テキサス球蹴日記　〜激闘・プレミアリーグ編〜　＞San Antonioの生活レポートはこちらから

何たる幸運！米国行きで諦めていたサッカーを「プレミアリーグ」で続けることができたのです！毎週アフター５に繰り広げられるリーグ戦に、ただいま唯一のアジア人として参加している奮闘の記録です。

 第11話　テキサン・サッカーはメキシコ流？

（第１4節） Roaring 20's　5−0　Going Post-al 

　今節は人数が少なく苦戦を強いられました。前半はなんとかイーブンで終了。ハーフタイムには、相手プレイメーカーのマークを徹底することで、建て直しを図ります。

　後半から数名が到着してリフレッシュしたこともあり、Ｒ２０’は中盤でボールを奪って攻勢に転じ、ジェイスン(写真)のゴールを皮切りに、前半の苦戦がうそのように次々とゴールを追加してゆきます。

　ちなみに彼は、ゴール前でキープして相手をわざと引き付け、チャンスをつくる独特のテクニックを持っています。背負いながらゴールとＤＦの位置を見切り、足裏やヒールを使って、一瞬にしてシュートコースにボールを運ぶ技は、ちょっと真似できそうにありません。きっと小さな頃から、１on１に慣れ親しんできたのしょう。

　私も最近は「遊び心」がついて、試合中に１on１の勝負を楽しむようになりました。終了間際、クリアボールを拾ってそのまま相手ゴールへ独走。右足でボールを左へ叩いた瞬間、左足でＧＫ股間を抜く南米スタイルのフェイント・シュートが決まり、６試合ぶりのゴールで試合を締めます。

　メキシコとの国境までわずか３時間。ＧＫとＦＷを兼ねるカンポス選手や、"蟹バサミ"で有名なブランコ選手らワールドクラスの個性派を生み出してきた隣国の影響か、このリーグも全体的に個人技が容認される土壌があります。日本でも、上手・下手に関係なく、もっと１on１で勝負する雰囲気があれば楽しいなぁ...と思うようになりました。

　ただし、これはＴＰＯを考えてプレーすることが前提です。特に自陣で無理な勝負をして失点すると、チームの雰囲気が悪くなります。余裕のある状況や、ここぞという場面では個人技を楽しみ、リスクがある場面では手堅くプレーする。このメリハリをメンバー全員が実行できるチームが私の理想です。

　さて、これでＲ２０’は9連勝(12勝１敗１分)。ジェイスンが転職準備のため、しばらくお休みは痛いですが、この連勝はそうそう簡単に止まることはないでしょう。

ご愛読いただいている方へ
　この日記では、チームメートとの交流を通じて体験した、文化の違いへの戸惑いや、同じスポーツ選手として共感したことなどを順次紹介してゆこうと思っています。試合経緯はその伏線ですので、登場するメンバーの名前を少しずつ覚えていただければ幸いです。　

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SWプレミアリーグとは？ 

　全１１チームがホーム＆アウェイで対戦。試合時間は３０分ハーフ。審判は地元のサッカー協会から１名（有資格者）が派遣されます。主なルールは下記の通り。

1. フィールドは約５５m×約３６m。ゴールは幅約３００cm×高さ約９０cm。
2. スライディングタックルには自動的にイエロー・カード（その後２分間の退場処分）。
3. オフサイドなし。但し、フィールドの中央エリア上空を横切ってボールを移動させてはならない。（*）
4. ゴールキーパーを含む全ての選手は（インプレー中に）手を使用してはならない。
5. プレーヤーは５名。ゴールキック、味方スローイン、相手チーム交代時に無制限でサブと交代可。

* ピッチ上に自陣・中央・相手陣地を各１/３に区切るラインがあり、自陣から相手陣地までダイレクトで蹴り込むと「オーバーライン」とコールされ、相手チームの間接ＦＫとなる。

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