私は5浪目で医学部を目指していました。学力が足りなかったというより、ずっと英語が足を引っぱっていました。理科や数学はある程度戦えるのに、英語だけがどうしても安定しない。そのせいで何度も涙をのみました。
それまでの勉強法は、「重要構文」と呼ばれる英文を大量に暗記すること。参考書に載っている例文を何百も覚えましたが、実際の問題になると少し形が変わっただけで読めない。自分で英作文を書こうとすると手が止まる。点数はずっと横ばいのままでした。
「自分で英語を作れるようになりたい」――そう思い、この塾の門を叩きました。
最初の授業は衝撃でした。やっていることは、正直に言って基礎でした。心のどこかで「医学部受験で、こんな簡単なところ出ないでしょう」と思いましたし、「このペースで間に合うのか」という不安もありました。
けれど先生は一切ぶれませんでした。英語は暗記ではなく、ルールだと。主語と動詞の関係、文の骨組み、時制、品詞の働き。曖昧にしてきた部分を、一つずつ徹底的に整理していきました。
すると、ある日を境に変化が起きました。長文を読んでいて、「あ、構造が見える」と感じたのです。英作文でも、暗記例文を思い出すのではなく、「こう組み立てればいい」と自然に書けるようになりました。
そこからは一気でした。共通テスト模試の英語の点数が急に伸び始め、7割台だった点数が8割後半、そして9割台へ。
5浪という時間は決して短くありませんでした。ですが、「基礎からやり直す」という決断が、すべてを変えました。