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2週連続で引き上げたボンネットバス（1台目）
「みんなでしあわせになるまつり2009」が終了して身も心も空っぽになっているはずだった海和さんから、「興味はないと思いますが、営林署のボンネットバスを2週連続で引き上げますので、連絡しときます」とメールが来たのは、9月24日のことでした。どうして「興味がない」との前提かと言うと、「にんにく畑のボンネットバス」でも書いたとおり、あまりにもたくさんのボンネットバスの引き上げを見ているうちに、私は元営林署とか北村ボディのボンネットバスとかの廃車体情報を聞いても、何の反応もしなくなっていたのでした。
（画像の撮影は、海和隆樹様、終点横川目様）
撮影：海和隆樹様（丸森町 2009.8.22）
林の中の廃車体
その廃車体は、こんな感じの場所にありました。
木々に囲まれ、その姿をほとんど隠している姿は、何か得体の知れない物体に見えます。
実際この場所は林道の奥にあり、通常の人はあんまり出入りする場所ではありません。どうして見つけることが出来たのか・・・そっちのほうに興味がわきます。
今日の役者登場
撮影：海和隆樹様（丸森町 2009.9.27）
ボンネットバスを引き出すために最も活躍することが予想されるのが、今トラックの上に載っているバックホーです。小さいですが力持ち。何でも出来ます。
近所の親子が早速見学に来ました。母親に抱かれた子供は、重機が好きなのだそうです。この幼児体験が、この子にいい影響を与えることを祈ります。
色とりどりの花が咲いているのどかな町に、今日はちょっと変わった出来事が起きそうです。
近所の親子が早速見学に来ました。母親に抱かれた子供は、重機が好きなのだそうです。この幼児体験が、この子にいい影響を与えることを祈ります。
色とりどりの花が咲いているのどかな町に、今日はちょっと変わった出来事が起きそうです。
現場に接近する
撮影：海和隆樹様（丸森町 2009.9.27）
ボンネットバスがある場所はまだだいぶ奥のようです。いつもなら、その場でボンネットバスをトラックに載せてしまうのですが、今回は大型トラックが通れない道なので、バックホーが単体で現場に向かいます。
この道のり、意外に長いようです。サポート隊が4WDで後を追います。
撮影：海和隆樹様（丸森町 2009.9.27）
現場到着
ボンネットバスが眠っている場所に到着です。
若手の桂田さんが両手を広げて待っています。セルフローダーの所有者で、いくつかの引き上げバスも所有する桂田さんは、いつもきびきびと働きます。
仕事の前にちょっと一息
撮影：海和隆樹様（丸森町 2009.9.27）
本格的な作業に入る前に、一息つきます。これが今日のサルベージの主な実働メンバーです。
作業の合間にも余裕を忘れないサルベージ隊でした。
作業の合間にも余裕を忘れないサルベージ隊でした。
撮影：海和隆樹様（丸森町 2009.9.27）
後ろから引き出す
作業が始まります。バスの後ろのほうから引き出すと言う段取りのようです。
まずはバスの後ろのほうの茂みを取り除くことから開始。側面の窓の形からして、このバスは富士重工製ボディのようです。
向きを変える
次にワイヤーをバスの後輪に引っ掛けて、バスを持ち上げながら角度を変える作業に入ります。
大きなバスがそんなに簡単に持ち上がるのでしょうか。
そんな心配をよそに、ワイヤーをリアタイヤやリアのフックなどに次々と付け替えながら、小刻みに向きを変えてゆきます。
見ているうちに林の中のバスはだいぶ姿を現しました。
その間に車内を見てみます
大きなバスがそんなに簡単に持ち上がるのでしょうか。
そんな心配をよそに、ワイヤーをリアタイヤやリアのフックなどに次々と付け替えながら、小刻みに向きを変えてゆきます。
見ているうちに林の中のバスはだいぶ姿を現しました。
その間に車内を見てみます
車内は補助椅子付きです。
運転席の様子です。
屋根の上に植樹されていた・・・
撮影：終点横川目様（丸森町 2009.9.27）
長いこと木々の中で暮らしていたせいで、屋根の上にはしっかりと木が生えていました。分厚い土とともに根を張っています。さすがに鉄板の屋根を貫通してはいませんでしたが。
そんな屋根の上をかたずける皆さん。「その昔、皇室で記念植樹したものです」などと軽口を叩きながら軽やかに作業が進みます。
そんな屋根の上をかたずける皆さん。「その昔、皇室で記念植樹したものです」などと軽口を叩きながら軽やかに作業が進みます。
撮影：終点横川目様（丸森町 2009.9.27）
道路に引き出す
今度はワイヤーをフロントに引っ掛けて、バスを道路に引き出します。
このバスは、前輪は回りますが後輪は固着しているようです。
後ろ向きに牽引
この場所に向かう途中の道が狭いので、バックホーでボンネットバスを牽引していきます。後輪がロックしているため、バックホーの廃土板で後ろのほうを少し持ち上げながら進みます。なので、バスは後ろ向き。 伏見さんがボンネットバスの運転台に座り、タイヤが脱輪しないように、後ろを見ながらハンドルを操作します。
一方の海和さんは、重機の移動で荒れた路面を鍬で均します。
狭く薄暗い道を大型車で移動するには、神経を使います。
その間に、このバスの素性でも
白石営林署の所有だったようです。
ボディ銘板：1967年式いすゞBXD20です。
近所の皆さんのお見送り
撮影：終点横川目様（丸森町 2009.9.27）
近所の住民の皆さんも運ばれてゆくボンネットバスをお見送りです。
「古い〜」とあっけにとられる子供と「懐かしい」と声を上げるおばあちゃん。世代によって感慨は異なります。みんないつまでも見送ってくれました。
「古い〜」とあっけにとられる子供と「懐かしい」と声を上げるおばあちゃん。世代によって感慨は異なります。みんないつまでも見送ってくれました。
撮影：終点横川目様（丸森町 2009.9.27）
犬にも見送られ
道端に住んでいる犬もボンネットバスを見送ります。「どこに連れて行くんだワン」などと言っています。
ちなみに私は犬とボンネットバスはよく似ていると思います。なので、ボンネットバスをもし動物に譬えたいのなら「イヌバス」と言うほうがいいと思います。
積載完了
撮影：終点横川目様（丸森町 2009.9.27）
林道を牽引してくる距離は長かったですが、こうしてセルフローダーに積み込んでしまえば、あとは一路格納場所へ向かいます。
動かない後輪をカバーするために何度も持ち上げたせいか、ボディ後部がつぶれてしまいました。
動かない後輪をカバーするために何度も持ち上げたせいか、ボディ後部がつぶれてしまいました。
撮影：終点横川目様（丸森町 2009.9.27）
出発
引き出しに時間が掛かったせいか、あたりは既に薄暗くなってきました。
今回の廃車体は、ガラスがすべて割られてしまっていますが、ボンネットの状態などは良好です。
林道の奥に押し込まれていたとはいえ、目をつける人は目を付けていたようで、所有者の方によると、2年程前には解体業者から買取の申し出があったとのこと。鉄屑になってしまえば元も子もありません。
こうしてバスのまま引き取られていくことが、このバスにとって幸運であろうと思います。
秘密基地に到着
今回のバスを保存する秘密の場所に到着です。
まず後ろを持ち上げて後輪を地面に下ろし、次にフロントを持ち上げて全体を地面に下ろしました。あたりは既に真っ暗。1日がかりのサルベージはこれにてほぼ終了です。
まず後ろを持ち上げて後輪を地面に下ろし、次にフロントを持ち上げて全体を地面に下ろしました。あたりは既に真っ暗。1日がかりのサルベージはこれにてほぼ終了です。
Alacarte
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