大腸ガンが増えた理由

今からおよそ50数年前の1960年代には日本人に少ないといわれていた大腸ガンですが、現在、大腸ガンによる死亡数は当時に比べて格段に増えました。厚生労働省の「人口動態統計」によると、2005年年の集計で大腸ガンで死亡した人は、男女合わせて約4万800人に上りました。1955年当時では4200人程度でしたから、この50年の間になんと10倍近くも増加したことになります。同統計によると、ガンの部位別に見た死因で、大腸ガンは男性で第4位ですが、女性は1位になっています。女性の大腸ガンによる死亡は増加傾向が続いています。
国立がんセンターでは以前から、大腸ガンが将来は1位になるだろうと予測していましたが、現実はその予測を上回るペースです。
このように増加傾向が止まらない大腸ガンですが、その発生原因はいまだに明らかになっていません。有力な原因として考えられているのが、素質因子と環境因子です。また、環境因子の中でもとりわけ食事による影響が大きいといわれています。
特に脂肪の多い食事が原因として挙げられ、動物性脂肪が問題視されています。さらに、脂肪の消化吸収のためにつくられる胆汁から出る二次胆汁の一部が、ガンの発生に関与しているともいわれています。
「世界がん研究基金」などの調査によると、大腸ガンのリスクを高めるものとして、肉類や動物性脂肪の過剰摂取、アルコールの過剰摂取、野菜や果実類の摂取不足、肥満、運動不足などが挙げられています。
日本人が古くから食べてきた穀物・野菜中心の食事が減少し、肉や脂を使ったいわゆる欧米流の食事を摂る機会が増えた結果が、大腸ガンの増加と深く関与していることは、間違いありません。

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