクスによると、書いたばかりの「マイケル・ケンナ写真展」の感想をすでに10人以上の人が読んでいる。
新しく書いた文章を読んでもらえるのはとてもうれしい。
よく読まれているのは相変わらず「山村先生のこと」と「未来少年コナン」。
「未来少年コナン」の感想は、累計でおそらく1万回は閲覧されている。
自分の筆力というよりも、作品の根強い人気を感じる。
昨日、2時間近く歩いた。公園から遊歩道を歩いて線路沿いまで。散歩をしていたら蝋梅を見つけた。甘い、いい匂いがした。
家を出たときは寒かったのでダウンジャケットの下にセーターを着込んでいた。歩いているうちに日差しも高くなり、だんだん暑くなってきたのでセーターとマフラーはトートバッグに放り込んでまた歩きはじめた。
線路には近くに住んでいた太宰治もよく来たと言われている古い跨線橋が架かっている。小さな子どもたちが跨線橋をくぐる電車を見て歓声を上げている。
操車場の先に富士山がくっきり見えた。太宰もここから富士山を眺めただろうか。もし、そうだったなら、この景色は『富嶽百景』プラスワンと言えるだろう。
すこし疲れたので駅からはバスに乗り、図書館の近くで下車。今年になって初めて図書館へ行った。
図書館では、最近読んだ『泥流地帯』の舞台となっている十勝岳の写真がないか、探して検索したところ、いい本を見つけた。噴火の写真のほかにも小説で描写されている十勝岳の紅葉や早春の真白な十勝岳の写真が掲載されている。
読書の想像を補うにはちょうどいい。
表紙に「旭川文庫 6」と書かれている。地元の出版社が発行したのだろう。ブクログには登録がなかった。
家に帰ってからMapWalkで見ると、歩行距離は7.5Km、時間は1時間半、 歩数は9,100歩だった。これでは運動とはとても言えない、昼飯前の散歩。
一昨日、実家で今年初めて咲いた梅を見つけた。
昨日、帰宅して空を見上げると大きな満月が見えた。
今日、ふと思い出した。父の87回目の誕生日だった。
明日は好きだった苺のケーキでお祝いしよう。
「覚悟を決めた自決」なんてない。「美しい自死」もない。
あるのは、傷つき、すり減り、追い詰められ、滅びていく精神と「死」の先にしか救いを見出せないほど狭くなった視界だけ。
いまだに自死を美化した文章が書き散らかされて、そのうえ賞賛されていることに怒りも悲しみも通り過ぎて反吐がでる。
さくいん:自死
先週、母と、今週末は妻と、あわせて2回見た。
公開当初、この映画を見るつもりはなかった。Queenは好きなバンドで今もiPhoneにたくさん入れている。それだけにもう余計な情報を入れたくない気がしていた。
何年か前に見たレイ・チャールズの伝記映画が重い内容だったので用心をしていた。逆境、成功、挫折、復活、金、色恋、ドラッグ⋯⋯。とても疲れた。映画自体が悪かったわけではない。重い分だけ今でも色濃く記憶に残っている。実際"Georgia on My Mind"はiPhoneに入れているし、カラオケでも歌う。ただ、疲れる映画はあまり好まない。
だから『BR』もバンドの歴史とフレディ・マーキュリーの生涯を赤裸々に描いた作品ではないかと心配して、見ることを躊躇していた。
観てみると、思いがけず、心温まる家族の物語だった。ペルシャ系インド人の家族とQueenという家族と。
特に物語の冒頭、フレディの父親が息子に伝える"Good Thoughts, Good Words, Good Deeds"という言葉が最後に呼応していて印象に残った。
このような風味に「手ぬるい」と見る向きもあるだろう。毀誉褒貶の多いフレディの弱さと優しさに光をあてた脚本は成功していると私は思う。
『ボヘミアンラプソディー』を観て思ったことをもう一つ。
才気あふれる大人物と関わるとたいへんな人生になる。人は誰でも自分の人生の主人公と言うけれど「主役」になれるとは限らない。
遠目からは賞賛される大人物の側にいる人は、その人の気まぐれや身勝手に付き合わなければならない。
それでも、そういう人物と関われたことを幸せに思う人もいるだろう。私は、できるものならそういう人とは関わりたくない。
いや、実際、私自身、そういう人と関わった経験がある。とてつもなく頭がいい技術者でエネルギッシュな経営者の性格を持ち合わせた人と仕事をしたことがあるけれど、とにかくとても疲れた。もう、そういう人とは付き合いたくない。
Queenでよく聴くアルバムは、ベスト盤を除けば”Jazz”(1978)と”The Works”(1984)。 前者からは"Don't Stop Me"、後者からは"Radio Ga Ga"が映画で使われていた。
私の一番好きな曲は”It’s a Hard Life”と"Leaving Home Ain’t Easy"。
いろいろな彩りのタータンを見ることができて楽しかった。
タータンには厳しい約束事があり、それをきちんと守った模様が協会に登録されて初めてタータンを名乗ることができる。これは知らなかった。
タータンチェックは好きな柄で学生時代はは緑と黄色のタータンのパンツを持っていた。
今でも持っているのはタータンのネクタイ、1989年の夏、エジンバラでケネディ家のタータンのネクタイ。
他に印象に残ったのは、ブルックスブラザーズのグレイをベースにしたタータンと馴染みのある伊勢丹のタータン。服だけでなくグラスなども作っていると初めて知った。
さくいん:ケネディ
毎年、2月には人生を変えるようなことが起きる。金曜日が1日と6日にあたる年はとくに。
なにも起きなくても、これまでの2月の第一金曜日を思い出す。それだけでも大きな転機となる。
今年はどんなことが起きるだろうか。
毎年何かが起きる2月最初の金曜日。
今年は何が起きるか、昨日は疑問文で書いたけど、実はもうわかっている。
一年間、指導と支援をしてきてくれた人が産休に入る。明日が最終出社日。
来週からはほとんどの業務を独力でしなければならない。業務に精通していて親切な助言をくれる人もいない。
困った。