第13話 ハイハーバー


急な出張が入り、また放送時には見られなかった。録画できるし、DVDも販売されているにしても、シリーズものは、毎週同じ時間に見たい。

第二部「ハイハーバー編」の第一話。怒涛の展開が続くシリーズのなかでも、どきどきする場面がない数少ない一話でもある。とはいえ、何度も見たあとでは気になる場面もないわけではない。

第二部のなかの悪役、オーロが登場する。馬の上から見下ろされただけで顔を険しくするのは、ジムシーの野生の勘か。


オーロの一味は、大変動で親をなくした孤児たち。そのことは、今回ではまだ明らかにされてないが、ラナを助けて来たばかりのコナンとジムシーについて、ある村人は「やはりオーロたちのところへ」ともらしている。原始共産制にもとづいた幸せそうな農村の闇の部分がすでに見え隠れしている。

三日月形の入江に船で入る、入江から森のなかをまっすぐ伸びた道の先に村、村の中心には尖塔のある建物、役場か教会か、村のむこうに湖と山、その先に、当面の悪者の陣地。

どこかで見たことのある風景。これはロール・プレイング・ゲーム『ドラゴンクエスト』の世界と同じ。


もう一つの気になる場面。いつも気になるところ。歓迎の宴がお開きになり、一同は床につく。

コナンは、二度と会うことのないおじいに話しかける。ラナはどこかで生きている、でも次はいつ会えるかわからない祖父、ラオ博士を想う。

ジムシーといえばごちそうの夢を見て眠っている。彼にはまだ想う人がいないから。彼がその人に出会うのはもう少し先のこと。


さくいん:『ドラゴンクエスト』