ボアアップキットの取り付け


< 能書き >

パワーを上げるメニューは星の数ほどありますが、
排気量と言う絶対的な条件がある限り
搾り出せる出力にも限界があります。

絶対的なパワーとトルク。
この二つの力を底上げするには
排気量を増やす他ありません。

ついに9640のアドレスも、この禁断の領域に
足を踏み込もうとしています。

「羊の皮を被ったオオカミ」のリーサルウェポン
コレでプロジェクトの答えが見つかるのでしょうか・・・・。


< 目 的 >

もはや、逃げも隠れも致しません!(意味不明)

排気量の増量による、エンジン出力の向上を狙います。


< メニュー >


その@ 〜ピストン加工編〜

そのA 〜シリンダー加工編〜

そのB 〜エンジン脱着編〜

そのC 〜シリンダー取り外し編〜

そのD 〜KIT取り付け⇒完成〜


< チョイス >

     <  チョイス  >

今回、私がチョイスしたのはコレ。
キ●コ社製スーパーボアアップキット。
装着により、排気量は1●3.2ccになります。

しかし折角組むのですから、そのままでは勿体無い。
まさにアドの心臓部。妥協は致しません。
各部綿密にチューンアップしてから組もうと思います。



< 内 容 >

    <ピストン加工 1>

まずはピストンの加工です。
このキットはリング一本です。
徹底的にフリクションロスを低減する気でいます。

そんなことはさておき、ピストンリングの溝。
写真はEX側から見たピストンですが、
EX側にあたる溝の角を約90°の範囲に渡り
オイルストーンで少し面取りします。
ピストンとピストンリングの固着を防ぐ為です。


    <ピストン加工 2>

ピストンの右側にある棒のような物、コレがオイルストーンです。
油砥石とも言います。

    <ピストン加工 3>

本来は工業用油を使うのですが、
手持ちが無かったのでクレ556で代用します。
ピストン、オイルストーン共に556を塗りまくります。

    <ピストン加工 4>

そしてこの様に角を使いピストンのリング溝の
角の面取りを行います。
範囲はEX側を中心に約90°くらいを大きめに面取り
(高さ0.3mmくらい)
一周にわたり軽く面取りをします。

    <ピストン加工 5>

面取り後のリング溝です。

    <ピストン加工 6>

次にピストントップの処理です。
このままでも問題ないと思いますが、
カーボンの付着の低減と付着したカーボンを
除去し易くするため、耐水ペーパー+コンパウンド
で磨き上げます。

    <ピストン加工 7>

磨き処理後です。

    <ピストン加工 8>

ピストン側面の加工部の角もバリが立っているので
オイルストーンでバリ落とし+軽い面取りをしておきます。

    <ピストン加工 9>

ピンクリップ溝の突端などのバリは
カッターの歯の背などを使いバリをナメておきます。
この様な細かい作業がトラブル低減に繋がります。

    <ピストン加工10>

更にトラブル低減にピストン側面への加工です。
写真は、ピストンの排気側です。
この側面に穴を開けます。

    <ピストン加工11>

黄色○部分は貫通、青○部分はザグリだけです。
サイズは直径1.1mm。
コレはOIL貯まりとして効果があり、
高温になる排気側の潤滑性の向上と
温度の上昇を微量ですが下げることが出来ます。

    <ピストン加工12>

拡大するとこんな感じです。

    < 他のピストン >

ちなみに余談ですが、コレは、HONDA CIVIC TYPE-R 
のピストン。
最近の高出力、高回転エンジンのピストンには、
必ずと言って良いほど
このようなOIL循環用のホールが開いています。


     <リング加工 1>

シリンダーにピストンリングを入れて見ました。
隙間は0.2mmくらいです。

     <リング加工 2>

ピストンリングの内側もオイルストーンで
軽くバリ取りしておきます。

コレもピストンとリングの固着を防ぐためです。

     <リング加工 3>

ピストンリングを端からゆっくりピストンにはめて行きます。
緊張の作業です。無理にねじ込んだりするとリングが
折れてしまうので気をつけて下さい。