第14話 島の一日


第14話では、インダストリアで圧政下にある暗い生活とは対照的な、ハイハーバーの暮らしが美しく描かれる。肥沃な土地、働き者の村人、協力し合う村人のつながり。

しかし、ハイハーバーにさえ裏の世界がある。大変動の後で生き残った孤児たちを山を隔てた村の反対側へ住まわせ、そこで牧畜をさせている。彼らは村から疎外され、一部は無法者へと堕ちていく。

差別される人たちが牧畜をして食肉を生産するという設定は、かなりリアル。野生児ジムシーのタバタバと同様、アニメでなかったら、放送できなかったかもしれない。


それにしても、村長の無責任にはあきれる。これまでジムシーに社会性がない一方で、コナンは同じような自然児でありながらも、社会性を備えているという対照にばかり目がいき、村長の言葉を気にとめていなかった。

事実はどうであれ、むしろ事実がわからないからこそ、その場で言ったことに責任が生じるのではないか

「村人に盗人はいない」。そう言い切ったのなら、その命題がくつがえされたとき、「知らなかった」とは言えない。