−− 2003.07.10 エルニーニョ深沢(ElNino Fukazawa)
■討論内容と投稿者
当サイトではバブル後に地盤沈下甚だしい関西経済に対し、辛口版の「大阪はつらいよ条例」を提唱しました。これは元々は新潟県の或る村で「雪国はつらつ条例」が「雪国はつらいよ条例」と誤記されて中学教科書に載ったという話を揶揄したものですが、そもそも最近の日本語が「ひらがな」が多過ぎて「ぎなた読み」(※1)をして仕舞うんですね。私も「ひらがな」が多過ぎる最近の文は苦手で、私の文は漢字と「ひらがな」が適度に成る様に心掛けて居ますゾ!
そして埼玉埋没の議論からは埼玉都民という埋没予備軍を扱いました。そして埼玉都民も又、状況は”つらい”のです。
今回は税制面から関西復興のアイデアを提示したリチャード・プー氏の主張を巡る掲示板−1での応酬を踏まえ、『ハイエナ(=御上(おかみ))にはキツネ(=業者)とタヌキ(=消費者)の化かし合いを煽って掠り取る「悪知恵」が必要』と総括し、大阪独自の発想からの「大阪はつらいよ条例甘口版」を提唱します!
投稿者▼
[1]:リチャード・プー氏(女体総合研究所性痔部主任研究員)
[2]:Mr.ヤブ氏
[3]:私
関西復興計画 投稿者:リチャード・プー 投稿日:2003/02/23(Sun) 09:07 No.7
<板−1>
◆◆◆大阪は一地方都市 − お笑い芸人の街
さて今回はなぜ関西が落ちぶれたかと、いかにして再興すべしかを考察しましょう。私もつい最近大阪を捨て、東京都民になったのですが、確かに東京は豊かです。街の色が違います。500万円以下の車は公道を走ってはいけない法律でもあるんかいなというくらい外車だけで渋滞してる地域もあります。ここでは大阪は地方都市の一つで、りんごの青森、なしの鳥取、お笑い芸人の大阪という産地の一つとしてか見ていません。
関西人のみなさん!、僕たち都民が笑いを消費してあげるからもっと芸せんかい!!
...と言っても、私も大阪で産まれ育ったんで、関西が再度天下を取ってくれたらそっちについていきまっせ〜。
そこで冷静になぜこんなに関東と関西で差がついてしまったのかを分析しました。少なくとも”昭和の敗戦”までは大阪もいい線いってたはずです。あれを境に変わったことと言えば、関西は軍事施設が弱体化しました。関東には米本土以外では世界一の艦船整備能力を持った横須賀基地をはじめ、横浜、厚木には米軍基地がいっぱいあります。大阪にもかつては極東最大の軍需工場と言われた、陸軍砲兵工廠があったんですけど、今じゃ大阪城公園とOBP(※2)になっちゃいました。
というわけで結論を言いますと、関西空港にアメリカ軍を誘致すればいいのです。例の夜間離発着訓練基地です。もともとが24時間営業を想定した海上空港なんですから本来の利用方法じゃありませんか。誰が困るとも思えないし。米軍に内緒で、海上自衛隊もそれを標的としたイージス艦の訓練にも使えて一石二鳥。さらにそれを観光に利用します。まずは、普通に訓練を公開したりするパターン。いまやロシア軍も金さえ払えば観光客をミグ戦闘機に乗せてくれる時代です。アメリカ軍も潜水艦で急速浮上のサービスをやりすぎてえひめ丸を撃沈してくれました。
しかし馬鹿にしてはいけません、この軍隊を観光資源にする分野では、実は我が自衛隊が世界の先端を行ってたんですねぇ。富士のすそ野では陸上自衛隊が観覧席を設けて実弾撃ちまくりの展示訓練、海上自衛隊も軍艦にお客さん満載して爆雷投下とかしてくれるし、航空自衛隊の基地の公開では隊員が模擬店出してくれてます。米軍も、今まではプレスには訓練の公開してたんですけど、日本は昔から一般人相手に大サービスしてた。
あと、空港の米軍基地化には当然反対する人も出てくるでしょう。その人達には、大阪にやってきてデモしてもらいましょう。府警の護衛つきで御堂筋をパレードしてもらえばいいんですよ。USJ観光とセットもええな。ちょっと演出を加えて機動隊と小競り合いしてもらってもいいよ。かつては平和運動が大好きだった組合の人たちも、最近は自分一人だけがリストラ(※3)されないように考えることしかしてなくて元気ないじゃん。あまりまくってる組合積み立て金を、組合幹部だけの飲食費にせず、今こそ大阪で派手に遣うべきでっせ。
大田知事どうですか?、この構想。今から米軍に陳情だ!、あ、ブスでも女だからマン情??、飛田、信太山、九条等の各慰安所もちゃんと整備すべし。
へなへな日本人よ! 投稿者:Mr.ヤブ 投稿日:2003/02/27(Thu)
03:45 No.8
<板−1>
◆◆◆大阪にヤンキー魂とハンバーグを
リチャード・プーの関西復興計画はなかなか面白い。ついでに伊丹空港にも小規模な基地を誘致して、我がアメリカ軍の指導の基、自衛隊と一般からの希望者の混成体で、関空と伊丹で互いにペンシル・ロケットを応酬し合う戦争ごっこ、否軍事教練をしたらよいと思うね。
日本はロケット技術では北朝鮮以下だが、ペンシル・ロケットぐらいは飛ばせるだろう。我がアメリカから見たら戦争ごっこに過ぎんが、「攻撃は最大の防御なり」という、ヤンキー魂(※4、※4−1)とハンバーグをたっぷり食わしてやろう。
この方が淀川の花火大会などよりよっぽど面白いし実益があるというものだ。
画期的税制改革 投稿者:リチャード・プー 投稿日:2003/02/27(Thu) 22:51 No.9
<板−1>
◆◆◆画期的税制改革とは
さて今回は税収とIT化(※5)について画期的な提言をしたいと思います。韓国では、政府が懸賞金付クレジットカードを普及させて、その結果証拠の残らない現金取引が減って、税収が増えたそうです。庶民は懸賞金や景品で得した気分になるし、電子取引が進んで企業のコストは減るし、IT業界も潤うし、かしこいやり方だと感心します。わが国でも、税収の不足は深刻です。公平でITを活用した税制はないものでしょうか?
そもそも税金の原理は太古の昔から変わってなくて、早い話、「強い者が弱い者から金を奪い取る」ということです。なぜサラリーマンから取りやすいかというと、会社に対して弱いから。その上は会社→銀行→日銀→政府と逆らえないから、“源泉徴収”などという「とりあえず多めに払っておきなさい。年末に文句言ってきたら返すかもしれんから。」という、一般常識に反する行為が行われているのです。
しかしこの制度がなければ、おそらく90%以上の人は所得税なんて払わないでしょう。かと言って間接税は業者のポケットにかなりの額が吸い込まれており、不公平極まりないと言えます。(所得税を払わず、消費税をとりまくってた本人が言うから間違いない!)
なぜ税金を払いたくないかといえば、庶民がわずかな額を払っても払わなくても生活が変わらないからですよねぇ。つまり、納税額がダイレクトに生活に響いてくれば、誰しも喜んで税金を払うはずです。よく、高額納税者が発表されていますが、あれは見せしめではなく、「たくさん払ってくれてありがとう。皆もがんばるように。」という意味があるはずです。芸能界や実業界ではステータスでしょう。それを最底辺のレベルにまで落とすのです。
しかし、ただ「○○さんは日本で4567万9212番目」と発表されても、なにもありがたくないです。そこでITの登場。個人を1024段階くらいに納税額で格付けし、ランクが上がると特典をつけるのです。ICカードにランキングが書き込まれていて、たとえば吉野家の牛丼が200円になるとか、電車賃が安くなるとか、普段の生活から差がつくようにします。住宅ローンや銀行の金利も優遇されます。
こう言うと、差別だ!金持ちだけ優遇するな!と言う人もいるでしょうが、全ての日本人、義務教育では相対評価で格付けされてたじゃないですか。幼いころに戻るだけです。それに現実には世の中職業とかで格付けされており、必ずしも公平ではありません。この制度はどれだけ社会に貢献したかという尺度で個人がダイレクトに評価されるので、”あと1万円でランクが上がる”という人は喜んで多く税金を払うでしょう。公平に努力が結果となって返って来る理想郷になるのです。
ついでに希望者にはランキングバッジを交付して、胸につけてもよし、玄関に貼ってもよしとします。NHKの受信料払い済みシールよりステータスがあるでしょう。バッジの名前は「金日税バッジ」としましょうか。税金の払えない貧乏人には、勤労奉仕ポイントという救済策を用意し、1日清掃作業等をすると所得税1万円納税したことにします。これならホームレスの人でもわずか数週間でサラリーマン層を抜いて高額納税者の仲間入りが可能です。
この画期的なアイデアはきっと日本を救う神風となると信じますが、いかがでしょうか。
プー氏の税制改革は面白い! 投稿者:エルニーニョ深沢
投稿日:2003/03/05(Wed) 00:20 No.10
<板−1>
◆◆◆国や地方は「サービス業」
リチャード・プーさん、面白い提案ですね。どうも国や地方自治体、ま、要するに政治家や役人は国民から搾り取る事ばっかしで、国民に対するサービス精神と言うのが全く無い。公僕とは正に「公共的サービス」という意味なんですがね、本来。そういう意味で国や地方は「サービス業」である、と法律ではっきり明文化して欲しいですな。
今、学校や病院や農業に「株式会社」が参入出来る様な論議をして居りますが、いっその事、地方の役所を株式会社にして仕舞ったら面白いですな、会社だったら今の様な遣り方の役所は疾っくに潰れてまっせ、ったく!
ところでプーさんの提案はピリ辛で、差し詰め「キムチ味」と言った所ですね。こういう工夫が欲しいのですが、会社にしたらこんなアイデア仰山出て来まっせ。役所でチンタラ遣ってるヤツ全部クビにして、窓口なんかパートのおばちゃんで充分勤まりまっせ。
ところでプーさんの言われる様に、「国民がつい税金を払いたく成る」様なシステムと多く払った人にはそれなりの見返りを与える、そして良いアイデアを考えた自治体が税収が多く成る、というのは「自由主義社会に於ける適性な競争原理」っちゅうもんですよ、大いに遣るべし!!
で、そうなるとアイデアの有る自治体と無い自治体の格差が出て来て、無い自治体の住民は飢えたりして、言わば日本国内に「北朝鮮」的地域が幾つか出来ますが、私はそれで良い、と思いますな、つまり努力の結果ですから、努力が足りんヤツが苦しむのは当たり前。これを横並び意識で横一線にして来たのが、今迄の官僚的遣り方なんですから。で国内「北朝鮮」の住民はどうするか、それはもう、他の裕福な自治体に「移民=お引っ越し」したら良いのです。これに依って「人」が流動化しお金も動くということですな。
そうなると例えば裕福な「東京都」がこういう行き詰まった地方自治体を買収しても良いですな。そうすると全国の辺鄙な所や過疎地が「東京都」に成る訳です、アッハッハ。
私はそういう東京都の飛地に「首都機能」を移転したらと思います。今、首都機能移転の論議が行き詰まっているのは、皆「東京」から離れたく無いんですワ、内心は。つまり「東京」という名前はブランドな訳ですね、日本人にとって。で、前述の様に地方の行き詰まった所に「東京」というブランド名を冠してそこに首都機能を移転したら、スムーズに行きまっせ。しかし、そうすると大阪が「東京」に成る日も案外近いかも知れませんな、ウワッハッハッハ!!!
■独言...(*_-)
◆◆◆リストラ・ブームでプー氏は”一発マン金”の甘い夢
フムフム。今は全国的にリストラ・ブーム(※3)じゃのう、バブル崩壊後の不況は恐らく構造不況(※6)じゃよ、図示するとこう成る。しかし、このページで議論した様に関西の地盤沈下は酷いのう。
こんな状況にも拘わらず、”御上(おかみ)”は何処も”下々の民”から搾り取ろうと躍起に成って居(お)るのう、丸でハイエナの様じゃ。韓国政府の懸賞金付クレジットカードと似た様なヤツは中国でも在るのじゃ。ちと中国の話をしようかのう。
中国では税務当局のキャッシュレジスターじゃ。レシート用紙も当局指定用紙を買わせ、そのまま提出させ売上税(内税)をゴソッと持って行こうという魂胆じゃったが、業者もバカでは無い、客にレシートを発効せずその代わり値引きして「レシート上の売り上げ」を低く抑え居ったのじゃ。これに対し当局が正に”ウンコの様に”捻り出した作戦が、「金券レシート」 −即ちレシートに直接当たり金額を印刷し銀粉で隠したヤツ− の導入じゃ。これが大当たりで金券欲しさに客が皆レシートを欲しがり、その結果「レシート上の売り上げ」が飛躍的に伸び、売上税収入が倍増したという話じゃ。
やはり「頭はズル賢く使うべし!」ということか、ムッフッフ。プー氏の指摘する通り、ハイエナ(=御上)にはキツネ(=業者)とタヌキ(=消費者)の化かし合いを煽って掠り取る「悪知恵」が必要なのじゃ。
そこへ行くと大阪は余りにも知恵が無さ過ぎるわい。ワシが既に指摘した様に、大阪(或いは関西)を復興させるには、大阪府の様に東京都のアイデア(外形標準課税やカジノ税など)の尻馬に乗っていてはダメだ、もっと大阪(或いは関西)独自のアイデアを”自分の頭で”捻り出さないとイカン、それが「自治」の基本だとな。
既に「激辛論考」の場で「大阪はつらいよ条例」を提唱して居(お)るので、それを「辛口版」とし、この「超甘お喋り」の場では、プー氏の言う「住民が”払いたく成る様な”税制改革」を「お笑いの大阪」らしくユーモアを付け足して「大阪はつらいよ条例甘口版」として提唱することにしよう。更に良いアイデアが有れば次は「甘辛版」も提唱しようぞ、ウワッハッハッハ!!
ところで、プー氏も大阪を見限り一攫千金、いや”一発マン金”の夢を描いて東京へ出稼ぎに行った国内難民の一人なのだが、この掲示板に書き込みして居る間は何とか遣って居るということかのう、ムッフッフ。
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【脚注】
※1:ぎなた読み(―よみ)とは、(「弁慶が、なぎなたを持って」と読むべきところを「弁慶がな、ぎなたを持って」と読む様に)句読点を間違えた読み。
※2:関西以外の方の為、OBPは "Osaka Business Park" の略です。
※3:リストラは、リストラクチュアリング(restructuring)の略。
リストラクチュアリング(restructuring)は、(再構築、再構成の意)〔経〕
[1].短期債務を長期債務で置き換える債務の再構成。
[2].企業の買収・合併、不採算部門の整理・人員削減などの手段に依って事業内容を再編成し、経営体質の強化を図ること。リストラ。
補足すると、不採算部門の整理・人員削減は嘗ての「合理化」と同じ。我が国に於いては1980年代後半から「経営体質の再構築と強化」という本来の意味で使われ始めましたが、バブル崩壊後の92年以降に「首切り」「追い出し」の意味で定着し、「リストラされた」などと使われ流行語にも成りました。流行った理由は、横文字の”カタカナ語”が持つソフトで曖昧な印象が”首切り隠し”に一定程度役立った為ですが、流石に2000年代に入ると「リストラ=首切り」は子供でも知って居ます。
※4:ヤンキー(Yankee)は、(元アメリカ合衆国北部諸州の住民、特にニューイングランドの住民を言う)アメリカ人の俗称(歴史的には、南北戦争中の北軍兵士をそう呼んだ)。
※4−1:ニューイングランド(New England)は、アメリカ合衆国大西洋岸北部の地方。行政上メーン/ニューハンプシャー/ヴァーモント/マサチューセッツ/ロードアイランド/コネチカットの6州に分れる。イギリスの宗教的圧迫を逃れた清教徒が最初の植民地を建設した地。
※5:IT/ITとは、(information technology の略で「情報技術」の意)
"information technology" という言葉は旧来から使われて来たが、「IT」という略語は旧態の情報技術には用いない(←旧態は、大衆的情報伝達が一方向的で相互交信は特定機関や業者間に限定されて居た)。コンピュータの高性能化・低価格化と通信の大容量化・高速化を基礎に、95年のWindows95と共に急普及したインターネットに依る情報通信の大衆化を受けて登場した、ビジュアルで会話的で大衆参加を特徴とする1995年以後の大衆参加型情報通信技術を指す語。特に旧態の部門毎の垣根を飛び越えて、企業間のみならず個人でも直接交渉(取引)・直接投書(投票)が可能と成り、産業や行政の構造改革を迫る技術革新として捉えられて居る。「―業界」「―革命」「―バブル」。
※5−1:IT革命(―かくめい、information technology revolution)とは、ITの技術革新性を誇張して言ったもの。日本国内で2000年に流行語化したが、外国ではIT革新/ITイノベーション(information technology innovation)と言う。
※6:構造不況(こうぞうふきょう、structural depression)とは、循環的な不況では無く経済自体の構造、或いは経済環境の構造に原因を持つ不況。経済学上の厳密な定義は無い。構造的不況。<出典:「学研新世紀ビジュアル百科辞典」>
(以上、出典は主に広辞苑です)
●関連リンク
日本のロケット技術の現状▼
日本の技術立国の中身(Technology island Japan)
バブル崩壊後の構造不況▼
戦後日本の世相史(Shallow history of Japan after World War II)
構造不況を図示▼
デフレ論議に疑問を呈す(Is our DEFLATION true ?)