2004年3月〜   毎週月曜日更新しています。     藤山一男

      携帯電話でこのページを見て下さっている方もいらっしゃるようで
      ページが大きくなりすぎて携帯では開かなくなってしまいましたので
                   ページを分けました。 
           気まぐれ日記No.1のベージから続いています。

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気まぐれ日記No.2
●(34)2004年  6月6日
「豊国廟」
 七条通りを東大路に突き当たりますといわゆる「おんな坂」といわれる京都女子大学へつながる道があります。923のアルバイトのお嬢さん方もこの坂をのぼって学校へ行っているわけですが、年配の者には勾配も距離もあって正門まで行くには少々体力が要ります。自転車通学の若い学生たちも帰りはいいのですが、往きは自転車から降りて引っ張っていかないとまず登れません。その大学の正門前からなお東に進んでゆくと阿弥陀ケ峰の山頂に太閤さんのお墓「豊国廟」があるのですが、東へ真っ直ぐ一直線にのびる約500段の階段がついています。正確には京女大のある太閤坦(たいこだいら)のところから上まで523段あります。最初の300数十段ほどはまだ多少なだらかなのですが、最後の170段ほどは急勾配で一気に登ろうとすると息があがります。何年か前にNHKの大河ドラマで竹中直人演じる「秀吉」というのがありましたが、その時毎回オープニングで子供が天に向かって階段を駈け上ってゆくようなシーンがありましたがその時に使われていたところです。 私はたまに運動のために帰宅の途中に寄って往復してきます。上までは5分足らずで行けるのですか、2往復もすると相当足にこたえます。昔は運動部の学生のトレーニング場所になっていましたが現在は学生の練習は禁じられているようです。春の桜の時期には花見客も大勢来られ賑わうのですが、それ以外の時はいつもひっそりしています。ちょっと入るだけで街の喧騒から離れ自然の中でリフレッシュできます。
                       

 先週は女優の東ちづるさんがご来店。このところ京都でのロケが多く、昨年から2回目ですが本当に綺麗で気さくで素敵な方です。秋から始まるNHKの朝の連続ドラマにもご出演が決まられたようです。

●(33)2004年  5月31日
「風評と実態の法則」
 相変わらずの景気の低迷で祇園街も賑わいに欠けます。特にこの5月は例年になく人の出が少なかったようで、月末になってやっと多少賑わいを取り戻してきたようです。お客さんは気まぐれなもので、日頃は静かな日が多いのにたまたま店に来られる日がみんな重なってしまうということがよくあります。先週も2日間だけは大いそがしで、その日来ていただいた方々には行き届かなくて申し訳なかったのですが、そんな時はつくづく別の日に分けて来て頂けたらと思いますがしょうがないことです。
 「いつも忙しいな」といわれることはよくあります。「忙しいという風評は実態より多く伝わる」という法則を作ってみました。当たり前の事なのですが忙しい日を知っている人は多く、ヒマな日を知っている人は少ないということなのです。お客さんが誰もいない時のことは当然誰も知らないわけで、2人しかおられないときのことは2人しか知りませんが、何十人も入っておられて忙しい日のことは何十人もの人が知っておられるという事になります。そしてそれをまた他の人に言って伝えられたりするということになるとヒマな日と忙しい日のうわさのギャップは乗数的に広がってゆきます。行列のできるラーメン屋さんとか喫茶店とかがありますが、そんなところも日によって、また時間によって静かなこともあるのですが、たくさん並んでいて忙しい時のことを知っている人が一番多く、そのことがまたより多くの人に伝わって拍車がかかります。それゆえ「忙しい」という風評は実態よりかなり多く伝わるということになります。まぁ「ヒマな店だ」というような風評が伝わるよりいいのでしょうけれど・・・・。

 今年も店の前の白川に5月の24日からホタルが飛び始めました。私達子供の頃はホタルのでるのは6月か7月だったように思うのですがこのあたりは例年今頃です。このところ全体に気温が高いのか年々でるのが早くなるように思います。たぶん夜遅くなると寝ているのでしょうけれどもライターの光をパチパチと点滅させると反応して光ったり飛んだりしてくれますのでお客さんには喜ばれます。祇園街のホタルは場所がら深夜型で愛想もいいのかもしれません。今日のラジオの話では飛ぶのはオスでメスはほとんど飛ばないのだそうです。また関東のホタルは4秒に1回光るのに対して、関西のホタルはせっかち(?)で2秒ごとに光るんだそうです。
 白川は春の桜の頃もきれいですが、この時期のホタル、これからの紫陽花もきれいです。

●(32)2004年  5月24日
「絶対リズム感」
 数年前に最相葉月さんという方が書かれた「絶対音感」という本がベストセラーになり、音楽に興味のある方には特に面白く読まれたのではないかと思います。あの場合は音程に関する事で、例えば鳥や犬の鳴き声、車のエンジン音、ブレーキ音、電車の警笛音、緊急車のサイレン、食器のぶつかる音、などなど・・・・の音のすべてが五線紙上の絶対音として認識できるという才能でした。
 絶対的リズム感というところから考えてみるとどうでしょう。通常音楽のリズムの速度は一分間に四分音符がいくつあるかということで表します。脈拍数を表すのと同じように70とか100とかという書き方で、数字が大きくなるほど早いテンポということになります。ベテランの打楽器奏者などは音楽を聞くだけでその速さが80とか、83とかを聞き分けられると思います。もちろん私共も大ざっぱなところでは聞き分けられると思っていますが、その道のプロはどのくらい細かいところまで聞き分けができるのでしょう。我々は同じスピードの音楽でもバックの伴奏のリズムで惑わされる事がよくあります。
 我々が仕事で音楽をする時はよくリズム機器を使いますが、昔は機器がアナログでテンポ設定もダイヤル式でしたので、いつもその時の感覚で大ざっぱにダイヤルを合せていましたが、ここ十数年前からみんなデジタルの器械に変つてきましていろんなことに気づかされます。人間の感覚でのリズム感は結構いい加減なもので、デジタル機器ではテンポは常に数字で表されていますので、いつも同じであるはずなのですが、その時の気分、その場の状況によってデジタルの表示が間違っているのではないかと思うほど違って感じることがあります。特に店では日常的にお酒を飲んで演奏をしているわけで、お酒を飲む前と飲んだ後では顕著な感覚の差があります。同じテンポ表示でもお酒を飲まない早い時間帯にはテンポが遅く感じ、またそこそこ飲んだ後には信じられないくらいの早さに感じることがあります。まあこれはお酒の酔いのせいで、自動車の飲酒運転で反応が鈍くなるようなものなのでしょうけれど。お酒を飲まない時でも、例えばホールの響き、モニタースピーカーの返しの音、ギターの響き方、などにより微妙に演奏のテンポは変ってしまいます。何人かで演奏する時は、リーダーの一人が決められたテンポを器械で確認してそれを皆に指示して始めますので問題はないのですが、自分一人だけの演奏の場合はテンポにバラツキがあります。私のギター一本の伴奏だけでのコンサートの時には後から聞くと全体にテンポが速いことが多いように思います。お酒を少々飲んでからにすると方がもう少し正規のテンポになるような気もするのですが・・・・(そんなことはありません)。私には当然、絶対リズム感というのが無いのでしょう。
 最近はリズムも音程合わせも全てデジタル機器の表示まかせで非常に便利になったのですが、昔のように自分の耳で調弦したりテンポを作っていた頃からみると少々味気ないような気もします。

●(31)2004年  5月17日
「丁度よい」
 このところプライペートなことで忙しく、「気まぐれ日記」をゆっくり書いている時間が不足しています。というわけでもないのですが、今回は以前に知人が紹介してくれました素敵な詩をお届けしましょう。気分の落ち込んだ時なんかに読むとなんだか元気になれるような気がします。朝日新聞2002年3月2日に掲載されたようです。
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         お前はお前で丁度よい
         顔も体も名前も性も
         お前にそれは丁度よい
         貧も富も親も子も
         息子の嫁もその孫も
         それはお前に丁度よい
         幸も不幸もよろこびも
         悲しみさえも丁度よい
         歩いたお前の人生は
         悪くもなければ良くもない
         お前にとって丁度よい
         地獄へ行こうと極楽へ行こうと
         行ったところが丁度よい
         うぬぼれる要もなく卑下する要もない
         上もなければ下もない
         死ぬ月日さえも丁度よい
         仏様と二人連れの人生
         丁度よくないはずがない
         丁度よいのだと聞こえた時
         情念の信が生まれます
         南無阿弥陀仏

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良寛作と言われていましたが石川県、常讃寺住職の奥さん作だったそうです。

●(30)2004年  5月10日
「同窓会」
 あっというまにゴールデンウィークも終わってしまいました。といっても若い時のようにGWも特に予定をたてているわけでもなくのんびりだらだらと過ごしているだけです。若い頃はGWにシーズン最後のスキーに行っていたものですがだんだん行動力も落ちてきています。
 今年はこのGW中に同窓会が2つありました。そもそも小、中、高、大学の卒業時には何故かいつも同窓会の万年幹事に任命されていて、たまたま卒業後も私の仕事柄(?)、宴会の段取りに慣れていたこともあって同窓会のお世話は卒業来ずっとやっています。私のパソコンには昔から各学校、大学のクラブなどの住所録を入力管理してありますので、誰かに頼まれればいつでも簡単にご案内できるようにはしてあります。昔からコマメに同窓会をしていますのでメンバーのほとんど全ての住所が確認できていることは感謝されています。
 2日は小学校のクラス同窓会がありました。最近は出身校区の阪急桂駅近くで年4回ほど地元在住のものがお世話をしてくれています。場所柄、西山地区に同級生のやっている農園があり、今の時期は筍狩り、夏にはぶどう狩り、秋には柿狩り、また冬は恩師の居られる丹後へカニ食べ旅行、そして桂での二次会ではこれも同級生がやっているライブハウスでの音楽とおしゃべり。こんなに頻繁に同窓会をしているクラスも珍しいことでしょう。それもいつも十数名集まるのですから
 クラスメイトの中には私を含め音楽をしている者が3名いまして、一人は「風」(〜♪〜人はだれもただ一人旅に出て〜♪〜)という大ヒット曲を歌っていた「端田のりひことシューベルツ」というグループのメンバーで当時の芸能界のスターでした。彼は最近またフォークを主体に音楽活動を再開しています。
 もう一人は小学校時代から本格的にヴァイオリンを弾いていて東大時代はオーケストラ部に所属、社会人になった現在も神戸市民オーケストラのコンサートマスターをしているヴァイオリニストです。たまに同窓会に楽器を持ってきて小学校時代に弾いていた「ユーモレスク」などを聴かせてくれます。当時、私も全くガラにもなく小学生から中学生にかけてヴァイオリンを習っていたのですけれど、彼は私とは比較にならないほどの実力者でした。
 昨年のこGW時には学年全体の同窓会で妻と一緒に「金子みすゞ こころの世界」というライブをしましたが、今回のクラス会では「五十歳以上の方のための”懐かしのポピュラーソング”」というテーマで小さなライブをやらせてもらいました。
 翌日3日は大学のクラブ(混声合唱団)のOB会を私が企画。12年の幅広い世代にわたっての仲間17名が大阪に集まっての食事会。何とか無事終了。

●(29)2004年  5月3日
「胡蝶蘭」
 毎年今ごろは我が家の居間に胡蝶蘭(ファレノプシス)がたくさん咲きます。高価な花で花屋さんで立派なものを求めると1茎が1万円ちかくしますので3本立ち、5本立ちとなりますと相当な値段がします。でも一度咲きますと一ヶ月くらい咲いていますので充分値打ちはあります。最近は花屋さんでも種類が増えて、珍しい色のもの、茎が途中で枝分かれしたもの、小さな花をつけるものなどいろんなものを見かけます。蘭の中でもシンビジューム、デンドロビュームなどに比べると胡蝶蘭を咲かすのは非常に難しいとされています。特に日照度、温度、湿度の管理が難しく、夏は直射日光を嫌うため50%くらい遮光したり、冬は5℃以下の低温にあうと枯れてしまうので、特に明け方などの温度か10℃を保てるような環境にするとか、水やりのタイミング、開花時期の湿度、風通しなど、通常は専用の温室を持たないと咲かすことは出来ないと、いろんな方から言われていました。ところが我が家では居間に置いているだけなのですが環境が胡蝶蘭に適しているとみえて毎年たくさんの花を咲かせます(妻は自分の実力と鼻高々)。今年は全部で14鉢、30本くらいの花茎がでて今のところ半分くらいが花をつけています。ここしばらくは胡蝶蘭に囲まれての豊かな生活です。
              

●(28)2004年  4月26日
「蕁麻疹」
 突然じんましんが全身に発症しました。何十年もそんな事が無かったので少々戸惑いました。原因を考えてみると、やはりここ数日の暴飲暴食で胃腸の疲れがあるところへ前日食べたクリーム入りのタイ焼きが怪しいと推定しました。丸一日、身体中の発疹と痒みに耐えてやっと治まってきたところで、丁度炊きあがったばかりの筍を2切れをつまみ食い、数時間後またまた、じんましんぶり返す。今度は足の先から手の甲など、身体の末端にまで発疹して痒みのため眠れず。多分胃腸の疲れもあったのでしょうが、主な原因は筍であったと判明。そういえばこのところ近所の知人から貰ったり、農家から買ったり、また日本で一番美味しいという西山の筍を送ってもらったりと連日、竹の子の刺身、若竹、土佐煮、てんぷら、木の芽和え、ヒメカワ部分の酢味噌和え・・・と、かなりの量の竹の子を食べていました。その上少々飲みすぎもあったと反省。毎年この時期は京都の美味しい筍を存分に食しておりますが、今年は今回の件で「禁酒2日、竹の子謹慎1週間の刑」に服役。竹の子謹慎1週間はともかく禁酒2日はちょっと刑が軽すぎるのではという声も・・・・。
 数年前まで4月の今ごろは私共も毎年遊び半分で、知り合いの竹やぶに行って自分で筍を掘っていました。いい筍探しは大変で、地面から顔を出しているものは簡単に見つけられるのですが、土から出てしまうほど硬くなってしまっています。笹の枯葉などが積った地面の中から僅かに盛り上がったところを見つけて、そこの落ち葉を取り除いて、そこに土から穂先を出した上物の筍を発見した時などはなかなかの快感です。地域によっていろんな種類のクワを使っているのですが、そこではクワの部分が50センチもあろうかという長いものを使用していました。それで筍の周りの地面をつついておいてから筍の一番下の部分を予測して突いて掘り起こします。慣れないうちはついつい予測が外れ上の柔らかいところを突いてしまってはよく失敗をしたものです。ベテランは先の部分を見ただけでどのくらいの大きさのもので下がどこまであるのかが分かるようです。
  そういえば私の大学の卒論のテーマも確か「タケノコ中のピロリドンカルボン酸」ということだったということを突然思い出しました。何を書いていたのでしょうね。今となってはほとんど記憶がありませんが・・・。

●(27)2004年  4月19日
「さくら吹雪」 
 先週末に5月下旬なみの暖かい日が2、3日続き、満開の桜も一斉に散り始めました。
 自宅近くの醍醐寺では毎年4月の第二日曜日に太閤花見行列が行われます。慶長3年(1598年)の春、太閤秀吉が秀頼、北政所、淀殿、大名、小名など約1300名を従えての秀吉最後の栄華を極めた花見をしたのですが、その花見行列を再現したお祭りで今年は4月11日に行われました。
 この太閤さん役は毎年各界の著名な方が務められるわけですが、かつては松下幸之助さんなどもおやりになったという大役です。今年は永年私どもがお世話になっているの店のお客様が太閤役で奥様が北政所、三十周年コンサートで詩を読んでくれました小学生のお孫さんが秀頼役と、ご家族総動員でこの大役を務められました。大観衆の見守る中、三宝院の門から、参道を通って行列は始まったのですが、丁度満開を過ぎた桜が一斉に風に舞い、さくら吹雪の中なんとも優雅な光景でした。
                       
 翌日12日、別のお客様からのお誘いをうけて海津大崎の桜見物に行ってきました。海津大崎は琵琶湖の北端にありソメイヨシノの名所で約8Kmにわたって桜並木と花のトンネルが続き、湖岸からも湖上からもみごとな桜が鑑賞できます。以前から行って見たいとは思っていたのですが、なかなか行く機会がなくて今回がはじめての体験でした。こちらもほぼ満開を過ぎた桜がほんとうに吹雪のように舞い落ちて、僅かの間に車のフロントガラスの所へどんどん花びらが積ってくるような状況でした。快晴のお天気の中で、あんなに豪華なさくら吹雪はめったに見ることができないでしょう。往きは湖西道路から、帰りは前日の花見行列の主役羽柴秀吉が柴田勝家との合戦で有名な賤ケ岳の横を通って木之本インターから北陸道経由で帰宅。
 もう今年の桜の季節も終わりだと思うと少し寂しい気がします。と思っていると自宅近くの川岸の遅咲きの八重の桜並木が満開です。

●(26)2004年  4月12日
「歌とキー」
 前回に「さくら」の曲のキーについて少し触れましたが、一般のカラオケファンは自分で歌われる曲のキーに関しては結構無頓着です。どんな歌手の歌でも大してキーを変えずに歌ってしまうのですから私どもよりよっぽど器用といえば器用です。前回このページで書きましたように、歌は大体1オクターブ半までの音域で出来ていますが、それをその歌手の音域に合わせていますから、声の高い歌手の場合は高いところで、低い歌手には低い所で歌わせています。それを皆さんが歌われる場合は自分の音域のところに持ってこなくては上手に歌えません。歌手なんかは半音単位で自分の音域にピタリと合わせ、いつも同じ条件で歌い続けているわけですから、よりよく歌えるのも当然です。
 カラオケ曲のキーは十年以上前から入っている曲は、高さをなるべく一般的なところに移調していましたが、多分キーチェンジがうまく出来なかった時代のカラオケの名残りでしょう。最近の曲はオリジナルキーを尊重していて、歌手の歌っている高さそのままになっているものが多いようです。声の高い歌手の曲は高く、低い歌手の声は低くなっています。それだけにキーの設定は大切です。
 よく「私のキーは何ですか?」という質問を受けます。声楽的には男性ですとテノールとかバリトンとかバスとか、女性ならソプラノとかアルトとかという大ざっぱな分類はできるのですが、下のどこから上のどこまでが音域という明確な答えにはなりません。それぞれの人ごとに私のキーはこれこれですといえるものがあれば便利なのですが、歌自体が歌手に合わせていろんなキーで書かれていますので、歌ごとに自分のキーを調べて覚えておかなければなりません。カラオケファンの中には歌ごとに手帳にいくつ移調するかを書いておられるマメな人もおられます。
 最近の一般的なカラオケの機械はキーチェンジが半音づつ変えられて−5から+5までの10段階に移調できます。12あるキーの一つを除いて他の全てのキーに移調する事が可能です。大幅にキーチェンジをしなければならない時のヒントをひとつ。全体を12進法の時計のように考えるとわかりやすいと思います。12時のところから+12又は−12で、もとのところへ戻りますので12変えるということはもとのキーと変りません。+6(3音上げる)と−6(3音下げる)はどちらも6時のところになりますので結果的には同じキーになります。機械では±5以上は変えられませんが+5以上に上げたいときは反対に−5にしますと結果は+7になるという事になります。下げる時も同じで−5より下げる場合は+5としますと−7と同じキーに、+4にすると8下がったことと同じです。カラオケのキーとしては±6のところだけが移調出来ないだけで他のすべて(12のうちの11)のキーで歌うことが可能です。
 カラオケなどで歌を上手に歌うにはピッタリとキーを合わせることがとても大切なことです。

●(25)2004年  4月5日
「さくら2曲」
 桜の咲くこの季節は何故か心がウキウキします。桜の花を見ているだけで嬉しくなりますが、同時に早々にはかなく散ってゆく淋しさもあります。
 今までさくらを題材にした歌は数え切れないくらいあるのですが、店のカラオケ(DAM)で「さくら」という曲を探すと、「さくら」、「桜」、「櫻」、「sakura」などで全11曲でてきます。”さくら”の付く曲、”さくら”で始まる曲というとそれこそ何十曲もあり、この一年の間でも服部浩子の「さくらさくら」とか、ごく最近発売されたモーニング娘のヒット曲「さくら満開」などなどもあります。
 この一年間での「さくら」という曲の大ヒットといえば森山直太朗の曲でしょう。この曲は正式タイトルでは「さくら(独唱)」となっていていますがこれも加えると「さくら」という曲は全部で12曲になります。この曲は昨年からもう約一年以上もオリコンのチャートに入っているロングヒット曲で昨年最高位は一位になっていて、現在もオリコンの上位にランキングされています。森山直太朗は我々世代の者はよく知っている森山良子さんの息子で、彼も非常にきれいなハイトーンを持ち味にして歌っています。彼は高いところはウラ声で抜いているとはいえ、異常なほどの高音で最高音が上のC(ド)の音までありますので、そのままのキーではまず歌える人はありません。私も昨年の”みすゞ”ライブの中の余興でたまに歌いましたが、2音ほど下げて歌っていました。
 もう一曲昨年後半からジワジワと人気がでてきた河口恭吾の「桜」という曲があります。これもオリコン最高位4位までいって、先週もまだベスト10に入っている現在ヒット中の曲です。この曲も最高音がB♭(シの半音下)まであり、そのままではなかなか歌えない高さです。そのうえ下の方も低く、全体で2オクターブの音域があるという珍しい曲です。こんなに音域の広い曲はまずありません。通常私達が歌を作る場合1オクターブ半以内の音域で作るのですが、2オクターブといいますと一般の方の声のでるほぼ全音域ですので、歌われる方の音域にピッタリとキーを合わせないと歌えません。
 先週3月28日に北海道からの客人をお連れして宇治の平等院、小野の随心院、伏見稲荷大社、東福寺へご案内。お天気はポカポカの快晴で桜の花もちらほらでしたが、その後今週一気に桜満開。

●(24)2004年  3月29日
「花灯路(はなとうろ)」
 先日、店の始まる前に「花灯路」に行ってきました。昨年からこの時期に東山一帯で行われているイベントなのですが、北は青蓮院から知恩院、円山公園、高台寺、産寧坂を通って清水寺までの散策路約4Kmに陶器、竹、木、石、金属などで作った行灯を2,000基以上を設置、それを点灯しています。今年は3月12日から21日までの午後6時から9時30分までの開催でしたが、昨年に比べても、相当な動員増で今後も毎年恒例のイベントとして定着しそうです。京都もこの時期は桜が咲く前の静かな頃ですので、地域活性化のためには非常に良い企画になっています。全行程を歩くとなるとかなりの距離がありますが、知恩院の三門や高台寺の特設ステージで音楽のライブをやっていたり、清水寺をはじめとする、近辺の寺院もライトアップして夜間拝観をしていますので適当な所を目指して行かれるといいでしょう。

 先週は、京都朱雀ライオンズクラブの結成24周年記念の例会で「金子みすゞ こころの世界」をさせて頂きました。久々の全日空ホテルでの仕事、妻は地下鉄の方が便利だと全く不慣れな地下鉄を利用して来jましたが、やっぱり苦戦して到着。

●(23)2004年  3月22日
「ジョギング」
 二年前に高血圧との診断を受けました。もともと週3日以上していたテニスを、仕事に追われてしなくなったのも原因のひとつかも知れません。それ以降この二年弱の間、毎日約5キロメートル、時間にして35分くらいのジョギングをしています。最初の数日は歩いていたのですが、あんまりたよりなくて走るようになりました。
 走り出してからは体調の方はすこぶるよく、体重は4〜5キロ減り、ウエストも5センチほど痩せ、現在、体脂肪率も18です。真夏の暑い日も、凍るような雪の日も、雨の日には傘をさして、特別な用事がないかぎりほとんど休むことはありません。ライブで地方へ行った朝もホテルの周辺を走っていたくらいです。
 たまに走れない日があっても、1ヶ月トータルで約130キロ、フルマラソン3回分。一昨年の5月から23ヶ月続けていますので、フルマラソン70回くらいを走ったことになります。約3000キロ、丁度、日本列島縦断くらいの距離でしょうか。
 私のスピードは時速9キロくらいですから、競歩の選手にも負けてしまうような速さです。プロのマラソンランナーは2時間20分くらいで走るとしても時速18キロ、100メートルを20秒くらいのスピードでゆくのですから驚異的な速さです。我々は100メートルだけでも20秒で走るとなると、全力疾走で全精力を使い果たしてしまいます。
 毎日のコースは基本的にはあるのですが、同じコースばかりでは飽きてきますので、たまに気分転換でコースを変えます。お蔭で近所の地理には相当詳しくなります。時には新しい食べ物屋や飲み屋の発見も楽しみのひとつです。特に車では通れないところ、車からでは見えないところにいろんな発見があります。ほとんど川に沿って走っているのですが、カモの親子連れ、さぎなど、いろんな鳥を見ることができますし、川の中には結構大きな鯉などが泳いでいるのにも気づきます。
 季節ごとに咲いている花もきれいです。このところ桜のつぼみも日毎に大きくなってきています。桜の春も、もうすぐです。

●(22)2004年  3月15日
「巣立ち」
 店のスタッフのほとんどはアルバイト学生で毎日交代で来てくれています。男性は京都大学、女性は京都女子大学の学生です。毎年、今ごろのシーズンになりますと、新旧の入れ替わりになります。
 男性は京大工学部の4人(軟式テニス部3名、ギター部1名)が卒業してゆきます。1人は就職、あとの3名は東京大学の大学院へ行くのですが、どうも聞いてみると、京大の大学院に落ちた者が2人、京大に受かったけれど成績の関係で希望の研究室へ行けなかったものが1人で、結局、全員東大へ行くことになりました。京大より東大の方が枠が広く、随分入りやすいようです。
 女性群は京女の大学院修士生(前回のNo.21「ストリートダンス」で紹介)が1人、4回生が3人の計4名卒業します。4回生3名のうち2人は就職、もう1人は京都府立大学の大学院へ進学します。
 昔から私の店に来て頂いている会計士の先生が、大学でも教えておられるのですが、昨年のある日、授業を終えキャンパスを歩いていると、若者が挨拶をしてきました。顔はよく知っているのですが、誰だったか思い出せないので聞いてみると、「数ヶ月前まで923でアルバイトをしていました誰々で、今、この大学でも講師をしていると」自己紹介され納得。彼はその数ヶ月前まで923のカウンターの中で働いていたのですから顔はよく知っているのですが、場所が変ると分からないものです。彼は3回生頃から大学院のドクターコースまで6〜7年間、923でアルバイトをしておりまして店の仕事も非常によく出来た有能な学生でした。昨年4月から京大をはじめ関西の五つの大学で講義を持っています。
 この時期になりますと、923のアルバイト学生も社会に巣立ってゆきます。みんな優秀なメンバーですから社会に出てからも活躍して欲しいものです。

 先週は浄土宗の滋賀教区教務所(草津市)で、ご住職の集まりで「癒しのコンサート〜金子みすゞの世界〜」をさせて頂きました。今まで各宗派いろんなお寺でライブをさせて頂いていますが、ほとんどは門徒さん対象です。今回のように全員がご住職の会は初めてでした。

●(21)2004年  3月8日
「ストリートダンス」
 923でアルバイトをしてくれている女子大生のえりちゃんがストリートダンスのライブをしました。彼女は文学部、表現文化専攻の大学院、修士課程2回生で大学でもダンスを通しての研究をしているのですが、昨年末のNHKの紅白歌合戦にも歌手「愛内里奈」のバックダンサーとして出演していました。修士の卒業研究発表として彼女の構成、演出によるライブで、三条御幸町のアートコンプレックス1928という会場で2日間で3回のステージでした。
 ストリートダンスとはヒップホップといわれる黒人文化の表現形態の中のひとつとしてのダンスで、もともと貧しいスラム街の街角で踊っていたものが原点ですが、少し大きめのダボダボの服装で踊っているのを見られたことがあると思います。自己表現の場として踊っていたのが社会的に認知され、その中からヒーローが生まれてゆきました。基本的な音楽はラップを使ったブラックミュージックで、クラブといわれるところでDJがレコードを回したりしているあの語り口調の音楽です。
 当日のイベントは「クロノグラフ=時間を計測する装置」というテーマで、音楽と映像を使って、彼女を中心に総勢11名のステージでしたが、非常にパワフルなもので、相当な体力と運動能力が要求されそうです。特に男性はバック転や逆立ち状態でくるくる回ったりと、アクロバティックな技も見せてくれますので、若い者しか出来ない踊りです。実際、彼女の身体なんかも筋肉質で、脚なんかも完全にスポーツマンの脚です。
 こんな機会でもなければこういうライブに行くことはなかったでしょうから、それなりにいろいろ勉強をさせてもらいます。また、こういうイベントのチラシ(フライヤーというのだそうです)はお洒落なのですが、我々年寄りには非常に読みにくいもので、A5くらいの大きさのフライヤーの裏表に小さい文字で書いてあり、いつ、どこで、誰が、何をするのかということがなかなか分かりにくいものです。そのあたりからも頭を切り替えて見ないといけないようです。
 その3日後に、たまたま知り合いからご案内を頂いて「ギター・ジョイント・コンサート」(出演者=加藤丈晴、丸谷純一、中西清一)に行ってきました。クラシックギターのソロですので、始まりは会場内の調光を落とすだけで、演奏者が登場して一礼、マイク無しの生演奏で、演奏終了後、拍手のなか、一礼して退場というスタイルですので、非常にシンプル。先日のダンスのライブとはステージの演出に大きな落差があって面白い。

●(20)2004年  3月1日
「長距離ドライブ」
  私と同世代の方で、永年親しくして頂いていたお寺のご住職が病気だという事で、富山までお見舞いに行ってきました。その方は開店当初からの923のお客さんで、もともと豪放磊落な気質で病気など、まったく似合わない人なのですが、癌になられた(自己申告)ということで、気落ちされていてはいけないと伺ったわけです。元気をだしてもらおうとお見舞いに行ったわけですが、さすが人の道を説かれる僧侶という立場、お会いすると、まったく元気で、お酒も飲み、タバコも吸い、お寺の仕事も行事も他寺の法話もこなして頑張っておられ、かえってこちらが元気づけられるような状態でした。
 富山までは300キロ強、妻はまったく運転をしませんので、いつも私一人が運転担当です。だいたい私も車の運転は好きではないので、以前なら200キロを越すとかなりの決心が必要でした。ここ数年はライブで関西の近郊都市はもとより新潟の長岡、上越、糸魚川、富山、山梨の富士吉田、四国の高松などに車で行っていますので、長距離運転にもかなり慣れました。ライブで行く時はもちろん往復で1000キロ以上も走る場合がありますがそんな時は宿泊をしますが、今回は先方で1〜2時間一服するとはいえ、一日で650キロですからなかなかハードです。
 若い頃は今の時期、スキーに行くのによく北陸道や中央道を走りましたが、このところはスキーに行かなくなって冬用タイヤをつけていませんので、天気予報で絶対に暖かいという日を選びました。特に、この日はお天気もよく、往路はフェーン現象の影響で、金沢あたりの高速道路の温度計が20度を表示しているほどの暖かい日で、雪をかぶった白山や立山などが美しく、ついついよそ見をしてしまう私に妻から注意されっぱなしの運転でした。帰路は夕方から大荒れになるという天気予報が的中、春二番とやらの影響で、途中休憩後から嵐になり、暴風雨の中を3時間以上も走り続け、少々疲れました。やっと夜中の11時半に自宅付近に着き、近所の居酒屋で一服して帰宅。私一人の運転で一日の走行距離650キロは最長記録でした。
 その4日後に、お見舞いに行ったご住職が突如来店。妻も私も驚愕!! でも、お元気で嬉しい。


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