近代文学館、東京・駒場

高橋和巳文庫。原稿、初版本、写真の展示。

川端康成記念分室ー掌の小説。原稿、初出雑誌、全文の展示など。

「骨拾ひ」「子の立場」「写真」「さと」「霊柩車」「日向」「化粧」「かささぎ」の全文掲示


高校生のとき、「国語表現」の授業で川端康成『掌の小説』のなかの「写真」を題材にしたことがあった。課題は前半だけを読んで、後半を創作するというもの。自分の創作は忘れた。それでも、授業の終わりに自分では思いつかないような結末が種明かしされて、新鮮な驚きがあったのを覚えている。

そのとき以来気にはなっていたのに、これまで読む機会がなかった。今回展示されていた九編はどれも、人間心理のささやかな機微への観察が感じられ、さすがは文豪と感心して、思わず帰りに『掌の小説』(新潮文庫、1989)を買った。また、楷書のようなていねいな手稿にも感心した。


いま、文学館では過去の作家が推敲を重ねた手稿が展示されている。現在活躍している作家たちが文学館で展示されるときには、どうなるのだろう。

使っていたフロッピーディスクやパソコンが展示されるのだろうか。それとも更新部分をさかのぼってみせるのだろうか。


碧岡烏兎