第7話 追跡


物語の筋を知っていると、コナンとラナの動きよりも、ダイスやモンスリー、ジムシーら準主役から、レプカやドンゴロス、インダストリアの人々など、主役からはさらに遠い脇役の動かし方へ目がいく。

あせるレプカととぼけた委員会の会話、ダイスの長い演説、ジムシーが初めてラナを間近で見て、「お前、泣き虫でも大食いでもないな」という場面、どれも本筋とは関係ないけれど、見ていて面白い。

海の男ダイスが叫ぶ「面舵一杯、全速前進!」という船の言葉は、どこか別のところでも聞いたことがある。そうだ、『宇宙戦艦ヤマト』の徳川機関長の声。この声は、いつもほろ酔いの佐渡医師の声でもある。声の主は、永井一郎。彼はあとで『機動戦士ガンダム』で「宇宙世紀0079」ではじまる冒頭の言葉を語る。海といえば、磯野波平も永井一郎の声。

『ヤマト』で敵役デスラー総統を演じた伊武雅刀は、『コナン』では「西暦2008年」ではじまる冒頭のナレーションを担当している。


アニメとは、文字通り「動く絵」だけれど、声優の演技力は作品の軽重を左右する。車を運転しながらテレビの音声だけを聴くことが増え、ますますそう思うようになった

宮崎駿の劇場作品では、声優ではないタレントや、ときには俳優すら経験したことがない人が、声を担当することがよくある。私は、あまり好きになれない。声優という専門職を軽んじているようにも感じるし、何より安心して見て、いや聞いていられない。

大人になっても、アニメーション映画が好きなのは、むかし聴いていたラジオドラマを思い出すからかもしれない。


モンスリーは今回、コナンを手玉にとったつもりで犬のように扱う。「水も、食べ物も与えないでおく」。それが動物を飼いならすコツとまで言う。

この言葉はモンスリーの強がり、一種の偽悪でしかない。彼女はそんなふうに動物を扱ったことがなかったことはあとでわかる

モンスリーは不思議で仕方がない。コナンとラナ、まだ幼い二人。自分が力にすがらなければ生きていけなかった頃と同じくらいの子どものコナンやラナが、なぜ力に屈しないのか。

彼女は、コナンを試そうとしているのではない、気づかぬうちに自分の限界を試しはじめている。