ξ.2006年・アジア年末の災害
[2006年・海外の話題#2]
(Disaster of Asia at the end of year, 2006)

−− 2006.12.24 エルニーニョ深沢(ElNino Fukazawa)
2006.12.31 改訂

 ■はじめに − アジアで年末に立て続け
 地震の用語集は▼下▼を参照して下さい。
  資料−地震の用語集(Glossary of Earthquake)
 今年は暮れも押し迫った年末アジアでの災害や事故のニュースが立て続けに飛び込んで来ました。年末の大災害と言えば一昨年の04年12月26日のスマトラ島沖地震と津波被害を思い出します。
 先ずは急報を時系列に列挙します。

 ■年末の災害と事故の急報
  ●インドネシアのアチェの洪水(12月24日)
 先ず12月25日の毎日新聞ニュースに拠ると、インドネシアのスマトラ島北端アチェ州では、豪雨に因る洪水が相次ぎ、東アチェ県など2県で24日迄に少なくとも71人の死亡が確認され住民5万人以上が避難した、という報です。約200人が行方不明との情報も有り、洪水で捜索活動は難航して居るそうです。アチェ州は04年12月26日のスマトラ島沖地震の津波で最大の被災地と成り、西岸を中心に16万人以上が死亡した地域ですが、今回の洪水は同州東部を襲いました。

  ●台湾南部で地震(12月26日)
 そして12月27日に飛び込んで来たニュースです。台湾の中央通信に拠ると、台湾南部屏東県恒春の南西沖で26日夜に発生した地震で、死者数2人、負傷者42人という第1報でした。震度5マグニチュード(M)6.7とのことです。

  <12月28日>台湾地震の続報
 台湾南部で26日夜に発生した地震で、台湾から南に延びる海底ケーブルが損傷し、東南アジア各地や日本で国際電話やインターネット通信が繋がらなく成ったり、通信速度が極端に低下する障害が発生したそうです。
 台湾の大手通信会社「中華電信」に拠ると、海底の国際通話用ケーブル2本と通信用ケーブル2本が損傷。台湾から日本へは本来のサービス能力の11%、米国へは40%、中国へは10%、東南アジアは2〜15%しか提供出来て居ない。復旧には2〜3週間掛かる見通し、ということです。この影響で日本では法人向けのデータ通信や海外通話可能な携帯電話、一部のインターネット専業証券で利用出来ないトラブルが起きました。
 この通信のトラブルは台湾や日本の他、中国の一部香港シンガポールフィリピンインドネシアなどに影響が出て居ます。高度情報社会(=IT社会、※1)の脆弱性ですね。

  ●中国雲南省の邦人バス横転事故(12月28日)
 現地時間の28日午後4時半頃、JTB西日本(大阪市)が主催するツアーの日本人客19人を乗せたバスが中国雲南省の大理から麗江に向かう途中、麗江市近郊で横転兵庫県芦屋市の女性(78)が死亡8人が負傷した、というニュースを私は29日に知りました。事故現場は高速道路を出て一般道路に入った所らしいですね。

  ●インドネシアのフェリー遭難事故(12月29日)
 大晦日、年賀状を出し終わって2007年度用にWebサイトを更新して居たら、又新たなニュースが入って来ました。再びインドネシアです。
 ロイター通信などに拠ると、ジャワ海29日夜、カリマンタン(ボルネオ)島中部のクマイから約400キロ先のジャワ島中部スマランに向かっていたインドネシアのフェリーが遭難 −沈没した可能性有り− し乗客・乗員合わせて500人以上が行方不明に成っている、とのことです。
 インドネシア港湾当局に拠ると、このフェリーには乗客・乗員600人以上 −一説に拠ると800人以上− が乗っていたとされ、30日迄に数10人が救助されたが、救助活動は難航して居る模様です。

 ■私の感想
  ○インドネシアのアチェの洪水
 一昨年04年の大惨事が起きた日が12月26日で今回が12月24日(及びその2〜3日前)何か因縁を感じますね。

  ○台湾南部で地震
 震源は台湾島南端の南西沖とのことですが、私は今年の秋に台湾本土や澎湖群島に行って来たばかりで、実は来年春頃に台中の阿里山鉄道に乗る旅を目論んで居る最中のニュースで、他人事では有りませんでした。
 台湾という島は意外と地震が多い国なのです。これは島全体の各地に温泉が湧くことでも解りますが、最近では何と言っても1999年9月21日の台湾大震災 −台湾中部の南投県集集鎮を震源とするマグニチュード7.6の地震− です。これは台湾に於ける20世紀最大の地震で、死者2300人余り、負傷者約8000人、行方不明者50人以上の被害を出し、震源から離れて居る台北でもビルが倒壊して居ます。
 そしてもう一つ、台湾は沖縄と同じく台風の通り道に位置して居ます。

  ○中国雲南省の邦人バス横転事故
 これも私にとっては”身近”な事故です。と言うのは大理〜麗江の同じコース(←多分)を私も2004年の秋にバスで通っているからです。山間の道を抜けて行きますが、道は殆どが舗装された良い道で、難コースでは無い筈です。高速道路を出て一般道に入りこれから麗江市内に入ろうという所での事故の様ですが、多分スピードの出し過ぎだと思いますが。
 私は今年の11月に静岡県は奥大井の寸又峡にバスで向かっている途中、峡谷の狭い道路の急カーブで後輪のカバーをガードレールに引っ掛けて進退出来なく成った時は怖かったですね、アッハッハ!

  ○インドネシアのフェリー遭難事故
 フィリピンだかインドネシアだかのフェリー事故は以前にも有りましたね。確か定員以上乗客を乗せた過剰乗船が原因でしたが、今回も同じ原因だと思われます。懲りない人々(※2)ですね、東南アジアの民は!
    {このの章は06年12月29日に最終更新しました。}

 ■結び − 来年の亥年は慎重に
 ということで、ざっと感想を述べましたが、来年の亥年は猪突猛進せずに慎重に振舞おうと思って居ますゾ!

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    {このの章は06年12月31日に追加}

ξ−− 完 −−ξ

【脚注】
※1:IT/ITとは、(information technology の略で「情報技術」の意)
 "information technology" という言葉は旧来から使われて来たが、「IT」という略語は旧態の情報技術には用いない(←旧態は、大衆的情報伝達が一方向的で相互交信は特定機関や業者間に限定されて居た)。コンピュータの高性能化・低価格化と通信の大容量化・高速化を基礎に、95年のWindows95と共に急普及したインターネットに依る情報通信の大衆化を受けて登場した、ビジュアル会話的大衆参加を特徴とする1995年以後の大衆参加型情報通信技術を指す語。特に旧態の部門毎の垣根を飛び越えて、企業間のみならず個人でも直接交渉(取引)・直接投書(投票)が可能と成り、産業や行政の構造改革を迫る技術革新として捉えられて居る。「―業界」「―革命」「―バブル」。

※2:「懲りない××」は、安部譲二著の務所体験本「塀の中の懲りない面々」に拠る。「塀の中」とは刑務所内のことで、所内の人間が失敗しても懲りずに欲ボケから又同じ失敗を繰り返す姿を諷刺したもの。1987年の発売と共に「塀の中」や「懲りない××」というフレーズが流行。

    (以上、出典は主に広辞苑です)

●関連リンク
参照ページ(Reference-Page):東南アジアの地図▼
地図−東南アジア(Map of Southeast Asia, -Multinational-)
参照ページ(Reference-Page):台湾の地図▼
地図−台湾(Map of Taiwan, -China-)
参照ページ(Reference-Page):雲南省の大理/麗江/
香格里拉(旧:中甸)の地図▼
地図−中国・雲南省北部(Map of Northern part of Yunnan, -China-)
参照ページ(Reference-Page):地震について▼
資料−地震の用語集(Glossary of Earthquake)
04年末にも地震被害を蒙ったインドネシアのアチェ州▼
2004年・年末のスマトラ島沖地震
(Sumatran earthquake of the end of year, 2004)

来年の亥年の心構え▼
2007年・年頭所感−猪食いに吉有り
(Eating boar brings good luck, 2007 beginning)


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