現代人の乳製品摂取の変化

乳酸菌とは、糖を分解して乳酸などをつくり出す菌の総称です。乳酸菌には「動物性乳酸菌」と「植物性乳酸菌」があります。動物性乳酸菌を含む代表的な食べ物としては、ヨーグルトや乳酸菌飲料が挙げられます。植物性乳酸菌を含む代表的食材は、しば漬けなどの漬物、みそ、しようゆなどです。
この乳酸菌の摂取に関しても、日本人は従来とは大きく変化しました。
日本人の食卓には、植物性乳酸菌を含む食材が豊富でした。カゴメ株式会社研究所のデータによれば、日本人は1960年代までは、乳酸菌といえば植物性乳酸菌として摂取していたのです。ところが1970年代以降はこれが減少し、一方、動物性乳酸菌の摂取量が増加します。
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の摂取量は1990年には約1対1となり、現在では1対2にまでなっているのです。
1日の乳酸菌の摂取個数の総数にはあまり変化がありませんが、明らかに植物性乳酸菌の摂取の減少が認められます。
これは、従来日本人が摂取していた漬物、みそ、しようゆなどの摂取量の減少が大きく関与しているものと考えられます。これは、腸内環境という観点から見ると、日本人にとってきわめて大きな変化であると考えられます。
さらに昭和30年代以降食物繊維を含有する米類、果実などの摂取量が減少する傾向にあります。こうした食材の変化が、日本人の腸内環境の変化に大きく影響していることは間違いありません。

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