その頃

童話の裏表紙

浦島太郎



浦島太郎 「オイ、君たち。何してるんだ! 弱い者いじめはやめなさい!」

少年たち 「はあ? 誰だ? オマエ」

浦島太郎 「そのカメを離せと言ってるんだ」

少年たち 「オマエは誰だって聞いてるんだよ!」

浦島太郎 「俺は浦島だ。浦島太郎だ」

少年たち 「ダセえ名前」

浦島太郎 「何だと? じゃあお前たちはなんて名だ」

少年たち ボカスカぼかすか

浦島太郎 「人の話を聞きなさい」

少年たち ボカスカぼかすか

浦島太郎 「弱い者いじめはやめろと言ってるんだ!」

少年たち 「じゃあ、強い者をいじめてやるよ」

浦島太郎 「そ、それじゃあいじめにはならないだろう」

少年たち 「いじめじゃなけりゃ、やったっていいじゃん」

浦島太郎 「そ、そうだな」

少年たち 「じゃあ、強い者何か連れて来い」

浦島太郎 「えっと、クマとかか・・・」

少年たち 「じゃあそれ連れて来い。そうしたらカメいじめるのやめてやる」

浦島太郎 「え? でも、罠に掛かるの待たないと連れてこられないんで、1週間くらい待ってくれ」

少年たち 「待ってやるよ。その間、このカメいじめてるから」

浦島太郎 「いや、その間はちょっといじめは休んでくれないか」

少年たち 「じゃあ今すぐここにクマ連れて来い」

浦島太郎 「努力はするから、そのカメをこっちに渡してくれ」

少年たち 「渡してください、だろ」

浦島太郎 「そのカメを渡してください」

少年たち 「膝まづいてお願いしろ」

浦島太郎 「お願いします。そのカメを」

少年たち 「地面にあたますりつけろ」

浦島太郎 「はい。この通り」

少年たち 「じゃあ財布出せ」

浦島太郎 「これですか」

少年たち 「オマエ、鰐皮の財布もってんじゃねえか。オマエがワニ殺したのか。ワニがかわいそうだろ」

浦島太郎 「いいえ、殺したのは私じゃないです」

少年たち 「テメエはワニ殺しといて、人がカメいじめてるって文句言いやがって。ふざけんじゃねえぞ」

浦島太郎 「すみません」

少年たち 「まあ、今回はこの財布で許してやるよ」

浦島太郎 「ありがとうございます。ではカメをこちらに」

少年たち 「カメは俺たちがちゃんと海に帰してやる。心配すんな」

浦島太郎 「いえ、私が引き取ります」

少年たち 「大丈夫だよ。お前もカメと一緒に海に帰してやるから」

浦島太郎 「え? 何してるんですか。何わたしをカメに縛り付けてるんですか」

少年たち 「少し大人しくしてろ。よし、これでいい。元気で暮らせよ」

浦島太郎 「待ってください。私は陸の生き物なので、%#$!=#("|\*%$AX~)&」

少年たち 「達者でな〜。ああ、いいことしたあとは気持ちいいな。さあ、乙姫さんたちと1杯やるべえ」

岩手県のバス“その頃”



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