HALF AND HALF JOURNAL
無 意味 な 破 片 無意味な破片
Fragments
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★聞いたらハッピーな気分〈あなたのそばに〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2014.4.23 半分半分放送局長―ともあれ、第一ホテルが反天皇派に嫌われた理由がよく分かったな。 はせ川食堂 特派員―フランスが嫌われたのは当然ですね。 編集長―明治維新のモデルだったから、なあ。 アロマ―そして、代わりに近くの内幸(うちさいわい)町に第一ホテルアネックスがオープンした。ところが、3年後なぜか新館も閉鎖されて54年の歴史に幕が下りた。記憶も消されるか、と憂いていたら、その次の年1993年本館の跡地に第一ホテル東京がオープン。復元したところはないみたいね。 編集長―芸術的な価値がある調度品や絵画などは、どうしたのかな? 放送局長―高く売り払ったに決まってる。 特派員―新橋第一ホテルに飾っていた絵画は第一ホテル東京には一枚もないと思いますね。専門業者がホテル側から安く買って、どこかに高く売ったはずです。 編集長―追跡すれば、おもしろいことが分かるだろう。しかし、ミント・グリーンと白は残っていないな。 ☆ 編集長―大館橋たもとのエピローグにも簡単に触れよう。 アロマ―はせ川食堂のラスト・シーンについて言うと、1973年1階と2階を借りてV字型の階段を壊したのは函館に本社があるトーホー(東邦)信販という会社だった。東の邦という意味だけど、片仮名で書いてる。御成町に移ったのは1987年。アトリエを開いた次の年ね。 特派員―映画制作の東宝と同じ発音ですね。 編集長―そう。大館に帰ったとき調理場の勝手口が波トタンの小屋に変わっているのを見て、ショックを受けたね。それで階段の窓を一度も見なかった。 放送局長―復讐だな。 編集長―ぼくが聞いたのは、暴力団に悩まされて食堂をやめたということだけだった。 アロマ―珠美さんが黙っていたなんて、信じられない。 ナモネ氏―私も何も言いたくない、なあ。林一幸でさえ沈黙していたもんだ。 編集長―誰一人、暗示さえもしなかったな。 特派員―しかし、V字型の階段のオリジナルは新橋第一ホテルの内部か東宝映画の作品にあるというヒントになるかもしれませんよ。 ☆ 放送局長―映画の東宝は山本嘉次郎監督の関係で〈無意味な破片〉の会話によく出るよ、な。ウィキペディアの記事によれば、第一ホテルを経営した小林一三の阪急東宝グループは外人専用の広尾アパートをも経営した。有栖川宮記念公園の近くにある。ハセはあの公園によく行ってたな? 編集長―そう、ときおり。73年か、公園に都立中央図書館が完成してから、だな。池に沿ったゆるやかな階段を歩きながら、歩幅を合わせにくい設計だといつも思った。上がったところに有栖川宮熾仁親王の青銅の騎馬像が立っている。コンプレックスを感じさせたな。あの公園の一番の想い出は、池の水がどこから流れるか、疑問に思って水道管のある水源にまで渓流をさかのぼってみたことだ。他には別にないな。広尾は地味な街だった。ぼくは自転車か地下鉄日比谷線の広尾駅で降りて公園に行ったけど、祥雲寺前の商店街も寂れた印象で横目で見るだけだったね。画廊があったことは覚えてる。 アロマ―ニース風ストア(stoa)の地中海通りは? 編集長―あれができたのは70年代の終わりころだったな。 放送局長―図書館で本を読むためにあの公園に行っていたとは夢にも思わなかったね。 編集長―その行動について考えると、今は単純になれない。有栖川宮記念公園にプライヴェートな歴史のリンクがあるとは、な。 放送局長―あのころ広尾のおばさんについては一言も言わなかったな? 編集長―忘れてるときのほうが多かったね。一度本気になって恵比寿の家を調べようとしたけれど、渋谷区役所で聞くと、空襲で記録が残っていなかった。あの辺も慣習的に広尾と言われていた。 放送局長―空襲で焼け出されたあと、房子さんは〈広尾のアパート〉に移ったそうだけど、あの広尾アパートを連想する。コンクリート建築だから、焼け残ったんじゃないか? 編集長―自然な連想だな。父はそう言ったあと、楽しいフィルムを見るような表情だった。そして、その話をしてから2か月後に死んだよ。当然ぼくは有栖川宮記念公園近くの広尾アパートを想い出したけれど、古い広尾アパートについては何も分からない。ぼくが知ってるのは図書館と同じころ建てられた機能主義の新しい建物だ。 アロマ―正式に言えば、広尾タワーズと広尾ホームズ。 編集長―普通は広尾アパートだった。 ☆ ☆ ☆ ☆ V字型の階段の記憶
47 A The nearness of you;
Milt Jackson Quartet ▼ List 7 芸術 文化; 山本嘉次郎の《暗黒街》のメッセージ 映画監督のメッセージ 有栖川公園のエセー |
★人には理解しがたい天使と悪魔のような〈ドミノ〉 ☆ ☆ ☆ Updated 2014.16
ナモネ氏―イタリアの街を舞台にしたラブ・ロマンスだったな。見なければ、と思ったんだが、運が悪かった。はせ川食堂にはラテン音楽ファンも多かったよ。 アロマ―〈二つの橋〉は日本とイタリア合作で、初の海外ロケーション・ドラマね〔2〕。それで、森サカエの歌を聞こうと思ったけど、〈二つの橋〉はインターネットにないの。 編集長―何かあるね。
放送局長―ジャズだな。 ☆ アロマ―ええ。それから、思いがけない発見。森サカエの歌をYOUTUBEで探していたら、NHKのシリーズ番組〈わが心のスタンダード 101〉でミント・グリーンのキュロット・スカートに白いレースのベストを着て歌ってるのよ。イニシャルがDではじまる歌を集めた日。最初にペギー葉山の〈Domino ドミノ〉が出る。2番目に高橋伸寿の〈Days of wine and rose 酒とバラの日々〉3番目に森サカエの〈Dina ダイナ〉最後がタイム・ファイブの〈Dream 夢を見て〉日付はない。ペギー葉山はかなり疲れた感じで歌ってる。 ナモネ氏―1980年代後半の番組だと思うが… 放送局長―見てから、話そうか ? ☆ 放送局長―〈二つの橋〉を歌ったんだから、森サカエに着せれば、大館橋の南たもと栄町のはせ川食堂、というのは冗談に聞こえるか?冗談でないと思う。 編集長―しかし、そういうファッションは普通じゃないね。 アロマ―そうね。見たことがないけど、ミント・グリーンと白は、さわやかな空気があふれる森の中のようだわ。エア・コンディッショナーのすずしい風よ。 編集長―そう、オープンしたときはそういう色だったかもしれないな。新しい食堂のマッチ箱にも使われてる。そして、ミント・グリーンと白は新橋第一ホテルのタグ・ラベルと同じ配色だ。 ナモネ氏―そうだ。やはり薄緑色と白の配色は新橋第一ホテルのデザインだと考えたい。 アロマ―新橋第一ホテルのどこに使ったのかな?ソファーかな? 編集長―テーマ・カラーとしていろんなところに使われたかもしれない。 アロマ―コスチューム・プレイの裏は番組のディレクターが知ってる。 編集長―誰がそんな指示を出したか、分からないけれど、ペギー葉山はそのファッションを見て新橋第一ホテルの黄金時代を想い出したね。高松宮ネットワークの人たちも、そうだ。 アロマ―何のために? 編集長―あるときからミント・グリーンと白の配色は復讐のメッセージになったと思うね。あの長椅子は蜘蛛の巣とほこりだらけの半地下の倉庫にずっと眠っていた。3組だけ残っていた。はるみの3度目の心臓手術のあと、アトリエに改造するときまで残っていたのは、奇跡的だ。 ナモネ氏―長谷川秀之の勇気に感嘆するよ。 編集長―そうだったのか …? 特派員―食堂での長椅子の配置はどんな風だったんですか ? ナモネ氏―ブロックの壁に向かって、左側の窓際と右側のビニール張りの壁に並んでいた。 編集長―列車の座席のイメージだったな。あいだにチョコレート色のテーブルがあった。 ナモネ氏―デコラを張ったテーブルは見たことがなかったもんだ。 放送局長―とにかく、この長椅子は永久保存だな。 ☆ ☆ ☆ ☆ V字型の階段の記憶
46 A Domino; ペギー葉山 1 Showa pops
Encyclopedia HP 2 発言小町HP NHKオンライン ドラマ番組放送記録+カテゴリー小史 長椅子 第一ホテルのタグ・ラベル ▼ List 1 V字型の階段の記憶 42; 東宝映画の新橋第一ホテル 新橋第一ホテルの黄金時代 ▼ List 1 V字型の階段の記憶 43; 第一ホテルで憲法草案とスウィング・ジャズ |
★〈アイ・ル・ビ・シーイング・ユー〉の心情に国境はない[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2014.5 半分半分放送局長―個人を認めない国というのは、原始的だ。しかし、根強く残ってる。人は社会的な生きものであるだけじゃないんだ。 アロマ―そんなこと、分かってる。男と女の関係にきびしい。平安時代には自由なイメージがあるけど、サムライがめちゃくちゃにしてしまったのね。 放送局長―おそらくそうだろう。江戸時代には徹底的に自由が消された。キリシタン絶滅が第一の目的だと思うね。 西バイパス 地下道 アロマ―編集長はキャンパスの生協で歌舞伎全集を見て全部読んだ人ですね。あたしが聞きたいな、と思うのはその中にキリシタンの悲劇があったか、ということ? 編集長―そういう芝居はなかったな。キリシタンとそれに関連する言葉は禁止されたのかもしれない。キリシタン禁止令のときか、そのあとに、ね。関連するというのは、連想的に暗示することもだめだ、と意味が広がる。 特派員―偽装的な表現がうまくなりますね。 ☆ 放送局長―心中事件なんていうのは、偽装キリシタン芝居の疑いがあるんじゃないか?ハセは高校時代に文化祭で〈曽根崎心中〉を演出したけど、何かないか? 編集長―近松門左衛門という劇作家は不条理な封建制度を告発した。そういうテーマから恋愛の悲劇を描いたと考えるのが、常識だ。ぼくが〈曽根崎心中〉を文化祭で芝居にしてみたいな、と思った動機は他にないね。恋愛の悲劇に涙を流す人は、社会と国家の在り方に泣いてる。それを背景に見なければ、何も読んだことにならない。 放送局長―民主主義の国に生きる人たちは、甘いな。二人の世界と言って夢を見て… 特派員―今はドラマが見えない。 編集長―あの芝居についてもう少し言うと、クラスで上演した。語りは舞台の脇でストーリーを読むんだけど、主役を演じる男二人はそれにアクションを合わせるのがむずかしくて、練習のときは何度も笑った。そうして楽しんでるときに、語りをやる人間が独裁者のように見えてきた。語り役の友人はぼくのもうひとつの芝居でヒトラーの最後を独演してるから、偶然のアナロジーだった。ぼくはおもしろがって喜劇的に主役に縄を何本か付けて人形劇風にしようと思った。近松のあの作品は人形浄瑠璃だったから、な。しかし、その冗談は舞台装置をつくるのが大変だから、実現しなかった。 ☆ アロマ―人形劇のように、ね。人がそういう演技をするって、大変なことよ。 特派員―シアトルのワシントン大学で人を本当にあやつる遠隔操作の実験に成功したそうだよ〔1〕。フィガロによれば、アメリカ人の研究者がSF映画のような帽子をかぶり自分の脳波を記録して数百メートル離れた場所にいる受信者に転送すると、アンテナを頭に付けた受信者は単純なヴィデオ・ゲームを見て、無意識的に送信者が思考したとおりに標的を打った。 編集長―宇宙時代だから、何が発明されるか、心配だよ。 放送局長―おれは、火がついてるタバコに何度も火をつけようとしてる。 特派員―そんな馬鹿なことはできないはずですよ。 アロマ―本当の放送局長なんて、ね。 ☆ ☆ ☆ A I'll be seeing you;
Sylvia Bennett 1 Le cerveau humain commandé à
distance Par Stéphany Gardier -
le 28/08/2013 Le Figaro カリガリ博士と眠り男 ▼ List 4 メディア・ストーリー;
ショー・タウン |
★不安な夜のメロディのようでない〈ブルームーン〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2014.3.25 放送局長―新橋第一ホテルは、高松宮日記に出るか? 南側から見た大館新橋 [改築後] Filming;2010.8.19 放送局長―第2次世界大戦直前の日記がないのは、残念だな。 アロマ―高松宮が行かなかったとは思えないから、サーチしたら、公益社団法人JCBL(JAPAN
CONTRACT BRIDGE LEAGUE)のHPに新橋第一ホテルと高松宮殿下夫妻が並んでいた〔1〕。1973 (昭和48) 年11月コントラクトブリッジ愛好者の連盟創立20周年記念祝賀会に臨席したのね。高松宮宣仁(のぶひと)は1953年の連盟発足から名誉総裁だった。 ナモネ氏―橋の建設ゲームと言えば、大館橋と真中橋だよ。 編集長―新橋に第一ホテルが建設されたのはその続編だろうな。 放送局長―高松宮がJCBLを設立させて名誉総裁になったんじゃないのか? 編集長―そう、コントラクトブリッジ愛好者の連盟とニュー・ブリッジ、新橋の関係は深いな。 アロマ―どんなゲーム? 大館新橋の下 [改築後] 向こうの通りは旧国道7号線 Filming;2006.5.25 編集長―忘れてしまったよ。有名なケーニヒスベルグの七つの橋とは関係がないゲームだ。 特派員―なぜコントラクトブリッジというんですか? 編集長―橋の建設は危険だったから、だろう。それが象徴する鉱山経営はギャンブルみたいなものだったから、だろう。 特派員―高松宮は日記にジャズとダンス音楽が好きだと書いていた。東宝の演芸会を見た日に。第一ホテルとの関係は個人的にもかなり自然ですよ。 ☆ 放送局長―新橋という橋はあるのか? 編集長―アロマに調べてもらったら、新橋駅の東、銀座八丁目交差点の南側にあった。銀座第一ホテルの近くだけど、思っていたとおり橋は存在しない。 アロマ―汐留川に架かっていた橋ですね〔2〕。江戸時代から。1872(明治5)年最初の鉄道が開通したあとアーチ型の石橋が建設されたけど、いつ完成したか、百科事典にも情報がないの。明治40年代の絵葉書にはしゃれたアーチ型の新橋がある。1951年から汐留川の埋め立て事業がはじまり、川が東京高速道路の用地になって新橋も消滅した。 編集長―父に会うために銀座第一ホテルに行ったとき、地下鉄銀座線新橋駅で降りて、そこを通ったかもしれないな。何も覚えていないのは工事現場だらけの大都市のイメージにぴったりだ。 ☆ 編集長―大館の新橋には奇妙なストーリーがあるよ。 ナモネ氏―あれは1960年完成。国道7号線が陸橋で花輪線の谷を越えるようになった。石田博英の力だよ。旧市街のゲート新橋ができたら、橋の下の地域に住宅が増えたもんだ。 編集長―林さん一家が我が家の裏を出て新橋の向こうの低地に家を建てた。1970年、ぼくが学生のときだった。 ナモネ氏―まず片山に、新橋の西のほうに引越した。そこから桂馬跳びのように美園町に移って住んだ。サハリンの風景に似てるのか、と冗談を言ったもんだ。新橋のファンだとは思わなかった、なあ。 放送局長―ある人から聞いたけど、そういう屈折した動きは方違(たが)えという厄払いの風習だ。サハリン帰りの演劇青年がよく知ってたな。 ナモネ氏―アイスクリーム製造機も山田桂月堂を回って、長谷川食堂に入った。 特派員―なるほどね。あの橋がなぜ新橋なのか、分からなかったけど、味気ないどころか、複雑微妙なんですね。 ☆ ☆ ☆ ☆ V字型の階段の記憶
45 A Blue moon; Les
Brown & His Orchestra 1,2 wikipedia 橋の建設 ▼ List 1 v字型の階段の記憶21;大館橋は特別な橋だよ アイスクリーム |
★ロマンチックだけど、影が深い〈月の光の青い鳥たち〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2014.3.18 半分半分放送局長―ペギー葉山のジャズを聞いたのははじめてだよ。フィーリングがいいね。 アロマ―東京空襲の経験者なのよ〔1〕。ずっとジャズを歌ってる。 ナモネ氏―80年代半ばに一度大館に来てるな。ロイヤル・ホテルで歌った。 アトリエ アロマ―外に出ない人ですね。編集長は? 編集長―一度会ってみたいな、と思ったけど、やめた。それだけでいい気分だった。 アロマ―しょうがないわね。名前の問題だけど、逗子のとなりにある葉山には天皇御用邸と高松宮など皇族の別邸がある。高松宮の別邸は有栖川宮威仁(たけひと)が1891(明治24)年に建てた〔2〕。 放送局長―葉山はそういう町だな。ペギー葉山のイメージにぴったりだ。 アロマ―そうね。ペギー葉山はミッション系の青山学院高等部にいたときからアメリカ軍のキャンプなどでジャズを歌っていた〔3〕。卒業して、第一ホテルのスター・ダスターズの専属歌手に選ばれた。たぶんそのときペギーというニックネームに葉山が付いたと思う。 放送局長―高松宮か山本嘉次郎がバンド・リーダーの渡辺弘に頼んだのかもしれないな。皇族には先天的に演劇的な才能があるよ、な? 編集長―しかし、道楽でそんなエレガントな帽子を贈ったのかな? ☆ 放送局長―もちろん理由もなくそんなことをやるわけがない。最初の専属歌手石井好子と言えば、ジャズが下手でシャンソン歌手として後世に名前を残す人だけど、母親は久原房之助の長女久子なんだ〔4〕。 ナモネ氏―A級戦犯容疑者で不起訴になった久原の… 編集長―軍国主義の黒幕の一人。公職追放されてるときだな。 特派員―明治末期1891年から1903年まで小坂鉱山の経営者だった。 放送局長―つまり、大館橋と真中橋建設計画を妨害した主謀者の一人が敗戦後新橋第一ホテルのジャズ・コンサートでもこっそり嫌がらせをやった、そういう因縁がある。 編集長―GHQと天皇派に対して、ね。 放送局長―1946 年9月12日日比谷公会堂の〈リンゴの唄〉事件の続編だよ。そういう演出は戦前から外務省情報局の仕事だ。〈文化という美名に隠れて〉に関する会話でしゃべってるよ。 特派員―そう言えば、米放送局長は情報局の芸術文化統制についてこういう風に真実に触れてる。〈曲の題名や歌の内容をも指導する〉 アロマ―誰かに向けてメッセージを送るために、ね。 編集長―そう、渡辺弘楽団は9月12日日比谷公会堂の慈善芸能祭で2曲演奏してる。楽団というのはスター・ダスターズだろう。高松宮日記によれば、主催は恩賜財団などで、高松宮が協力した。スター・ダスターズのファンだったんじゃないか? アロマ―そうね。第一ホテルで聞いてたかもしれない。 ☆ 放送局長―まだある。石井好子の父親は元朝日新聞社専務の石井光次郎衆議院議員なんだ〔4〕。テロ組織と縁が深い緒方竹虎、小磯内閣情報局総裁は、朝日新聞時代の先輩だ。1947年鳩山一郎の自由党内閣の商工大臣に就任したが、これもやはり公職追放だよ。彼らは超国家主義者の疑いがある。 アロマ―それで、第一ホテルのスウィング・ジャズ・コンサートでも火花が散ったわけね。公職追放された1947年は石井好子が歌っていた年だわよ。ちょっとかわいそうね。 特派員―ばれないわけがない。GHQは、馬鹿にされてると怒ったんじゃないか? 放送局長―バーボンやグラスが相当割れたな? アロマ―でも、おもしろくないジャズね。そんな映画ができたかどうか知らないけど、1950年にナンシー・梅木が専属歌手になった。小林多喜二と同じ小樽出身の歌手〔4〕。しかし、彼女はなぜかアメリカに行って57年映画《サヨナラ》でアカデミー助演女優賞をもらい女優になった。日本には帰らなかった人ね。 ナモネ氏―そうか?しかし、小樽で生まれ育った歌手なら多喜二のことはよく知ってるな。私には名前だけの存在だったもんだ。 ☆ ☆ ☆ ☆ V字型の階段の記憶 44 A Bluebirds in the moonlight; Glenn
Miller and His Orchestra 1 終戦前後の地図 HP 2 神奈川県HP 3 4 wikipedia その他 大館橋と真中橋 ▼ List 3 高松宮日記メモ;〈リンゴの唄〉の秘密 ▼ List 1 敗戦後劇場;〈リンゴの唄の秘密〉をめぐる対話 情報局 ▼ List 3 高松宮日記メモ; 文化という美名に隠れて 石井光次郎 ▼ List 4 メディア・ストーリー; ショー・タウン 2 緒方竹虎 |
★楽しく軽快なアレンジで〈虹のかなたに〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2014.3.8 栄町ゴミ収集所 編集長―東京の近代文学館はガラス・ケースに本を飾っていたよ。 特派員―あそこも徳川派が牛耳ってる図書館ですね。 ナモネ氏―情報教育のプロだから、なあ。さきがけ新報は第81回多喜二祭と書いてるが、それを信じてもらいたいと思ってるのか、ねえ? 編集長―そういうのは聞いたことがないな。81回の後悔があると言いたんじゃないのか? 特派員―徳川派と右翼と? ナモネ氏―共産党だ。 編集長―政治機関だろうと、マス・メディアだろうと、組織は組織。悪い組織はだめだ。 [cat willow 2014. 2.21] ☆ 半分半分放送局長―ハセの組織論は早稲田キャンパスで評判になった。久しぶりで聞いたよ。 特派員―そうですか?どんな組織論ですか? 放送局長―学生運動の内ゲバつまりセクトの思想的な対立が暴力的な争いに発展していた。共産主義国と資本主義国の対立もエスカレートした。マスコミや知識人はそういう対立を思想の必然性からとらえようとしたけど、ハセはそれだけじゃないと言った。どれも組織という共通の構造を持っているから、行動に類似点があることを見なければいけない、主義思想に責任があるとはかぎらない、と。 特派員―法学部の学生らしい考え方ですね。 編集長―そういう話をしたかもしれない。全体と個人の関係がむずかしいのはどんな集団あるいは組織でも似ているから、形而上学的に還元してみたんだろうな。対立抗争が思想から必然的に引き起こされるのか、組織というある目的を持った全体から来るのか? 放送局長―多喜二虐殺事件は、言うまでもなく国家と共産主義の対立関係が引き起こした。共産党の内部で多喜二と上層部の思想的な対立があったか、分からないけど、組織の存在が危ない状況なら、生物的な運動になるのはよくあることだな。 編集長―思想的な対立があったというのは聞いたことがないね。 放送局長―組織の活動をめぐる争いは、よくあることだ。 ☆ ナモネ氏―それは別にして、川口の住民たちが多喜二の追悼記念祭を毎年開いてるが、共産党は個人的に参加を認めてるだけだ。党が関係したがらないのは、いいことでないと思う。多喜二の死に責任があるから、な。 特派員―ええ、そう思います。大館市と国が無関心なことにも苛立ちを感じていますよ。 アロマ―記念館建設に金を出してもらわなければ。 ナモネ氏―そうだ。正しい歴史を伝えようという気持をまず第一に見せてほしいもんだな。 特派員―50年で老朽化するような建物じゃなくて、ね。 編集長―ぼくは何度か多喜二虐殺事件の歴史があるから助かってると思った。そういう意味からも記念館建設に賛成だね。歴史には人間を保護する力もある。 ☆ 放送局長―ハセの言うゴミ箱事件を聞くと、おもしろいと思うよ。 編集長―そうだな。あれは71年の春か、いつものように日付があいまいだけど、アパートからキャンパスに歩いて行くと、文学部の向こうの十字路に群集がいた。学生が多かった。十字路からキャンパスまでは左側に商店が並び、右側には早稲田実業高校の塀が延びてる。群集はその狭い通りから押し出されるように歩いていた。非常に静かだった。しかし、ぼくは眠気から覚めないまま何も考えないで群集の中を通りぬけて、不意に機動隊が通りに現れたのを見て、立ち止まった。盾がぎっしり並んで、音もなくこっちに迫ってきて、不思議な映像だった。警棒にたたかれたら終わりだと思ってたから、走って逃げたけど、群衆が詰まってるから、だめだった。すると、コンクリートの塀の前に大きなゴミ箱があった。その上にジャンプして、その勢いで塀を飛び越えた。反対側には幸運なことに砂場があって、楽に着地できたよ。それから校庭に出ると、授業中の高校生が退屈そうに眺めた。そこにずっといれば、青豚つまり機動隊員が追いかけて来ないか、心配だったけど、裏口を見つけて通りに出ることができた。 特派員―学生たちは火炎瓶や石を投げたんですか? 編集長―そういう荒々しい騒ぎはなかった。機動隊が装甲車とともに大学に出動したのはなぜか、ただ状況を知るために集まったにちがいないね。これは当然のことだ。 放送局長―しかし、それが特定の一人をねらった計画だとは、あまりにも小説的だな。 編集長―ぼくもそう思ったことはないね。しかし、国際テロ組織との戦争がはじまってから、あれは食品テロのように不特定多数の人間をねらったように見せかけて個人をねらった犯罪じゃないか、と考えるようになった。本人はそんな認識がないから、汚い国だ。 放送局長―暴行されても、被害者とは見なされないな。 特派員―疑惑が本当だとしたら、警察による殺人未遂事件ですよ。ねらわれた理由は何でしょうか? 編集長―法学部の学生が変なエセーや小説を書いたから、じゃないのかな? 放送局長―長谷川という名前だから、さ。 特派員―大館だから、と考えてもいいんじゃないかな? ☆ ☆ ☆ A Over the
rainbow; Les Brown & His Orchestra 1 秋田さきがけ新報 2014/02/21
09:44 ▼ List 4 メディア・ストーリー; 多喜二の死と築地警察署と築地市場 |
☆ ☆ ☆ Updated 2014.2.19 アロマ―東京の雪景色も悪くないわね。 特派員―8日夜から降って27センチの積雪。 半分半分放送局長―9日朝は〈銀世界〉というニュースを見て、急に寒気がしたよ。 特派員―きのうのソチ・オリンピックの開会式がフラッシュ・バックした。 ピロシキ アロマ―真っ白な雪のニュースにつづいて白い粉の話って、やはり変ね。 特派員―しようがないよ。最近何かと話題になってる米粉について、ちょっと図書館で調べたら、農林水産省の援助のおかげで米粉用の米の生産量が平成20年から急激に増加したそうです。約600tから約34000tに。農林水産省は生産振興だけでなく、米粉用の製粉機の整備促進など各種支援制度を用意して、米粉の技術開発やスイーツなどの用途開発に取り組んでいる。 編集長―あんなまずい粉をこっそり混ぜてもらいたくないな。 アロマ―割合が分からないのよ、ね。スイーツの量を増やすだけ。 放送局長―安い米粉を使っても、値段は下がらないから、なあ。 ナモネ氏―米粉用の米なんていうのは聞いたことがないぞ。まるで戦争末期の食いものだ。 放送局長―政府がすすめるなんて、悪質だよ。止めさせなければいけないことだ。 [cat willow 2014. 2.9] ☆ 編集長―橋向こうのSP(ショッピング・センター)でピロシキを見つけたよ。メイカーはヤマザキ。98円。 アトリエ アロマ―でも、そんなことは書いてない。いつまで売るか分からないから、記念撮影。 編集長―原材料の表示を見ると、ビーフ以外の肉も使ってる。味は悪くないな。 特派員―フィリングは、タマネギ、豚肉、牛挽肉、赤ピーマン、春雨、卵黄パウダー、エトセトラ。 アロマ―エトセトラ?卵黄の粉って、味を悪くすると思うけど? 編集長―品質によるだろうな。普通は素材として使わない。 アロマ―ミックス粉はパンの味を劣化させる。麦芽糖、砂糖、脱脂粉乳、食塩、植物油脂、小麦粉だって。 編集長―表示してるから、これはまだ良心的だよ。 アロマ―そうね。普通はミックス粉と書いてるだけ。街の雪は…? 特派員―不安な連想だ。どうなってるのかな? 編集長―CO2も2酸化硫黄もオゾンもPM2.5もエトセトラもミックスだよ。 アロマ―米さんは風邪だって。〈銀世界〉という言葉にショックを受けたんじゃないの? ☆ ☆ ☆ A You´re the cream in my coffee Les Brown & His Band ▼ List 7 文化; 国際的なサシミとスシの恐怖 |
☆ ☆ ☆ Updated 2014.2.26 特派員―2月11日付けの東奥日報によれば、沖縄のアメリカ軍基地の負担を減らすために爆撃訓練移転計画が三沢市に持ち込まれたそうです。三沢市と関係団体の意向は受け入れに反対していません。 編集長―爆撃訓練は三沢市内でやるのか? 津軽海峡フェリー・ポート ナモネ氏―理由はグアムの台風の影響を避けるためだと言うが、今年の台風は凶暴なのか、ねえ? 編集長―南太平洋で発生する台風より凶暴なのが青森県にあるんじゃないかな?それを偵察して予防するのが本当の目的かもしれない。 特派員―そう言えば、ものすごい渦巻きがある。渦巻きの卵が… 半分半分放送局長―1か所か? 特派員―6ヵ所ですね。 編集長―宇宙から遠隔操作する飛行機だそうだけど、宇宙衛星による偵察ではだめなのか? 放送局長―撮影の問題もあると思うね。 [cat willow 2014. 2.18] ☆ 特派員―中国が試験飛行に成功した超音速ロケットはBBCも報道したけど、ぼくはただ中国のハイ・テクノロジーの発展に感心した。ところが、〈ロシアの声〉によれば、あのロケットはロシアとアメリカについで中国が3番目の保有国で、アメリカと日本のMD(ミサイル防衛)構想が役に立たなくなるそうですよ〔2〕。 放送局長―それは知らなかったな。 編集長―核爆弾搭載可能な超音速ロケットの完成というニュースだけでアメリカと日本の多くの防衛兵器がすべて廃棄処分だ。 放送局長―ということは、日本はこれから莫大な軍事費が必要になるわけだ。 編集長―ただ安全保障のためにでも、だ。 放送局長―鉄砲の時代とちがって、完全な防衛システムでなければ意味がないな。しかし、そのために国の財政が自滅に追いこまれる危険がある。レーガン(Ronald Reagan)大統領のスター・ウォーズ計画はそれが本当の狙いだというジョークがあった。 編集長―事実、ソ連はそのとおりになった。最後にはアメリカから小麦粉を買って生活していた。 特派員―そうそう、アメリカの小麦粉で生活。デパートの食品売り場はがらがら。オープンしたマクドナルドの前に長い行列。 編集長―ハンバーガーの発明に感謝しなければいけないな。 ☆ ☆ ☆ A What's new ; Tommy Dorsey
Orchestra Frank Sinatra 1 NHK 朝日新聞 2014年1月22日 2 16.01.2014 日本語版 フランス語版 |
☆ ☆ ☆ Updated 2014.2.16 特派員―あのイルカ漁は残酷ですね。 大館橋南 アロマ―ケネディ(Caroline Bouvier
Kennedy)大使が反対したのは当然よ。愛嬌のある人間好きなイルカを殺すなんて、ね。 特派員―アメリカ政府は〈追い込み漁の非人道性について深く懸念〉しているとツィッターに書いたね〔1〕。しかし、安倍首相はCNNテレビのインタビューで国際社会の理解を求めたそうです。〈ロシアの声〉によれば、〈和歌山県太地町で行われているイルカ漁は、我々の文化に根を持つ古来から続く特殊なもので、それを理解してほしい。〉〈それぞれの国と地域には、世代から世代に受け継がれてきた生活としての特殊な風習がある。そうしたものは尊重すべきだと思う〔2〕。〉 放送局長―〈我々の文化に根を持つ古来から続く特殊なもの〉と言ったって、どういうことかな?我々の、じゃなくて、あの辺の文化でしかない。悪い伝統はやめるべきだ。 編集長―そう、それが文明社会だね。〈世代から世代に〉なんていうのは人間の発展を遅れさせる場合がある。ヒューマニズムや民主主義、自然保護などの理性的な考え方が受け入れられなければ。たとえば、あのイルカ漁の起源について聞くと、いい加減な答でごまかされるはずだ。 特派員―あの起源は蘇我入鹿への呪いですか、ね? 編集長―そうだと思っていい。 放送局長―なぜそうするのか、理解していないのは人間的じゃない。迷惑だよ。正常とは言えませんよ。 アロマ―そうですね。あんなことを平気でやる人間がいると思うと、日本文化にぞっとする。 [cat willow 2014. 2.2] ☆ 特派員―和風料理などの和が大和の意味だと言ってたら、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されましたね。 放送局長―和食というのは、何なのか分からないな。スシとかてんぷらしか想い浮かばないよ。伝統的な日本料理のことか? 特派員―写真で見ただけですよ。 編集長―あんなのを出されても、食べるところがないから、ただ呆然と眺めるだけだね。配色がまずいとかいいとか、思ったりしながら。 アロマ―江戸時代に蝦夷地で日本人を和人と呼んでいたようだけど、大和人の省略じゃないのよ。つまり、その呼び名はヒミコが登場する中国の魏志倭人伝で日本人を倭人と言ったことにはじまる。そうあたしは思った。 放送局長―なるほど。義理堅い人たちがいるもんだな。お陰様で、と思ってるのかもしれないな。 ナモネ氏―中国文化を尊敬しながら中国を滅茶苦茶に破壊したんだから、訳が分からん国だ。 編集長―和食と日本酒で狂ったんだよ。 特派員―和酒と言わない理由は、何ですか?答、酒には和がない。 ☆ ナモネ氏―日本のある種の食べものを見ると、中国人は気持悪くなると思うが、そういう情報はないか? アロマ―見てない。 特派員―話したくないからじゃないか、と思えるけど。 アロマ―侵略された国の人たちの感覚は、やはり日本人とは同じでないでしょうね。 放送局長―アメリカ人にもそういうところがある。野菜サラダ以外に生の食品を極端にきらう。 編集長―それが文明社会であるはずだ。 ナモネ氏―マグロのサシミやスシなどを宣伝普及させると、侵略国だったという歴史を食べさせるようなもんだ。 アロマ―それを意識してない国よ。 放送局長―全然逆だ。 特派員―ベルリンでも宣伝普及のフェスティヴァルをやったけど、ナチス・ドイツは日本の同盟国だった。スシがドイツ文化に定着しますか、ね? 編集長―馬鹿な疑問だ。 ☆ ☆ ☆ A I cover the waterfront; Artie Shaw & His Orchestra 1 TBS 18日21:00 2 voice of Russia 25.01.2014, 11:53 ▼ List 7 文化; 国際的なサシミとスシの恐怖 蝦夷地 ▼ List 2 日本とロシアの関連記事; デペイゼ:東京−モスクワ−パリ 小説《夜の風景》に見るアイヌの悲劇 |
★英語で歌うと気分が出るペギー葉山さんの〈ムーンライト・セレナード〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2014.2.3
ナモネ氏―GHQ本部があるのは日比谷の第一生命ビルだな。新橋の第一ホテルと同じ名前だ。どっちも空襲で焼け残っていたというのは、考えさせる。 半分半分放送局長―アメリカ軍が戦後使うために爆撃しなかった。 編集長―不思議でも何でもないな。ただ、第一ホテルと名づけた理由が分からない。 アロマ―ええ、普通のホテルみたいだけど、新橋の第一ホテルはそれから特別な舞台になった。どういう特別な舞台か?1946年2月3日、民政局長ホイットニー(Courtney
Whitney)准将はGHQ本部に次長のケーディス(Charles L.Kades)大佐、法規課長のハッシー(Alfred R.
Hussey, Jr.)中佐、マイロ・ラウエル(Milo E.Rowell)中佐の3人を呼んで、憲法の原案を書いたマッカーサー・ノートを手渡した。ハッシー中佐が書きとめた文書から翻訳すると、 T天皇は、国家元首の地位にある。天皇の継承は世襲である。天皇の義務および権力は、憲法にしたがって行使され、憲法が定めるように人民の基本的意志に対して責任がある。 U国家の主権的権利としての戦争は廃棄される。日本は、紛争解決のための手段としての戦争と国のセキュリティを維持するための手段としてのそれをも放棄する。日本は、防衛と安全のために今世界を勇気づけている、より一層高い理想に頼る。 陸海空軍は決して認められない。交戦権はどのような日本の軍隊にも決して授けられない。 V日本の封建制度は廃止される。 皇族を除き華族の権利は、今生存する者以上に延長されない。 貴族の特権は、これから以後国あるいは公民(Civic)のどのような統治権力にも具現化されない〔1〕。 ☆ アロマ―マッカーサーの伝記を書いたマンチェスター(William Manchester)によれば、本当は4項目であるはずだけど、これも謎めいてる。ホイットニーは1週間で日本の新しい憲法を作成するよう命令した。3人は宿舎の第一ホテルに帰り、部下を集めて4日から極秘に憲法草案の作成作業を行ない、10日に仕上げた〔2〕。その草案はマッカーサーの承認をえて13日に日本政府に渡された。そして、11月3日新憲法公布。 編集長―そうして戦後日本の方向が決まったわけだ。高松宮日記メモに書いたとおり天皇は権力を失い、それと公平に軍隊は消滅して、民主主義と平和主義の国として再生した。高松宮は国民主権に反対したけど、これは国民が考えるべき問題だろう。 ナモネ氏―開戦前夜の謎と同じように宮様が国民に残した宿題だと思いたい。 放送局長―新橋の第一ホテルで、そんな新しい歴史のページが開かれたとは、夢にも思わなかった。70年前後シティ・ホテルが日常的に市民生活にリンクしたころ、そういうホテルは存在しなかったよ。 特派員―マス・メディアの日影問題ですね。 ☆ アロマ―ハッシー中佐がいるって、おもしろい。 編集長―冗談に聞こえるけど、新しい長谷川食堂の〈長谷〉をひらがなにしたのは父の自慢だったね。そのせいかどうか、小学生のころ友だちは〈はせ〉と呼んでた。 アロマ―ひらがなの〈はせ〉は他にない。 ナモネ氏―アイスクリームを食べながら憲法草案を練った、か?… 放送局長―スウィング・ジャズを聞きながらさ。タバコの煙がすごいな。 アロマ―バーボンの味も最高だわね。うわさのヘンリー・アンダースンがいれば、ぴったりね。 編集長―そうだな。エア・コンディッショナーがあるから、日本を再建する建築設計の仕事に最適の環境だ。 放送局長―ほら、設計図を持ってステージの前にいるよ。パーティやライブに使えるようにするんじゃないか? アロマ―6月から日本のジャズ・バンドが演奏する。 放送局長―新橋駅前の闇市では〈リンゴの唄〉が流れ、第一ホテルではスウィング・ジャズ。 アロマ―コックの大高さんも忙しいわね? 編集長―そう、そこにいれば、芸術家だから、ぴったり合ってる。卵がたりない、とぼやいてるね、きっと。 アロマ―房子さんがステージの前に来て、通訳してる。 編集長―広尾のおばさんは、そのころ三菱銀行勤務だよ。 ☆ 特派員―第一ホテルに出演するジャズ・バンドは、分かってる? アロマ―渡辺弘とスターダスターズ〔3〕。GHQのオーディションに合格したの。 放送局長―テーマ音楽はもちろん〈スターダスト〉だな。専属歌手は ? アロマ―石井好子。 放送局長―東宝の山本嘉次郎監督と東郷青児が来たよ。ステージの演出について話し合ってる。あれ、房子さんの水色のドレス。 アロマ―バックを紺色のカーテンにして、ミラーボールを付けて。 編集長―そろったな。リアルだ。そのころの映像が再現したようだ。 アロマ―よかった。どういう階段か、見えればいいんだけど…それからの専属歌手を言うと 、ナンシー梅木、1951年からういういしいペギー葉山。聞いてみたいと思うわね。 ☆ ☆ ☆ ☆
V字型の階段の記憶 43 注記; 専属歌手については2月12日修正しました。 1 ハッシー文書(Hussey papers) 国立公文書館 2 地球の中の日本、世界史の中の日本人を考える; 前坂俊之 ジャーナリスト 3 wikipedia ▼ List 1 敗戦後劇場; マッカーサー・ノート ▼ List 3 高松宮日記メモ; 関東大震災のニュース: 三年町の有栖川宮邸の不思議さ 開戦前夜の謎 ▼ List 3 高松宮日記メモ; パール・ハーバー a
b c d e 山本嘉次郎監督 ▼ List 1 敗戦後劇場; 映画監督のメッセージ 大館大火の疑惑 F ▼ List 8 歴史 大館と米代川流域; ハチ公ストーリー |
★じっとしていられないリズムに乗せられて〈ジェリーにちがいない〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2014.1.28 アロマ―銀座第一ホテルから山手線の西側、新橋に行くと、最初の第一ホテルがある。歴史がおもしろいの。大館橋が完成した1936年の次の年、昭和12年、宝塚劇団を経営する阪急東宝グループが東宝映画を設立して、それから東京オリンピックのために新橋駅近くに第一ホテルの建設をはじめた。1938年4月29日オープン〔1〕。
アロマ―第一ホテルは地上8階、地下1階、全館冷暖房、エレヴェーター、最新式の厨房設備、レストラン、喫茶店をそなえたホテルで、日比谷の帝国ホテル、赤坂の山王ホテルと並ぶ高級ホテルと言われた。パンとケーキのベーカリーもあった。 ナモネ氏―長谷川食堂のコックの大高さんを想い出したが、アイスクリームもホームメイドでなかったか ? アロマ―アイスクリームがあるのは自然ね。外国人の客が多いから。 ナモネ氏―長谷川食堂のアイスクリーム製造機は第一ホテルの中古品だった可能性がある、なあ。 アロマ―アメリカ製のエア・コンディッショナーがあるから、自然な想像ね。 半分半分放送局長―大高さんはパンを焼いたのかな? ナモネ氏―いや、食パンは長倉町の菓子屋さんから取り寄せていた。 ☆ 特派員―4月29日、昭和天皇誕生日に第一ホテルがオープンという事実は、何を意味すると考えればいいんでしょうか?
編集長―その行為は宮中の儀礼かもしれない。 ナモネ氏―7世紀半ば斉明天皇は安倍比羅夫将軍を遠征させて七座(ななくら)橋の辺りで土地の神に船を献上したから、な。七座神社と天神荘があるところだ。 特派員―船と橋は鉱山経営の象徴ですね。 ナモネ氏―大館橋と真中橋も捧げものだろうな。普通の建設とは訳が違う。 放送局長―すると、第一ホテルは天皇に捧げる意味があったと考えていいのか、な? 編集長―そう、芸術作品を誰かに捧げるような行為だろうな。第一ホテルの利益になるよ。 特派員―勝手にイメージのコネクションをつくっていいんですか? ナモネ氏―あの時代に許可をえないで、やれたとは思えないな。反天皇派の陸軍幕府は2年後の東京オリンピックを成功させるために妨害しなかったかもしれない。 ☆ アロマ―敗戦後のタグ・ラベルの絵を見ると、第一ホテルの鉄筋コンクリートづくりの建物はツインだけど、一種のミラー・イメージじゃないかな? 放送局長―ミラー・イメージと言っていいな。 特派員―ちょっと数えてみますか?向かって左の建物が8階。右のほうが11階。 アロマ―これは1960年、昭和35年7月増築された新館。 編集長―最初のタグ・ラベルは、はせ川食堂の長椅子の背もたれと同じ配色だな。薄緑色のビニールと白い縁取り。第一ホテルの内部にそんな配色があったのかな? アロマ―白黒写真ばかりで、分からない。 編集長―第一ホテル東京のHPトップに出るロビーと壁画について何か言ってもいいと思う。 アロマ―問い合わせてみたら、新橋第一ホテルのコピーではないということだった。 ☆ ☆ ☆ ☆ V字型の階段の記憶
42 A It must
be Jelly; Glenn Miller Orchestra 1 wikipedia 阪急東宝グループ ▼ List 1 敗戦後劇場; 映画監督のメッセージ 大館大火の疑惑 F アイスクリーム ▼ List 10 はせ川食堂; 料理名人の大高さん
ホーム・メイドのアイス・クリーム 大館橋と真中橋 ▼ List 8 歴史 世界と日本; 造船物語と建築 ▼ List 11 仮面について; よい踊りを盗む 5 6 7 8 9 ▼ List 1 V字型の階段の記憶 21; 大館橋は特別な橋だよ
22; 昭和の大館橋と真中橋のメッセージ 天神荘 ▼ List 8 歴史 大館と米代川流域; 天皇と皇族の天神荘ものがたり |
☆ ☆ ☆ Updated 2014.1.23 アロマ―広尾のおばさんの弟には、東京で何かミステリーがなかった? 左端 父秀之 1953年 昭和28年2月 長根山第31回全日本スキー大会 第8回冬期国体スキー大会 旭川国鉄スキー選手団と 食堂地下広間で記念撮影 放送局長―伊豆の帰り逗子の街に寄ったんじゃないか? 編集長―ありえないことじゃないな。 アロマ―そうね。そして、逗子なぎさホテルから第一ホテルにセンチメンタル・ジャーニー。 編集長―敗戦後まもない東京にはよく行ってたみたいだ。新橋の闇市で暴力団にからまれて100円札を取られたエピソードや銀座の〈BIEN〉でオーヴァー・コートを仕立てたことは聞いた。他にあったかどうか…? ナモネ氏―第一ホテルをサーチで出してくれないか? ☆ アロマ―11月、枯葉が地下室に流れてきたある日、編集長にたのまれて第一ホテルをサーチで調べたら、新橋の第一ホテルはすぐ出た。戦前1938年、阪急東宝グループが建てた高級ホテル。でも、銀座の第一ホテルが見つからないの。いつオープンしたか、まだ分からない。 特派員―もう一度サーチして。 アロマ―銀座第一ホテル、開業…これでどうかな? 放送局長―地図にはないホテルだよ。グレン・ミラー・サウンドが何となく聞こえるっていうのは、いいね。 編集長―これはアメリカでの演奏なんだ。映画《グレン・ミラー物語》でもちょっとイントロだけ流れる〈At last〉。 放送局長―トロンボーンがいいな。グレン・ミラー・サウンドには不思議な魅力がある。 編集長―永遠に触れ合ってるんだよ。今この瞬間には過去、現在、未来がある。その奥にはいつまでも色あせない永遠がある。 アロマ―いつ聞いても新鮮。さわやかな気分になる。銀座の第一ホテルは、1972年4月オープン。14階建てのモダンなホテルだったけど、2003年4月終了。銀座三井ビルに建てかえられた。ホテルのタグ・ラベル(荷札)のコレクションに建物が描かれてる。はい。 編集長―何も想い出すことがないな。ただ、長谷川秀之という人は大柄でないけれど、そういう建物が似合うと思ったな。 アロマ―建築設計家の才能は生まれ育った家で決まるという考え方がある。 特派員―大英帝国のサーが言いそうなことだ。 放送局長―遺伝子と環境が問題だよ。 ☆ ナモネ氏―1972年には旧高松宮邸の光輪閣が取り壊されてるな。 旧高松宮邸 光輪閣 昭和18年 1943 7月14日 京都で有栖川宮幟仁親王の皇子、女王の百年祭。別当を遣わす。 天保14(1844)年 沽(きつ)宮 7.14 染宮 8.4 長宮 8.14 奈良中宮寺墓所。 幟仁(たかひと)親王は、明治維新のとき明治の理想を誓った天皇の五箇条のご誓文を有栖川流で清書した人である。長男の熾仁(たるひと)親王は主役を演じた。 亡くなった幼い3人の皇子と女王の年齢は明らかでありません。 ナモネ氏―有栖川宮家絶滅計画の疑いがあるな。 特派員―ええ、それから、14は不吉な数字になり、1878年、明治11年 5月14日大久保利通内務卿暗殺。1930年、昭和5年11月14日浜口雄幸首相暗殺。7月14日はフランス革命記念日ですね。 編集長―光輪閣破却と銀座第一ホテル建設は同時進行らしいな。 放送局長―第一ホテル建設計画が先だろうな。14階にメッセージをこめたあとに、旧高松宮邸のスクラップ。しかし、その反対もないとはいえないな。 アロマ―旧高松宮邸の破却事業計画が決まったから、銀座第一ホテルを14階にした。 ナモネ氏―長谷川秀之がそこに泊まり、そこで息子に会う約束をするとは、な。 編集長―新橋の第一ホテルは、広尾のおばさん房子さんと関係があると思うね。 ☆ ☆ ☆ ☆ V字型の階段の記憶 41 A At last; Glenn Miller Orchestra 逗子なぎさホテル ▼ List 3 高松宮日記メモ; 逗子なぎさホテル 榛名とハルと榛名山 阪急東宝グループ ▼ List 1 敗戦後劇場; 映画監督のメッセージ 大館大火の疑惑 F 光輪閣 ▼ List 1 敗戦後劇場; 恋文横丁の暗い記憶 C 浜口首相暗殺 ▼ List 10 はせ川食堂; 東京の一族がみんな北秋田に帰った ▼ List
1 V字型の階段の記憶 30; はせ川食堂のブロックの壁 ▼ List 5 東京駅暗殺事件
3; 昭和のテロ・シアター |
☆ ☆ ☆ Updated 2014.1.20 アロマ―キャロライン(Caroline Bouvier
Kennedy)さんが駐日アメリカ大使になって日本に来ましたね。父親のジョン・F・ケネディ(John Fitzgerald Kennedy)大統領が暗殺されてからちょうど50年目に。あたしは胸騒ぎがするんだけど、編集長は何でもなさそうですね? 編集長―そう見えるだけだよ。野球で言えば、毎回ひねくれたボールが飛んできて守備で忙しいんだ。ショート・ストップは守備範囲が広いから、な。あの暗殺事件は覚えてるよ。中学1年のときだ。 特派員―そうですか?それなら、何か話してくれなければ… 半分半分放送局長―第2次世界大戦の南太平洋戦線でケネディが乗った水雷艇はNo.109なんだ。 編集長―それは知らないけれど、ぼくはケネディ大統領を尊敬してたね。理由は、南太平洋戦線の英雄だから、じゃない。月に人間を送るアポロ計画をスタートさせたことやヴェトナムへの干渉を止める平和政策を取ろうとしたことだったと思う。個人の力を伸ばそうとした若々しい大統領だった。 放送局長―いい意味でアメリカのかぎりない夢と自由を代表したな。 編集長―そう、若者に受けた。ケネディ大統領がダラスを訪問する様子は、初の宇宙中継で日本でも見れるから、楽しみに待っていた人は多かったはずだ。ぼくは家のテレビで見ようとしていた。しかし、アメリカからのニュースはダラスの街で暗殺。 放送局長―ドラマチックだ。11.22の宇宙中継はうまく行かなかったのか? 編集長―そう、暗殺劇場にならなくて、ラッキーだった。 [Cat willow 2013.11.23] ☆ 特派員―フランス・ラジオがアメリカの歴史学者トーマス・スネガロフ(Thomas Snégaroff)にインタヴューした〔1〕。その記事から第1の質問、〈なぜ50年後でもなおケネディの死について人々はあんなにたくさん話すのか ?〉答、〈誰がケネディを殺したか今でも分からないという事実の不可思議さのせいだ。〉 放送局長―そうなのか?犯人はオズワルド(Lee Harvey Oswald)じゃないのか? 特派員―公式の定説では、ね。歴史学者は、他の仮説を話していないけど、いろいろあるんでしょうね。いずれにしても、それはケネディの人生について考えることですね。歴史学者は〈消えたのは夢に見た若く美しい勇敢なアメリカだった〉とも言ってる。しかし、それらはケネディという人間を知ると偽りの価値だが、人々はノスタルジックなイメージを取って置いている、ということです。 編集長―歴史学者の評価も下がる一方だな。 特派員―第3の質問、〈いつか暗殺犯が知れるか ?〉歴史学者の考えでは、無理だそうです。〈公文書はほとんどすべて開示された。専門的な資料を開くことが残っているだけだ。破棄されるはずだったものは破棄された。たとえば、弟のボビー(Bobby,Robert Francis Kennedy)は事件を調査させたが、1968年暗殺されたあと、その調査書類が妻のジャッキー(Jacky, Jacqueline
Lee Bouvier Kennedy)に与えられると、彼女は燃やしてしまった。〉 放送局長―それで? 特派員―それだけ。 編集長―なぜそんな重要書類を政府が保存しなかったのか? 放送局長―〈破棄されるはずだった〉とは変な言い方だ。保存期間が過ぎた文書という意味か、と思ったよ。 編集長―日本ではよくあることだ。歴史が全然ちがう。ネガ・フィルムみたいなもんだ。 特派員―ええ、向こうでは公文書の勝手な破棄や改変は悪徳だという意識がありますよ。 放送局長―宗教的な意識だろう。 編集長―国のアイデンティティにかかわることだから、だろうな。 ☆ ☆ ☆ A The midnight
hour; Ray Charles 1"La
mort de JFK, c'est la fin d'une Amérique rêvée" Par Baptiste Schweitzer
le Lundi 18 Novembre 2013 à 05:00 Radio
France Info >>> ▼ List
12 安全保障 ;
安倍内閣は南ヴェトナム政権? |
★何かが近づくサスペンス・ムードの〈真夜中すぎ〉[A] ☆ ☆ ☆ Updated 2014.1.18 特派員―アメリカは個人の生命を大事にする国ですね。12月に入ってアメリカ政府は民間航空会社に対して中国が設定した東シナ海防空識別圏の飛行計画書を中国の要求どおり提出するよう助言した。日本政府は、逆です。 市営新町、中町アパート ナモネ氏―観念というのは大和魂のことか? 放送局長―古いですねえ。 アロマ―大きさも和もない国。汚れた何かが青空に浮かび上がったみたいね。 ナモネ氏―東シナ海には戦前の縄張り意識が強いな。 特派員―安倍普三首相が靖国神社を参拝したけど、大和魂には世界中が非難の声を上げてる〔1〕。 放送局長―アメリカ政府の抑止効果もなかった。残念なことだ。 ナモネ氏―今度の靖国神社参拝は宣戦布告の予告のようなもんだよ。 特派員―一番過激に論評したのは中国で、中国共産党の機関紙人民日報系の環球時報は安倍首相を〈テロリストと大差がない〉と決めつけた。外交関係がどうなるか、心配ですよ。 放送局長―大和魂のこわい冬将軍がやってきて、暗い年の暮れになったな。 [Cat willow
2013.12.27] ☆ アロマ―安倍首相の靖国神社参拝に対してアメリカ政府は〈失望〉と批判した。小泉純一郎首相が靖国参拝を繰り返した当時批判しなかったので、日本政府は意外に思っている様子ですね。 放送局長―わざとらしいな。国務省のハーフ(Marie Harf)副報道官は30日こう率直に言ったよ〔2〕。〈われわれが選んだ言葉から(日本への)メッセージは非常に明確だ。〉安倍首相は民主主義を葬る行動を次々と取った。特定秘密保護法と国家安全保障会議法、そして、大和魂礼賛の靖国神社参拝だ。第2次世界大戦の非侵略国の人々には、カミカゼ、自殺攻撃を意味する。安倍首相はA級戦犯として起訴された岸信介元首相、満州帝国の影のナンバー2の孫だから2度も首相になれたのだ。戦争犯罪を否定するどころか、継承している。 編集長―日本人はそのことを理解してないな。 特派員―個人の存在を認めない古臭い国ですから、ね。 ナモネ氏―編集長は長谷川喜之助の孫として苦労したが、対照的だよ。 アロマ―米放送局長の話を聞いて、理解できた。中国外務省の秦剛(チン・ガン)報道局長は30日〈中国人民は歓迎しない。中国の指導者も会うはずがない〉と述べて、安倍首相が現在やるべきことは誤りを認めることだ、歴史認識を改めることが対話の前提だ、と強調した〔3〕。 編集長―アジアを解放するとだまして中国を侵略したことは絶対に言い訳できないよ。 ☆ 特派員―安倍首相がどんな対応を見せたか、と言うと、6日中国の首脳との会談を呼びかけた。靖国神社参拝の真意を説明するために。しかし、外務省の華春榮(ホァ・チュンイン)報道官はこう非難した〔4〕。〈安倍首相は口先では対中関係重視と言うが、実際には彼の言葉はうそ偽りだ。彼は自ら中国の指導者と対話する扉を閉ざした。〉〈実際の行動で隣国との関係を改善〉するべきだ。 ナモネ氏―あいかわらず遠交近攻だ。遠い国と交わり近い国を攻める、という兵法の政策。 放送局長―平和のためではないな。 編集長―構図を見れば、分かることだよ。第2次世界大戦のときはナチス・ドイツと連携してソ連と中国を挟み撃ちにしようとした。誇大妄想的な世界戦だった。それが外交政策に現われてる。日本がモンゴルやインド、中東と親密な関係を築けば、中国人は亡霊におびえる。 放送局長―隣国と仲良くしないのは必然的だ、と知ってるわけだな。靖国神社参拝が世界平和のためだと信じてもらうには、オープン・ザ・ドアで、特定秘密保護法も廃棄処分にして、島国をできるだけ明るくしなければ、だめだな。 ナモネ氏―そうだ。政治でも歴史でも秘密があるのはおもしろくない。秘密が増えれば、それだけ不安が強まる。人間関係と似たようなもんだ。 特派員―秘密があると思うだけで、特派員はおもしろくないね。 ☆ ☆ ☆ A Round midnight; Thelonious Monk 1 TBS 27日11:21 2 共同通信 2014/01/01 22:26 3 共同通信 2013/12/30 19:43 4 TBS 06日19:44 世界戦 ▼ List 3 高松宮日記メモ;
妄想的な戦線 |
☆ ☆ ☆ Updated 2014.1.14 半分半分放送局長―ジャン・サブロン(Jean Sablon)はフランスではじめてマイクで歌った歌手か? 大館橋南交差点 放送局長―ジャズがドーバー海峡を越えて来た?なるほど、ね。 アロマ―そして、34年ロンドンに行きBBC放送でショーをやって大成功。36年2月フランスのラジオ局でショー番組〈Cadium Variété 〉を持つ。それからアメリカのNBCとショー番組〈The Magic key〉の契約。おもしろいことに電話回線で世界中の大都市に送信されたそうよ。進んでる。 特派員―まるでインターネット放送だ。RCAの電話回線だよ。 放送局長―ラジオのショー番組、ねえ。モンマルトルの歌手だから、できたことだろうな。 アロマ―アングロサクソン系なのよ。それで、第2次世界大戦中はアメリカとブラジルでラジオ番組を持ち、1200万人の聴取者がいた。 放送局長―要するにナチス・ドイツと電波で戦った人だな。日本で無名なのは不思議でも何でもないな。 特派員―そういうのはよくあることです。 ☆ アロマ―あたしがジャン・サブロンを立派な人だな、と思うのは、ジプシーのギタリスト、ジャンゴ(Django Reinhardt)の才能を見つけたりヴァイオリンのグラッペリ(Stéphane Grappelli)を高く評価した点ね。 放送局長―なるほど。フランス・ホット・クラブは本当に独創的ないいジャズをやるよ、な。 特派員―ぼくはそこで日本の音楽業界と放送界のひどさを責めたいですね。ジャン・サブロンの名前をつけた並木道や通りがパリとセーヌ河上流の故郷ノジャン・シュル・マルヌ、そして映画祭で有名なカンヌにある。 放送局長―立派な人なんだよ、な。 アロマ―フランスでは〈ミスター・スウィング〉と呼ばれていた。 放送局長―なるほどね。フランス・ホット・クラブとの共通点は、何かと言うと、スウィング・ジャズなんだ。19世紀的な古めかしさが全然ない。生き生きして新鮮そのもの。国際交流の音楽。アメリカのビッグ・バンドに影響を与えたんじゃないか? アロマ―それは分からないけど、あのビング・クロスビー(Bing Crosby)は彼のレコードをすべて持っていたそうよ。 放送局長―アメリカで最初にマイクで歌った歌手だな。風格がある。それをまねて流行歌手になったのがフランク・シナトラ(Frank Sinatra)だよ。 アロマ―じゃあ、2014年新年の最初の歌を聞いて。ジャン・サブロンが1937年コロンビア・レコードに吹き込んだ2枚目のアルバムから、〈Vous
qui passez sans me voir 私を見ないで通りすぎるあなた〉 ☆ ☆ ☆
A Vous qui passez sans me voir ; Jean Sablon ▼ List
10 はせ川食堂 ;
Half and Halfの過去・現在・未来 C |