入門その頃のバス

いすゞ自動車(中型バス)

ボディ+シャーシ 中型バスは1970年代後半から市場が広がり、メーカー側もそれに合わせてモデルを充実させるという傾向が全メーカーに見られます。いすゞは中型バスでは後発組で,自家用バスからのアプローチでした。そのため,1980年代まで小さいイメージのボディで推移していました。
いすゞの中型バスには当初から「ジャーニーK」と言う商品名が付けられていますが、この「ジャーニー」と言う名前もマイクロバスと共通のものです。
中型バスが本格的に生産され始めた時代は、既にシャーシメーカーとボディメーカーの系列化が進んでいた頃に当たるため、ここではシャーシとボディを一緒に記述することにします。
なお、いすゞの場合は川崎車体を標準としながらも、富士重工、北村製作所、西日本車体がボディを架装した例もあります。ここでは、川崎車体を中心に記載します。


表6-1 いすゞ中型バスの系譜

系譜

いすゞBK ジャーニーK  1972−1976

表6-1-1 いすゞBK
年式1972-19731973-1976
原動機型式
(出力)
D500
(130PS)
6BB1
(145PS)
軸距3780mmBK30BK32
備考 
奥道後温泉観光バス いすゞBK32
BK32

撮影:OKMR様

自家用 いすゞBK32
BK32

撮影:北海道(2012.4.22)

いすゞ初の中型バスとして登場したのが観光系ボディを持つBKです。いすゞには当時ナローサイズの大型路線バスBA05Nなど、小サイズの路線バスが存在していたため、こちらは自家用バスを主眼にした前ドア車のみの設定で、車高も低く立ち席は考慮していません。
外観的には扁平な感じなのが特徴。前ドアの窓は、独特の大きさの通しガラスが標準ですが、写真の車両は下部にも窓があります。
BK30は丸型ウィンカー、BK32は大型の角型になったことが外観上の違いです。

ボディの組み合わせ・・・川崎

いすゞCCM/CDM ジャーニーK  1976−1984

表6-1-2 いすゞCCM/CDM
年式1976-19791980-19821982-1984
原動機型式
(出力)
6BD1
(160PS)
6BD1
(160PS)
6BF1
(170PS)
軸距3700mmCCM370K-CCM370K-CDM370
4100mmCCM410K-CCM410K-CDM410
備考 

岩手観光バス いすゞCCM370(1978年式)
CCM370

撮影:盛岡駅(1987.11.22)

岩手県交通 いすゞK-CCM410(1982年式)
CCM410

撮影:盛岡バスセンター(1984.11.18)

中型バスBKをモデルチェンジし、自家用バスから貸切バス、路線バスまで幅広く使えるモデルとしたのがCCMです。特に路線バスでは、地方の過疎路線や都市部の狭隘路線などで中型バスの需要が急増していたため、生産数は急激に伸びています。型式の数字はホイルベースをcmで表した数字です。エアサス、高出力仕様はありません。
昭和54年排ガス規制に対応し、1980年以降は型式の頭にK-がつきます。1982年にはエンジンをモデルチェンジし、K-CDMになりました。
1984年には、大型バスと同様にキュービックタイプのLRにモデルチェンジされています。

ボディの組み合わせ・・・川崎、西工、北村

いすゞLR ジャーニーK 1984−1999

表6-1-3 いすゞLR
年式1984-19901990-19951995-1999
原動機型式
(出力)
6BG1
(175PS)
6BD1-T
(185PS)
6HE1
(195PS)
6BG1-TC
(210PS)
6HH1-S
(210PS)
軸距3750mmP-LR312F
P-LR212F
P-LR311F
P-LR211F
U-LR332F
U-LR232F
 KC-LR333F
4300mmP-LR312J
P-LR212J
P-LR311J
P-LR211J
U-LR332J
U-LR232J
U-LR312J
U-LR212J
KC-LR333J
KC-LR233J
備考数字300番台=リーフサス、200番台=エアサス

岩手県交通 いすゞP-LR312J(1985年式)
LR312J

撮影:北上営業所(1986.8.24)

大泉村営 いすゞP-LR312J(1984年式)
LR312J

撮影:長坂出張所(1985.3.6)

1984年に、いすゞでは大型車と同時に中型車もフルモデルチェンジを行い、キュービックスタイルに生まれ変わりました。全体的には大型車を小さくした形ですが、正面スタイルは傾斜窓を基本に方向幕部分が突き出した独特の成型になっています。
観光・自家用は「ジャーニーK」という愛称で呼ばれ、大きな前面ガラスが傾斜したスタイルです。側窓の縦寸法が大きいため、当初は上部が固定式のいわゆるT字形窓になっていました。クラス初のフルエアサス仕様も加わりました。
1990年にボディスタイルはそのままで、平成元年排ガス規制に対応してシャーシをモデルチェンジし、U-LRとなります。1995年には平成6年排ガス規制によるモデルチェンジに合わせて観光・自家用ボディのライト周りが変わり、1999年には「エルガミオ」にフルモデルチェンジが図られています。


ボディの組み合わせ・・・川崎、富士、西工

ページ上部へ戻る
メニュー

80s岩手県のバス“その頃”