潰瘍性大腸炎やクローン病が増加

腸内環境の悪化が大きく関与しているといわれる疾患に、難治性炎症性腸疾患の「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」などがあります。
これらは、もともと日本人には少ない疾患でした。しかし、日本の食卓が肉類や乳製品などが増え、欧米流の食事に移行するにつれて、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者数比例してが増加しているのです。
クローン病は、食道から小腸、大腸、肛門までの消化管全体に炎症が多発したり、深い潰瘍ができたりする難治性の腸疾患です。
症状は、腹痛、下痢、下血、発熱、体重減少などがああります。一方、潰瘍性大腸炎は大腸に炎症を起こす病気です。クローン病よりは浅い潰瘍や糜爛が、直腸より連続して結腸まで認められます。クローン病と同じく下痢、下血、腹痛、発熟などの自覚症状を伴います。また、再発と軽快を繰り返す特徴があります。
これらの疾患は、発症の原因が不明とされていますが、動物実験では腸内細菌が深くかかわっているというところまでわかってきました。実際に、潰瘍性大腸炎やクローン病の腸内細菌叢のビフィズス菌が減少していたとの報告もあります。
したがって炎症性腸疾患には、腸内環境の悪化が大きく関与しているのです。クローン病および潰瘍性大腸炎は、ともに厚生労働省指定の特定疾患です。同疾患対策研究事業の一環として、各患者には医療受給者証が交付されています。2005年時点で、同受給者証交付件数はクローン病で2万4396件、潰瘍性大腸炎が8万5453件でした。
患者全員が登録しているわけではないので、総患者数はもう少し多いと思われます。また、、クローン病も潰瘍性大腸炎も毎年増えているのも大きな問題です。厚生労働科学研究「特定疾患の疫学に関する研究班」の報告によると、受給者性比は、女性1.13に対して男性は2.26 で、男性の多さが顕著です。
発病時年齢は、20代後半をピークに60歳代までなだらかな傾斜を描いています。ただ、クローン病の場合は10歳代後半から加歳代に大きく偏っており、男性患者の約70%、女性女性患者の約60% が10~20歳代に発病しています。つまり、クローン病のほうが若年者の発症が多い病気といえるのです。これは由々しき問題題といわなくてはなりません。

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