入門その頃のバス

バス用語辞典

バス用語辞典 アルファベット

ABS
アンチロック・ブレーキ・システムの略。急制動時にタイヤがロックしないようにブレーキを制御するシステム。方向性が失われるのを防ぎ、制動距離を最小にする効果がある。
ASR
アンチ・スリップ・レギュレーションの略。駆動輪の空転を減少させるシステム。
BM
BM book mobile(ブック・モービル)の略。自動車に本を積み込んで、サービス・ポイントと呼ばれる各地の巡回場所をまわる。移動図書館、自動車文庫などとも呼ばれる。ベースとなる車両は、小型バスや中型トラックである場合が多い。
図書館の業界用語と思われる。
BRT
BRT バス・ラピッド・トランジット(bus rapid transit)の略。日本では、バス高速輸送システムと呼ばれる。
軌道系交通システムのLRT(light rail transit)のバス版とも捉えられる。
国土交通省の「BRTの導入促進等に関する検討会」によると、「連節バス、PTPS(公共交通優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせることで、速達性、定時性の確保や輸送能力の増大が可能な高次の機能を備えたバスシステム」とされる。もっとも、連節バスを定義に入れることには疑問もある。
日本では、JR東日本、日立電鉄交通サービス、新潟市などでの導入例がある。
COE
キャブオーバーエンジン(cab over the engine)の略。
キャブオーバーエンジンバス
DMV
DMV デュアル・モード・ヴィークル(dual mode vehicle)の略。列車が走るための軌道と自動車が走るための道路の双方を走ることができる車両。
地方の過疎鉄道路線の効率化や、バスと鉄道の乗り換え不要の利便性などを目的に、北海道旅客鉄道と日本除雪機製造が共同開発を行った。2004年から試作車による走行試験を開始したものの、2015年に実用化を断念した。
その後、徳島県の阿佐海岸鉄道が2021年に世界初の本格営業を開始した。
ECS
電子制御サスペンション(electric control suspension)の略。エアスプリングバネ定数、ショックアブソーバ減衰力を電子制御し、車両の揺れを抑え、乗り心地と操縦安定性を向上させる機能。(三菱ニューエアロクィーンカタログ、1993年、より)
EEドライブ【いー・いー・どらいぶ】
EEドライブ 日野自動車の電子制御機械式自動変速機の商品名。
コンピュータが最適なギヤレシオを自動的に選択し、エンジンの噴射量も自動制御するなど、エンジン、クラッチ、トランスミッションのすべてをコンピュータ制御するオートマチックシステム。
1985年から日野の路線バスブルーリボンに設定された。
(写真:日野自動車公式カタログ、1985年)
EVバス[EV Bus]
EVバス EV(electric vehicle=電気自動車)のバスで、2010年代以降、このように呼ばれるようになった。
地球温暖化の進行で、温室効果ガスの排出を伴わない自動車として製造された、蓄電池の電気エネルギーを動力源とするバス。
2015年のパリ協定で地球温暖化を抑えることになり、EUでは2035年までの完全EV化を決め、日本でも2050年までにカーボンニュートラルの達成を目標とした。
中国が先行し、日本ではBYD製のバスが2015年から輸入され、2024年に国産の大型EVバスが発売される(予定)。
→電気バス
Felica【ふぇりか】
ソニーが開発した非接触型ICカードの通信技術。鉄道の自動改札機に特化し、高速データ送受信が可能な方式で、2001年にJR東日本の交通系ICカード「Suica」に採用された。
命名はFelicity(至福)に由来する。
(ソニー公式Webサイトによる)
FFシフト【えふ・えふ・しふと】
FFシフト コンピューター制御による電気〜エア式の変速機。Feather-touch Finger-siftの略称。
電気信号でエアシリンダを作動させて変速操作を実行するため、指先でシフトチェンジを行うことができる。
(写真:日野自動車公式カタログ、1985年)
FOH
フロント・オーバー・ハングの略。
→オーバーハング
GVW
車両総重量(gross vehicle weight)の略。
道路運送車両法では、GVW25t以下と制定されている。
Hゴム【えいち・ごむ】
Hゴム 窓ガラスを固定し、水やホコリの侵入を防ぐゴムで、くさびゴムと併用して使用する。断面形状がH型をしているのでこう呼ばれる。窓ガラス押さえゴム、H型ゴムとも呼ばれる。
ゴムの特性上、小さな曲げ角には対応できないため、Hゴムを使って固定した窓ガラスは、四隅にRがあるのが特徴。
(画像:日野自動車販売公式パンフレット、1976年)
Hポール【えいち・ぽーる】
Hポール 路線バスの運転席後方の仕切りで、H型をしていることからこう呼ばれる。
IMTS
IMTS インテリジェント・マルチモード・トランジット・システム(intelligent multimode transit system)の略。トヨタグループが開発した電波磁気誘導式のバスシステム。バスをベースとした車両を用い、専用道路では自動運転・隊列走行を行うシステム。一般道路では有人運転のバスとして使用できる。鉄道の持つ定時性、高速性、輸送力と、バスの持つ経済性、柔軟性を併せ持っている。
1999年から試験走行が行われ、2000年の東京モーターショーに実験車を参考出品している。その後、2001〜2008年の間、兵庫県の「淡路ファームパーク・イングランドの丘」の園内交通として、日野リエッセを改造した車両にて実用化された。2005年には、愛知県で開催された「愛・地球博」の長久手会場で会場内交通手段として採用された。その時の車両1台は、トヨタ博物館に保管されている。
JRバス【じぇい・あーる・ばす】
1987年に国鉄の民営化によって誕生したいわゆるJRグループの運営するバス事業の総称。
1987年には、旅客鉄道5社(北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州)に一旦所属し、翌1988年に本州3社からバス会社5社(東北、関東、東海、西日本、中国)が独立し、8社となった。その後、本州以外の3社もバス部門を分社している。
LED行き先表示器
LED LED(発光ダイオード)を用いた行き先表示器。ビニル製の幕を使用した行き先表示器に変わり、2000年代に入る頃から普及し始めた。
幕式の場合、印刷して表示器に取り付ける手間がかかるほか、路線、系統が変わるたびに作り直す必要があるが、LEDの場合、コンピューター上でデータを作成して、機械にデータを入れ込むだけで済むため、効率的。
LED方向幕
≪通称≫LED行き先表示器のこと。それまでの行き先表示器が方向幕と呼ばれていたことから、こう呼ばれる。
MaaS
[mobility as a service](モビリティ・アズ・ア・サービス)の略。「マース」と読む。
色々な種類の交通サービスを、需要に応じて利用できる一つの移動サービスに統合すること。(2015、ITS世界会議)
交通サービスは、マイカー以外のすべての交通手段を含み、公共交通か否か、またはその運営主体を問わない。利用者はスマートフォンのアプリを用いて、検索、利用、決済などを行う。(国土交通省webサイト)
MMG
≪業界用語≫貸切バスで、運転士2名とバスガイド1名の乗務で運行すること。Mはman、Gはgirlを意味するものと思われる。
同様の表現で、MM、MGなどもある。
NAVI5【なび・ふぁいぶ】
いすゞ自動車の電子制御機械式自動5段変速機の商品名。1984年に乗用車のアスカに作用され、1986年に路線バスキュービックに採用された。
NBA
日本バス協会(nihon bus association)の略称。
→日本バス協会
OEM
英語。[original equipment manufacture] の略。
①原語は、自社製品の製造を意味する。
②現在では一般的に、「相手先ブランド名製造」「納入先商標による受託製造」などと訳される場合が多い。日産自動車が1993年からいすゞの小型バス「ジャーニー」の製造を行った例などがこれに当たる。
PTO
英語。[power take off] の略。
作業機の駆動のための動力を車両駆動用のエンジンから取り出す装置。
ミキサー車のドラム部分を回したり、消防車が放水したりといった大きな動力を取り出すことに使われる。
PTPS
公共車両優先システム(public transport priority system)の略。
バスなどが優先的に通行できるように、バス専用・優先レーンの設置、優先信号制御等を網羅的に行うシステム。
P&R
→パーク&ライド
ROH
リア・オーバー・ハングの略。
保安基準によると、ホイール・ベースの2/3以下。
→オーバーハング
TDM
交通需要マネジメント(transportation demand management)の略。
自動車の効率的利用や公共交通への利用転換など、交通行動の変更を促して、交通量の抑制や集中の平準化などで、道路交通混雑を緩和する取り組み。
T型フォード【てぃー・がた・ふぉーど】
T型フォード アメリカのフォード・モーター社が20世紀初頭に製造した自動車「フォード・モデルT」の日本での通称。1908〜27年に1,500台超が製造されたという、世界で初めて流れ作業による大量生産を行った自動車。
Tはアルファベットの登場順につけられており、モデルTの前はモデルS、ただし、モデルTの次はモデルAに戻っている。
日本でも、事業開始時のバスには、この車両を使用した事例は多い。バス車両には、トラックシャーシのモデルTTが用いられる場合もあった。
(写真:日本自動車博物館の保存車)
UD
UD ①民生デイゼル(→日産ディーゼル)が製造したディーゼルエンジンの型式名。ユニフロー・スカベンジング・ディーゼル・エンジン(uniflow scavenging diesel engine)の頭文字をとったもの。ユニフロー・スカベンジングというのは民生の2サイクルエンジン独特の掃気方式を示すものと言う。
②UDエンジンがあまりにも日産ディーゼルのバスを強くイメージ付けていたことから、このエンジンが姿を消した後も、日産ディーゼル工業そのものをUDと呼ぶことが多かった。
2010年には社名が「UDトラックス」となることで、正式に社名となった。
③ユニバーサル・デザイン(universal design)の略。
Vシリンダ
シリンダをV字形に配置したもので、V2、V4、V6、V8等がある。
V8は大馬力を要求される大型自動車に用いられる。
WB
ホイールベース(wheel base)の略。→ホイールベース
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