地図-台湾(Map of Taiwan, -China-)

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 ■台湾(Taiwan)

 ▼台湾全土の地図(Map of whole land of Taiwan)

 台湾(たいわん、Taiwan)は、中国福建省と台湾海峡を隔てて東方2百kmに在る島。台湾本島・澎湖列島及び他の付属島から成る省。総面積3万6千㎢。数千年前からオーストロネシア語民族(※1)が居住。明末から清代に掛けて福建省や広東省から漢民族が移住。1624年オランダが今の台南市安平にゼーランディア城(※2)を築き、1641年北部を占領していたスペイン勢力を破って全島を支配。1661年に鄭成功(※3~※3-3)がオランダ植民者を追い出して中国領と成ったが、日清戦争の結果1895年日本領と成り、1945年日本の敗戦に因って中国に復帰し、49年蒋介石政権(※4)が台湾に移った。60年代以降、経済発展が著しい。人口2130万(1995)。省都は台北(タイペイ)フォルモサ(Formosa)
 高温多湿の亜熱帯気候で、夏は多雨、冬はやや少雨。南へ行く程、雨季と乾季との降水量の差が大きい。沖縄と同じく台風の通り道。台湾本島の東海岸寄りに南北に縦貫する台湾山脈玉山(3,997m) -その前衛の連山を阿里山と呼ぶ- を始め3,000m級の高峰が多い。漢民族が98%、タイヤル族/アミ族などの先住9種族(※5)が2%。公用語は国語と呼ばれる北京語。しかし一般には台湾語(閩南語)が使われ、一部地域では客家語も使用。先住民も種族独自の言語を持つ。韓国・香港・シンガポールと並ぶ新興工業地域。ニュー・タイワン・ドル(NT$、新台幣)と呼ばれる通貨の単位は元(ユワン、圓)。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
  ★イラ・フォルモサ(Ilha Formosa)とは、1544年のこと、台湾海峡を通過したポルトガル人は、海上に浮かぶ美しい緑の台湾島を見て思わずイラ・フォルモサ(麗しの島、麗島)と叫んだ、と伝えられて居る。ポルトガル語で "Ilha" は「島」、"Formosa" は「麗しい」を表す。台湾人は「美麗宝島」と呼ぶ。これが元で19世紀頃迄英語の Formosa は台湾の旧称。現在は Taiwan。

  ●台北(たいほく/タイペイ、Taibei)は、台湾北部、台北盆地の中央に在る台湾最大の都市。第二次大戦後、国共内戦に敗北した中華民国国民政府の首都。人口263万2千(1995)。1894年省都。市郊外と隣接地域は台湾北部最大の工業地帯。18世紀の竜山寺、19世紀の台北城の北門などが残り、郊外には故宮博物院新北投温泉が在る。
 市内東側の信義区には、市庁舎が在り101大楼貿易センタービルなどの超高層ビル群が建ち並び、更には建築中のビルも多く行政の中心として超モダンに変貌しつつ在る新市街地区。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
  ○台中(たいちゅう/タイチュン、Taizhong)は、 台湾中部の台中盆地に在る都市。。17世紀に大陸からの移住者が建設。中部の経済の中心で、蔗糖・米・果実の集散地。人口85万3千(1995)。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
  ○台南(たいなん、Tainan)は、台湾南西岸に在る台湾最古の都市1885年迄200年以上も台湾の政治・経済・文化の中心。オランダ人建設の赤嵌楼など赤煉瓦造りの建物が多数残る。南部台湾の商工業の中心安平はその外港。人口70万7千(1995)。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
  ○高雄(たかお、Gaoxiong)は、台湾南部の港湾都市。古くは打狗(Dagao)と呼んだが、日本の統治下で高雄と改称。台湾最大の輸出港・遠洋漁業基地で、南部最大の工業地帯を形成。人口142万6千(1995)。
  ○台東(たいとう/タイトン、Taidong)は、台湾南東部、太平洋に臨む県。高山族(カオシャンぞく)(※5~※5-2)が多く居住。
  ○基隆(キールン、Keelung)は、台湾北東部の港湾都市。人口36万。台湾有数の商港・漁港。雨季が長くて雨量が多く「雨港」とも呼ばれる。石炭を産し、造船・化学・水産加工などの工業が盛ん。旧名鶏籠(チーロン)。

   ●澎湖列島(ほうこれっとう/ポンフーれっとう、Penghu Liedao)は、台湾の西に在る島嶼群。総面積126㎢。64島から成り、主島は澎湖島で中心都市は馬公(※6)。風が強く、雨量は少ない。畑作と漁業が主。澎湖群島とも。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
   ○蘭嶼島(らんしょとう/ランユイとう)は、台湾南東方の火山島。面積46㎢。最高点は芳蘭峰(ファンランフォン、548m)。住民の大半はヤミ族(※5)で、半地下式の竪穴住居バウイに住む人が多い。主産業はタタラ(丸木舟)に依るトビウオ漁。南方にサンゴ礁から成る小蘭嶼が在る。ラン島。旧名紅頭嶼(ホントウユイ)。<出典:「学研新世紀ビジュアル百科辞典」>

    ・玉山(ぎょくざん、Yu Shan)は、台湾中南部に在る台湾の最高峰標高3997m。冬季は山頂に雪が積もり、2,000m以下は原生林に覆われる。→新高山。<出典:一部「学研新世紀ビジュアル百科辞典」より>
      ★新高山(にいたかやま)は、台湾第1の高山である玉山(ぎょくざん)の日本統治時代の呼称。
    ・日月潭(にちげつたん/じつげつたん/リーユエタン)は、台湾中央部、濁水渓(チュオショイシー)の支流に在る湖。面積4.4㎢、湖面標高722m、最大水深27m。湖中の光華(コワンホワ)島に依って日潭月潭に分けられる。周辺に玄奘の霊骨を祭る玄奘寺や、文武廟が在る。観光名所。<出典:「学研新世紀ビジュアル百科辞典」>

【脚注】
※1:オーストロネシア語族(―ごぞく、Austronesian race)は、マダガスカルからインドネシアフィリピン台湾メラネシアミクロネシアポリネシアに及ぶ地域に分布する諸語の総称。東経130度付近で、西部諸語東部諸語に分ける。西部諸語にはジャワ語/マレー語/タガログ語/台湾諸語など約300語が含まれる。東部諸語にはメラネシア語群/ポリネシア語群/ミクロネシア語群を含め約400語に及ぶ。アウストロネシア語族。マライ・ポリネシア語族。南島語族

※2:ゼーランディア城(―じょう、Zeelandia)は、1624年オランダ人が台湾南西部に位置する台南の一小島(今の台南市安平)に築いた城塞。その対岸の台湾本島の赤嵌(せきかん)にはプロヴィンシア城を築く。61年、鄭成功が攻略。

※3:鄭成功(ていせいこう)は、明末の遺臣(1624~1662)。鄭芝竜の長子。名は森(しん)。母は肥前平戸の人、田川氏。清軍と戦い、廈門・金門島、後の台湾に拠って奮戦したが、志を遂げず病没。明室から国姓朱氏を賜り国姓爺(こくせんや)と称。近松門左衛門作「国性爺合戦」に依り「和藤内(和唐内)」の名で親しまれる。
※3-1:鄭芝竜(ていしりゅう)は、明末の遺臣(1604~1661)。字は飛黄。通称、一官・老一官。福建の人。日本に来航し、肥前平戸に居住。田川氏の娘と結婚、成功・七左衛門の2子が在る。台湾を根拠地として密貿易に従事、1628年明に招かれ都督迄進んだが、46年清に降り、族誅された。「国性爺合戦」に脚色。
※3-2:国姓爺(こくせんや)は、明末清初の鄭成功(ていせいこう)のこと(1624~1662)。南明の唐王朱聿鍵より国姓の朱を賜った事に由る。近松門左衛門の「国性爺合戦」では「国性爺」
※3-3:国性爺合戦(こくせんやかっせん)は、浄瑠璃の一。近松門左衛門作の時代物。明朝の遺臣鄭芝竜の日本亡命中の子和藤内(国性爺)が、明国の回復を図ることを脚色する。「甘輝館の段」が最も有名。正徳5年(1715)11月初演、3年越し17ヵ月間続演。後に歌舞伎化。

※4:蒋介石(しょうかいせき、Jiang Jieshi, Chiang Kai shek)は、中国の政治家。中華民国総統(1887~1975)。浙江の人。日本に留学、軍事を学ぶ。辛亥革命に参加。孫文に依りモスクワに派遣され、黄埔軍官学校を創設、国民革命軍を養成して北伐に成功。後に反共独裁の国民党政府最高指導者として、対日抗戦を遂行。第二次大戦後、国共内戦に敗れ、台湾に退いたが、反共復国を呼号し続けた。

※5:台湾の先住民族(たいわんのせんじゅうみんぞく)は、オーストロネシア語族に属し、次の先住9種族に大別される。
  雅美族(ヤミぞく)は、蘭嶼島に居住。半農半漁。固有の太陰暦を用いる。
  阿美族(アミぞく)は、花蓮や東海岸の平地に居住。人口約9万人で、先住民族中最多母系制社会を形成。
  泰雅族(タイヤルぞく)は、鳥來など中央山地周辺に居住。農耕と狩猟が中心。武勇を尊び、血縁関係を重んじる。
  賽夏族(サイシャットぞく)は、新竹の東南に居住。人口は先住民族中最少「矮人祭」という独特の儀式が在る。
  邵族(タオぞく)は、日月潭周辺に居住。水田稲作と漁業が中心。
  鄒族(ツオウぞく)は、玉山の西側の高地に居住。山地耕作。
  布農族(プヌンぞく)は、埔里以南の中央山地、海抜2000m迄の高地に広く居住。焼畑農業が主体。
  卑南族(ピナンぞく)は、台東の西に居住。集落単位に独立した組織を持ち、漢文化の影響が強い。
  魯凱族(ルカイぞく)は、知本山周辺に居住。芸術表現に優れる。
  排湾族(パイワンぞく)は、知本以南に居住。精緻な伝統芸術が有名。
※5-1:高山族(こうざんぞく/カオシャンぞく、Gaoshan)は、台湾の先住民族の総称。言語はオーストロネシア語族に属し、パイワン族/アミ族など先住9種族に大別される。伝統的には焼畑による陸稲・粟の栽培に従事する者が多い。日本統治時代には高砂族(たかさごぞく)と総称。
※5-2:高砂族(たかさごぞく)とは、台湾先住民の日本植民地時代に於ける総称。→高山族(カオシャンぞく)。

※6:馬公(まこう、Magong)は、台湾の澎湖島の西岸に位置する港湾都市。台湾海峡の重要港。

    (以上、出典は主に広辞苑です)


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