連休の最終日、一人で東洋文庫ミュージアムへ。紅葉狩りに六義園へ行きたかったけど、入場整理券はすでに配布済み。仕方なく東洋文庫だけ見てきた。
いつもの通り、モリソン書庫の前に座り、ぼんやり過ごす。私に読めるような本は一つもない。それでも、この本の森にたたずむだけで、気持ちが穏やかになる。
今回の企画展は岩崎久彌が蒐集した稀覯本。気に入ったのは「嵯峨本」と言われる豪華な仕立の『徒然草』。手書きではなく印刷ということに驚く。
17世紀に発行された『鉢かづき』の挿絵も美しい。
もう一つ、見るたびに驚くのは奈良時代に作られた「百万塔陀羅尼」。木片に経文を彫りスタンプのように印刷したらしい。日本最古の印刷物という。
ほかには歌麿の美人画、広重の「東海道五十三次」や北斎の「富士三十六景」なども展示されていた。
美術作品を見るのは「心の洗濯」。これは桐生市にある大川美術館の創立者、大川栄二の言葉。まさしく。
訳もなくざわつく心をモリソン書庫で鎮めて、豪華な稀覯本で目を潤す。東洋文庫へ来ると「心の洗濯」ができる。おまけに附設したレストランの食事が美味しい。今日は「白菜とベーコンのクリームパスタ」を食べた。
目もお腹も満たされて、一人、家路についた。
上の写真はレストランへ続く回廊「知恵の小径」にあったナシ語の箴言。
人生に学び終わりなし 月日を無為に送るなかれ
モリソン書庫
百人一首
『徒然草』(嵯峨本)と「鉢かづき」の挿画
百万塔陀羅尼と高島おひさ(喜多川歌麿)
さくいん:東洋文庫ミュージアム、大川美術館
参考:東洋文庫図書データベース