入門その頃のバス

日産ディーゼルU系

シャーシ 日産ディーゼルU系は、1973年より発売された日産ディーゼル工業の標準的路線バスです。これまでの2サイクルエンジン車4R系と4サイクルエンジン車PRを統合の上、整理しました。横倒しエンジンにしたため、車内を有効に利用でき、低床化も進みました。
数字部分は出力の違いを表し、末尾の記号は長さを表します。末尾の記号で長さを表すのは、三菱B8系に次ぐ表現方法ですが、次第にバスの型式の標準的構成になってゆきます。


日産ディーゼルU系 1973 - 1990

日産デU系 製造時期による分類
日産デU系 第1期(1973-1980)
千曲自動車 日産デU30H(1976年式)
U30H

撮影:西白樺湖(1988.11.23)

東海汽船 日産デU30L
U30L

撮影:元町港(1982.8.5)

1973年に登場したU系は、標準の富士重工製ボディの場合、当初から3Eと呼ばれるワンマン対応のスタイルでデビューしています。ただし、長距離路線用などの前ドア車には、3Bと呼ばれる傾斜窓のスタイルも残されていました。
4Rの後継といえるU20と、5Rの後継といえる高出力のU30の2種類でスタート、長さは3種類に整理されました。1976年に予燃焼室式エンジンのU35を新設しています。

後面スタイル(1973〜76年)

横倒しエンジンの採用で、側面最後部のエンジン通気孔は4R系より小さくなりました。左側面の通気孔は当初はありましたが、1974年には廃止されています。

岩手県北自動車 日産デUA30H(1976年式)
UA30H

撮影:西根営業所(1986.5.5)

後面スタイル(1976〜80年)・・・U20

後面の通気孔は、当初は4R系と同様右側に2つありましたが、1976年から1つに減りました。

岩手県北自動車 日産デUA20H(1979年式)
UA20H

撮影:北福岡駅(1985.8.23)

後面スタイル(1976〜80年)・・・U30・35

U30・35の後面通気孔は、縦寸法が多少小さくなっています。

自家用 日産デU30L
U30L

撮影:一関市民様(大川市 2011.9.11)

日産デU系 第2期(1980-1984)
西武バス 日産デK-U31L(1980年式)
U31L

撮影:立川車庫(1981.9.27)

関東バス 日産デK-U31LA(1982年式)
U31L

撮影:吉祥寺駅(1985.1.15)

昭和54年排ガス規制に対応して1980年にモデルチェンジが行われ、低出力タイプはなくなりU31と予燃焼室式のU36に整理されました。ホイールベースも全車種修正されましたが、型式は短尺のHKに変わった以外はそのままです。
1982年に富士重工が5E型にモデルチェンジしています。このとき、予燃焼室式のK-U36が昭和57年幅室式エンジン排ガス規制適合のN-U36に変わりましたが、1983年には生産中止になっています。

後面スタイル

後面の通気孔の形状は逆L字形です。

自家用 日産デK-U31K(1981年式)
U31K

撮影:群馬県(2018.9.17)

日産デU系 第3期(1984-1988)
蒲鉄小型バス 日産デP-U32L(1987年式)
U32L

撮影:樋口一史様(村松駅 2004.9.11)

羽後交通 日産デP-U32K(1984年式)
U32K

撮影:終点横川目様(横手市 2008.5.17)

昭和58年排ガス規制に伴い、1984年にU32に統一されました。ホイールベースのバリエーションは変わりません。同時に標準車体の富士重工が完全リベットレスのボディに変わりました。戸袋窓の四隅のRがなくなった点が目立ちます。

後面スタイル(1986〜88年)

1986年頃から後面のエンジン通気孔がなくなったようです。

新潟交通観光バス 日産デP-U32K(1988年式)
U32K

撮影:樋口一史様(五泉営業所 2004.5.8)

日産デU系 第4期(1988-1990)
宮交気仙沼バス 日産デP-U33L(1989年式)
U33L

撮影:左党89号様(気仙沼営業所 2004.5.30)

宮崎交通 日産デP-UA33L(1989年式)
UA33L

撮影:宮崎駅(2018.11.27)

1988年にモデルチェンジを行いU33に移行しました。基本構成はこれまでと変わりませんが、全車種において長さの微調整が行われています。
この時標準車体の富士重工が7E型にモデルチェンジを図りました。
なお、1990年には平成元年排ガス規制に対応してUA440にモデルチェンジされたため、第3期のグループは過渡期の存在に終わりました。

日産デP-UA50T
UA50T

画像:日産ディーゼル公式カタログ(1988年発行)

この時期からV型8気筒エンジンの高出力タイプUA50が新設されました。観光路線や廉価貸切などを想定しており、すべてエアサスの設定です。
路線用のフロントガラスを上方に拡大した7B型が標準となります。
1990年にUA510にモデルチェンジされました。

日産デU系 長さによる分類
H尺(1973〜80年)

U20Hなど末尾にHがつく型式は第1期に設定されていた短尺車で、全長10,060mm、ホイールベース4,670mmです。

立川バス 日産デU20H(1974年式)
U20H

撮影:拝島営業所(1983.1.5)

K尺(1980〜90年)

短尺車は第3期から末尾記号がKに変わり、全長10,220mm、ホイールベース4,760mmと、これまでのHより長くなりました。第4期(1988〜90年)には若干長さが変わっています。
写真は3扉車。

関東バス 日産デK-U31K(1981年式)
U31K

撮影:高円寺駅(1983.7.22)

L尺(1973〜90年)

末尾にLがつく型式は第1期から第4期までを通じて設定されていた標準尺車です。当初は全長10,690mm、ホイールベース5,200mmで、その後マイナーチェンジごとに長さは若干変わっています。

西武バス 日産デK-U31L(1980年式)
U31L

撮影:吉祥寺駅(1985.1.15)

N尺(1973〜90年)

末尾にNがつく型式は第1期から第4期までを通じて設定されていた長尺車です。当初は全長11,090mm、ホイールベース5,600mmで、その後マイナーチェンジごとに長さは若干変わっています。
窓配置など外観は、L尺との区別が難しい場合があります。

神奈川中央交通 日産デK-U31N(1980年式)
U31N

撮影:戸塚駅(1985.4.2)

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