HALF AND HALF JOURNAL
無 意味 な 破 片 無意味な破片
Fragments
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★〈テイク・ファイブ〉はジャズのあんパンのような名曲[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.4.26 アロマ―〈常盤館〉はどの辺にあったか?19日昼間の国際通りに行ってみたら、椅子の布張りをしてる藤島木工所のおじさんが入口で人懐っこい笑顔。映画館の位置を聞くと、ちゃんと覚えていた。表通りのスーパー・マーケット辺りにあった。他の市民は、ちょうどそこにあったと明言した。 常盤館跡 赤い看板の旧COOP 特派員―しかし、駅前とは言えませんね。 編集長―駅前と駅前広場をあいまいにしていた。 ナモネ氏―東大館駅が市街の西にあるから、間違いやすい。神明社前駅と名づけるのが自然だ。 アロマ―火元の旅館は、東大館駅から見ると、国際通りの入口、右側で、〈駅前飯店〉という中華料理店があるところ、そう指差しで教えてくれた。藤島さんは旅館のとなりに住んでいて、火事に気づいたとき、空の瓶を1本持って逃げた。逃げるのが精一杯だった。火元は戦前から豆腐屋で、戦争が終わったあと旅館も経営した。国際劇場は国際通りの真ん中、今ロイヤル・ホテルが立っている地点の裏側にあった。大火の前は道幅が半分しかなかった、ということでした。 半分半分放送局長―国際通りという名前は戦前から? ナモネ氏―国際劇場という映画館は戦前からあった。あの歴史的な浅草国際劇場とどういう関係か、分からないが、あれを意識させる。国際通りというのは、終戦後じゃなかったかな? 放送局長―当然SKD(松竹歌劇団)にリンクがつながる。 松本豆腐屋跡と駅 左側の看板 ☆ 特派員―駅の名前が自然でないとナモネ氏が言いましたけど、朝日グラフは原因について〈市民の気のゆるみ〉と、それからもうひとつ〈水からみはなされた〉と書いた〔1〕。この言い方も大館市民を馬鹿にしていませんか? ナモネ氏―なるほど、普通でないな。神と仏からみはなされた哀れな市民、そういう意味をほのめかしたのか? 編集長―状況から見れば、〈みはなされた〉という言葉は明らかに場違いにひびきますよ。 放送局長―そう思うね。神明社の神様からも東大寺の仏様からもみはなされたんだぞ、と言いたかったとすれば、その記者は冗談の名人だ。 ナモネ氏―大館市に明るい人のようだな。私の記憶違いでなければ、1951年大館市は日本一小さい市として羽ばたいて将来の都市計画を立てたが、そのとき、長根山貯水池の水を防火のために市街に引こうという案も出た。大館市史には、〈長根山貯水池を改造して上下水道と防火用水設備を充実する〉とある。しかし、これはどういう理由か、実現はしなかった。煙になってしまった。 編集長―その構想は1950年3月戦前の内務省の名前で承認されてる。しかし、大館市の都市計画は1953年、55年、56年の大火の復興事業の中にまぎれてしまった〔1〕。長根山貯水池の改造計画はただ忘れられたのか?これを不運と言うわけにはいかない。 特派員―国と県が補助金を出さなければ、できないということですね。 ナモネ氏―朝日グラフの記者は裏を知ってるな。 ☆ ☆ ☆ A Take five; Dave Bluebeck Quartet 1 大館市史 東大館駅 SKD ▼ V字型の階段の記憶 5 ; テルの別名が緑川英子だと知ったとき 写真と説明 |
★〈セレスト〉の演奏は名前を聞いたことがないピアニスト[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.4.22 半分半分放送局長―青山アンデルセンからヘンリー・アンダースンまで、どんなストーリーがあるか、と言うと、これは旅行してみないと、分からない。 アロマ―えっ、ストーリーがある? チョコレート 放送局長―〈キャンティ〉のピザは最高においしかったな。インターネットで見たら、今はないんだ。 アロマ―あたしが見つけたのは六本木の〈キャンティ〉よ。キャンティというのはイタリアのワイン〈キアンティ Chianti〉のアメリカ風発音。でも、店の看板はイタリア語とカタカナの〈キャンティ〉よ。 放送局長―長野の店はカタカナだけだったよ。 アロマ―米放送局長は店のインテリアを見て、長野の〈キャンティ〉と雰囲気が似てると言ったわ。 放送局長―そうだけど…テーブルの上にランプ・シェードの明かりが下がってるところなんか。 編集長―しかし、デザインはかなり違う。あんなテーブル・クロスはなかったよ。 放送局長―それはそうだけど、伝説のイタリアンレストランと呼んでる記事があった。芸術家や文化人が集まるということだ。それからまもなく、六本木の〈キャンティ〉の創業者についてのおもしろい情報が目にとまった…川添浩史。終戦直後、高松宮宣仁(のぶひと)の国際関係特別秘書官。光輪閣支配人として運営全般を指揮する。1960年、飯倉片町、現在の麻布台にレストラン〈キャンティ〉を創業する。光輪閣というのは1931年完成した高輪の高松宮邸のことで、終戦後GHQや国賓などをもてなした洋館だ。1972年解体された。老朽化のためと言ってるが、本当はどんな理由か、分からないな。 編集長―光輪閣は空襲の被害をほとんど受けなかったらしい。皇族の被害をくらべると、これは何か不思議なように思われたかもしれないな。 特派員―なるほど。考えさせる事実ですね。 アロマ―アンダーソンさんは建築設計の仕事で行ったことがあるんじゃないかな? 特派員―改修を頼まれたとか、ね… ☆ 編集長―ともあれ、〈キャンティ〉で青山アンデルセンとアンダーソンさんがリンクした。しかし、そのアナロジー的なネットに何か意味があるのか、説明するのはむずかしいな。 特派員―関係を探せば、何でも連関するということですよ。 放送局長―青山アンデルセンに関して言えば、おれにはそんなミステリーはないね。特派員が言ったように構図も何か意味ありげだ。明治神宮と山手線の東西にアンデルセンとアンダースンが存在する…この構図ができたのは1970年だ。 編集長―代々木公園とNHKの通りを行けば、そう遠くないね。 アロマ―その構図で想い出したけど、青山アンデルセンの創業者は広島出身なの。店のHPに書いてた。 編集長―そうすると、デニッシュ・ペストリーという言葉にペストが見えるな。今まで想像もしなかった。 放送局長―おれは昔から分かってる。発音どおりペイストリーと書かないのは変だ。 特派員―アメリカの小麦粉はメリケン粉ですよ。 アロマ―GHQのアメリカ人に対するメッセージ? 編集長―可能性はあるね。アンダーソンさんには青山に知り合いがいた。教会の牧師さんだ。青山アンデルセンのパンを家族で一緒で食べたかもしれない。 アロマ―同じ遺伝子を持ってるんじゃないのかなあ、と想像したくなる。 放送局長―ナイス・ジョーク! ☆ ☆ ☆ ★ 恋文横丁の暗い記憶 C:〈キャンティ〉から高松宮の光輪閣へ A B A Celeste; John Basile |
☆ ☆ ☆ Updated 2012.4.5 アロマ―〈神戸屋〉のパンは本当においしい、わあ。 半分半分放送局長―ジャムがなくても食べられる。あきないよ、な、これは。クルミとプラムの他に何だろうな? 編集長―しゃべるよりも食べることに夢中。 アロマ―青山〈アンデルセン〉は昔よりも味が落ちた、と言ったけど? 放送局長―本当にだめになったね。 100円の手袋 特派員―ドーナッツもそういう状況にありますよ。和風ドーナッツなんて、笑えませんよ。 編集長―裏にあるのはアンチ・アメリカ感情だな。それに適応しなければ、売れないという状況なんだろう。 ナモネ氏―強制的だと思うが、な。 放送局長―それは言える。アメリカ風のドーナッツだけでは縁起が悪いとなれば、やはり仕方なく大和風のアレンジも考えざるをえないだろう。 アロマ―そんなパンも増えてるわよ。 編集長―日本風のアレンジなら、悪くない。しかし、何よりも大事なのは自由な環境だ。 アロマ―ええ、そうよ。ドーナッツいじめはやめてほしいわ。 ナモネ氏―米の生産量を高める必要があるから、甘い対立ではないよ。 放送局長―外国タバコと似てる面があるな。古い話だけど、〈KENT〉などを吸えば、仕事の取引先から嫌われるということだ。当然、力の弱い方は真似だよ、な。和風タバコだよ。 ☆ アロマ―青山〈アンデルセン〉が出たけど、あれもミステリーじゃない? 編集長―青山〈アンデルセンAndersen〉とアンダーソン(Henry Anderson)さんがリンクしたのは、そう古いことじゃないんだ。大館に帰って半地下室を改造したあとだよ。デンマークの童話作家同じ名前だと気づいて、なぜか感傷的になった。 アロマ―青山〈アンデルセン〉にはじめて行ったのは、いつですか? 編集長―1970年の秋だったな。表参道と青山通りの交差点で見つけた。チョコレートとマーマレードのデニッシュ・ペストリーがおいしい。急行〈津軽〉で暖房の熱に溶けないか心配しながら大館に持って帰ったよ。 特派員―えっ、〈チガル〉で? 編集長―そう。家族が感激したね。伝説的な味だ。しかし、今はない。 アロマ―インターネットで見たら、1970年開店。 編集長―そうか?しゃれたガラス張りの店だった。2階で軽食を取ると、パンの箱と同じようにテーブル・マットも、大橋歩の作品らしい絵がついていた。若い男女の新しいライフ・スタイルをやわらかいタッチで描いてる。 放送局長―〈平凡パンチ〉の表紙を飾ったイラストだな。あのころヤングに受けた週刊誌だ。 特派員―ふうん、そうですか?しかし、そうすると、青山〈アンデルセン〉とアンダーソンさんの中間に明治神宮があるという構図ですね? 編集長―その構図に気づくとは、ね。 ☆ ☆ ☆ ★ 恋文横丁の暗い記憶 B: 青山〈アンデルセン〉とアンダーソン A C A Theme from 'Black
Orpheus' ; The Atlantic Five Jazz Band 和風という言葉 |
★〈ソウル・アイズ〉なつかしいピアノがラジオからひびいた[A] ☆ ☆ ☆ Updated
2012.4.1 アロマ―1956年の写真を見ると、弘南バス指定休憩所という看板があるけど、何なのかな? 編集長―弘南バスの観光バスは十和田湖を回って弘前に帰る途中、大館橋のたもとで一休みするスケジュールだった。食堂は猛烈に忙しかったね。 特派員―旗に旭鉄という文字が見えるけど、あれは? 長谷川食堂 撮影; 父秀之 ナモネ氏―そのころジャンプ大会と言えば、大館の長根山だったもんだ。ところが、長木川に落ちるような錯覚がするから、という理由で止めてしまった。 半分半分放送局長―大館橋が写ってる写真には日付が書いてあるな。昭和の昭31.2だ。ずっと前に我が家のアルバムには日付が入ってないと言ってたけど? 編集長―そう、これは妹の心臓手術と東大館駅前の大火があった年の写真だ。 放送局長―バスやトラックで混雑する交差点を撮影してる。ファッショナブルな女性二人が印象的だ。しかし、映画の宣伝ポスターも写ってるな。何という映画なのか、関心をそそる。 ナモネ氏―私も気になっていたことだ。2枚のポスターは題名が読み取れなくて残念だが、三船敏郎らしい俳優が上の方に写ってる。16日からの上映だな。 編集長―父の誕生日の翌日から。 ナモネ氏―東宝映画だとしたら、常盤館だ。 ☆ 食堂向かいから見た大館橋 撮影; 父秀之 ナモネ氏―あれができたのは、昭和26年、朝鮮動乱の最中かな?上海帰りの軍医が戦後まもなく父親の医院で開業したが、ミルクを病人に飲ませるために牛を飼ったもんだ。それから隣にテラス付きのしゃれた建物をたてた。 アロマ―ミルクがなかったの? ナモネ氏―終戦直後は、な。 放送局長―あの植民地スタイルは、大館橋にマッチするように計算したものだな。 編集長―神林正樹先生は大館橋に強い愛着を持っていたね。ある時期、栄町の子どもたちと一緒に日曜日かならず橋の掃除をやっていたよ。 ☆ ☆ ☆ 大館橋のたもとに食堂がオープンしたころ B
A A Soul eyes; Kenny Barron trio 食堂の写真、大館橋の歴史 山本嘉次郎監督の《暗黒街》 |
★〈ワン・ノート・サンバ〉のニュー・ウェイブに乗って[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.3.30 旧はせ川食堂 正面 編集長―母さんの想い出話を聞いたら、二ツ井にラーメンはなかった。 ナモネ氏―シナそばというのは、終戦後だな。中国帰りの人だと思うが、そのころは屋台を引いて売り歩いていたもんだ。 編集長―屋台のラーメンがおいしいので、感激したそうですよ。それから、スシをはじめて食べたのもそのころだった。昭和27年食堂の半地下室の住人に鳳鳴高校の先生がいて、駆け落ちした女と暮らしていた。ある日、自分は東京のスシ屋の生まれだと言って、食堂でスシという料理をつくり、みんなに食べさせた。 ナモネ氏―そう言えば、大学教授だったとかいう紳士が住んでいたな。 編集長―そのあと別れて、大学教授は東京に帰り、女は函館のトラピスチヌ修道院に入った。 ナモネ氏―大館らしいドラマだ。青函連絡船の夢を見てる。 半分半分放送局長―大館から函館に行くか、もどるか、運命の分かれ道。 アロマ―それより修道院のバター飴の味。 編集長―母がそれを話したのは、2009年8月夕食を食べながらぼくが大館に来た食道楽の山本嘉次郎監督についてしゃべったあとで、びっくりしたね。あるHPを見たら、山本嘉次郎は京橋の食堂の生まれで、臨終の言葉は〈スシ〉だった。 アロマ―晩年は酒びたりだったそうよ。 ナモネ氏―戦後は仕事に恵まれなかった人だ。映画の外でも戦ったから、な。 編集長―その先生の名前を聞いたら、館山。 放送局長―何だ。危ないところだったよ。 特派員―なぜそのときそういう想い出話をしたのか、不思議ですね。 ナモネ氏―二人の霊を慰めるためか? 放送局長―山本嘉次郎の映画のようなストーリーだから、じゃないのか? ☆ ☆ ☆ 大館橋のたもとに食堂がオープンしたころ A
B A One note samba; Les Brown & His Band of Renown 食堂の写真、大館橋の歴史 山本嘉次郎監督 |
★〈心の乱れ〉は映画的[A] ☆ ☆ ☆ Updated
2012.3.24 半分半分放送局長―3本立ての映画で覚えてるのは、それだけか? JR東大館駅踏切り 神明社前から常盤木町通りを見る ナモネ氏―3本立ては街のニュースになったもんだ。〈常盤館〉は焼け落ちて、その後再建されなかったから、大火の前に上映していたということだな。 アロマ―でも、ウィキペディアの記事には1956年12月12日公開とある。 編集長―大火のあとに大館で上映したように思えるな。映画のストーリーは想い出せないけれど、〈常盤館〉で見たのはまちがいないんだ。切符売り場が入口の右にあった。 ☆ アロマ―そこで、真実を知るために大町の吉田時計店でご主人の吉田一雄さんに3月16日インタヴューしました。8ミリフィルムのコレクションでも有名な映画通です。吉田さんの話では、大火のあと〈常盤館〉は解体された。 放送局長―解体と言ったのか? アロマ―ええ。録音聞いて。しかし、〈常盤館〉の場所はよく分からないそうです。〈自分も調べたが、資料がない。〈常盤館〉は素人の経営ではなかったか?山口さんに聞いても場所は知らなかった。〉山口さんというのは小坂町の花園館、明治37年創業で秋田県で現役最古の映画館の経営者で、大館市の映画館、あの中央劇場なども経営していた。〈常盤館〉は昭和10年の創業で大館劇場についで2番目に古い映画館だったそうです。東大館駅前の国際通りには国際劇場という映画館もあって、2階が常盤座という小さい映画館だった。《暗黒街》は音楽がよかった、と懐かしそうに言いました。 放送局長―団伊玖磨の作曲。 ナモネ氏―吉田さんの回想で現実味が出たな。〈常盤館〉の場所があいまいだとは、不思議だ。 アロマ―隣が下駄屋だったと言ってましたよ。苦笑いしながら。 編集長―素人という言葉は意味ありげだな。スクリーンの裏に回ってみたくなるよ。 ナモネ氏―経営者の名前が分からないのは、前例がない。映画仲間でないということかな?あの人たちは交流が広いから。 特派員―昭和10年と言えば、1935年、大館橋の建設工事がはじまった年ですよ。 放送局長―昭和9年、1934年、秋田鉄道が買収され、国鉄花輪線が全線で営業開始。 ☆ ナモネ氏―喜之助とハルさんがその映画について何か話してたのを聞いた記憶はないのか?長谷川町子や山本嘉次郎などのこと? 編集長―そうか…しかし、そういう記憶はないな。ともあれ、《サザエさん》は大火の日も上映されていたのかな? ナモネ氏―お盆休みの豪華3本立てだったかもしれんな。 編集長―ぼくは30円で見れるので、はじめてそこに行った。 ☆ ☆ ☆ A Trouble in mind#1;
Dinah Washington 《暗黒街》の山本嘉次郎監督 |
★〈夏の緑色の葉〉を優雅に弾くピアニストは東京にいたとか…[A] ☆ ☆ ☆
Updated 2012.3.21 特派員―9日小沢一郎被告への論告求刑が行なわれました。禁錮3年。しかし、その前に捜査報告書のうその記述が明らかにされたというニュースがあったので、それから考えましょうか?〔1〕 JR大館駅 特派員―弁護側は〈起訴議決はウソの報告書に基づくもので、起訴そのものを取り消すべき〉だと言ってる。 ナモネ氏―戦前の馬鹿でかいマイクでしゃべったな。音がひどくて、聴覚器官が嫌がる。 半分半分放送局長―思ったとおり、これもシナリオがある。 特派員―確かに小沢被告は国会議事堂のリーダーの声で起訴の不当性を訴えて裁判を中止するように要求していた。 編集長―検察審査会が小沢一郎を裁判にかけようしてから、その制度を否定するようになった。しかし、でたらめな報告書を提出した検察の問題については何も言わない。 特派員―でたらめな記述は特捜部の副部長への報告書にも引用された。 放送局長―特捜部だましも、ねえ。それは自殺攻撃に近いな。 特派員―ところが、東京地検は捜査報告書がでたらめなことを知りながら、黙認して審査会に送っていたということです。 放送局長―共謀だ。足場崩しだ。市民を馬鹿にしてるよ、この芝居は。 編集長―その辺の展開はやはり影の将軍だ。検察審査会に送られた捜査資料はすべて問題だ。取り調べをDVDに記録する法制度をつくっていたら、そんな芝居で国が混乱しなかったはずだ。 ☆ 特派員―もう少し言うと、捜査報告書の不正は元秘書3人の供述のうち石川知裕議員に関してだけですね。FNNニュースを信用すれば、2010年5月、陸山会の政治資金問題で田代政弘検事が取り調べて作成した。小沢被告の裁判では〈記憶が混同した〉と説明している。 放送局長―検察庁と法務省は黙ってるのか? 特派員―検察当局は田代検事の事情聴取を行なったようですね。虚偽有印公文書作成の疑いなどで。小川敏夫法相は〈なぜそういうことが起きたのか、見過ごしていいケースとは思っていない〉と語った〔2〕。 放送局長―馬主の大臣を信用できるか? 編集長―公共ギャンブルと死刑制度に賛成してる大臣だ。 ナモネ氏―そう言えば、岩手県の財政は競馬で助かってるぞ。 アロマ―サファリ・パークの宣伝もすごい。 放送局長―日本のアフリカだ。 ☆ 特派員―検事が〈記憶が混同した〉というのは、おもしろい説明だと思いませんか? 放送局長―普通ならプレッシャーのせいだろうな。 編集長―自分が考えたことじゃない、と言いたいのかもしれないな。 特派員―署名させるのはクライマックスだけど、そこで想起のエラーなんて変ですよ。 アロマ―秘書の石川被告に同情が集まるように書くなんて、どういうことかな? 特派員―いやいや署名させられたというストーリーだ。小沢被告の印象をさらに悪くする。 編集長―あの昭和電工事件が参考になると思うね。社長の日野原被告が革新系の芦田内閣と進駐軍の民主主義勢力を消すためにあることないこと勝手にしゃべり、実際シナリオどおりに大勢の人たちが巻き添えを食らって致命的なダメージを受けた。秘書はそういう仕事もするんじゃないか、と疑わなければいけないだろうな。特にこれは二人の秘書の計画だから。 ナモネ氏―今と構図が似てる。アメリカ、ロシア、中国との対立が、な。 特派員―もっともっと疑わなければいけませんね。 ☆ ☆ ☆ A The green leaves
of summer; Hampton Hawes trio 1 TBS 22日23:30 2 FNN 02/24 12:52 |
★〈カジスの乙女たち〉はスペイン風の瞑想ムード[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.3.11 編集長―話が逸れたようだな。特派員は国会議員を心配してる。記号論の悪用を想像させるような何か情報があったか? リヴァー・ポート 編集長―記号論の悪用は、そのあとでも効果的だな。身近にいる人たち、つまり家族や秘書、友人、議員仲間は送電線や上下水道管の工事を見れば、恐怖に襲われるはずだ。 アロマ―編集長の父が脳梗塞で倒れて、3年後に死ぬ直前そういうことがあった。 編集長―そうだったな。食堂の隣で不意に送電線の改修工事だ。フォルムが点滴の細長い管に似ていると思った。 ナモネ氏―いずれにしても、東京は大震災で黒煙が上がったり電車が止まったり、大変だった。 編集長―衆議院議員の頭と首都の状況が相関的に変化するように見えれば、家族の心配は言葉では表わせないな。 半分半分放送局長―国の政治に責任がある議員なんだから、病気の情報はすぐに公表するべきだったよ。国民が知らないあいだに、それが政治的に利用されたおそれがないとは言えない。 特派員―自民党議員だから、民主党連立政権にダメージを与えたとは思えませんね。しかし、報道がないので、国会議事堂と周辺では小魚が恐竜になったかもしれない。 ☆ 編集長―おもしろい表現だ。どこで犠牲者が出たか、分かりにくいから、困る。 ナモネ氏―汚い金に手をつけて罠にはまった人がいるんじゃないか?名前が金田だよ。 アロマ―あたしが知ってる例を話すと、乾電池ノイローゼ。原子力発電所のアクシデントの影響ね。 特派員―それはどういうこと? アロマ―知り合いの女の人が寿命の切れた乾電池にさわりたがらないのよ。時計は止まったまま。新しい時計を買って部屋に置いてる。ラジオの乾電池が切れたら、もう使わないの。 編集長―なるほど。乾電池は心臓に似てるところがある。機能が似てる。それを意識すると、不幸だ。 特派員―部分的な類似で事物間の全体の同一性を言う。乾電池がそんなメトニミーになるなんて、悪夢だ。 アロマ―O.ヘンリー(O. Henry)の小説《最後の一葉 The Last Leaf》のようなドラマなのよ。ツタの葉っぱが散ったら、自分の命も終わりと思いこんでる肺病の女。 ナモネ氏―日本政府はそういう精神面の被害も考えなければ… ☆ ☆ ☆ A The maids of Cadiz; Miles Davis and Gil Evans Orchestra メタフォール、メトニミー |
★〈キング・フィリップ・ストンプ〉の軽い演奏にはきらめきがある [A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.3.9 半分半分放送局長―いよいよロシアと戦争だな。 特派員―やはり沖縄戦の拡大版ですか、ね? アトリエの庭 特派員―1956年の日ソ共同宣言の合意どおりハボマイ群島とシコタン島の返還で平和条約を結ぶ案、つまり、原点に帰るということですね。そこからもう一度スタートしよう、というのは思いやりのある外交です。 アロマ―日本列島の普通の住民に対しては思いやりがある。日本と戦争したくないという意味だから。 放送局長―敗北を認めろ、という調子で言ったら、野田首相が反発する。 特派員―反発して、衆議院予算委員会でこう語った。〈4島のうちの2島だから半分でよいという話ではない。〉北方領土の面積の93%を失うので、引き分けにならないという論理〔1〕。 編集長―北朝鮮の放送を聞いたんじゃないのか? 特派員―NHKインターネット版の日本語のニュース記事ですよ。 編集長―世界史のページを開いてみ.ると、1905年のロシア帝国との戦争と反対に日本は国際社会の協力がほとんど期待できない。あらゆる領域でネットワークから孤立する一方だ。 放送局長―頼りになるのは何と言ってもジャガイモ畑だよ、な。 アロマ―文化の栄養失調が心配だわよ。 放送局長―栄養のある食べものが先だ。 ☆ ☆ ☆ A King Phillip stomp; Les Brown
& His Band of Renown featuring.
Buddy DeFranco 1 NHK 3月8日 14時7分 |
★〈二つの夢の出会い〉をドラマーがバックアップ [A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.3.5 アロマ―ミラー・イメージは映画館にもある。長谷川編集長が2010年8月19日書いた記事がそれに光を当てた。〈復活しなかった映画館〈常盤館〉に行った記憶〉によれば、大火の前か後に一人でコメディ映画《サザエさん》を見た。江利チエミ主演。 半分半分放送局長―ジャズ歌手が人気漫画のヒロインを演じた映画だ。 アロマ―制作は東宝。原作は長谷川町子〔1〕。 東大館駅前交差点 アロマ―ええ。〈常盤館〉という映画館については、編集長のお母さんが2009年11月1日に想い出を話してくれた。昭和23年から24年のことです。〈小繋の天神小学校に勤めていたとき、有浦小学校で補習を受けるために月に一度大館に来た。終わったあと、みんなで映画を見るのが楽しみだった。新町の東映、常盤木町の常盤館。常盤館は今スーパー・マーケットがある辺りにあった。東大館駅前ではない。〉 ナモネ氏―スーパー・マーケットは神明社の表参道にある。私の記憶と少しちがう。 編集長―ともあれ、重要なのは長谷川町子という名前だな。 ナモネ氏―本名なのか? アロマ―ええ、本名で書いた。 ☆ 放送局長―人のコネクションがおもしろい。エノケン主演のコメディは山本嘉次郎監督のシリーズで有名だけど、監督の青柳信雄は第2作でエノケン映画のメガフォンを取った…〈エノケンの金太売り出す〉〔1〕 ナモネ氏―黒沢明の同僚だな。 放送局長―青柳と黒沢は焼き物道楽で結びついてたという情報がある。サザエは縄文式土器を連想させるよ。 ナモネ氏―山本嘉次郎監督はハチ公を映画に特別出演させた。1934年制作の《あるぷす大将》だ。大館には戦後きりたんぽを食べるために何度も来た。大火のニュースを聞いて、どう思ったか?予期していたか? 特派員―山本嘉次郎が予期していたとしたら、ハチ公人気との関係はかなり深いと思いますね。 編集長―8.18の日付は監督を倫理的に苦しめる強烈なメッセージになっただろうな。 特派員―日付には敏感ですね。5.15事件のときも第一線で映画を製作していた人だから。 ナモネ氏―1902年生まれのダンディだな。表向きは大館に来る目的はハチ公と無関係だったが、これは、編集長によれば、アミダクジ・モードの行動だ。別の目的があるということだな。 編集長―〈映画監督のメッセージ〉に最後にそう書いたけれど、それだけ。 ナモネ氏―うろ覚えだが、山本嘉次郎監督の戦後の映画に《暗黒街》というのがある。昭和31年つまり3度目の大火が襲いかかった1956年の映画だと思うが、サーチで調べてくれないか? アロマ―暗黒街。山本嘉次郎。ええ、1956年製作ですね〔1〕。 放送局長―暗黒街とは東京停電計画か?何月封切りか、どこかにないか? アロマ―白黒。主演鶴田浩二、三船敏郎。暴力団の抗争、警察の取り締まりというストーリー。これ、おもしろそう。オープニングは寂しいアコーディオンの響きだって。映画の公開は2月26日〔2〕。2月26日。 編集長―これで決まったな。日付までも暗示された大火なんだ。 アロマ―5.15…8.18… ☆ ☆ ☆ A Two dreams met ;
Gene Krupa & His Orchestra vocal Howard Dulany 1 wikipedia 2 映画音楽書物遊戯等断罪所 weblog 山本嘉次郎監督 5.15…8.18… ▼ 東京駅暗殺事件 9; 哲学は考え方について考える ▼ 東京駅暗殺事件 10; 死んだ4月4日という日付 5.15事件、長谷川テル、父幸之助、母よね ▼
V字型の階段の記憶 28; 大館の二つの橋と5.15事件の連関 ▼
V字型の階段の記憶 29; 長谷川幸之助と妻よねと変電所 |
★〈真珠の首飾りをもう一度〉は名曲のアレンジ[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.2.29 特派員―自民党の憲法改正草案の原案は、前文をすべて改めたそうですよ〔1〕。 編集長―滅茶苦茶、と言って悪ければ、破れかぶれだな。 大館橋 半分半分放送局長―前文を変えることには反対だ。あれは民主主義の憲法を持つ理由を書いてる。つまり、侵略戦争の反省から再出発するためだ。 編集長―そうしなければ、国際社会が二度と受け入れようとしなかっただろうな。 アロマ―GHQがそういう説得をしたから、いやいや〈イエス〉と言ったのよ。ずっと前にHHJで明らかにした。 ナモネ氏―そう、国際社会が相手にしなければ、自給自足の農業国。経済が先進国並みに発展したのは民主主義憲法のおかげだ。それを忘れたら、駄目だ。 編集長―心理学的には、そういう憲法がアイデンティティの分裂を引き起こしたと言えるんじゃないか? 放送局長―社会的自我と欲求の矛盾だよ。第9条の戦争放棄が一番いい例だ。 特派員―第13条の個人の尊重も理想が高すぎたと思う。帝国をひっくり返した原動力を輸入した。そんな思想と戦った人たちの怨念が闇の中に生きてる。 ☆ アロマ―そうすると、原案が天皇を日本国の元首と規定するのは帝国時代への回帰? ナモネ氏―危ないな。元首というのは、どういう意味なのだ? 特派員―説明がないけど、国家機関の天辺にいる人の伝統的な呼び名でしょう。法律的には無意味ですよ。 ナモネ氏―しかし、戦前の天皇は元首だった。権力を持っていた。 編集長―しかし、ロボットにされた。それが原案の狙いだろうな。 放送局長―女帝の次は元首。歴史のコピーばかりだ。 アロマ―国旗と国歌を尊重する規定もあるけど、日本国のアイデンティティが危機にはまり込んだときに強制するというのは、どうかな? 編集長―問題は自由な生き方に反対する思想なんだ。その思想が日の丸に対する嫌悪や懐疑の表現を間接的に選ばせる。 放送局長―そうそう、何かの象徴だ。自分も変化しようとする思想が必要だ。生成変化だよ。 特派員―第9条には自衛隊を〈自衛軍〉と位置づけて、〈自衛権の発動を妨げるものではない〉という条文が追加されたけど、自衛権は国連憲章が認めてるから、そう悪くないですね? 編集長―自衛権の発動と言えば、戦争のスイッチを入れることでなくて何だ?自衛権があるから自衛について責任があると自覚的に考えなければいけない。 ナモネ氏―誰が? 編集長―政府と住民。 放送局長―国民の居場所がないな。中世の終わりだ。 ☆ ☆ ☆ A Restringing the pearls; Jerry Gray
& His Orchestra 1 読売新聞 2月28日(火)11時33分 |
★〈ワンダフル・ガイ〉のレス・ブラウン楽団、いつもご機嫌[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.2.23 特派員―この大火で不自然な点は何でしょうか? 東大館駅入口 ナモネ氏―ハチ公のことだ。これはショッキングだ。 半分半分放送局長―絶対に偶然じゃないな。 編集長―ハチ公の背景とメッセージ、そういう本質的なことについて考えておいてラッキーだったよ。 特派員―そうですね。昭和天皇誕生日、憲法記念日、ハチ公と並べると、3番目は連関が分からない。 ナモネ氏―大館市民も馬鹿馬鹿しいと思うよ。しかし、明治維新のとき東北最後の戦いがあった地域からハチ公が行ったとなれば… 放送局長―朝日グラフのエラーだな。旧盆の日曜日には無理がある。価値も意味もないと言ってもいい。しかし、何かを連想させようと復讐心で日付を並べた。 編集長―そうだろうな。5.15は長谷川テルと土木技師の父幸之助、母よねが奇妙なメッセージでそれとなく脅迫されたクーデター未遂事件だった。 ナモネ氏―喜之助はすぐそのことに気づいたかもしれない、なあ。そう考えれば、木工所のミシンを埋め戻ししようと穴を掘った理由が分かる。1953年風呂屋町大火の火元がミシン販売店だった。過失と見せかけたテロの疑いを持っていたから、そんな錯覚的な行動に出た。 編集長―ミシンを一種の原因と思えば、十分理解できる。 アロマ―ミシンが悪いなんて、あたしには分からない。 ナモネ氏―古代日本では青銅製品を埋め戻しする風習があったが、異変が起きたとき霊を鎮めるためだ。 ☆ 放送局長―なるほど、なるほど。風呂屋町大火とのリンクは、東大館駅前の旅館の風呂場から火が出たということだな。風呂屋町と風呂場だ。前年の国鉄大館駅前大火とのリンクは、駅前だよ。つまり、ミラー・イメージでつながってる。 特派員―米放送局長が勝手につなげたリンクじゃないですか? 放送局長―客観的な説明だよ。事実がそこにある。 編集長―重要なミラー・イメージのリンクがどこにでも見い出せるとはかぎらないね。適当に選んだ二つの出来事の間にあるかどうか、試してみればいい。 特派員―やはり不自然だと思いますね。 放送局長―それから、火元の旅館が豆腐の製造もやっていたけど、豆腐に似たような食べものがある。アイスクリーム…? ナモネ氏―はせ川食堂のアイスクリーム?そんな馬鹿な。 ☆ ☆ ☆ A A wonderful guy; Les Brown & His
Band of Renown 1 大館市史 5.15事件、長谷川テル、父幸之助、母よね ▼
V字型の階段の記憶 28; 大館の二つの橋と5.15事件の連関 ▼
V字型の階段の記憶 29; 長谷川幸之助と妻よねと変電所 はせ川食堂のアイスクリーム |
★名曲〈ミスティ〉を聞きながら夜の吹雪をながめる[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.2.19 アトリエ ナモネ氏―そういうことは公判前整理手続きで片づけたと思ってたが? 特派員―特別な理由がある場合、証拠採用の請求ができるということです。ふさわしいかどうかは裁判所が決める。きのうの公判では、毎日新聞から引用すると、大善文男裁判長は検察の強引な捜査手法を強く非難して、〈違法不当な取り調べが組織的に行なわれた〉と断定した〔2〕。 半分半分放送局長―検察は組織にちがいないな。 特派員―〈多くの調書を不採用にした決定の大きな根拠〉は石川被告が2010年5月の再聴取で行なった〈隠し録音〉ですね。正確に言えば、録音された内容が根拠になった。担当した検事が〈録音されていると分かっていればこのような(利益誘導と指摘される)取り調べはしなかった〉と去年12月の公判で不正を認めた〔2〕。石川被告は、小沢元代表が不起訴になると思いこまされて、元代表の関与を認める調書の作成に応じたわけです。これで任意性が否定された。 ☆ 編集長―この事件で前例のないことが起きたと思ったのは、それだな。容疑者が取り調べを受けるときこっそりレコーダーで録音した。 放送局長―そう、そこだよ、な。こっそりレコーダーで録音なんてのは、現実問題としてできるのか? 特派員―事実だから、仕方がないですよ。録音する場合は、弁護士が許可を求めなければならないはずだけど、石川被告は黙って録音した。 ナモネ氏―それが検察の組織的不正を暴き立てるドラマになったというわけだな。 アロマ―でも、正義の人じゃない。油断できないタイプよ。 編集長―それはそのとおりだ。秘書という仕事がナンセンスなんだ。 ☆ アロマ―ホット・ニュース。天皇の心臓手術が無事終了。 放送局長―そうか?バイパス手術なんて、悪い冗談だよ、なあ。 ☆ ☆ ☆ 裁かれる小沢一郎 B A A Misty; Erroll Garner Trio 1 読売新聞2012年2月17日 2 毎日新聞 2012年2月18日 |
★〈なぜか知ってる〉は日本では知られていない名曲。[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.2.5 編集長―ところで、真中橋の門の花崗岩のブロックを撮影したあと、リヴァー・ポートに帰ると、正面奥の古い壁が何気なく目を引きつけた。はせ川食堂のブロックの壁。これはどういうことなのか、と思ったね。
半分半分放送局長―ブロック だって?! アロマ―ええ、ブロック。石のブロック。長谷川テルが1932年つまり昭和7年9月東京にもどったとき、渋谷川の自然の風景は消えていた。 編集長―長谷川幸之助は東京市の土木技師だから、たとえ東京府の事業でも、共同作業だったはずだ。長谷川喜之助と幸之助をつなぐ線がやっと見えた。 特派員―食堂のブロックの壁は、東大館駅前大火のあと1957年につくられたんですか ? ナモネ氏―そうだ。あの一面のブロックは、何と言うか、強烈な効果があったもんだ。 放送局長―インテリアに、ねえ。普通のブロックじゃないな。 編集長―普通のブロックをサンダーで磨くと、ああいうアート感覚になる。父の話では、ね。 ナモネ氏―他には何か話さなかったか? 編集長―別に。 ☆
編集長―今は重臣〈ブロック〉が起源だということにしよう。はせ川食堂のブロックのインテリアはあんな大火のあとだから、希望と勇気を立ち直らせるために天皇と皇族のパワーを誇るものだったかもしれないな。つまり、ブロックの無言のストーリーを知っていたのだ。 ナモネ氏―本当だ。祭好きの喜之助がやりそうなことだ。重臣ブロックだから、何だと言うのか、と開き直ったようなもんだ。 放送局長―そうすると、渋谷川の三面張りは? アロマ―渋谷川の近代的な護岸工事がはじまったのは田中義一内閣のときだから、久原房之助ら右翼と陸軍が重臣〈ブロック〉と同じ時期に三面張り工事をたくらんだと思う。田中首相は1928 年張作霖爆殺事件の問題をうやむやにしたので、翌年7月天皇に辞めさせられて、浜口雄幸(おさち)内閣が成立したけど、浜口首相は〈東京駅暗殺事件〉シリーズで見たように1930年11月テロリストの銃弾で倒れた。 放送局長―渋谷川の都市化に反対が多かったのは、分かる。 ナモネ氏―ハチ公も嫌ったはずだよ。 編集長―水源はやはり明治維新にあると思うね。あの白い野良犬を見ると、東北での最後の戦いを想い出した連中がいたはずだ。あの白い野良犬は、真中橋のある地域を影のように引きずりながら渋谷の街を歩いていた。しかし、天皇派にとっては少なくとも文明開化の象徴だろう。 アロマ―編集長の母スミさんの回想によれば、浜口内閣のとき、東京の長谷川一族はみんな歩いて北秋田に帰った。喜之助とハルは赤ん坊の秀之を連れて汽車に乗って、大館に移り住んだ。そこにも何となく長谷川喜之助と幸之助のリンクがあるように思う。 編集長―浜口首相が倒れたあとだろうな、長谷川一族の東京脱出は。 放送局長―長谷川喜之助が長谷川幸之助と顔見知りで、渋谷川のブロックも重臣ブロックという言葉も知ってたとすれば、喜之助という人は何者なのか、と思うね。 ☆ ☆ ☆ □ V字型の階段の記憶 30 A I know why and so do
you; Glenn Miller & His Orchestra 1 wikipedia 長谷川幸之助 重臣〈ブロック〉 長谷川一族の東京脱出 V字型の階段の由来 |
★〈サンタフェ・トレイルに沿って〉のミラー・サウンドは甘い味つけ[A] ☆ ☆ ☆ Updated
2012.1.29 特派員―その当時、街の中には大館橋しかなかったんですか? 稲荷神社前 半分半分放送局長―安心して対岸に渡れると知ってれば、混乱が避けられるな。 アロマ―市議の花岡有一さんも大館橋を通って駅前の花岡旅館に避難した。大町から従業員に連れられて行ったけど、大町の花岡旅館は焼けなかったそうよ。 放送局長―ハセは大館橋の向こうに避難しなかったけど、大館橋の迷信でもあったのか? 編集長―そういう疑問は、大館っ子にはないな。ぼくが妹とお手伝いと一緒に通りに出たとき、映画館と電線が激しく燃えていた。炎が坂を下りそうだから避難することになったんだけれど、稲荷神社と隣の桂城小学校はそのころ街外れで、西の方には原っぱと田んぼが広がってた。安全な場所だった。稲荷神社に避難させたのは関東大震災を経験した祖母だと思うけれど、ぼくが稲荷様の子だと話していたことと関係があるかもしれない。神社の中の記憶はほとんどないな。大町から西の空一面に赤い火が反射していたことだけはよく覚えてる。 特派員―反射というのは? 編集長―あの反射は、地上からの熱で発生した雨雲が浮かんでいたから、だろうな。神社から炎は見えなかった。 ☆ 放送局長―電線で想い出したけど、田町と栄町は真っ暗闇だったのか? 編集長―たぶんそうだろうな。変電所は大町の南にあるから、大町が燃えれば、電気はストップじゃないかな? ナモネ氏―私の記憶では、長谷川食堂は明かりが消えていたと思う。コックの大高さんや誰かと一緒にいたが、火の粉が飛んでこないように祈るだけだったよ。林は木工所の方に行って、それからどうしたかは分からない。秀之さんのトラックに乗って、一緒に市長の家や本多食堂などに救援に走り回ったか?…バーに行ってウィスキーを救い出したかもしれないな。私はアイスクリーム製造機を非常に気にしてたもんだ。卵と牛乳をたっぷり使ったアイスクリームの残りを食べるのが生活の楽しみだったから、なあ。はっはっは。 アロマ―うらやましい。 ナモネ氏―ペンギン・マークの容器に入って10円。今の価格にすれば、100円だな。 編集長―大火の話は聞いたことがないな。正月、母さんに聞いてみたら、田町の坂で火が止まったから家にいたということだった。1才前の弟と一緒に。あとは、覚えてない。 ナモネ氏―スミさんが…無理もないことだな。 編集長―ぼくは、と言えば、大火の前に市長の家によく遊びに連れられて行ったそうだけど、すっかり忘れてしまってる。 ナモネ氏―そういうのは普通だ。私が聞いたのは、少し考えさせる。怪力の喜之助じいさんが木工所のミシンを埋めようと穴を掘りだしたという話だ。 ☆ ☆ ☆ A Along the Santa Fe trail; Glenn Miller and
His Orchestra アイスクリーム 常盤館 都市は危険な装置 |
★〈混ざりあう思い〉は女性でなければ、歌えない[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.1.21 特派員―雪の中をご苦労さんです。 ナモネ氏―あやうく滑ってころびそうになったよ。車が走ってなくてよかった。 アロマ―裁判のコピーを読んでくれましたか?〔1〕 ナモネ氏―ああ、全部読んだ。大館市の農地転用事件のときのようにわくわくした。 日沿道 米代川左岸 ナモネ氏―そうだ。小沢一郎は天下国家のことに全力を集中してると言ったが、逃げの一手だな。子分のやったことには関係がない、というのは、大館市役所の事件でもあきるほど聞かされたせりふだ。 特派員―関係がないという逃げ口上は、数えきれないですね。 半分半分放送局長―一番安全だから、なあ。小沢一郎の事務所じゃないな、と思ってしまうよ。 アロマ―政治家と秘書は信頼関係で成り立ってると言うけど、限度があるわよ。あんな重要なことがまるでパントマイムの芝居みたいに言葉がないなんて、ね。 特派員―そう、録音を恐れてるようなシーンだな、と、ちらっと思ったことがあった。4億円の受け渡しのときだ。 放送局長―石川秘書はレコーダーを持ってるんだよ、な。 ☆ ナモネ氏―それなんだが、小沢の弁護士がこんな質問をした。 [弁護士]土地の購入にいくらかかると聞いていましたか?〔2〕 [小沢元代表]いくらくらいという明確な数字を、誰が、どう言ったかは分かりませんが、土地を購入し、寮を建てると、建築費を入れると、あらあら4億円くらいと聞いたと思います。 つまり、土地の購入費が4億円だったはずだが、秘書らの寮の建築費もふくめて4億円くらいと答えてる。今までそんな話はなかったな? 特派員―ええ、深沢の土地を買う代金が4億円で、収支報告書にもそう記入された。建築費はもちろん入ってない。 ナモネ氏―朝日新聞の記事には建築費という単語が抜けていた。 編集長―建物の建築費は馬鹿にならないな。小沢一郎がそう聞いたと考えていいのかな? 放送局長―〈誰がどう言ったか〉は分からない、と言ってる。 特派員―小沢被告は訂正してませんよ。 ナモネ氏―それに関連するような話があとで出るんだが、裁判官が収支報告書の作成も秘書にまかせっきりの政治家にあきれて、こう質問する。 [裁判官]例えば8億円分の貸付を記載して提出したいと言われたらどうしていましたか?〔3〕 [小沢元代表]8億円と聞こえてきますが、私としては用立てたのは4億円ですし、あとは分かりません。 編集長―なるほど、ナモネ氏の直感はおもしろい。そういう話法が真実を言ってる場合がある。 ☆ ☆ ☆ 裁かれる小沢一郎 A
B A Mixed emotions; Dinah Washington 1 NHK 1月10日、11日 東京地方裁判所 大善文男裁判長 2 弁護士弘中惇一郎 3 裁判官 ? 大館市の農地転用事件 |
★〈アスク・エニワン・フー・ノーズ〉のバックはおどろくほどスマート[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.1.10 特派員―2012年は歴史の重要性が高まると思いますね。それにつれて信頼できるテキストへの期待が強まるはずだけど、どこで見つかるでしょうか? 半分半分放送局長―普通の市民にはむずかしい問題だな。 アトリエ ナモネ氏―歴史専門の大学をつくるというのは、どうかな? 放送局長―うまいアイディアだ。歴史のゼンマイ仕掛けで動いてる人が多いから、な。 編集長―行動を変えるには、第一にその人の歴史認識を修正しなければならない。 特派員―それでストップか方向転換したら、ラッキーですね。 編集長―歴史というのは人の感じ方や考え方を限定するから、ね。 アロマ―色眼鏡で見るようなもんだわ。 放送局長―感じ方や考え方が先に歴史の解釈を決めるっていうこともあるよ。 アロマ―人は自由な生きものなんだから。 編集長―自由な個人だけれど、そこに自分勝手な欲求があれば、歴史の見方も狂う。未来ばかり考えると、そういう風になりやすいね。 ☆ 特派員―沖縄は暖かくていいですね。暮らしやすい島なんでしょうね? 放送局長―北国育ちには、ちょっと夏の熱さが耐えがたいな。暮らしと言えば、金があるかどうか、だ。 編集長―北海道沖縄開発庁は必要がないと思ってる。国の予算は本土の企業を肥え太らせるだけだよ。植民地と同じ構図を変えなければ、何もならない。 放送局長―沖縄が日本に復帰してから40年。構図を変えるという意見には賛成だ。 ナモネ氏―秋田県もそうならなければ、駄目だ。高速道路などの大規模建設事業はしばらく休んだほうがいい。 特派員―そうですね。大事なのはバランスを取ることですよ。 ☆ 放送局長―バランスを取ることは軍事力でも大事だな。しかし、機密事項が多いから本当のバランスが分からないと思うね。 編集長―何と言っても、信頼がなければならない。中国とのバランスに執着すれば、限界を超えてしまう。 ナモネ氏―去年の暮れに中国の宇宙戦略のニュースが飛び込んできたな。 特派員―中国人民解放軍の国防大学の教材に宇宙部隊の創設を明記してる、という話ですね。東京新聞がのせた共同通信の情報によれば、〈将来的には宇宙兵を養成し、宇宙からレーザーや電波などで敵を攻撃する部隊をつくることを想定しているとみられ、国際社会で中国警戒論が強まりそうだ。〉〔1〕 アロマ―惑星をDVDにするのは、たぶん流行なのよ。 ナモネ氏―〈想定しているとみられ〉というのは、主観的だ。推測の域を出ない。 放送局長―国際社会には日本の国も入るのか、ねえ? 編集長―遠回りに言えば、国際社会のバランスの問題だな。中国人が生活を守るために地球の周辺でもバランスに関心を持つとしても、日本は主観的なリアクションだと批判できない。 ナモネ氏―中国を荒らしまわった国が99億円の戦闘機を配備すると聞けば、中国人は食欲がなくなるはずだ。 特派員―新華社通信は6日の論評でアメリカはアジア太平洋重視の新たな軍事戦略で〈最大限の用心深さ〉を示すように注文をつけた。理由は〈地域的な論争解決に役立たない〉からです〔2〕。 編集長―紛争はあるが、論争がないな。 ☆ ☆ ☆ A Ask anyone who
knows; Dinah Shore and ? 1 2011年12月31日
17時20分 2 CNN 2012.01.07
Sat posted at: 15:08 |
★〈テンダリー〉の優しいピアノは災害のあとにもぴったり[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2012.1.3 特派員―大火の主要な原因の第7、水利の便が非常に悪かった〔1〕。 ナモネ氏―高台は水がたりない地域だが、沢から水を引くということもやってなかった。井戸水と水道だよ。 解体前の中劇 80年代の建築 Filming; 2004.8.29 ナモネ氏―駅前にも貯水槽があった。 アロマ―長根山の貯水池から水を引いてたら、ね。 編集長―あれはかんがい用水の貯水池なんだ。 ナモネ氏―しかし、そう思ってたのは農民だけだろう。若い市民にはボート遊びの池だったよ。 アロマ―やはり日本の都市計画のまずさが出る。 特派員―大火の主要な原因の8番目は、聞きなれないけど、破壊消防に失敗したこと。 ナモネ氏―これは、延焼を食い止めるために未然に建物を破壊する消火方法だ。江戸時代の映画に出てくるやつだ。 半分半分放送局長―壊された建物の所有者はいい迷惑だな。 ナモネ氏―当然問題になる場合もある。 ☆ 特派員―大火の主要な原因の9番目は、〈水道に消火栓が敷設されたが、まだ通水されていなかった。〉2週間後に通水される予定だった。おかしな話ですね? ナモネ氏―大館市が防火都市をめざして設置した消火栓だが、市民の期待に応えなかった。使用できていたら、炎は常盤木町で消えたはずだ。 編集長―なぜ消火栓に水が通されなかったのかな? ナモネ氏―消火栓のテストとか、煩雑な規則があるようだな。 放送局長―関連する法規も危険物だ。 編集長―終戦後まもないから、それが災いしたということもありえたかもしれないな。 アロマ―米放送局長、タバコの火が消えてる。 放送局長―あっ、そうか?…何か考えさせられるよ、な、この問題は。 特派員―大火の主要な原因として挙げられている最後は、強風で道路が煙突のようになって消防活動が思うようにできなかったこと。 ナモネ氏―煙が邪魔をしたというのは、よく分かる。非難する人たちにとっても非常にこわいのが煙だ。 アロマ―その結果、最終的な被害は、商店、金融機関、警察署などの建物48、住家692、非住家629が全焼。被災世帯701、被災者3766人。損害額約40億円。 ナモネ氏―警察署はほとんど最後に焼け落ちたな。長倉町交差点の市役所よりにあった。佐藤市長の家は、今ホテルが立ってるあたりだが、それも跡形もなく焼けた。しかし、3年前の風呂屋町大火のあと建設された耐火構造の連鎖店舗が火を止めた。外側にはコンクリートと鉄とガラスしか使わなかった建物だ。交差点の下にある映画館〈中央劇場〉も燃えて、炎が坂を下りると思ったが、幸運なことにそこで火が止まった。東大館駅前の映画館から始まり田町の映画館で終わった大火だ。 アロマ―その〈常盤館〉はどの辺にあったんですか? ナモネ氏―国際通りの入口、駅から見て左側にあった。 ☆ 特派員―ところで、煙は非常に危険だけど、デマも生命にかかわると思いますね。そういうのを聞きましたか? ナモネ氏―いや、私は聞いてないな。ただ、問題なのは炎に追われてる状況で火元や原因、広がり方などについては市民は確実なことが何も分からないということだ。 放送局長―市民はうまく避難したよ、な。 ナモネ氏―そういう映画を制作すれば、法律よりも現実的な安全保障になるんだが、なあ。 アロマ―映画サークル〈絵夢人クラブ〉の越前貞久会長に聞いたら、一言だけ話してくれた。大町に住んでいたので、釈迦内の親戚の家まで歩いて逃げたそうよ。5kmも歩いて。 編集長―幼稚園のときだ。彼がポーランド映画のファンになったのは、自然だよ。 ナモネ氏―大町の名画座で上映プログラムの作成を受け持ってたな。《灰とダイヤモンド》が一番好きだということだ。 編集長―《地下水道》の方が似合ってる〔2〕。 ☆ ☆ ☆ A Tenderly; Erroll Garner Trio 1 大館市史 2 監督 アンジェイ・ワイダ Andrzej
Wajda 地下水道: 1956年 制作 灰とダイヤモンド: 1958年 制作 常盤館 都市は危険な装置 |