*** ♂エルニーニョからの一言♀ ***
ここも或る人の紹介なのですが、私は主に「前衛倶楽部」に出て居ます。この会は前半に日替わりの講師の話を聞いて教養を高め、その後で宴会に突入して人生の実りを豊かにする、という趣向です。私は教養は二の次で専ら実りをゲットしようとして居る不良会員です。もう2年位ですかね、色々顔見知りの人が出来て一緒にオペラを見に行ったりして面白いですね。
「カラオケとダンスの会」にも1、2度出たことが有ります。どちらも会費が安く飲み放題、食い放題、歌い放題、口説き放題というのが好いですね。私はこういう会費制とか割り勘の宴会では絶対に損をしない人間ですから、何時も無意識の裡に「会費以上の実りをゲット」して仕舞います。皆さん、済みません!
そんな訳で私も04年秋から自分の会をここで開催して居ましたが、遂にオーナーの稲倉睿会長がご高齢の為に長期入院・療養する事に成り、06年7月31日で閉鎖が決まりました。大変残念ですが、私たちは以下にご紹介する様なアヴァンギャルド(avant-garde)な空間で大いにアヴァンチュール(aventure)を楽しみました。
私が主宰する会は別の場所で再開して居ま〜す(「その後」の章をご覧下さい)!!
基本データ |
■沿革・営業時間etc 名称 :株式会社 前衛 創業40年(会社にしてから20年)以上 代表 :稲倉 睿(さとる) 営業時間 :18:00〜23:00 3階の座敷で宿泊も可(要予約) 定休日 :不定期 特徴 :お客様の注文に応じ各種のアレンジが可能 (宴会だけで無く麻雀などの遊戯もOK) 前衛倶楽部:25日/毎月 18:30〜23:30 (会費=¥3,500:料理は季節で変化) 住所 :〒532-0011 大阪市淀川区西中島5−1−12 前衛ビル TEL :06-6886-6774 FAX :06-6886-6925 最寄駅 :地下鉄御堂筋線「西中島南方」駅より徒歩3分 阪急「南方」駅より徒歩5分 JR「新大阪」駅より徒歩7分 |
●稲倉会長の自己紹介 1928(昭和3)年福井県の寺の長男として出生以来、 遊び一筋、 「遊びの奥義」を究め皆様を楽しませる ことに専念して参りました ★モットー 日本固有の”繊細で優雅”な「遊びの美学」 を一人でも多くの方に知って貰いたい |
▼地図 JR「新大阪」駅 ↑ |
●「前衛」はこんな所です
物々しい名称ですが別に左翼系ではありません。ま、文字通りアヴァンギャルドです。ここは”知る人ぞ知る”嘗ての「秘密クラブ」です。当時ここを利用して居た青年会議所やライオンズクラブ他、ここでの集会の”卒業生”の中から政治家や政府高官、力士や放送関係者の大物、大企業のエライさんなどが多数輩出して居ます。何でも全国からバスを連ねて来たそうです。これについては何れ時期が来たら書こうと思って居ますが(このホームページにでは無いですよ)、今はここ迄。
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先ず写真を見て貰いましょうか。
下が2階の洋間です。可なり広く、詰め込めば100人位は入って仕舞おうかという感じです。グランド・ピアノも置いて在りますので、内輪の音楽会なども出来ます。「前衛倶楽部」や「カラオケとダンスの会」はここで催します。
今現在は色々な宴会等に利用されて居ますが、会費の安さから学生の利用が可なり多いそうで、関大や阪大など、主に阪急沿線の大学がコンパなどに使って居ます。3階と合わせて200人のパーティーを開くことも有るそうです。料理についてはお造りや鍋物など季節に依って変化が有りますが、私のお薦めは現在余り食べなく成ったすき焼です。ここのは肉が大きくて食い出が有ります。ま、私は先ず量(ボリューム)ですから。酒はビール、日本酒、焼酎、ウィスキーと何でも有り。
次が3階の和室。
左右の襖絵が凄いでしょう。左が虎、右が龍です。飼い馴らされた一般サラリーマンは驚くと思いますが、「知のアヴァンギャルド」を標榜して居る私にはピッタリの空間です。当サイトのトップページとも共通したコンセプトを感じます。正に隠れ家としてピッタリですね。昔、東映がヤクザ路線から日活に対抗しポルノ路線に転向した時、その第1作目の作品をここで撮影したそうです。
3階には浴室も在りますので、私は是非泊まりがけでここで宴会を遣り、夜通し飲み乍ら語り明かしたいと思って居ます。その時は会長さん、宜しく!!
●稲倉会長の言葉
このページを作る為、私は改めて稲倉睿会長(右の写真)にインタビューをさせて戴きました。そしたら会長は、そのインタビューの中から纏めて呉れと仰って上の部屋の写真を貸して下さいましたので、若輩乍ら私が会長に代わって纏めさせて貰いました。会長はこういう商売をし乍ら一方で日本の戦後の”性の解放”の「前衛」として一役買って来られた方で、会長の思いを要約すれば以下の如くです。
『戦後日本は性表現の上で段々と解放されて来た訳ですが、しかしそこには外来の性表現の真似事、本来の日本にはそぐわない表現に洗脳され麻痺した感覚が新たに生じて居ます。これは何も性表現だけに留まらず、言葉の状況もそうですし、広く文化一般が外国の慣習に影響されて居るのが、現在の偽らざる姿ではないでしょうか?』
これは自己紹介で掲げたモットーに通じ、私が言う所の「文化の空洞化」 −日本の文化が外来種のブラックバスに食い荒らされて居る状況− を憂えている言葉だと思います。それ故に会長が「日本人は『源氏物語』の様な”繊細で優雅”な「遊びの美学」を持たなければ行けない」と沁み沁み仰った言葉に重みと共感を感じます。
●会長の弟さんのこと
「前衛倶楽部」の出席者の一人に会長の弟さんが居ます(右の写真)。看板屋を営む体のガッチリした寡黙な方ですが、この人は「日本古城友の会」とか「関西歴史散歩の会」という近畿地方の城郭や史跡などをハイキングを兼ねて実地見学するグループに入って居て、私も誘われて時々同行して居ますが、両会共に説明役の人が中々ちゃんとして居て面白かったです。
ところで、そのハイキングに行って判ったことは、会長と看板屋の弟さんの間にもう一人弟さんが居て、現在奈良に在住です(左の写真)。この方は顔が会長そっくりで奈良方面の例会にはご夫婦で参加されます。
尚、福井のお寺(=浄土真宗)は更に下の弟さんが継いで居るそうです。
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*** エルニーニョからの二言目 ***
私見ですが「性の解放」は時代が下ると共に進むと考え勝ちですが、そう考えるのは大きな誤りです。今より江戸時代の方がよっぽど解放されて居ましたね。そりゃ取り締まりは厳しかったですが、厳しい取り締まりにも拘わらず取り締まり切れなかった程解放されて居ました。大体、取り締まりなんて言うのは何時の時代にも在り、今の様に直ぐシュンと成ったりはしませんでしたね。そういう中であの浮世絵も生まれて来たのですから、広重や北斎が単なる風景画家だなんて思っている人はベンキョウが足りませんよ!
まあ、これは量的なと言うか性的エネルギーの強さの問題ですが、もう一つ質的な意味で大いに違う点が有ります。それが稲倉会長の指摘する「日本人的な繊細さと優美さ」ということです。外人ポルノの様に唯単にデカチンで激しくファックするのでは無く、言わば「スケベ(助平)の中の細やかさ」というものを日本人は大切にして来たのです。
さて、その様に解放されて居た江戸時代の性風俗が何故封印されて仕舞ったのか?、これこそ大きな問題です。明治以降数々の戦争時に”軟弱”と看做された性表現が抑圧されて来たのは事実ですが、私が思うには廃仏毀釈や無理な富国強兵政策に見られる如く、明治新政府自体の性格に由来する様に思えます。つまり、明治政府は長州と薩摩の田舎侍の寄せ集めみたいな集団ですから、古来から光源氏や在原業平の中に凝縮されて来た貴人の「雅(みやび)」や江戸町人の「粋(いき)」には遠く想い及ばなかったと言ったら、上野の西郷さんは怒りますかねえ?
>>>■その後 − 06年7月31日で「前衛」閉鎖
●06年7月26日の「別れの宴」
冒頭に記した様に、06年6月に「前衛」の閉鎖を会長から伝えられました。そして06年7月26日(水)、これ迄「前衛」でお世話に為った有志が集い稲倉会長と渡辺クン(最後の従業員)を囲んで、細やかな「別れの宴」を開きました。左下の写真はその一齣です。左から渡辺クン、稲倉会長、右端の女性が上野さん(=色々な会の世話役で私の【ブラボー、クラシック音楽!】の運営幹事)、間から顔を覗かせているのが森さん、奥でこちらを見て笑って居るのが本倉(←ボンクラと読む)さん、その右隣が西村さんです。
下の写真は、私がお二人にプレゼントした「書くと光るボールペン」で、試しに書いて光らせている所です。
福井の浄土真宗の寺に生まれた稲倉会長が、この宴の始まりの挨拶の中で『歎異抄』の親鸞の言葉「況んや悪人をや」について熱く語られたのが私には非常に印象的でした、と言うのもそれ迄は人前で硬い話は余りしませんでしたから。
8月からは業者が入り前衛ビルを解体します。今迄有り難う御座いました。
{この「別れの宴」の記事は06年7月27日に追加}
●前衛閉鎖後の会場変更
★04年10月1日より、私の主宰で毎月1回ここで開催して来た
♪クラシック音楽を楽しむ会【ブラボー、クラシック音楽!】♪
は、06年11月1日より新会場で継続して居ます(▲上▲をクリック)。
{この記事は06年3月18日に追加後、06年12月15日に修正}
●関連リンク
「日本古城友の会」の随行記▼
2003年・但馬八木城(Ruins of Yagi castle, Hyogo, 2003)
「関西歴史散歩の会」の随行記▼
2003年・京都禅寺探訪(Zen temple of Kyoto, 2003)
「文化の空洞化」「文化のブラックバス現象」論▼
冷泉家時雨亭文庫(Reizei Shigure-tei library)
「知のアヴァンギャルド」とは▼
エルニーニョ深沢とは何者か?!(Who am I ?)
当サイトの怪しさ溢れるトップページ▼
ようこそ【エルニーニョの世界】へ(Welcome to ElNino's world)
私が運営に関わり「前衛」で始めた例会▼
(何れも新会場で継続中)
ブラボー、クラシック音楽!(Bravo, CLASSIC MUSIC !)
「日本古城友の会」や「関西歴史散歩の会」のサイト▼
外部サイトへ一発リンク!(External links '1-PATSU !')
2002.12.27 エルニーニョ深沢(ElNino Fukazawa)
2006.12.15 改訂