日本人の腸の特徴

体の中で腸はどんな臓器でしょうか?食事などが口の中に入って、咀嚼された食べ物は、食道から胃に入ります。胃で一部、消化されて、腸に移行します。ここで意外に理解されていないのは「小腸」と「大腸」を合わせて「腸」と呼ぶ点です。
小腸は胃から出てすぐの「十二指腸」、さらには「空腸」「回腸」へと続き、大腸へつながります。腸の病気で多いのは、十二指腸と大腸です。
最近、消化管全体(胃、小腸、大腸など) が炎症を起こすクローン病の研究や、カプセル内視鏡による小腸の微細な病変の研究が進んでいます。ここにきて、ようやく小腸の研究が始まったというのが実情です。
大腸は、口に近いほうから結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸) と直腸にこうもん分類され、肛門へとつながります。小腸で6 ~8m、大腸が1.6~1.8m(およそ身長分)の長さといわれていますが、実測したデータはなかなか見つかりません。
しかも、横行結腸は半固定の状態、S状結腸になると蛇腹のように伸縮するため、実際の長さが測定しにくいのです。
日本人は、欧米人のような肉食民族より腸が長いといわれてきました。つまり、穀物主体の食物繊維が豊富で低脂肪のものを多く摂り入れる食生活を送っている日本人は、消化・吸収・排泄に時間がかかるために腸も長い、というのが定説だったのです。ところが、最近は、日本人も肉類主体の食事の機会が増え、欧米人のような腸になってきたという説が出てきました。
では、大腸の長さはどの程度が平均的といえるのでしょうか。男女各100人以上にⅩ線による注腸造影して測定したあるデータによると、男性170.74cm、女性179.39cmで、女性のほうがやや長いという結果が出ました。これは、女性のほうが横行結腸が長いことに起因しているという見方もあります。

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