作品概要 |
★作品について
レンブラント・ファン・レイン画伯の銅版画、布地組合の見本調査官 The Sampling Officials of the Amsterdam Drapers' Guild (The Staalmeesters)です。画面左下に版上サインがあります。原画はレンブラントの代表的な油彩画で、アムステルダム国立美術館に収蔵されています。1662年に画面に見られる紳士たちの共同注文に基づいて描かれた絵ですが、レンブラントの最も偉大な傑作のひとつです。織られた布地を調べ、布地が合格であるしるしにそこに捺印するのが仕事であった紳士たち、つまり織物職人ギルドの実際の責任者、スタールメーステル Staalmeestersです。 本作品はレンブラントの油彩画の構図に基づく版画作品です。写真のない当時、油彩画の複製には版画が利用されました。(レンブラント自身も数多くの版画作品を残していますが、本作の版刻は第三者によるものと思われます。現代の複製・コピーとは違いアンティークとしての価値があります。)作品・額とも概ね良好です。詳細・拡大画像をp_prince collection ホームページにアップしていますので作品と額の状態等ご確認下さい。 拡大画像をご覧下さい。細かい線を1本1本ニードルやビュランという工具で彫っていくのですが、気の遠くなるような作業です。銅版の制作年代はかなり古いものと思われます。原画と比べてご覧下さい。鏡に映したように絵の左右が反転しています。これは絵画をそのまま銅板上に模写し、版を作成して紙に刷ったためです。(原画と同じ向きの版画を制作するためには、あらかじめ反転させた画像を銅板上に写す必要がありました。)当時はこの左右反転にはあまりこだわらなかったようです。写真技術が版画制作に利用されだしたのは19世紀前半ですが、写真の技術があれば複写や反転は簡単です。こうしたことから17世紀から18世紀に制作された原版であることが推測されます。 版画の下部マージン(余白部分)を見ると、左側にはレンブラントの署名、右側をよく見ると文字の頭だけが残っています。これはいったいどういうことでしょうか。 おそらく、作品のタイトルや年代・版刻師の氏名などが記載されていたはずです。刷りの段階で故意にそれらが消されたのだとすると、穏やかではありません。レンブラントの名声に乗じてオリジナル(作家自身の作)として流通させようとした可能性もあります。過去に(オリジナル版画として)高価に取り引きされてきた作品かもしれません。そうだとしたら、版画として出来の良い作品だけに残念なことです。(仮に複製版画だとしてもアンティーク版画としての価値は十分にあります。) レンブラントの版画作品は17世紀当時から高価なものでした。100グルデン版画 The Hundred Guilder Print (グルデンはオランダの通貨。現在の貨幣価値にして100万円〜1000万円以上)などの名称が残っています。 当ギャラリーでは信用第一と考えます。本作品については、銅版画作品としての真正保証(版刻の作者は不詳)とさせていただき、格安価格にてご案内いたします。(当ギャラリーご紹介の作品はいずれもお客様よりご好評いただいております。ホームページ掲載のオークション作品もあわせてご覧下さい。) 銅版画について 銅板を版材とする版画の総称。一般的には、鉄板・亜鉛板を同様の方法で用いたものも含む。銅版画の印刷は凹版法によるが、製版の方法は直接法(乾式)と間接法(湿式=腐蝕(ふしょく)法)に大別でき、いずれも種々の手法があり、しばしば混用される。銅版画は木版画に次いで古い版画の方法であり、14世紀から15世紀の変わり目ごろ、北ヨーロッパとイタリアで相次いでおこった。木版画が大工の技術のなかから発達し、表現も技巧も民衆芸術的な趣をもつのに対し、銅版画は金工師の技術に由来し、最初から工芸的な質の高さがあって、貴族などに好まれた。 直接法としてはビュランその他の道具で直接原板に彫刻し製版するエングレービングengravingやドライポイントdry pointなどがあり、間接法としては版面に防蝕層(グラウンド)を施し、ニードルなどで描画(グラウンドを削り)・露出した部分を腐蝕液で腐蝕させて製版するエッチングetchingなどがある。 ネットオークションでは、現在の写真製版技術による銅版画もしくは印刷を、アンティーク版画として売る悪質なケースが見られますのでご注意ください。 ★作家概要・略歴 レンブラント・ハルメンス・ファン・レイン(Rembrandt Harmensz. van Rijn 1606年7月15日-1669年10月4日)は17世紀を代表するオランダの画家・版画家。単にレンブラントと呼ばれることも多い。油彩だけでなく、エッチングや複合技法による銅版画やドローイングでも知られる。生涯を通じて数多くの自画像を描いたことでも知られる。自画像はその時々の彼の内面の変化まで伝えている。 1609年にスペインから事実上の独立を確保し、またたくまにヨーロッパ第一の商業国・貿易国となった17世紀オランダには、それまでのヨーロッパ絵画にはなかった風俗画・風景画という市民絵画の全盛をもたらした。そのオランダ最高の、しかもはるかにオランダを超えて世界絵画史上最大の画家の1人がレンブラントである。 彼は人間性そのものを、生命の動きそのものを描こうとした。色彩に溶け、闇(やみ)にまで温かく息づく独特の豊かに深い明暗のリズムは、彼の芸術を導き出す源泉であった。彼は聖書や神話による構想画、肖像画、風景画などのあらゆる分野を描いているが、そのいずれにおいても、当時のオランダに栄えた着実な風俗画や風景画をはるかに超えて、見る人の心に深々と訴えてくる。しかも、彼ほど対象に対して徹底した写実の人はないであろう。そして、それを人間の魂の声にまで高めているのは、彼独自の明暗法である。彼には現存するだけでも100近い自画像があるが、これこそかけがえのない彼自身の歴史であり、生命の記録である。自己の芸術に忠実なあまり、晩年の彼は経済的にも対世間的にもしだいに見捨てられていった。しかしなお彼を信頼する幾人かの友人と、1649年に彼の家庭に入った晩年のよき伴侶(はんりょ)ヘンドリッキエHendrickje Stoffelsに支えられて、画業はいよいよ神技の境に達した。しかし、56年には破産の宣告を受け、69年10月4日、アムステルダムのユダヤ人区の一隅で、ほとんど忘れられたままにその生涯を終えた。彼は、版画家としても世界最大級の1人であり、今日、油絵約500点、版画約300点、素描約2000点が、世界の美術館、所蔵家のもとに愛蔵されている。 |
作品の詳細他 |
絵画を中心に美術作品を出品していきますので、よろしくお願いいたします。 新品額と表記したもの以外は展示済みです。額のスリ等はご容赦ください。 配送 お客様のご都合を伺った上、ご入金確認後、速やかに発送いたします。 ストア規約に則り、消費税を申し受けます。 ★出品者のその他のオークションも、是非ご覧ください。 Gallery p_prince collection 美術品商 神奈川県公安委員会許可 第451380003610号 |
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