天上の虹
呉女のオススメ、里中満智子先生の「天上の虹」をご紹介します。
漫画界の重鎮、里中智知子先生が自ら「ライフワーク」と称して書き続けている作品。
副題に「持統天皇物語」とあるように、呉女が敬愛するさらら(讃良)様の生涯を描く大河ドラマです。
大化の改新で有名な中大兄皇子の娘として生まれ、
その弟である大海人(おおあま)皇子のもとに嫁いだ讃良皇女は
夫を支えて壬申の乱などの揺れ動く時代を生き抜き、天武天皇となった夫の後を次いで
現在につながる日本の黎明期に女帝として君臨する……。
1984年末に連載が始まり、その後書き下ろしになって、現在単行本にして19巻まで刊行中。
さらら(讃良)様の生涯としてはかなり晩年に入っているものの、
後半は万葉集に名歌を残す一世代下の若者たちの群集劇のような形になっているので
まだまだ物語は続きそうです。20巻は2004年1月に刊行予定(残念ながら延期中)
即位するまでの前半は文庫本6巻にもまとめられているので
今からでも間に合います、まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください。
呉女的、「天上の虹」
もしも大河ができたなら〜(by「雑文倶楽部」りりえのひめみこさま)
里中先生のサイン会in明日香&講演会in橿原
小学生のころから大河ドラマをみて歴史には興味があったのですが、なにしろ大河ドラマに古代史は出てきませんか
ら、古代という時代は空白でした。それが中学生になって、例の「ベルばら」ブームで宝塚に興味をもつようになったこ
ろ、ちょうど宝塚で上演していたのが「あかねさす紫の花」という中大兄皇子、大海人皇子、額田王を主人公とする物
語だったのです(「あかねさす紫の花」は現在も上演されることのある宝塚では名作のひとつです)。その時その舞台
を観たわけではないのですが、これをきっかけに興味をもって、井上靖の小説「額田女王」を読んでみたところハマり
まして、以来現在に至るまで懲りずに古代史ファンをやっているというわけなのです。
……で、大学を卒業してからこの「天上の虹」と出会いました。それまで私が頭に描いてきた歴史上の人物のキャラ
クターと、里中先生が描く登場人物のイメージがあまりにピッタリなので、すぐ夢中になり、今でも楽しませていただ
いています。本当に「虹」を読むと大好きな7世紀にタイムスリップしてしまうのです。
「天上の虹」の舞台への旅は、
「輝ける女帝の世紀、飛鳥・奈良へ」にそのうち登場します。
待っていてください!
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