§.阪神ファン・選手・球団に告ぐ
猛虎眠り猫か?、我が阪神#1]
(To HANSHIN Tigers and its fan)

−− 2002.11.28 エルニーニョ深沢(ElNino Fukazawa)

 ■はじめに
 本当はこの文は去年載せたかったのですが、何せホームページを開設したのがつい最近なのでタイムリー性には欠けることを承知の上で載せました。この原稿は去年既に出来ていたのですが。
 さて今年の阪神タイガースは第4位と、一応は最下位を脱出しましたが、これを「最下位を脱出して良かったじゃん」と見るか、「相変わらずBクラスやんけ、4位と最下位とどう違うんや」と見るか人それぞれだと思います。因みに私は後者ですが。

 ■阪神ファン・選手・球団への苦言と提言
 (1)阪神ファンの皆さんへ
 先ず阪神ファンの皆さんへ、貴方(貴女)方は阪神タイガースに強く成って貰いたいと思わないのですか?、とお訊きしたい気持ちにさせられて仕舞います。ま、たかが野球ですから色々な楽しみ方が有って良いとは思いますが、弱いタイガースが好きなんて言う人は究極のマゾヒストと言わざるを得ませんよ。少なくとも私には理解出来ませんし、私の知っている巨人ファンの中には1人も居ません、弱い巨人が好きなんてのは。特に巨人ファンの人は例え第2位でもめちゃめちゃ悔しがりますよ。ところが阪神ファンの人は去年の様に4年(でしたっけ、もう忘れました)連続最下位でも悔しがっている人を余り見掛けませんでした。尤も、諦めの境地と言うのか万年最下位に悟りを開いて居る人が多いのかも知れませんね。ひょっとしたら球団も選手もそういう悟りを開いて居るのかも知れません。
 しかしこれでは困ります、私は。やはり自分の応援する球団は強い方が良いし、第一甲子園に見に行った時でも勝っている時の方がビールが断然旨いのです。私はここ数年は毎年シーズンの中盤以降は大阪ドームへ近鉄を見に行っちゃって甲子園には行く気もしません。

 そこで私が阪神ファンの皆さんに第1に言いたいのは、弱い阪神など見に行くな、ということです。弱いのに結構観客が入るから球団も選手も漫然として、”所謂一つ” −これは長嶋茂雄氏の口癖で一時流行語化した− の危機意識が麻痺して仕舞っているからです。弱かったらお客さん入らへん、という状態を作り出さないとダメです。
 第2マスコミ報道に付和雷同するな、ということです。今年が好い例で、開幕7連勝でもう優勝とか言い出して、まあ冗談としてなら良いですが、結構いましたね、真剣な表情で「今年はちゃうで、今年は遣って呉れるでぇ」なんて唾を飛ばして居た人を。
 私はこの開幕7連勝の直後に阪神ファンの人に良く諭して言って遣ったものです。即ち、野球は長丁場でっせ、開幕7連勝ったって7/140=1/20じゃないの、相撲に譬えたら一番幕尻の力士が初日・2日目と連勝したからって誰も優勝なんて言いやしませんよ、もっと戦力を分析せなアカンで、付和雷同したらアカンでってね。ま、勝負事ですから勝った負けたで一喜一憂するのは大いに結構ですが、物事を短絡的に見たら行けません。私は前から感じていたのですが、どうも阪神ファンにはこの短絡型が多い様ですね。ま、巨人ファンの様に変に陰(いん)な所は有りませんが。
 更にヒドイのは星野監督の選手掌握術を奉り上げた便乗モノの”経営書”なるものが出て来て呆れるばかりです、まあ便乗商法は何時もの事ですが。そしてマスコミ、ファン一体と成って「今年は違います、今年の星野阪神は変わりました」などと”常套句”を絶叫して居ました。これをラジオの中継で聞いて居て、私はアレッと思いましたね。それは確か野村克也監督の一年目にも、上の”常套句”の「星野」を「野村」に変えただけの文を叫んで居たのでは?、とね。その結果どう成りました?、大して変わって無いのです。私はアナが有ったら入りたい気持ちですよ、ったく。えっ、貴方も入りたいですって?
 ま、ファンの皆さんにこれ以上言うのは止めましょう。悪いのは選手や球団ですから、本質的には。

 (2)選手の皆さんへ
 やはり何と言っても弱い阪神のA級戦犯は選手です。当ったり前でしょ、グラウンドで実際に遣っているのは貴方たちなんですから。もっと責任を感じて貰わないと困りますよ。
 選手に第1に、真っ先に言いたいのは、負けた時はもっと悔しがって呉れ、ということです。140試合の長丁場ですから負け試合だって沢山有るでしょう、しかし負けてヘラヘラしてたら行けません。勝負事に生活を賭けている訳ですからもっと貪欲に「勝ち」にこだわって貰わないと困ります。そこはファンの立場とは大違いだということをもっと認識しないと行けません。
 第2は140試合の長丁場を乗り切る肉体的且つ精神的な耐久力を付け為さい大体何処のチームでも1人か2人位は全試合出場者が居るのに、阪神には1人も居ないのが情け無いですね。貴方たちに一番欠けているのはこの耐久力です。特に勝負所の夏場に弱い、だから常に「ひ弱」なイメージが付いて回るのです、貴方たちには。特に気持ちの面、精神的なひ弱さを感じるのは私だけでは無いでしょう。変に技術的な練習を遣るよりも寧ろ坐禅とかで精神修養を積む方が良いんじゃないですか?
 そこで第3の提言ですが、これは第2の提言の解決策の1つ(坐禅もそうですが)で、これは寧ろ監督・コーチへの提言に成りますが、冬季の練習やキャンプでは、グラブやバットを持たずひたすら走り為さい、ということです。今迄の練習方法では全くダメだということです。野球の専門家では無い私が何故こんな事を言うのか?
 これは阪神だけでは無く全球団共そうですが、昔に比べて「走る」練習が極端に少なく成って居ませんか?、近代的な最先端の機械を利用し効率的に遣るのが時代の趨勢ですが、耐久力と言うのは苦しみに打ち勝つ所から培われて来るものです。だから余り「効率的」に遣って仕舞うと耐久力は強く成りません。その証拠に昔に比べ投手の完投数が極端に減って居ますしエースと呼ばれる投手の勝ち星も昔の半分位です。私はリーグの最多勝ち星が15勝以下の場合は最多勝利賞は該当者無しにしろ、が持論です。金田や米田など往年のエースと言われる人たちは皆良く走り込んで体を造ったのです。そんな事星野さんの方がヨッポドご存知の筈ですよね。
 大体バッティングなんて毎日練習したからって上手く成る訳では無いし、そんなのはシーズン開始間際に遣れば大体の勘を取り戻せるものです、1年間自転車に乗らなくても乗れて仕舞う様なものだと私は思うのですが。それより冬場遣らなくては行けないのは真っ先に走り込みですよ。冬場の走り込みが夏場の耐久力の元に成るのです。
 そして第4は、秋季キャンプや秋季練習は止め為さいということです。これは逆効果ですよ。昔は秋は遣らなかったのに、こんな事を遣るから選手がサラリーマン化して平均化して仕舞うのです。何故って、シーズンオフにも野球付けにして選手を家畜化して居るだけだからです。もっと「放し飼い」にしないと、選手は野球をするという本来の目的を忘れて単にグラウンドに通(かよ)って来るだけに成り下がって仕舞います。だから野武士的な個性有る選手が出て来なく成ったと思うのです。
 序(つい)でに言うと、今は球団独自の個性有る練習とか伝統とかが無くなりましたね。皆同じ事を遣る様に成ると結局はお金の有る球団が強い、という事に成りますよ。子供たちに夢をなんて言うんだったら、野球はお金だけでは無いという所をもっと見せて欲しいものです。
 ま、この位にしますが、兎に角FA制導入以後、年俸の高騰と反比例して選手が「ひ弱」に成っている現状は由々しき事態です。ファンをバカにして居ませんか?

 (3)球団へ、とくに野崎と久万へ
 この球団はハッキリ言ってどう仕様も無い。本当は球団をもっと経営能力の有る所、例えば吉本興業にでも売却して球団経営から足を洗って欲しいというのが偽らざる思いです。しかし売らないでしょう。弱くても年間200万人も入っていて、阪神電鉄にとって球団はドル箱ですからね。こういう点でも気の好い阪神ファンが、球団のイイカゲンな体質を結果的に助長して居るということに気が付くべきです。私は他の人の様に阪神電鉄が小さい会社だからなどと言っている訳ではありません。小さくたって立派に遣っている所は幾らでも在ります。最近の様に何でも合併で図体ばっか大きくして居る風潮を私は冷ややかに見て居ます。又、阪神電鉄の経営に対しても文句は有りません。電鉄の経営に限ってみれば手堅く遣ってるという印象です。
 しかし、球団はもう腐って居ます。だから阪神球団には色々言いたい事は山程有りますが、却って焦点がボケることの無い様に、一つ、たった一つだけ言わして貰います。それには去年野村サッチーの脱税疑惑で球団が国税の調査を受けた時点で夫である野村監督を解任しなければ為らなかったのに、ズルズル行ってサッチーの逮捕に及んで漸く重い腰を上げたという事態を思い出して下さい。あれだけ大きな社会問題に発展させたのは、これはもう野球だけの問題では有りません。球団全体の経営責任が問われた問題です。それなのに、新監督の星野人気の影に隠れて球団は何も責任を取って居ません。だから私は次の一言、これだけを声を大にして言います。

 野崎と久万は今直ぐ辞任しなさい、未だ何もオトシマエが付いて無いぞ。
 野崎、久万、そして球団よ、恥を知れ!


ということです。こんな事を許しては行けませんよ、阪神ファンもファンで無い関西の市民も。こんな事を放置して居るのは関西の恥を曝して居るのと一緒ですよ。残念乍ら私の知る限り、関西からは阪神球団の態度に対する批判の声は聴けませんでした。但し東京の人は、こんな事は東京では絶対有り得ないと言って居ます。

 ■結び − 関西に住む全ての皆さんへ
 最後に、関西に住む全ての皆さんへ一言。余り何でも「な〜な〜」で済ませては行けませんよ。物事には常に原因と結果が有り、悪い結果を引き起こす悪い原因を摘み取らないと又もや同じ結果が生まれるということで、それがケジメって言うものです。野村を星野に代えてもケジメを付けた事には成りません。今FAで中村ノリの獲得に躍起ですが、前述した様に例えノリを獲得出来ても付和雷同しては行けません。昨年、アリアス・片岡で付和雷同してたことを思い出して下さい、その結果どうなりました?
 これも既に述べてき来たとですが、一喜一憂するのは結構ですが一方で冷静に戦力分析する眼が必要なのです。私の見る限り、どうも関西人には冷静な眼や心が欠如して居る様に思えますが、どうですか?
 今、関西は不況のどん底で、その状況は東京や名古屋と比しても目を覆うばかりです。私はこう思って居ます、これは決してこじ付けでは無く、特に酷い関西の不況は「冷静な眼や心の無さ」の結果です。つまり阪神球団も関西全体も人材不足です。これをもっと判り易く言うと
  関西には役に立たん人間はようけ居るけど、
      役に立つ人間は余り居らん。

ということでっせ!!

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−−− 完 −−−

●関連リンク
参照ページ(Reference-Page):「六甲おろし」の歌詞と由緒▼
エルニーニョの「六甲おろし(六甲颪)」(The Rokko-Oroshi)
日本人の付和雷同癖▼
私の健康論−不摂生は健康の母(My healthy life)


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