-- 2011.10.12 エルニーニョ深沢(ElNino Fukazawa)
2012.10.08 改訂
当ページは神戸市の楠宮稲荷社と大阪市の広田神社という2つの神社に纏わる赤エイが、両神社とも共通して或る”特殊な疾病”に御利益が有るという結構な話を特集しました。一体”特殊な疾病”とは何でしょうか?、それは後のお・楽・し・み!
さて、楠宮稲荷社は取材して直ぐの2007年9月に文章をアップしているのですが、大阪の広田神社の方は取材が2011年10月12日と遅れて仕舞ったのも在るのですが、それよりも”或る事情”から文章化したのは2012年9月16日と酷く遅くなって仕舞ったのです。その”或る事情”については続編で明らかにします。
兎に角先ずは楠宮稲荷社の記事からお読み下さい。屹度、吃驚(びっくり)したり、或いはお尻がくすぐったく成ったりするかも知れませんよ。
尚、エイや”特殊な疾病”については末尾の「参考資料」を参照して下さい。又、[エイを追え]シリーズの背景画は赤エイで、楠宮稲荷社の奉納絵馬の図柄をアレンジしたものです。
私は2007年9月2日に長田神社境内摂社(神戸市長田区長田町3)の楠宮稲荷社(くすみやいなりしゃ)を訪れました、右が楠宮稲荷社の写真です。この日は「関西歴史散歩の会」(下村治男会長)という集まりで、源平合戦の跡など訪ね乍ら長田・須磨地区を廻る企画でした。この日の講師の山村裕さんは地元の神戸地方の歴史を掘り下げている方ですが、独自の視点を持って居られる点で私は常々敬意を払って居ます。
ところが私は講師が全然説明しなかった点に興味を持って仕舞ったのです。では私は何に興味を持ったのか?
その事は07年9月×日に既に記事にしているのです。この記事を初めて掲載したのは写真集の
日本、珍にして奇なる光景(The RARE and STRANGE scene, Japan)
の「赤エイの御利益と痔の奇妙な関係」という報告記事です。先ずその報告を丸々コピーして紹介しましょう。
◆赤エイの御利益と痔の奇妙な関係
<07.09.02:神戸市>この日は「関西歴史散歩の会」の例会にボケッと参加してたのですが...。そもそも案内人が懇切丁寧に案内して呉れる時は何時もボケッとして仕舞う不謹慎な私ですが、この日は数日前から急性中耳炎を患い地に足が着かない感じでした。が、長田神社境内摂社(長田区長田町3)の楠宮稲荷社(くすみやいなりしゃ)の立て札(左下の写真)を見て俄かに眼が冴えて来ました。
描かれて居るのはエイ(鱏、Ψ1)で、「エイ心願成就絵馬授与」と書かれてるので、このエイに御利益が有る事は確実です(右がエイの絵馬の拡大)。
左の立て札に拠れば御利益の中身は商売繁盛・開運招福・家内安全・病気平癒・心願学業成就etcです。では何故、当社のエイに御利益が有るのか?
その答えがもう一つの立て札に書いて在りました(右の写真)。それに拠れば御神木の楠(←社殿背後に在る)は瀬戸内に生息し刈藻川(←境内西側を流れる)を遡った赤鱏の化身であり、以来常食であった”美味な赤鱏”を断って願を懸けると成就すると、特に痔病に格別の御蔭有りと。
私の眼が冴えたのは、この”美味な赤鱏”という文言でした。赤エイ(アカエイ)に限らず居酒屋で酒の肴に乾燥させた「エイの鰭(ひれ)」を炙って食った以外にエイの料理を”それと認識”して食った経験が無いので、この文言に大いに興味をそそられました。
そこでアカエイ(Ψ2)です。概略は【脚注】を見て下さい、夏季美味と在ります。更に【参考文献】△1に拠れば、遊泳力は強いと在るので川を遡った話も肯け、日本では底引き網で捕りぬた(※1)/煮付け/焼き物にして食ってた様です。
更に赤エイ食と痔との関係も奇妙ですね。赤エイを断って心願すると痔に格別の御蔭有りという事ですから、何らかの因果関係が有る筈です。そこで調べてみると、【脚注】の如く赤エイの尾部の有毒棘に刺されると激痛が走り、その痛さは痔の痛さにも似ているそうで、漁師達は赤エイを捕獲すると先ず最初に尾部を切り落とすそうですが、これを「赤エイ[の尻尾]を断つ」と言います。これに「赤エイ[の食]を断つ」を引っ掛けて、赤エイ食を断ち祈願すると痔を始めエイの棘に刺された様な痛みを伴う疾患に効くという民間信仰(※2)が生まれたのです。エイ類にはシビレエイ(痺れ鱏、Ψ3)なども居り、一般に体の側面や尾部に電気器官や毒棘を持ちます。しかし軟骨魚である為に鰭(ひれ)を乾燥させ炙って食ったりする訳ですが、エイ鰭はガンギエイ(Ψ4)を原料にするみたいです。
因みに大阪市浪速区の広田神社では赤エイが神使(※3)とされ赤エイの図柄入りの絵馬が奉納されますが、その御利益はここと同様です。こう見て来ると神戸や大阪の昔の人々は赤エイを好んで食ったらしいですが、珍味を好む私は赤エイ料理を食ってみたく成りました、刺身で食えるんでしょうか?!、オッホッホ!
”G持ち”では無い私には赤エイに刺された痛さと痔の痛さとの類似や違いが解りませんので、”G持ち(=G主)”の弟子に聴いて置きましょう。一度赤エイに刺され”体験学習”して貰うのが最善の方法ですな、ブワッハッハッハ!!
もうお解りですね、赤エイが御利益を発揮する”特殊な疾病”とは「痔」のことです。私が興味を持ったのは全体のテーマには全く関係ない、楠宮稲荷社に伝わる「赤エイと痔」という実に突拍子も無い不真面目な話の方でした。山村さん、御免なさい!
07年の第1報にも記しましたが、大阪の広田神社(廣田神社)(大阪市浪速区日本橋西2)も同様に赤エイが痔に御利益が有る神社です。一度訪ねてからと思いつつ、ついつい忘れて仕舞いました、こういう事って多いのです、私の場合。
それでこの度、赤エイの話を痔の話と絡めて纏めてみよう、と思い立ち2011年10月12日に広田神社を参拝しました(左の写真)。で、行ってみて吃驚、ここなら30年も前から知ってまっせ。ここは十日戎で有名な今宮戎神社(通称「えべっさん」)から北に100m程行った所に在るからです(→今宮戎については最後に一言触れることにします)!!
境内の中は普段はご覧の様に閑散として居ますが、人は居て由緒書を戴きました。今宮戎でも普段は人など見掛けませんが。
でも、ここが赤エイとか痔に関係が有る神社とは全く知りませんでした、こういうのを「灯台下暗し」と言うんでしょうね。そこでこの日は丁重に今迄の非礼を詫び賽銭を少し弾んで置きました。
「赤エイと痔」の関係については境内に「アカエの話」と題した大きな説明板(左の写真)が在ります。内容は楠宮稲荷社と殆ど同じですが、大阪では赤エイの事を「アカエ」と約まって言うと強調して居ます。因みに、約まって発音するのが大阪の特徴です。そして古くから赤エイは広田神社の神使(※3)だそうで、やはり絵馬として奉納されます(右の写真)。当社の御利益は、曰く
悪疫退散
無病息災・痔疾難病治癒祈願
と在ります(広田神社の由緒書より)。
ところで、広田神社と言うと西宮の広田神社(西宮市大社町17)の方が大きくて名が通って居ますが、ここもその末社の一つです。しかし西宮の方には赤エイに纏わる伝承は無いようです。
一方、神社の縁起を見て行くと住吉神社・生田神社・長田神社・広田神社は神功皇后(※4)が朝鮮遠征より帰還の折に天照大神の荒御魂(※5)を祀ったのが創祀とされて居ます(△2のp114)。偶然かも知れませんが既に述べた様に楠宮稲荷社も長田神社の境内摂社で、長田神社もやはり神功皇后絡みの天照大神の荒御魂が創祀に関係して居ます(△2のp139)。
ここ浪速の広田神社の荒御霊は
撞賢木厳之御魂天疎向津媛命(つきさかきいつのみたまあまさかるむかつひめのみこと)
です。神功皇后の船は難波に向かったが、どうにも進まないので占いを立てその神告に基づいて創祀されました(由緒書より)。
この天疎向津媛命は毎年8月2日の夜~3日の朝に掛けて広田神社に現れ、エイに引っ掛けて「叡智(えいち)」を授けて呉れるそうですよ。まぁ、これは後から追加したものでしょう。何しろ御利益が痔ではカッコ悪いですからな。
一方、隣の今宮戎では「御厨子所」が置かれ宮中への鮮魚を奉献する「朝役」を務めたと在ります(△2の101)。又、広田神社でもその為の「魚箱」が在ったそうです(由緒書より)。という事から、朝廷では今宮戎や広田神社から送られた赤エイは「隠れた珍味」 -赤エイ(stingray)はフランス料理に良く使われるのです!(Ψ2)- として”朝廷の通人”に饗されたのかも知れません。因みに、この辺りは江戸時代迄は海が直ぐ近くに迫り魚市場で賑わっていたのです(→今も木津市場が近くに在ります)。
しかし乍ら、「赤エイと痔」の話はローカルで地域が極めて限定される様で、事実西宮の広田神社には無く、この2社以外では私は知りません。
(1)痔の痛さ
神戸の楠宮稲荷社と浪速の広田神社の赤エイを見て来ましたが、ここでもう一度論点を整理して置きましょう。
先ずは痔から。私の様に甚だ社会経験が少なく「痔の痛さ」を知らない者のとっては”G主”の苦労を理解する事は難しい事では有りましょうが、その万分の1でも痛さ・辛さを広辞苑から推し図ってみたいと思います。末尾の「参考資料」の「痔について」(Ψ6~Ψ10)をご覧下さい。
私なんぞの知っている疣痔・裂痔(=切痔)などの卑近な用語が出て来ますな。特に裂痔は痛そうでっせ、激痛と成って居ます。しかし穴痔というのが在るとは知りませんでした。何だかこれで俄かに「痔の権威」に成った様な気分ですな、オッホッホ!
(2)エイの美味しさ
私は食した経験は無いですが、天下の広辞苑は赤エイ(stingray)は夏季美味と謳って居て季語も夏です(Ψ2)。フランス料理のレ(raie)も私は知りませんが、フランス人なら「然もありなん」という気がします。
では日本ではどう料理して食うか、と言えば楠宮稲荷社でのコピー記事「赤エイの御利益と痔の奇妙な関係」で記した如く、ぬた/煮付け/焼き物などです。「ぬた」(※1)などは夏らしい感じがしますが、刺身では食えんのかいな??
因みに「エイの鰭(ひれ)」はガンギエイ(Ψ4)だそうです。
どうです、貴方(又は貴女)も珍味を試してみては!、そして何方か刺身を試みて欲しいですな!!
(3)赤エイと痔を結ぶ民間信仰
そこで「赤エイと痔」の関係です。この論理を整理すると
[1].赤エイを食っていた(美味である)。
[2].赤エイに刺されると大変痛い(尾部に有毒棘が有る)。
[3].その痛さが痔の痛さ -(1)で理解した- に似ている。
[4].漁師達は赤エイを捕まえると真っ先に尾部を切り落とす。
これを「赤エイを断(た)つ」と言う。
と成ります。そこで
赤エイを食うのを断(た)って痔の平癒を祈願すると良い
という民間信仰(※2)と結合して行きます。ここまでの過程は楠宮稲荷社も広田神社も全く同じです。そして痔に対する御利益の程は、それぞれの神社で
┌ 御神木の楠が赤エイの化身の楠宮稲荷社に祈れば
[5].─┤
└ 赤エイが神使として仕える広田神社に祈れば
痔には<御霊験・御利益絶大>なり
と成る訳です。そして痛みが痔の様なヒリヒリする痛み全般に拡張されたのも自然です。それで写真で見た様に絵馬が奉納される訳ですが、痔で悩んでる方は多いのです。
しかし「赤エイと痔」の話の様に、2つの話が民間信仰を媒介に1つの話として伝承された例は、極めて限定された地域に限られるのです。この民間信仰が全盛だったのは江戸時代ですから、時代と共に廃れた所も在るかも知れませんね。
どうでしたか?、面白かったでしょう。或いは貴方(又は貴女)が”G主”の場合は他人事の様に笑っては居れず真剣に読んだかも知れませんね、更には絵馬を奉納しに神社へ走った方も居られるかも。”G主”の悩みを抱えて居られる方は意外と多いのです。心当たりの在る方は勇気を出して絵馬を買って奉納して下さい。
ところで2011年の秋に「エイが向かう島」という伝説が地名に成った場所が関西に在る、という耳寄りなネタを得ました。その地名を江井ヶ島(えいがしま)と言うんだそうな、「エイ + ヶ島」ですね。私は早速2011年10月28日に行ってみる事にしました。その話は続編の<エイを追え#2>「江井ヶ島」でご紹介します。
最後に大阪の戎参りについて一言。私は1980年頃から大阪で生活している者です -大阪生まれの者に言わせれば単なる他所モンですが私はエトランジェ(異邦人)(※6)なのです!- が、大阪は何と言っても商売繁盛の街、商売繁盛と来れば大阪では「えべっさん」です。そこで私も大阪に住んだ当初から -何しろエトランジェですから- 今宮戎や堀川戎で年初を飾る十日戎を御参りして来ました、1年も欠かした事無く。新年の十日戎を御参りの後は毎年恒例の新年会を開いて居たのです、もう30年近くも!
それが続編に記す”或る事情”の為に2012年の戎参りは出来ず来年の2013年も無理です、全く残念無念ですが。それだけ大阪の戎参りには私なりに”思い入れ”が有ったのですが...。
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◆◆◆参考資料 - 赤エイと痔
◆エイについて
Ψ1:鱏・鱝・海鷂魚(えい、ray)は、エイ目の軟骨魚の総称。体は菱形で平たく細長い尾が有る、鰓孔は腹面に開く。海底に生息し、貝類や底生性の小動物を捕食。アカエイ/ガンギエイ/イトマキエイ/シビレエイの科が在る。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
Ψ2:赤鱏・赤鱝(あかえい、stingray)は、アカエイ科の海産の軟骨魚。全長1m~2mに達する。体は菱形で、尾部は鞭状、背鰭・尾鰭は無い。背面は緑褐色、腹面は黄色。尾部の背面に両縁鋸歯の毒腺を持つ棘が有り、これに刺されると激痛を感じ腫れることも有る。胎生。本州中部以南から朝鮮半島/台湾/中国の沿岸に分布。夏季美味で、フランス料理ではレ(raie)と言い良く使われる。季語は夏。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
Ψ3:痺れ鱏・痺れ鱝(しびれえい、electric ray)は、シビレエイ科の海産の軟骨魚。全長約40cm。背面は褐色、腹面は白色。体板両側に1対の発電器官が有り電気 -80ボルト(V)前後の起電力- を発する。胎生。南日本沿岸の水深200mの海底に棲み、底生性の小動物を捕食。食用としない。電気鱏。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
Ψ4:雁木鱏・雁木鱝(がんぎえい、flat back, skate)は、ガンギエイ科の海産の軟骨魚。全長約1.5m。体は菱形で尾部は細長い。尾部に小さな発電器官が有る。背面は褐色。腹部は白色。青森県以南、東シナ海や南シナ海に分布し、20~90mの砂泥底に棲み、エビなどを捕食。夏、美味。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
Ψ5:糸巻鱏・糸巻鱝(いとまきえい、devil ray)は、イトマキエイ科の海産の軟骨魚。全長約2.5m。体は青灰色、頭鰭が良く発達して耳のように見える。胎生。肝臓から肝油を取る。南日本産。→マンタ。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
Ψ5-1:マンタ(manta)は、イトマキエイ科の軟骨魚、オニイトマキエイ類の総称。体盤長5m以上に達するものも在る。頭の前端に1対の耳状の頭鰭がある。全世界の熱帯海域に分布。マンタエイ。
◆痔について
Ψ6:痔(じ、hemorrhoids)とは、肛門及びその近接部分の疾病の総称。痔瘻・痔核・肛門裂傷・脱肛などを含む。痔疾。〈和名抄3〉。
Ψ7:痔瘻(じろう)とは、痔疾の一種。急性肛門周囲炎、又は結核性など慢性の肛門周囲炎が自潰して、肛門部又は直腸部に瘻孔を生じ、絶えず膿汁を出すもの。穴痔(あなじ)。蓮痔(はすじ)。→痔。
Ψ7-1:穴痔(あなじ)は、痔瘻(じろう)に同じ。〈日葡〉。
Ψ8:痔核(じかく)とは、肛門部の静脈が鬱血して出来た結節状の静脈瘤。痒み又は痛みを感じ、往々出血する。門脈に鬱血の有る時起き易い。疣痔(いぼじ)。
Ψ8-1:疣痔(いぼじ)とは、肛門付近の静脈が鬱血拡張して疣状のものを生ずる痔疾。→痔核(じかく)。
Ψ9:肛門裂傷(こうもんれっしょう)とは、切痔に同じ。
Ψ9-1:切痔(きれじ)とは、肛門の皮膚と粘膜との境に爛(ただ)れ・罅割れ(ひびわれ)・潰瘍(かいよう)などを生ずる疾患。疼痛・出血を催し、便通の際に劇痛を伴う。裂痔(さけじ)。肛門裂傷。
Ψ9-2:裂痔(さけじ)とは、切痔に同じ。
Ψ10:脱肛(だっこう)とは、直腸下端の粘膜が肛門の外に脱出すること。多くは慢性便秘・分娩・痔核などが誘因と成る。〈字類抄〉。
(以上、出典は主に広辞苑です)
【脚注】
※1:饅(ぬた)は、魚介や野菜などを酢味噌で和(あ)えた食品。饅和え(ぬたあえ)。饅膾(ぬたなます)。掻き和え(かきあえ)。毛吹草6「此度は―に取あへよ紅葉鮒」(重頼)。
※2:民間信仰/民間宗教(みんかんしんこう/みんかんしゅうきょう、folk belief)とは、民間に伝承されて居る信仰。民俗宗教。
※3:神使(しんし/かみのつかい)とは、[1].神の使い。多くはその神に縁故の有る鳥獣・虫魚を言う。使わしめ。神社に付属して、その使と成る例としては、天神の牛/日吉の猿/稲荷の狐/八幡の鳩/春日の鹿/熊野の八咫烏/大黒天の鼠の類。
[2].(かみのつかい)神社に遣わされる勅使・奉幣使。夫木和歌抄27「たれもみなそのうまやどに馬はあれど―にかちよりぞ行く」。
※4:神功皇后(じんぐうこうごう)は、仲哀天皇の皇后。名は息長足媛。開化天皇第5世の孫、息長宿禰王の女。記紀伝承に拠ると天皇と共に熊襲征服に向い、天皇香椎宮に崩御の後、新羅を攻略して凱旋し、誉田別皇子(応神天皇)を筑紫で出産、摂政70年にして崩。
※5:荒御魂(あらみたま)とは、荒く猛き神霊。〈神功紀訓注〉。←→和御魂(にきみたま)。
※6:エトランゼ/エトランジェ(etranger[仏])とは、見知らぬ人。外国からの旅行者。異邦人。外国人。
(以上、出典は主に広辞苑です)
【参考文献】
△1:『食材図典』(小学館編・発行)。
△2:『日本の神々 神社と聖地2』(谷川健一編、白水社)。
●関連リンク
@補完ページ(Complementary):「赤エイと痔」の奇妙な関係の初出▼
日本、珍にして奇なる光景(The RARE and STRANGE scene, Japan)
G主(痔主)の弟子の一言▼
超甘コンプレックス論(Super sweet theory of COMPLEX)
今宮戎神社(通称「えべっさん」)▼
阪堺電車沿線の風景-大阪編(Along the Hankai-Line, Osaka)
ここでも「灯台下暗し」▼
芦屋の鵺塚(Nue barrow in Ashiya, Hyogo)
神使について▼
浪速のケッタイ(Strange spots in Naniwa, Osaka)