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宝塚こども狂言教室レポート

 ○03年10月から04年3月までの間、行われた「宝塚こども狂言教室」。
花兎さんにレポートしていただいたものを掲載してあります。

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 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花兎の狂言教室レポート1 

 今日は第一日目、まずは参加の子どもたちの自己紹介から始まった。みんな少し緊張の様子。うまく言えなくてお母さんに助けてもらう場面も。
 講師の善竹隆司さんは、「この教室を通じて狂言を好きになってくださいね」とあいさつ。せんすを前に置いたつもりでお辞儀の練習から始まり、次に狂言についてのわかりやすい説明と、狂言「附子(ぶす)」のお話。みんなの目がキラキラと輝く。大分とリラックスしてきたようだ。やる気が出てきたかな?
 狂言の構えの姿勢を善竹さんが見本を見せる。重心を下にまっすぐ下げてひざを曲げるポーズ。「へっぴり腰にならないように」と注意が飛ぶ。
 いよいよ台詞の稽古「これはこの辺りに住まいいたす者でござる」お腹かから声が出ているか、お腹を押さえて確認しながら声を出す。だんだんとみんなの声が大きくなってきた!「やいやい、太郎冠者、あるかやい」「はあ〜」お決まりの受け答えも続けてけいこ。最初緊張していたのがうそのように、響き渡る声で第一日目が終了した。発表会目指して、みんながんばろうね。


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 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花兎の狂言教室レポート2 

 今日は大阪能楽会館での公演の鑑賞日。初めて能楽堂へ入った子ども達も多かったようだ。「わー屋根がついてる」と会場を興味深そうに見回す男の子も。上演が始まり、最後の演目「首引(くびひき)」に善竹さんが登場すると、「あっ、先生だ」と皆うれしそうな顔。「おさむらいさんの役って言ってたよ」と、隣の女の子が私にそっと耳うちする。鬼が自分の娘をけしかけて、善竹さん扮する武士を食べさせようとするが・・・・娘ははにかんでしまってうまくいかない。凛々しく真っ直ぐな印象の武士と、子ぼんのうでちょっと抜けた感じの鬼とのやりとりが面白く、場内大爆笑だった。「もっと難しいと思ったけど面白かった」と子どもたちも、十二分に狂言を楽しんでいた。



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 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花兎の狂言教室レポート3 

 いよいよ今日は台本が配られた。まずは「踏んだり、またいだりしてはいけませんよ」との注意。「以呂波(いろは」、「痺り(しびり)」、「蟹山伏(かにやまぶし)」の演目のグループごとに、一人ずつていねいに渡される。「口伝(くでん)と言って、先生の言うことをそのまま真似してください」。皆いっせいに声をそろえて台詞を言い、難しい漢字にはふりがなをつけていく。ふと見ると、善竹さんは台本を全く見ていない。すらすらと台詞が出てくるのでびっくり。くり返し、くり返し、言葉を発するうちにリズミカルな調子が出てきた。言葉の意味がわからない子どもたちも、音を楽しんでいるのが伝わってくる。古の人の言葉が耳から伝わってきて、心地よい気分になった。



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 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花兎の狂言教室レポート4 

神戸の湊川神社神能殿での公演鑑賞に出かけた。すっかり仲良くなった子どもたちは、ちょっぴり遠足気分。境内を走り回る元気な姿に圧倒される。神社にお参りしてから能楽堂へ。舞台が始まると、みんな集中して観劇。「習っているから言い方とか、動きとか同じ所があってわかりやすい」。「宗論(しゅうろん)」でお坊さんを演じる善竹さんが、敵対するお坊さんに忍び足で近づいてはからかう。「なむあみだぶつ」と唱えながら数珠を振り回して相手を困らせる様子に大笑い。「めっちゃ面白いなー」子ども同士で感想を言い合って、とても楽しそうだ。指導してもらっている先生の生の舞台を見ることで、より狂言への興味が増したようだった。


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 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花兎の狂言教室レポート5 
立ちげいこの練習を重ねていると聞き、久しぶりに見学。台本を離して暗記している子が多いので驚いた。台詞を発する声も中々しっかりしている。足の運び方や手の動きを、善竹さんが実際にやって見せて教える。その型のきれいさに、形がしっかりすることで、お話の面白さが生きるんだなと実感。「言葉を覚えるのは大変だったけど、舞台に出演するのが楽しみ」と、普段はピアノを習っているという男の子。同じ演目を他の友だちがやっているのを見て、動きや台詞を確認している熱心な子も。一つのことを習得して演じる喜びを感じているようだ。


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 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花兎の狂言教室レポート6 

初めて東公民館の舞台に立ってのけいこが行われた。発表会に向けてのリハーサルだ。普段の和室とは勝手が違うので、少々緊張気味。客席から見られることに戸惑っているようだ。善竹さんから舞台の上での動き方を、ていねいに教えてもらう。床に貼ったテープを目印に、動きを繰り返し練習。だんだんとホールの空間で演じることに慣れてきたようだ。普段着慣れない着物姿もしっくりと馴染んだ様子。いよいよ本番!みんな普段の練習の成果が発揮できますように!!


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 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花兎の狂言教室レポート7 

 公演日は春らしい爽やかな晴天に恵まれ、お客様も大勢集まり大盛況。開演前には、宝塚市立南ひばりガ丘中学校茶華道部の生徒さんのお茶を楽しみ、優雅なムードが漂う。本番ではどの子も、狂言の台詞と動きをきちんと、そしてのびのびと演じていた。物語の面白さが伝わって、客席から笑い声が起きる場面も。子ども達を半年間指導した善竹さんが、「舞台へ上がってドキドキしたことや、そのなかできちんと台詞が言えたことを覚えていて下さいね」と話したのが印象的だった。日本に古くから伝わり残ってきた言葉を話し、動きを覚える。この経験は、きっと子ども達の心のなかに生き続けるんだろうな。「狂言」を通して感じたことは、宝物になる。そう思った。


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