雪の「信越トレイル」を行く

積雪期 関田山脈縦走
 2006年2月〜4月


私は2006年2月から4月にかけて関田山脈の稜線を5回に別けて、単独でスキー縦走しました。
関田山脈は、長野県と新潟県東頸城郡の県境をなす山脈で、標高は最高峰の鍋倉山でも1200m程度と高くないが、冬季の積雪量は国内でも有数で数メートルの積雪を見ることができます。

地元の山菜とり、キノコとり、山仕事など生活の場であり、また、新潟県東頸城と、長野県下高井地方の交易のルートであり、いままでスキーや登山の場としてはほとんど注目されてきませんでした。

かつての、上昇志向の先行した「登山」に嫌気がさして、自然の中に浸って山人と交流しながら自然を楽しむ人たちが増え、「鍋倉高原森の家」の開設などもあって、関田山脈でさまざまな活動が行われるようになってきています。NPO法人、「信越トレイルクラブ」が、関田山脈の稜線にトレイルを拓く活動を展開しており、私もその活動には共感する部分も多く、何らかの形で協力したい、と思っています。その一方で、トレイルが拓け、人が訪れるようになる前の自然のままの関田山脈をトレースしてみたい、という気持ちもあって、できれば最も関田山脈らしい積雪期に、スキーを使って縦走したい、と考えました。


関田山脈縦走@ 妙高高原駅〜R292涌井

関田山脈縦走A R292涌井〜黒岩山〜戸狩温泉スキー場

関田山脈縦走B 戸狩温泉スキー場〜鍋倉山〜温井

関田山脈縦走C 温井〜牧峠〜宇津ノ俣峠

関田山脈縦走D 宇津ノ俣峠〜野々海池〜森宮野原駅


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sekita34.jpg (29246 バイト) 時期は3月末まで
妙高高原駅から森宮野原駅まで、厳密に自分のスキートレースが繋がること、を課題としました。


実際には最終回は4月にずれ込んでしまいました。
できれば連続して縦走したいと思ったが、休暇と天候をやりくりするうちに、細切れの縦走になってしまい、やや残念に思います。

ただ、実際には稜線だけたどっていると豪快に滑降できる斜面は少なく、私は縦走から下山するときの斜面をいつも楽しませてもらいました。
機動力のある、テレマークや最近の軽量山スキーを使用し、早い人なら3日あまりで縦走することも不可能ではないと思います。でも関田にはそんな歩き方は似合いません。山人と関わりながら、ぶなの森に浸りながら移動したい。

行動はすべて単独で、自分の感覚に従って行動すること、を基本としました。

【山への負荷に関して】
また自分の排泄物は、できる限り持ち帰るように努めました。小のほうは無理でしたが、大については市販の携帯トイレを使用し、完全に持ち帰りました。私を含め、雪のある時期の登山者はいままで、この問題については見て見ぬふりをしてきました。雪に埋めてしまえば自分の視界からは消え去るので解決したように錯覚してしまいますが、その結果は雪解けの時期に分解しないまま必ず現れ、多くの人に長い間不快な気分を与えてきたのです。
夏のトレールがあり、湿原等も存在するこの山域にそうした物を残すのは好ましくありません。今は抵抗のある人でも、いずれ、負荷の高い山域に入る人にとってはゴミ持ち帰りと同様に私のとった方法がスタンダードになるでしょう。


【用具について】
私は、この一連の山行にアルペン山スキーを使用しました。
関田山脈では平坦な地形や、細かいアップダウンが多く、どちらかというと軽快なテレマークのようなスキーが向いています。しかし、道具さえそろえれば快適な行動ができるか、とは限りません。山でテレマークを取り回すのにはそれなりの修行が必要です。関田は、決して「初心者向けの穏やかな山容」ではありません。絶対に転倒できない「悪い」場所も案外あります。自分の足のように「なれた」用具が必要です。


【情報について】
情報の少ないエリアですが、下記から必要な情報をえました。この場をお借りして御礼申し上げます。
@ 信越トレイルマップ 1 2(信越トレイルクラブ編)
A 鍋倉高原「森の家」ホームページ
B 里山賛歌 (長野勤労者山の会創立20周年記念誌 昭和60年発行、頸城・関田山脈の記録に詳しい)

C 長野市の塚田さんのHP 「Y.Tsukadaの山遊び」 天水山
D 長野市のビヤジマさんのHP 「OUTDOOR SPORTS INFORMATION」関田山脈スキーツアー

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