テキサス球蹴日記 〜激闘・プレミアリーグ編〜 San Antonioの生活レポートはこちらから

何たる幸運!米国行きで諦めていたサッカーを「プレミアリーグ」で続けることができたのです!毎週アフター5に繰り広げられるリーグ戦に、ただいま唯一のアジア人として参加している奮闘の記録です。


 第15話 7人のSAMURAI達 

(第18節) Roaring 20's vs One Touch 

 今回の人数不足は深刻でした。事前のアナウンスではマイク、ネースン、ボブ、キャサリン、私のジャスト5名。当日には子供が生まれたばかりで寝不足のデビットと、前日まで病気だったロランドが加わったものの、前後半で60分の長丁場を戦うには極めて厳しい陣容。何より攻撃の核であるクリス、ジェイスン、ブライアンの3本柱を同時に欠いたのは今回が初めてです。

 おまけに前回(私のデビュー戦)は快勝だった相手は大幅に戦力補強。特に中盤で左右に動き、少ないタッチでボールをフィードした高校生が効いています。R20は、前線でプレスからパスカットを狙う戦術ですが、彼が裏のスペースを狙うので身動きがとれず、全体のバランスが崩れてゲームを完全に支配されます。

 なんとか耐えてきた前半20分、ボブの際どいクリアに対して不運にもファールの判定。難なくPKを決められ、私が参加してから12試合目で初めてのビハインドです。

 ところが後半、彼が「学校の練習があるから帰るよ!」と、チームメートのブーイングを受けつつサッサと立ち去ったことから一気に流れが変わり、R20が一方的な攻勢。私も一発を狙っていたところへ、真後ろからロビングが来ます。両脇を相手にマークされている状況ではこれしかないでしょう...必殺のバイシクルシュート!

 のはずが、ボールは遥か頭上を通過。私はつられて飛んだ相手DFと絡まって二人で背中からズド〜ンと落下し、観客どころか審判まで笑っています。ハズカシカッタ。。。

 私のお馬鹿なプレーにめげず、R20は怒涛の攻めを続けますが、ゴール前の壁はなかなか切り崩せません。「もはやこれまでか」と覚悟した後半25分、マイクがドリブルで2人を抜き去り意地の同点弾。さすがキャプテンです。しかし、その後も次々とシュートを浴びせるものの、体力が限界に近い状態ではフィニッシュに正確さを欠き、そのまま引き分けに終わりました。

 結果としてこのドローは上出来かもしれませんが、攻撃のバリエーション不足や、ワイドに振られた時のマークのズレなどが不安材料として残ります。果たして次節でこれらを修正して、Big Ballsとの最終決戦に臨むことができるのでしょうか。

Roaring 20's 1-1 White: One Touch

第18節現在の首位争い
1位 Big Balls (Black) 15勝1敗2分 勝点47
2位  Roaring 20's (Purple) 15勝1敗2分 勝点47
3位  Anacondas (Grey)  13勝2敗3分 勝点42

ご愛読いただいている方へ
 この日記では、チームメートとの交流を通じて体験した、文化の違いへの戸惑いや、同じスポーツ選手として共感したことなどを順次紹介してゆこうと思っています。試合経緯はその伏線ですので、登場するメンバーの名前を少しずつ覚えていただければ幸いです。 


日記一覧

第1話 SWプレミアリーグ参加への道のり
 
何たる幸運。米国転勤が決まった時には、「でもサッカーはこのまま現役引退かぁ...」と嘆いたものですが、まさか研究室の隣にサッカーグランドがあるとは。。。 
第2話 いよいよリーグ戦デビュー!
 
とにかくみんな楽しそう。何かいいプレーがでるたびに、あちこちから「グッ・ジョッ!(Good Job)」の声がかかり、選手交代ではベンチ全員でハイタッチ。日本にはそうそうない雰囲気です。
第3話 爽やかおじさんチームとの対戦 
 外国に行くとよくあるパターン。挨拶してから"今の人は誰だっけ?" 日本人が珍しいのか、相手チームのメンバーから見物客まで次々と紹介されるので、肝心のチームメートの名前を覚えられません...(泣)
第4話 ブラック・レアルマドリー登場
 前季無敗で優勝した最強チームとの対戦です。黒いユニフォームをまとった強面の巨人達は、まさに「逆レアルマドリー」。リラックスしていた前節までとは違い、みんな試合前のアップから真剣そのものでした。
第5話 テキサスの長い暑い半日 
 テキサスはまだまだ35度を越える日々。しかも、このSan Antonio一帯は、夕方になるにつれて気温が上がり、試合の頃が一番暑くなるそうです。
第6話 特集@サッカーに使える英会話 
 チーム最年長のアドルフはチームのムードメーカ。様々な世代・人種が集まるR20’にとって非常に大きい存在です。大きなピックアップ・トラックで会場に乗り付けた時から、メンバーに声をかけて回ります。
第7話 テキサス流の手荒い歓迎 !?  
 珍しくカードが飛び交う激しい展開。ただでさえ目立つ日本人なのに、前線で動き回るせいで最近はマークがきつい。次々とチャージされたので消耗が激しく、試合途中で胃痙攣を起こしてしまいました。
第8話 ちょっと嬉しかった話  
 今日は私にとって、一つ良いことがありました。実はこれまで、ブライアンとほとんど話をしたことがなくて、「ポジションが時々重なるから怒っている?それともアジア人が嫌い?」などと気になっていました。
第9話 すべては家族のために!! 
 今節からキャプテンのマイクが復帰。娘さんが生まれたので2週間の休暇をとっていたことがやっと判りました。日本と違って良い職場環境ですね。こちらでは、家族と一緒にいる時間が大切にされます。
第10話 特集@サッカーに使える英会話(その2)
 この頃はチームにかなり馴染んできましたが、プレー中の「言葉の壁」が悩みどころ。そこで、サッカー用語に関する一覧表を作ってMLに流したところ、意外に大きな反響がありました。
第11話 テキサン・サッカーはメキシコ流?
 国境までわずか3時間。GKとFWを兼ねるカンポス選手や、"蟹バサミ"で有名なブランコ選手を生み出してきた隣国MEXICOの影響か、このリーグも全体的に個人技が容認される土壌があります。
第12話 愛嬌のあるロシアの熊さん
 ロシアから来たオレグは元々アイスホッケーの選手で、厳しく当たりに行くタイプ。普段から審判に目をつけられて、時々カードをもらってしまいます。
第13話 ゲルマン魂と日本流恩返し
 5号ボールを片手で軽々と鷲掴みする大男ロランドは、やはり他のメンバーとはちょっと違う雰囲気。自信に溢れていて、プライドが漂うのですが、それでいて決して奢っているような印象はありません。
第14話 ラッキーボーイになった一日
 交代早々、足元に来たボールを反射的に叩くと、そのまま先制ゴールのアシストに。おまけに自分のミスパスが相手DFに当たって決勝ゴール。どうやら何も考えずにプレーしたのが幸いしたようです。

第15話 7人のSAMURAI達
 
今回の人数不足は深刻。前日までジャスト5名。子供が生まれたばかりで寝不足のデビットと、病気だったロランドが加わったものの、攻撃の核である3本柱を同時に欠いたのは今回が初めてです。

第16話 走りながら考える狩人達 
 
試合が始まると私以外のメンバーがさっさと交代するので、きっかけがないまま前半はズルズルとフル出場。優柔不断な私としては、この「走りながら考える」判断の早さに見習うべき点も多いです。
第17話 リベンジを誓いつつ  
 試合途中から頭の中が真っ白になって経過をよく思い出せません。直前から横殴りの大雨が降り出したなか、先頭を切って相手陣地に切り込んだ景色とか、所々の記憶が断片的に思い浮かびます。
第18話 激戦再び!プレミアリーグ・プレーオフ編
 いよいよプレーオフ(カップ戦)が始まります。第2シードに入ったR20’は3回戦から。試合勘を取り戻すため、誘い合わせてアフター5の練習に励みます。ところが練習前のストレッチ中に突然激痛が!
第19話 日露コンビで最初のリベンジ成功! 
 リーグ戦で上位を争い、今回のトーメントでも準決勝で対戦すると思っていたAnacondasが敗退。ポール、ネート、ミシェル・ディアナ姉妹など、友達が多いチームだったので、私としてはちょっと残念。

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SWプレミアリーグとは? 

 全11チームがホーム&アウェイで対戦。試合時間は30分ハーフ。審判は地元のサッカー協会から1名(有資格者)が派遣されます。主なルールは下記の通り。

1. フィールドは約55m×約36m。ゴールは幅約300cm×高さ約90cm。
2. スライディングタックルには自動的にイエロー・カード(その後2分間の退場処分)。
3. オフサイドなし。但し、フィールドの中央エリア上空を横切ってボールを移動させてはならない。(*)
4. ゴールキーパーを含む全ての選手は(インプレー中に)手を使用してはならない。
5. プレーヤーは5名。ゴールキック、味方スローイン、相手チーム交代時に無制限でサブと交代可。

* ピッチ上に自陣・中央・相手陣地を各1/3に区切るラインがあり、自陣から相手陣地までダイレクトで蹴り込むと「オーバーライン」とコールされ、相手チームの間接FKとなる。


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