NO.1 宇宙の使徒 - PART II

 ソネア火山は、黒々とした噴煙を立ち昇らせていた。その煙が、ただでさえ暗い夜空に染みを作っている。しかし、少なくとも現在は噴火活動がそう激しくはないことが、救いではあった。
 3機の宇宙船は煙に巻かれるのを嫌い、とりあえず、近くの荒野に着陸した。荒野には火山灰が積もり、黒い岩がゴロゴロしている。できるだけ平らな場所を選び、3機は少し間をとって並ぶ。
「村の人の話を聞くにしても、そう簡単に入れるもんでもない。さて、どうするか」
『村の位置が捕捉できません。向こう側にあるのでしょうが、ホログラムで偽装されているでしょうね。対通信・センサーの妨害の発生地点もはっきりしませんが、近いようです』
 ランキムがロッティに、分析結果を報告する。
 当然、村らしきものの姿はどこにも見えなかった。辺りには霧とも煙ともつかないもやがたちこめ、時折赤茶けた山肌がわずかに遠くに見えるくらいだ。
「政府のほとんどの連中が入れ替わってるなら、それはそれは巨大な装置だろうね。どれくらいの大きさだろう?」
『まあ、かなりの大きさになるでしょうが……しかしキイ、それだけ大きな装置なら、いくら外見を変えられるにしても、すぐに見つかるのではないですか?』
「大きくたって、隠しようはあるさ」 
 キイが平然と言うのを通信の向こう側で聞いていたロッティは、溜め息交じりに並べ立てた。
『基地の戦艦のどれかが装置だったかもしれないし、どこかの都市の建物だったかもしれない。でも、それじゃあ探しようもないな』
 しかし、キイは面白がるようにそれに反論した。
「何言ってんだい、ロット。大気圏外に効果を及ぼすくらいだし、そんな程度の大きさではないだろう。それに、妨害装置も一緒のはずだ。そして、誰にも気づかれない、近づかない場所……
 ロッティは愕然として、火山のほうを見やった。
 直後、彼はランキムに指示を下す。
 ランキムは、ソネア火山のわずかに山肌が見えている辺りに狙いをつける。
『ターゲット、ロックオン。――発射』
 淡い青緑に輝く光線が、宙を直進し、山肌をつらぬく。
 しかし、それだけだった。
『手応えがありません』
……なるほど」
 ランキムの報告を待つまでもなく、ロッティは納得したらしい。
 その後ろで、テリッサが手を打った。
「つまり、あの火山を壊しちゃえばいいのね」
『そう簡単にはいきません』
 ランキムがことばを挟む。
『手応えがないというのは、今のレーザーもまったく通用しなかったということです。強力なバリアを張っていることは、容易に予測できます』
「じゃあ、どうするの?」
 バカにされたように感じたのか、テリッサはすねたようにきく。
 ランキムの攻撃機能は、もちろん、GPのNO.2と言われるだけの物はそろっている。しかし、中には場所を選ぶ物も多い。
『ふもとに村があるのですからね。正確さと強力さを併せ持つのは難しいですし、私の武器も、場所を選ぶのが多いです』
「何せ、宇宙船だからね」
 目標の正確な位置や形もつかめず、それでいて強力な破壊力がなければ叩き潰せない。しかし、ゼクロスもランキム同様の、場所を選ぶ武器が多いという問題を抱えている。
 事情を察して、ルータが何かに納得したように言った。
『村がどこにあるかもわからないしね。正確さと強度が必要なら、自分で行くしかないな』
「自分で?」
 ロッティがきき返す。
 エルソンの防衛技術は非常に高度なものだ。そのバリアもまた、宇宙一とうたわれるほどの強度を誇っている――
 ルータの言う『自分で行く』というのが体当たりを意味するということに気づくのに、他一同はわずかの時間を要した。
「いくらなんでも、それは……。エルソンの出身にしては、えらく乱暴じゃないか」
 ロッティは驚いたように言った。さらに、ゼクロスも不安げにきく。
『大丈夫なのですか? 装置もそうですが、地面との接触も考えると……
『私のバリアはバターよりも固いよ』
 ルータはおどけた調子で応じた。
「それじゃあ、信頼できないな」
『じゃあ、豆腐』
「それはもっとダメだろ」
『ケチだなあ』
 そう言いながらも、ルータは上昇を開始していた。べつに誰かに許可をとる必要もない。本来なら艦長がいるし、GPにはそれを要求する権限もあるが……ロッティはそうしなかった。
「村を監視する装置もあるだろうからな……。そうでなくても、連中が追ってくるのは時間の問題だ」
 ロッティは、黒煙に消されていくルータをただ見送っていた。それが自分たちの利益のためだけだとは思いたくない、と考えつつ。
 ルータが姿を消している間、他一同は追っ手を警戒していた。行き先も知れているだろうし、とっくに仕掛けてきてもよさそうだが……どういうわけか、相手は姿を現さない。
「火事が燃え広がってそれどころじゃないとか」
『嫌なこと言わないでくださいよー』
 暗い空とでこぼこした地平線の間に、キイは視線を集中させていた。
 しかし、相手は意外な方向から襲撃してきた。
『上空から1機、戦艦が接近中』
 ランキムが報告すると同時に、ゼクロスも警告する。
『キイ、とても嫌な感じです……AS搭載船のようです!』
 自身のASで気配を感じたのか、焦りの声を上げる。彼はランキムと違い、事前にフラクサス軍の情報を知らされてはいない。
『フラクサス軍の戦艦、カトラだ。キイ……すまないが、相手は頼んだぞ』
 上昇するゼクロスに通信を送るロッティもの声にもまた、焦りがにじんだ。
「まあ、任せておきなよ」
 ゼクロスは大地を離れ、下のランキムを庇うように、上空に陣取った。サブモニターのひとつに、点で表された戦艦との距離が算出されている。画面に並べられた数字が、どんどん減少していく。
『可視領域に入りました。ASバリア、CSリング展開』
 機体の周囲をリングがめぐり、それと同時に、一瞬、薄い光の膜が包み込む。
 メインモニターの中のある一点がズームアップされる。くすんだ灰色の点が、急激にその姿を大きくしていった。弾丸にも似たその船は、少しもスピードを緩めることなく、一直線にゼクロスに突進してくる。
 早めに警告しておこうと、地上のランキムで、ロッティは指示を下した。
「戦いはゼクロスに任せたほうがよさそうだが、こちらにも仕事がある。ランキム、相手とつなげてくれ」
『――どうぞ』
 ロッティは大きく息を吸い込んだ。どうせ無駄だろうと思いながらも、言うべきことは言っておかなくてはいけない。
「こちらはギャラクシーポリスのロッティ・ロッシーカー警部だ。そちらが本物のフラクサス政府の者たちを村に閉じ込めているのはわかっている。大人しく従えば悪いようにはしない」
 一種の威圧感をもって接近する戦艦の、左右の砲門のうち、一方が輝きを放った。バリアを展開したゼクロスの機体が衝撃に揺れた。それが呼びかけへの答えらしい。
『被害ゼロ。射程に入りました』
「時間をかけると応援が来るかもしれない。さっさとカタをつけよう。……そろそろルータが降りてくるはずだが」
 常に後方を映しているサブモニターに目をやる。噴煙に隠され、ソネア火山上空を見ることはできない。
『キイ、カトラは火山の向こう側を狙っています。村を消すつもりでしょうか?』
「連中にとってはもう必要ないのかもしれない。盾になろう」
 敵にとっては、村の破壊で証拠を隠滅し、それを戦いの流れ弾や、あるいはゼクロスやGPのせいにできれば、一石二鳥である。そのためにはもちろん、事実を知る者たちを葬る必要があるが。
 容赦なくASで力を注ぎ込み、放たれた光線の下に、ゼクロスが滑り込んだ。一撃が完全にはバリアに相殺されず、機体を揺らす。
『少し効きましたね……下は無事のようです』
「このまま接近」
 敵の攻撃の照準点を塞ぎながら、急接近していく。敵艦はかまわず攻撃を続け、当然ながら全弾命中させた。当たるのをいいことに全力で攻撃されるのを防ぐため、ゼクロスも反撃し、命中させる。バリアにも力を注ぐため、双方、充分攻撃に力を込められず、決定打はない。
『こちらはまだ余裕です。我慢比べで負けることはありませんね』
 衝撃を受けながらも、ゼクロスはスピードを落とすことなく接近していく。
「コンピュータに人格もない宇宙船に搭載されたASなど、力を発揮できんよ。こっちは優秀な人格を有しているからねえ」
『そうですね。ただひとつ、問題があるのですが』
 キイのどこか嫌味な褒めことばに、ゼクロスは澄ました声で言った。キイはほんの一瞬だけ、視線を上にやる。
「何だね」
『撃たれると痛いんですよ』
「ご愁傷様」
 弾丸のような戦艦が、そのメインモニターで大きくなっていく。
「AS搭載船同士の戦いか……
 ASのないGPの者たちは、見ているほかにすることがない。
 だが、そのとき、ランキムがわずかに上昇した。
 疑問を口にする前に、ロッティはその理由を知る。轟音が文字通り大地を揺るがし、噴煙以上に空高く、土埃が舞い上がった。それに、何かの破片のようなものが混じって飛び散っていく。
「やったか!?」
 土埃に隠され、火山も、上空の様子もうかがい知ることはできない。しかし、ランキムはセンサーで周囲の様子を感知していた。
『ゼクロスはCSリングを利用して体当たりを仕掛けるつもりのようです。ルータは感知できません』
 轟音と下に広がる土煙に、キイとゼクロスもまた、状況を理解していた。だが、今はそれにかまっている余裕はない。
 メインモニター全体に、敵戦艦の機首が広がり――
 ガズッ!
 先ほどの下の衝突音に劣らぬ轟音が響く。
 ゼクロスの機体の周囲をめぐるCSリングは、エルソンのバリアに劣らない強度を誇っている。それをさらにASで強化しての体当たりは、ルータに負けじとゼクロスの得意技のひとつにもなっていた。
 リングは、バリアを切り裂いた。そのままカトラの機首を上下に割り、くいこんでいく。
 いつもなら死傷者を出さないよう見計らいながらもそのまま機体をふたつに割るところだが、そこでゼクロスは停止した。
『ASにより斥力が発生しています』
「離脱しよう」
『離脱……キイ、周囲にさらに重力波が発生しています。斥力と引力の壁に挟まれて……
 見えない攻撃が機体を震わせた。ASによる直接攻撃に危機を感じ、ゼクロスはハイパーAドライヴを起動して全力で後退する。そうしながらも、相手の照準からは外れようとしない。村を攻撃させるわけにはいかないのだ。
「あれが村か……
 キイは、横目でサブモニターを眺めた。土煙が風に流され、大地に刻まれたクレーターと、そのそばに見える小さな村を顕にする。木の板を張り合わせただけのような家ばかりの、本当に小さな、文明レベルが高いとは言えない村だった。
「でも、ルータは……?」
 何かが足りない。それに気づいたキイは、一瞬ギョッとした。しかし、前進してくるカトラが弾かれたように横に揺れたのを見て、事態を察する。
「ゼクロス、今だ!」
『は、はい。ルーインコードセット。照準確認。ASディザスター、発射!』
 事態が理解できないままでも、狙いを外すようなことはない。優しい白の光が機体の前に収束し、球体を形成するなり、太い光線となって発射された。それは、突進するカトラのエンジン部分をつらぬく。
 小さな爆発が起こった。煙を上げながら、灰色の機体が落下していく。その周囲に、いくつもの小さな球体が飛び出し、カトラより速く落下していった。
『クルーは脱出を開始しています。ルータに助けられましたね』
 ルータは、その防衛系の機能として、姿を消すこともできる。目立ち過ぎるその姿を隠す必要があることもある。
 間もなく、芸術品と言われる美しい姿が現れた。
『村の人たちが待ってる。私はもう行くよ』
 当初の任務を果たすため、ルータはそうとだけ伝えて機首をめぐらせた。それに、やはり任務のために村人の話を聞きたいGPの船も続く。
『あのー、私の立場は……
「そんなものはどうでもいいけどね……きみはここで待ってろ。私はカトラのクルーを探ってみる」
『ええっ、私はあなたがいないと弱くなるんですよ? また敵が来たら……
「AS搭載船がそう何機もいるかね。じゃ、後はよろしく」
 ゼクロスは不安なまま渋々着陸し、キイを岩場に降ろした。

「あなたが大統領か」
 ロッティは内心困惑しながら声をかけた。
 その男性は、確かにルータが記憶していた映像で見た大統領、アルカス・オライオンだった。しかし、ずいぶんやつれている。
 彼だけではない。人々は弱りきっていた。病人も多いが、薬も尽きている。
 とはいえ、それも今まではの話だ。
 今は、人々の目にも光があった。人々はロッティらに感謝し、何度も泣きながら頭を下げた。
「尋問は無理だな。まずは食料運びだ」
 GPの任務ではないが、テリッサ、それにさすがにこの状況ではレオナードも文句は言わない。
 しかし、部屋を出て行こうとするロッティを、病床から、オライオンが呼び止めた。
「あいつら……〈宇宙の使徒〉は、この惑星だけではない。あちこちに潜んでいる。彼らは調整者と呼ばれる者たちをあがめ、心酔している」
「調整者か……
 そのことばは、ロッティも何度か耳にしたことがある。
 決して表舞台に出ることのない、絶対的な力を持つ者たち。陰で宇宙の歴史を操っているという……
 わかっているのは、ASを所持する者には調整者と関わる者が多いと言うことだ。
 では、キイとゼクロスはどうなのか? 真実は定かではない。
「やつらは、調整者になりたがっているんだ……。調整者に近い男、司祭バンゼル」

 キイは荒野をさまよっていた。
 戦艦カトラはクレーターのなかに墜落し、今も煙を上げていた。ゼクロスはキイを降ろした後再び上昇し、辺りを監視している。
 カトラのクルーたちは散り散りになっていた。遭遇することもあったが、相手が逃げ出したので放っておいた。
 しばらく散策していると、やがて、キイは1人の男と出くわした。
 彼は逃げなかった。笑みすら浮かべ、待っていた。
「ASの匂いがする」
 獲物を狙う獣のような目で見るなり、男はキイに突進する!
 キイは身をかがめ、神速の裏拳をかわした。後ろで、ようやく立っていた枯れた木の幹が上下に両断された。
 ASはもともとは人間用に開発されたものである。カトラのASも簡単に取り外し、持ち運びができて当然なのだ。それは、腕輪型の装置である。
「カトラの艦長か……
「調整者に従うもの。宇宙の使徒、第5の司祭、バンゼル。ASにより神に仕えるだけの力を得た」
「そんなに簡単に手に入る力があるかな? 努力もしなければ強くなれないよ」
 キイは、からかうように言ってのけた。相手は、わずかに顔をしかめる。
「努力など時間の無駄だ」
「そういう無駄なことを楽しむのが人生と言うものなんだよ」
 飛び退いたキイに、バンゼルは手のひらを向けた。
「黙れ! そのASをささげるがいい!」
 閃光がほとばしった。
 だが、それはキイの目の前で散る。
 その火花にまぎれて、キイも行動を開始していた。相手の足もとの手前まで跳び、身を低くした。一瞬、バンゼルの視界からキイが消える。
 限界までためたバネを一気に伸ばし、下からの突き上げるような一撃を放つ。
「がっ!」
 あごを殴られ、バンゼルはうめいた。だがその場でなんとか持ちこたえ、向かい来るキイに手刀を放つ。それを、キイは横に跳んでかわす。
「くっ!」 
 バンゼルの表情を読み取り、彼女はさらに跳び退いた。バンゼルの手から3つの光弾が放たれ、宙を焼く。
 その爆発が収まらないうちに、キイは相手の懐に跳びこんだ。そして、間をおかずに再び跳び退く。
「なに……!?」
 一瞬のうちに何が起きたのかわからず、男は動きを止めた。そして、彼は足もとに自身のASが落ちているのを見つけ、表情を引きつらせる。
「大したことないんだね」
 キイは肩をすくめ、神に仕えるために得たという力を失った男に近づこうとした。
 が、男の姿は、ASごと忽然として消えうせる。
「調整者か……?」
 わずかに驚きながら、キイはぼやく。
『ASを奪われたくなかったのでしょう。キイ、無事ですか?』
「もちろんだとも」
 上空を見上げ、彼女は警戒を解いた。
 GPの応援がやってきたのは、それから数分後である。

 ルータの運んできた食料も行き渡り、村から解放された人々は、街へと運ばれた。何も知らされていなかった他の都市の人々は、寝耳に水の事態に騒然となる。報道メディアは、しばらくは今回の事件の話題で持ちきりだろう。
 GPは間もなく〈宇宙の使徒〉の捜索を開始したが、一向に成果はあがらない。
 まるで、すべてが夢のように終わっていた。
『私たちが来たのは彼らにとって計算外だったでしょうけど、ASを持っていることを知って、奪おうとしたのでしょうね。相手が悪かったようですが』
「当然だよ。こっちには製作者がいるんだから」
 事後処理をGPに任せ、任務を終えたルータと、その護衛役だったキイとゼクロスは、並んでフラクサス系を後にした。青緑の星が、サブモニターで小さくなっていく。
『ASって、ゼクロスが造ったんでしょう? カトラが持っていたのもそうなのかい?』
 エルソンへの航路を取りながら、ルータが疑問を口にする。
「昔、実験中のASが大量に盗まれたことがあってね。ほとんど能力は完成品と変わらない。それが、あちこちに流れているようだね」
 キイがゼクロスに代わって答えた。来る前に読んでいた本を開き、くつろいだ様子である。
 彼女はふと、思い出したように、にやにや笑を浮かべながら顔を上げた。
「そういえば、お礼するって言ってたよねぇ、ルータ」
 ルータは平然と答えた。
『じゃあ、写真とか』
「ルータのー!?」
『みんな欲しがるんだよー……冗談、冗談。今からは無理だろうから、今度寄ってよ。本当は、一晩話に付き合う権とかにしようと思っていたのだけどねえ』
「それは、ゼクロス向けのお礼じゃないか」
『いいですね、それ』
 賑やかにそんなことを話しつつ、やがて、ルータはエルソンへ戻るため、ゼクロスとは別の方向に別れた。
 少しして、ゼクロスが改まってキイに話しかける。
『キイ。気づいていますか?』
「なんだい」
『ルータからは私と同じ力を感じます』
「ふうん……
『驚かないんですか? お兄さんのほうならともかく……
 キイは、どこか不敵な感じのする笑みを浮かべた。
「世の中には、不思議なことはたくさんあるさ。当人すら知らない秘密もたくさんある。私にも、きみにもあって当然なのさ」
『どこまで本気かわかりません』
 こういうことは初めてではないのか、ゼクロスは困惑よりあきれを含んだ声で言った。
 それから間もなく、メインモニターに停泊場所が映し出された。

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