テキサス球蹴日記　〜激闘・プレミアリーグ編〜　＞San Antonioの生活レポートはこちらから

何たる幸運！米国行きで諦めていたサッカーを「プレミアリーグ」で続けることができたのです！毎週アフター５に繰り広げられるリーグ戦に、ただいま唯一のアジア人として参加している奮闘の記録です。

 第13話　ゲルマン魂と日本流恩返し

（第１６節） Roaring 20's　4−2　Mint Schooners

　今節は先に試合のあったBig Ballsが、私達が先々週に快勝したチームとドロー。私たちにとってはビッグチャンスです。上手い女性が揃った対戦相手と聞いていましたが、先週から好調のオレグに続いてブライアンのゴールで前半を折り返し、ハーフタイムの会話にも余裕が漂います。

　そこに気の緩みが出たのか、後半は一転して苦しい展開に。ハーフラインからのドリブラーに対応できず、あっという間に５試合ぶりの失点を喫して浮き足だち、立て続けにシュートを喰らっては、ＧＫボブの好セーブでなんとか凌ぐ有様で、いつ同点になってもおかしくない時間帯が続きます。

　しかし、ここ２ヶ月間を勝ち切ってきたチームには、不思議な勝負強さが生まれていました。後半２０分、攻め疲れた相手の隙を縫ってＤＦ裏へ走り込むと、すかさずクリスからスルーパス。ＧＫを背負ってマイナスに折り返すと、逆サイドから上がってきたロランドが無人のゴールへ蹴り込みます。

　５号ボールを片手で軽々と鷲掴みするこの屈強なドイツ人は、やはり他のメンバーとはちょっと違う雰囲気です。自信に溢れていて、プライドが漂うのですが、それでいて、決して奢っているような印象はありません。

　先日、彼と偶然一緒になったグループの成果発表があり、彼がプレゼンテーター役を自主的に買って出てくれていたので、実は試合前にこんな会話をしていたのです。

私：　この前はありがとう。お礼にゴールをアシストしなきゃね。
ロ：　それはいいね。今季はディフェンスが多くてゴールが少ないんだ。
私：　自分は昔からゴールより他人をアシストするほうが好きんだ。
ロ：　ふ〜ん。それは珍しいね。期待してるよ。

　個人差は当然あるとは思いますが、なんだか国民性が現れている気がしませんか？このＲ２０’の多国籍ぶりを象徴するコンビから生まれたゴールが結果的に決勝点となり、ついに単独首位に躍り出ました。リーグ戦もあと残り４試合です。

ご愛読いただいている方へ
　この日記では、チームメートとの交流を通じて体験した、文化の違いへの戸惑いや、同じスポーツ選手として共感したことなどを順次紹介してゆこうと思っています。試合経緯はその伏線ですので、登場するメンバーの名前を少しずつ覚えていただければ幸いです。　

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SWプレミアリーグとは？ 

　全１１チームがホーム＆アウェイで対戦。試合時間は３０分ハーフ。審判は地元のサッカー協会から１名（有資格者）が派遣されます。主なルールは下記の通り。

1. フィールドは約５５m×約３６m。ゴールは幅約３００cm×高さ約９０cm。
2. スライディングタックルには自動的にイエロー・カード（その後２分間の退場処分）。
3. オフサイドなし。但し、フィールドの中央エリア上空を横切ってボールを移動させてはならない。（*）
4. ゴールキーパーを含む全ての選手は（インプレー中に）手を使用してはならない。
5. プレーヤーは５名。ゴールキック、味方スローイン、相手チーム交代時に無制限でサブと交代可。

* ピッチ上に自陣・中央・相手陣地を各１/３に区切るラインがあり、自陣から相手陣地までダイレクトで蹴り込むと「オーバーライン」とコールされ、相手チームの間接ＦＫとなる。

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