2/8/2015/SUN
比べてわかる 現代兵器図鑑 (Compared and Constructed Modern Weapons, 2012)、Martin J. Dougherty、学研パブリッシング、2013
軍艦や軍用機の写真集や図鑑はいくらでもある。本書が類書と違う点は、各種の兵器の性能や機能を詳しく解説したうえで、主要な機種を比較していること。
たとえば、戦闘機では5機種を並べて、戦闘行動範囲、航続距離、最高速度、機関砲の携行弾数、ハードポイント(爆弾やミサイルを吊り下げる部位)など兵器の細かいところまで数値と図で比較される。
時代によって紛争地域の地政学的な環境は異なる。そのため、兵器に求められる機能や性能も変わる。そうして国際関係の情勢が変わるたびに、新機種や派生機種が開発されることになる。
「最新」と銘打ってはいても、戦闘機のF15や攻撃機のA10をはじめ、60年代から70年代にかけて開発された兵器が多い。どれも、小学生のころに図鑑でみた。新型機を開発するのではなく、現行機に改良を加えて運用している。
ベトナム戦争で絨毯爆撃や枯葉剤の散布を行ったB-52は次機種の開発に費用がかかるので、改良を加えてまだ数年運用するらしい。運用期間は50年以上になる。
それだけ冷戦期には兵器開発競争が激しかったことがわかる。
さくいん:70年代