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宝塚こども狂言教室レポート

Characters

ご存じのように狂言の世界では、当時室町時代の様々なキャラクターが舞台世界を繰り広げます。皆さんにもなじみ深い「太郎冠者」はもちろん人物だけでなく、神仏や動物など沢山の役柄があります。今回はそんなユニークなキャラクター達をここで少し紹介してみましょう。

Taroh-kazya 「太郎冠者」(たろうかじゃ)
狂言の代表的キャラクター。家の様々な仕事を勤める、召使いの役柄です。固有の名前ではなく召使いの総称で、次郎冠者、三郎冠者と複数登場する場合もあります。主従関係で、主人からの無理難題を知恵を働かせて解決もすれば、大失敗もあります。おとぼけぶりを発揮することもあれば、とても強がりだったり臆病者だったり……。曲目によって太郎冠者の性格づけが異なります。太郎冠者は我々観客の心を映し出す存在かもしれません。

肩衣(かたぎぬ)・半袴(はんばかま)
Daimyo 「大名」(だいみょう)
大名ですが、召使いが数千人いる一国一城の主ではなく、従者も太郎冠者ただ一人……。狂言での大名は地方の荘園などの地主という位置づけです。ただし自尊心や権力の願望は人一倍なので、主従関係をはじめ、様々なドラマを引き起こします。下克上の世界である中世に権力に対する皮肉を狂言らしく描いた存在ですが、憎めない愛すべきキャラクターの代表です。

洞烏帽子・素袍上下・小刀
Yamabushi 「山伏」(やまぶし)
山深い紀伊山地。大峰山での修行を勤めた山伏も、狂言ではとても「いばった」存在です。持ち味は難病や奇特を起こす「祈り」。呪文を唱えて数珠を揉めば、いかなる事も思いのまま……。山伏本人はそう思っています。

兜巾・水衣(肩上)・括袴
篠掛・数珠・小刀
Onna 「女」(女性)
最近は女性が強くなった……いや男がふがいない。最近よく聞かれる言葉ですが、そんな事はありません。いつの時代もかわらず女性は強いものなのです。狂言で描かれる女性は非常に強い存在。亭主を叱咤激励。浮気には激怒。ただ、それだけでなくとても優しい心の持ち主です。

ビナン・縫箔(着流し)・女帯
「スッパ」(すっぱ)
狂言での悪役の代名詞。詐欺など、様々な悪事を働きます。ただし心底悪人ではないのが狂言の良いところ。また悪事も成功したためしもほとんどなく、たいがい骨折り損になるのがせいぜいです。すっぱ抜くなどの語源。

「福の神」(ふくのかみ)
狂言では神様も多数登場します。「福の神」だけでなく、「毘沙門天様」や「夷様」「大黒様」など。どれも神々しい存在ではなく、人間くさいキャラクターが特徴です。とても親しみやすい神様です。

「猿」「狐」「狸」「馬」など
人物だけでなく動物も多数登場します。「猿」の代表曲は「靱猿」狐は「釣狐」どちらも狂言方としてとても大切な曲目です。猿に始まり狐に終わるという言葉も言われます。動物の扮装は、着ぐるみと面を付けて勤めます。

この他にも「商人」「僧侶」「百姓」「算置き」(らない師)「蚊」「神鳴」等とても沢山の役柄があります。また狂言ではどの役も例外なく、性格描写に大変優れています。そんな愛すべき様々なキャラクターが繰り広げる世界。これも狂言の魅力のひとつかもしれません。


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